プラバース
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| プラバース Prabhas | |
|---|---|
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『サーホー』のプレリリース・イベントに出席するプラバース | |
| 本名 | ウッパラパーティ・ヴェンカタ・スーリヤナーラーヤナ・プラバース・ラージュ(Uppalapati Venkata Suryanarayana Prabhas Raju[1][2]) |
| 生年月日 | 1979年10月23日(46歳) |
| 出生地 |
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| 職業 | 俳優 |
| ジャンル | テルグ語映画 |
| 活動期間 | 2002年-現在 |
| 著名な家族 |
ウッパラパーティ・スーリヤ・ナーラーヤナ・ラージュ(父) クリシュナム・ラージュ(伯父) |
| 主な作品 | |
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『雨が見つけた君』 『チャトラパティ』 『ミスター・パーフェクト』 『MIRCHI/ミルチ』 『バーフバリシリーズ』 『サーホー』 『SALAAR/サラール』 『カルキ 2898-AD』 | |
プラバース(Prabhas、1979年10月23日[3] - )は、インドのテルグ語映画で活動する俳優[4]。インドで最も出演料が高額な俳優の一人であり、『フォーブス・インディア』の「セレブリティ100」に何度も選出されている[5][6][7][8][9][10]。「レベル・スター(Rebel Star)」の通称で知られ、これまでにナンディ賞 主演男優賞や南インド国際映画賞 テルグ語映画部門主演男優賞を受賞している[11][12]。
2002年に『Eeswar』でデビューし、2004年に出演した『雨が見つけた君』で人気俳優の地位を確立した。その後もヒット作に出演し続け、インド映画史の興行記録を塗り替えた『バーフバリシリーズ』で汎インド俳優としてインド全域での知名度を獲得し、海外市場でも高い評価を得るようになった[17]。彼は主演作で興行収入100億ルピーを記録した最初のインド俳優であり、その後も『サーホー』『SALAAR/サラール』『カルキ 2898-AD』などのヒット作で興行記録を更新し続けている[18][19]。また、2017年には南インド俳優として初めてマダム・タッソー館に蝋人形が設置された[20]。
1979年10月23日、タミル・ナードゥ州マドラスに暮らす映画プロデューサーのウッパラパーティ・スーリヤ・ナーラーヤナ・ラージュの第3子として生まれる。彼の生家はアーンドラ・プラデーシュ州西ゴーダーヴァリ県ビーマヴァラム近郊のモーガルトゥル出身である[21]。プラバースには兄と姉がおり[3][22][23]、伯父のクリシュナム・ラージュは俳優・政治家として知られている[3]。
成長後はマドラスのドン・ボスコ中等学校、ビーマヴァラムのDNR高等学校で教育を受けた後[24]、ハイデラバードのナーランダ・カレッジを経て[25][24]、同地のシュリー・チャイタニヤ・カレッジで工学の学位を取得した[26]。その後、ヴィシャーカパトナムのサティヤナンド映画学校に進学している[27]。プラバースは内気な性格だったため家族には俳優になる意思がないことを伝えており、当初はホテル業界でビジネスを始めようと考えていた[28]。しかし、バープが監督を務めた叔父の出演映画を観たことで心境が徐々に変化していき、俳優になることを考えるようになったという[28]。
キャリア
2002年 - 2014年

2002年に『Eeswar』で俳優デビューし、2003年には『Raghavendra』に出演している。『Raghavendra』の評価は混合的なものだったが、プラバースの演技は高く評価されており、『Idlebrain.com』は「プラバースの演技は実に素晴らしく、この映画に一見の価値を与えている。彼は未来のスーパースターであり、そんな彼に必要なのは、適切な監督と、適切なブレイクである」と批評している[29]。2004年に出演した『雨が見つけた君』はブロックバスターを記録し[30]、プラバースもフィルムフェア賞 テルグ語映画部門主演男優賞にノミネートされるなど高い評価を得ており、同作の成功により人気俳優の地位を確立した[31]。2004年に『Adavi Ramudu』に出演したものの批評家からは酷評され、2005年に出演した『Chakram』も混合的な評価となっている[32]。続いてS・S・ラージャマウリの『チャトラパティ』で主演を務め、同作は54の劇場で上映日数が100日近を越えるヒット作となり[33]、『Idlebrain.com』は彼の演技について「スクリーンの中で独特のスタイルと男らしい魅力を放っている」と批評している[34]。また、同作でフィルムフェア賞テルグ語映画部門主演男優賞にノミネートされている。2007年は『Yogi』『Munna』に出演したが、どちらも批評家から酷評されている。その後、2008年にプリ・ジャガンナードの『Bujjigadu』で興行的な成功を収め、批評家からも演技を絶賛された[35]。2009年に出演した『Billa』でも興行的な成功を収め[36]、『Ek Niranjan』ではフィルムフェア賞テルグ語映画部門主演男優賞にノミネートされている。
