ホンドヒラタクワガタ

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ヒラタクワガタの日本本土亜種(ヒラタクワガタ、Dorcus titanus pilifer[注釈 1])はクワガタムシの一種であるヒラタクワガタ亜種で、日本本土(本州・四国・九州)と周辺の島嶼に分布する。日本離島には他にもヒラタクワガタの亜種が数多く存在し、区別するために「本土ヒラタ」と呼ばれることがある。日本本土で見られるヒラタクワガタの多くは本種である。

近年、外来種離島亜種どうしの交配種が数多く確認され、日本元来のヒラタクワガタへの遺伝子汚染生態系への影響懸念されている[要出典]

成虫の体長は♂18.8 - 77.6mm、♀28.4 - 41.0mm[4]むし社の発行する雑誌『BE-KUWA』が主催するレコードコンテストによれば、野外レコードの最大採取記録は77.6㎜とされる。また飼育レコードではかつて、90mmを超えるヒラタクワガタ本土亜種が記録されていた[4]。しかし、2023年に外国産のヒラタとの交雑と判定され登録が抹消されたうえ、飼育レコードの(本土)ヒラタクワガタ項自体が欠番にされている[5]

太く、平たい大顎を持つヒラタクワガタの中では、比較的細く、そして真っすぐと伸びる大顎が特徴である[1]。大顎の先端部は内側に湾曲している。大顎の第1内歯は基部側1/3の位置にある。第1内歯と先端との間には鋸歯が並ぶが[4]、小柄な個体では鋸歯が無いことも多い[6]頭楯には2つの突起が近接して存在する[1]

九州北部や山口県北西部、隠岐諸島では大顎の大きな個体が採取されることが知られている[1]九州北部や山口県北西部については、ツシマヒラタクワガタに近縁な系統が本土ヒラタクワガタと自然に交雑しており、両系統の個体が混在している地域であることが明らかになっている[7]。(後述)

分布

本州四国九州隠岐島後見島伊豆諸島(大島、利島新島式根島神津島三宅島)、甑島列島大隅諸島種子島屋久島馬毛島口永良部島竹島硫黄島黒島[8]

北限記録は山形県酒田市での採集記録である[4][9]。この庄内平野の個体群は、最も近接する分布域である新潟県北部の平野部から隔絶されている。新潟山形の県境にまたがる葡萄山塊などからもヒラタクワガタの分布が確認されていないことから、流木に乗って漂流してきた個体が江戸時代中期までこの地に広がっていたカシワミズナラ主体の海岸林に定着したと考えられる。この、酒田市個体群は、遅くとも1979年には絶滅状態になっている[10]

系統

本土ヒラタクワガタとして知られる個体は、ミトコンドリアDNAの分子系統解析[注釈 2]で大きく2系統に分けられることが分かっている[7][11]。一つは、台湾南西諸島に分布する各亜種と近縁な系統群で、本土ヒラタクワガタとして知られる個体の殆どはこの系統である。もう一つは、ツシマヒラタクワガタチョウセンヒラタクワガタと近縁な系統であり、九州北部から山口県北西部にかけて分布している[7]

日本列島におけるヒラタクワガタは、氷河期中国大陸から侵入して分布を広げた種である。この時、南西諸島方面からの侵入と、朝鮮半島対馬方面からの侵入が時間を置いて独立してあったと考えられている。現在日本列島で見られるヒラタクワガタの殆どは、台湾方面から侵入した個体の末裔である。一方、九州北部や山口県で見られる個体の一部は、対馬方面からやってきた個体の血を引いていると考えられる[11]

核DNAでの研究[注釈 3]においては、ミトコンドリアDNA対馬系統と分類できる九州の個体も、核DNAではもう片方の本土ヒラタクワガタの系統だと判定される結果が出ている。研究に関わった研究者は、本土ヒラタクワガタの集団と対馬方面から来たヒラタクワガタの集団が接触した後、ミトコンドリアDNAに偏った遺伝子浸透が起きて、遺伝的にハイブリットな集団が誕生したのではないかと考察している[7]

脚注

参考文献

外部リンク

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