プラホック
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製法
原料には体長10 - 15cm以下のコイ科の魚、特にケンヒー属の「トレイリール」(Cirrhinus jullieni)やシンニクシス属の「トレイレン」(Thynnichthys thynnoides)などが用いられる[4]。雨季にトンレサップ湖周辺は浸水林となり、ここで魚類は産卵する[5]。11月から減水期に入ると陰暦6 - 14日に集中して魚類が湖や川に戻るため、12月から3月のこの移動期にダイ(day)という大規模な定置網を設置して原料魚を採る[5]。
魚はまず頭部を切り落とし、竹製のざるに入れて足で踏み、その圧力で鱗や内臓を取り除く[6]。大量に処理する場合は、棒状のへらを回転させる機械を使って内臓を処理する[6]。また、頭部は鉄製の大鍋で煮て魚油を作る[6]。魚体はざるに入れて川の流れに置き2 - 3日かけて洗浄した後、網に載せて半日ほど天日で乾燥させる[6]。これを広口の大ビンに入れ、魚と塩の重量比が5:1 - 4:1となるよう食塩水を注ぐ[6]。ハエの産卵やボウフラの発生を防ぐため、食塩水はビンの口近くまで入れ、2 - 3ヶ月以上かけて発酵および熟成させるとプラホックが完成する[6]。
シェムリアップなどにおける生産では、頭部や内臓を取り除いた魚を仕入れてトラックで工場に搬入し、水洗する[3]。コンクリート製の床の上で魚に対して重量比で20%の塩を散布し、なじんだらタンクに移して3日ほど漬けこむ[3]。外見、匂いとも元の魚に近いこの状態で市販され、購入者は細かくすり潰して砂糖や唐辛子、ニンニク、ハーブなどを加えて壺に入れ、半年から1年ほど熟成させて各家庭ごとの味付けのプラホックを作る[3]。なお、1980年代の報告では壺ではなく素焼きの甕に入れ、屋外で日中は蓋を開けて天日にさらし、1ヶ月ほどで完成させていた[4]。この際に壺の表面に浸出する液体は魚醤となり、トゥック・トレイ(ទឹកត្រី)と呼ばれる[4]。
この他にプラホック・ユン(prahok youn, ベトナム人のプラホック)と呼ばれる安価な製品もある[4]。頭部を取り除いた魚を1晩食塩水に漬け、天日で2日間乾燥させ、重量比で15%ほどの塩を加えて甕で10日間ほど発酵・熟成させて作り、ベトナム人が商業的に生産していた[4]。