2010年に出演した『Darling』では批評家から演技を絶賛され[37]、2011年に出演した『ミスター・パーフェクト』はブロックバスターを記録するヒット作となり、批評家からも高い評価を得ている[38]。また、プラバースもフィルムフェア賞テルグ語映画部門主演男優賞にノミネートされるなど、高い評価を得ている。2012年は『Rebel』に出演したが、興行成績は振るわなかった。批評家からはキャストの演技やアクションシーンが高く評価されたものの、プロットについては酷評されており、『ザ・タイムズ・オブ・インディア』とニューデリー・テレビジョンは「この映画は大衆向けの娯楽を提供してくれるのと同時に、熱狂的なプラバースのファンの期待にも応えてくれるだろう」と批評している[39][40]。また、同年は『Denikaina Ready』でボイスオーバーとしてカメオ出演している[41]。2013年は『MIRCHI/ミルチ』に出演してブロックバスターを記録し、テルグ語映画年間興行成績第4位にランクインしている[42]。プラバースの演技について、ニューデリー・テレビジョンは「優れた演出と主演俳優の力強い演技を除けば、『MIRCHI/ミルチ』は物語の力が不足した作品であり、古い映画を何本か寄せ集めただけの内容だ」と批評し[43]、一方で『Idlebrain.com』は「『MIRCHI/ミルチ』は商業的なヒットを狙って作られた映画だ。プラバースは『MIRCHI/ミルチ』で観客を満足させ、監督も悪くない仕事をしている。全体として、『MIRCHI/ミルチ』は大衆向け娯楽作品に必要な要素をすべて備えた作品だ」と批評している[44]。2014年にはヒンディー語映画『Action Jackson』の挿入曲「Punjabi Mast」にカメオ出演している[45]。
2015年 - 2017年
2015年にS・S・ラージャマウリの『バーフバリ 伝説誕生』で主人公シヴドゥ(マヘンドラ・バーフバリ)とアマレンドラ・バーフバリの二役を演じた。同作は18億ルピーという巨額の製作費が投じられ[46]、興行収入60億ルピーを記録するヒット作となり、当時のインド映画歴代興行成績第2位にランクインしている[47][48][49]。この成功により、インド映画では「汎インド映画」という新たなジャンルが生まれた。2017年には続編『バーフバリ 王の凱旋』に引き続き出演し、前作を上回る25億ルピーの製作費が投じられた[50]。同作はインド映画として初めて興行収入が100億ルピーを超えた作品となり、同時に公開初日に興行収入10億ルピーを記録した初の作品となり、当時のインド映画の興行記録を塗り替えた[51][52][53]。
両作の製作には5年の歳月が費やされ、プラバースは撮影期間中ほかの作品への出演をすべて辞退していた。ラージャマウリはバーフバリのキャスティングについて、最初に思い浮かんだのが『チャトラパティ』以来友好関係にあったプラバースであり、「彼以外には考えられませんでしたし、実際完璧に演じてくれました」と語っている[54]。また、プラバースは『バーフバリシリーズ』への参加について、「この企画に参加するには、一定の献身が必要だったんだ」と語っており[55][56]、2017年には「ラージャマウリのためなら、僕は『バーフバリシリーズ』に4年以上の歳月を費やしても構わなかったんだ。彼の企画のために7年間を捧げる覚悟をしていたよ」とも語っている[57]。プラバースは二役を演じるための役作りを行い、シヴドゥ役を演じる際には体重を86-88キログラムに減量し、体脂肪率を5-6パーセントまで落としている。一方、バーフバリ役を演じる際には体重を105キログラムに増量し、体脂肪率を8-10パーセントに上げている[58][59]。彼は両作の演技でフィルムフェア賞テルグ語映画部門主演男優賞にノミネートされ、南インドのみならずインド全域での知名度を獲得した最初の「汎インド俳優」となった[60][61]。
また、『バーフバリ 伝説誕生』のクリフハンガーとして知られる「何故カッタッパはバーフバリを殺したのか(Why Kattappa killed Baahubali? = WKKB)」というフレーズはインド全域で話題を集め、『バーフバリ 王の凱旋』公開までの2年間観客の関心を維持し続けた[62][63]。さらに『バーフバリ 王の凱旋』は批評家から絶賛され、海外の批評家kらも高い評価を得ている。『ガーディアン』は「驚愕するべき超大作であり、軽快なアクションと心のこもった物語が見事に融合した圧倒的なスペクタクル作品」、『RogerEbert.com』は「私がスーパーヒーロー映画や大予算のファンタジー映画から、望んでも得られないもののすべてが詰まっていた。この映画からは、魂の抜けた製作委員会が作り出した娯楽作品と感じられる要素は一つもなかった。彼が演じたマヘンドラとアマレンドラの二役が、彼を地域映画の俳優からインド全域のスターへと変貌させたのだ」とそれぞれ批評している[64][65][66]。
