ルナタスピス
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| ルナタスピス | |||||||||||||||||||||
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Lunataspis aurora(左下)と Lunataspis borealis(右上)の復元図 | |||||||||||||||||||||
| 地質時代 | |||||||||||||||||||||
| 古生代オルドビス紀サンドビアン期[1] - ヒルナント期[2](約4億6,090万 - 5億4,500万年前) | |||||||||||||||||||||
| 分類 | |||||||||||||||||||||
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| 学名 | |||||||||||||||||||||
| Lunataspis Rudkin, Young & Nowlan, 2008 [1] | |||||||||||||||||||||
| タイプ種 | |||||||||||||||||||||
| Lunataspis aurora Rudkin et al., 2008 [1] | |||||||||||||||||||||
| 種 | |||||||||||||||||||||
ルナタスピス(Lunataspis)は、約4億5,000万年前のオルドビス紀後期に生息した化石カブトガニ類の一属[1][2]。部分的に分節した胴部をもつ[2][3]。既知最古のカブトガニ類の一つで、北アメリカで見つかった3種が知られている[3]。
形態
- ルナタスピスのサイズ推定図
全長が4cm前後、尾節を除いた体長が3cm前後の小型カブトガニ類である。L. aurora は全長約4cm[4]、L. borealis は全長3.7cmで体長約2.4cm[2]、L. gundersoni は全長5.5cmで体長約4.2cm(1.3cmの尾節[3]から逆算)。大まかな特徴は派生的なカブトガニ類に似ているが、後体には派生的なカブトガニ類に見当たらない分節を部分的にもつ[1][2][5]。
背面構造(背甲・背板・尾節)のみ明瞭に記載される。前体の脚や後体の蓋板 (operculum) など、付属肢(関節肢)由来と思われる構造が既知の化石標本で痕跡的に見られるが、詳細は不明[1]。内部構造は L. gundersoni の卵巣が知られている(後述参照)[3]。
前体
先節と第1-6体節の融合でできたとされる前体 (Prosoma) は幅広い背甲 (carapace) に覆われ、縁辺部が分化しており、両後側の棘(頬棘 genal spines)が後ろ向きに曲がり、Lunataspis gundersoni 以外では背甲全体が三日月の形を描く[1]。両背面の眼部隆起線 (opthalmic ridges) は目立たなく、1対の腎臓型の側眼(複眼)があり[6]、その間のやや前方には1対の中眼(単眼)と思われる構造体がある[1][3]。Lunataspis borealis の場合、背甲の後方中央(心域 cardiac lobe)に1個のこぶがある[2]。
後体
後体 (opisthosoma) は前体より小さく、左右が前体の頬棘に囲まれる。前体と融合したと思われる最初の1節(第7体節)を除いて、順に幅広い前腹部 (preabdomen, 中体 mesosoma) と細い後腹部(postabdomen, 終体 metasoma)として明瞭に分化される[1]。前腹部は8節が含まれるが、最初の2節のみ分節し、残り6節は融合して thoracetron をなす[注釈 2]。各体節の背板 (tergite) の境目は中央(軸部 axial region)一連の溝とこぶのみによって表れ、左右の出っ張り(肋部 tergopleura)は滑らかで体節を示す構造はない(幼生のみ肋部の体節の境目が見られる)[2][5][3]。前腹部最終節の境目は thoracetron の分化した縁辺部に連続している[2]。後腹部は細い円柱状で分節した4節を含め、そのうち最後の1節 (pretelson) が特に長い[注釈 3][2][3]。これにより、ルナタスピスの後体は見かけ上12節、前体と融合した最初の1節まで含むと13の節の体節からなるとされる[2]。尾節 (telson) は剣状で三角形の断面をもつ[1][3]。
発育
分類
- ハラフシカブトガニ類は節に分かれたままの後体をもつ
- ルナタスピスの後体は体節がほぼ全て融合していたが、前後数節は分節したままである。
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| Lamsdell et al. 2025 に基づいたルナタスピスの系統位置[3] |
幅広い背甲・融合した体節をもつ後体など、ルナタスピスの多くの形質は派生的なカブトガニ類(カブトガニ亜目 Xiphosurida)に似ているが、派生的なカブトガニ類は後体全ての体節が癒合して1枚の thoracetron を構成するのに対して、ルナタスピスのそれが完全でなく、最初2節と最終4節は基盤的なカブトガニ類を含むハラフシカブトガニ類(synziphosurine)のように分節していた[1]。この中間的な性質により、ルナタスピスは Kasibelinurus などと共に、ハラフシカブトガニ類より派生的なカブトガニ類に近縁とされるが、その完全に融合した後体を進化する前の基部系統から分岐した基盤的な種類であると考えられる[7][8][9][10][11][12][13][5]。
ルナタスピスは一時期では Kasibelinurus などと共に Kasibelinuridae科に含まれたが[14]、この分類体制だと本科はカブトガニ亜目以外の狭義のカブトガニ類をまとめた側系統群となる[10][14]。2020年代では、ルナタスピスは本科から除外されている[15][5][3]。また、本属に類似する属として Ciurcalimulus が知られるが、そちらは発達した心域と特化した縁部を欠く後体で本属と区別される[16]。
ルナタスピス(ルナタスピス属 Lunataspis)は北アメリカのオルドビス紀後期の堆積累層から発見され、次の種が知られている[3]。3種の中で L. borealis は最も基盤的で、L. aurora と L. gundersoni は姉妹群とされる[3]。
- Lunataspis aurora Rudkin et al., 2008 [1]
- Lunataspis borealis Lamsdell et al., 2022 [2]
- 側眼は中間に配置され、心域に1個のこぶがある。カナダのオンタリオ州の Gull River Formation(サンドビアン期、約4億6,090万 - 4億4,900万年前[17])から発見される[2]。
- Lunataspis gundersoni Lamsdell et al., 2025 [3]
- 背甲の前半部が大きく伸長し、背甲全体が洋梨状になっている。頬棘はより内側に強く湾曲し、後腹部第2-3節は左右に小さな突起がある。アメリカのミシガン州の Big Hill Formation(ヒルナント期、約4億4,500万年前)から発見される[3]。