2018年 - 2023年
『バーフバリシリーズ』の成功以降、プラバースの次回作に対する大衆の期待は大きくなり、同時に彼自身に対する商業的プレッシャーも生み出した。これ以降、プラバースの出演作はテルグ語圏のみを対象とした作品から、インド全域での展開を想定した大予算・多言語対応のイベント映画にシフトした[67]。キャリア戦略の変更後に出演した『サーホー』では公開初日に興行収入13億ルピーを記録しており、最終的な興行収入は40億ルピーを超えている[68]。これは、テルグ語版の興行成績は振るわなかったものの、ヒンディー語版の興行成績が好調だったためである[69][70]。これ以降、プラバースのスター性を背景に大規模プロジェクトの製作費を確保する「スター経済形式」が彼のキャリアとして特徴付けられるようになった[71]。
2022年には恋愛映画『Radhe Shyam』に出演したが、批評家からは酷評され、興行的にもボックスオフィス・ボムとなっている[72][73][74]。批評家からは物語の進行の遅さ、迫力に欠ける楽曲、表面的な恋愛描写が批判の的となり[75]、プラバースの演技についても「彼のヒンディー語の台詞回しはぎこちなく感じる」と酷評されている。同作の興行的失敗はプラバースの汎インド俳優としてのイメージを大きく損なう結果となった。この結果について、『ヒンドゥスタン・タイムズ』は「ヒンディー語圏ではアクション映画(『サーホー』)については広く受け入れられたものの、潤沢な予算を投じた恋愛映画については観客の心をつかむことはできなかった。どうやら『バーフバリシリーズ』以降の彼のスター性は、アクション・スペクタクル作品に強く結びついているようだ」と指摘しており、プラバースはこの失敗について「コロナウイルスの影響かも知れないし、あるいは脚本で何かを見落としていたのかも知れません」と振り返っている[76]。
2023年は『ラーマーヤナ』を題材とした神話アクション映画『Adipurush』でラーマを演じたが[77]、批評家や観客からの反応は芳しくなく、興行成績も不調に終わり、プラバース主演作としては2作連続の失敗作となった[78]。同作はプラバースの知名度と神話的キャラクターへの回帰が話題を集め、公開初週の興行成績は好調だったものの、内容の酷評と共に観客動員数は落ち込み、週明けの月曜日までに興行成績は急落した[79]。同年12月にはプラシャーント・ニールの『SALAAR/サラール』で主演を務め、観客にアクション大作への復帰を強く印象付けた。同作は観客から好評を博し、公開初日の興行収入は17億6000万ルピーを記録した[80]。最終的な興行収入は70億ルピーを超え、興行不振が続いていたプラバースの汎インド俳優としてのブランドイメージ回復に大きく貢献した[81]。また、批評家からは混乱を招く脚本や血生臭い描写の多用を批判されたものの、「プラバースのアクション復帰作」として称賛されている[82]。
2024年 - 現在
2024年はナーグ・アシュウィンの『カルキ 2898-AD』に出演した[83][84]。同作は60億ルピーという巨額の製作費が投じられ、公開初日の興行収入は19億ルピーを記録した[85][86]。このオープニング成績について、『コリダー』のラーフル・マルホートラーは「プラバースを同世代を代表するスターの地位を確立した」と批評している[85]。最終的な興行収入は110億ルピーを記録し、プラバース主演作として2作目の1000カロール・クラブ入りを果たしたほか[87][88]、インド映画年間興行成績第2位、テルグ語映画歴代興行成績第4位にランクインしている。また、国内外の批評家からも高い評価を得ており、視覚効果やキャストの演技は絶賛された一方で、脚本については批判された[89][90]。
2025年は『Kannappa』にカメオ出演してルドラを演じ[91][92][93]、同年10月には『バーフバリシリーズ』10周年記念作品として再編集版『バーフバリ エピック 4K』が公開され[94][95][96][97]、再公開作品として歴代最高の公開初日興行収入を記録している[98]。2026年はホラーコメディ映画『The RajaSaab』に出演し、近年のアクション主体の映画からロマンス/コメディ映画への回帰を印象付けたものの[99][100]、批評家や観客からの評価は芳しくなく、興行的にも失敗している[101][102]。
慈善活動
プラバースはクリーン・インディア政策を積極的に支持しており、インド首相ナレンドラ・モディのキャンペーンにも参加している[103]。2020年にはCOVID-19パンデミック対策のために4000万ルピーの寄付を表明し、3000万ルピーを首相国民救済基金に、アーンドラ・プラデーシュ州とテランガーナ州の州首相救済基金に各500万ルピー寄付している[104]。また、同年にはハイデラバード近郊のカージパリー保護林1650エーカーを買い取り、2010年に死別した父の名義でエコパーク開発資金として2000万ルピーを寄付した[105]。このほか、ハイデラバード・サドゥラーム眼科病院のライオンズ・クラブに80万ルピーを寄付している[106]。
2021年にアーンドラ・プラデーシュ州の各地で発生した豪雨の被災者を支援するため、州首相救済基金に1000万ルピーを寄付しており[107]、2023年にはバードラチャラムのシュリー・シーター・ラーマチャンドラ・スワーミー寺院に100万ルピーを寄付している[108]。また、2024年には映画スタッフの福利厚生のためにテルグ映画監督協会に350万ルピーを寄付し[109]、同年7月にケララ州ワヤナードで発生した土砂崩れの被災者支援のため州首相救済基金に2000万ルピーを寄付している[110][111]。このほか、同年10月にアーンドラ・プラデーシュ州とテランガーナ州で発生した洪水被害の被災者支援のため、それぞれの州首相救済基金に1000万ルピーずつ寄付している[112]。
フィルモグラフィー
映画
| 年 | 作品 | 役名 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 2002 | Eeswar | イーシュワル | |
| 2003 | Raghavendra | ラーガヴァ | |
| 2004 | 雨が見つけた君 | ヴェンカト | |
| Adavi Ramudu | ラームドゥ | ||
| 2005 | Chakram | チャクラム | |
| チャトラパティ | シヴァージ / チャトラパティ | ||
| 2006 | Pournami | シヴァケーシャヴァ・ナーイドゥ | |
| 2007 | Yogi | イーシュワル・プラサード / ヨーギ | |
| Munna | マヘーシュ・クマール(ムンナー) | ||
| 2008 | Bujjigadu | ブッジ | |
| 2009 | Billa | ビッラ、ラーンガ | |
| Ek Niranjan | チョートゥ | ||
| 2010 | Darling | プラバース(プラバ) | |
| 2011 | ミスター・パーフェクト | ヴィッキー | |
| 2012 | Rebel | リシ / レベル | |
| Denikaina Ready | 本人役 | ボイスオーバー | |
| 2013 | MIRCHI/ミルチ | ジャイ | |
| 2014 | Action Jackson | 本人役 | ヒンディー語映画 「Punjabi Mast」歌曲シーンにカメオ出演 |
| 2015 | バーフバリ 伝説誕生 | アマレンドラ・バーフバリ、マヘンドラ・バーフバリ(シヴドゥ) | 多言語映画(テルグ語、タミル語) |
| 2017 | バーフバリ 王の凱旋 | ||
| 2019 | サーホー | アショーク・チャクラヴァルティ / シッダーント・ナンダン・サーホー | 多言語映画(テルグ語、ヒンディー語) |
| 2022 | Radhe Shyam | ヴィクラマーディティヤ | |
| 2023 | Adipurush | ラーガヴァ | |
| SALAAR/サラール | デーヴァ | ||
| 2024 | カルキ 2898-AD | バイラヴァ / カルナ | |
| 2025 | Kannappa | ルドラ | カメオ出演 |
| Mirai 運命の戦士 | ナレーター | ボイスオーバー | |
| バーフバリ エピック 4K | アマレンドラ・バーフバリ、マヘンドラ・バーフバリ(シヴドゥ) | 『バーフバリ 伝説誕生』『バーフバリ 王の凱旋』の再編集版 | |
| 2026 | The RajaSaab | ラージュ(ラージュ・サーブ) |
ウェブシリーズ
| 年 | 作品 | 役名 | 配信 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 2024 | ブッジ&バイラヴァ | バイラヴァ | Amazon Prime Video | 声優出演[113] |
| モダン・マスターズ:S・S・ラージャマウリ | 本人 | Netflix | ドキュメンタリー[114] | |
ミュージックビデオ
| 年 | 楽曲 | 歌手 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 2022 | "Har Ghar Tiranga" | デーヴィ・シュリー・プラサード[115] | |
| 2024 | "Bhairava Anthem" | ディルジット・ドサンジ | 『カルキ 2898-AD』の挿入曲[116] |


