ロッキード・フラットベッド
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従来型の貨物機は一般に、貨物室の容量を使い切る前に重量制限に達する(「マスアウト」)傾向があり、その結果、内部に空間を残したまま飛行することが多い。この場合、実際には必要以上に大きな胴体を運ぶこととなり、余分な重量と空気抵抗を生じて性能を低下させる。それにもかかわらず、まれに発生するかさばる貨物に対応するため、貨物室は過大なサイズを備える必要がある。ロッキード社の特許文書には次のように記されている。
歴史的に、輸送機は貨物、旅客、あるいは特大型貨物のいずれかを運搬する目的に特化して設計されてきた。軍用輸送機であるC-130やC-141は、貨物や一部の車両を輸送できるものの、戦車や橋梁架設車といった特大型貨物を運ぶことはできない。C-5-Aはが定義するすべての特大型貨物および大型商用車両を輸送可能である。その後に開発された一部の軍用輸送機は、一定の特大型車両や装備を搭載できるようになったが、そのような特大型貨物を実際に輸送する機会は限られており、そのためだけに大型胴体を抱えて飛行するという代償を伴う。このことから、理想的な輸送機は、単一の共通機体を用いて旅客、貨物、特大型装備のすべてを輸送できるよう設計された機体であると考えられている。
フラットベッド構想は、輸送機が直面するもっとも一般的な問題である**重量制限(マスアウト)**を主眼に設計することで、従来型輸送機の課題を回避しようとするものであった。この役割に必要なのは旅客機程度の胴体規模にすぎない。特大型貨物を輸送する場合には、貨物室を取り外し、貨物を機体後部に露出した状態で直接鎖で固定する方式が想定されていた。空気抵抗による性能低下は大きいものの、通常運航ではより適切な胴体サイズを用いることで、それ以上の利点を得られるとされた。
フラットベッド構想に沿って、機体は地上高を低く設計されていた。トラックが直接機体後部まで接近し、荷を押し込むことができるよう想定されていたのである。機体後部の「ベッド」は、主荷重を支える平行配置のI形鋼を骨格とし、その上面に金属板を敷いて歩行可能な平面を形成していた。多くの貨物機と同様に、床面には小孔を通してローラーをせり上げる仕組みが設けられ、パレット積み貨物をフォークリフトを用いずに転がして積み下ろしできるよう設計されていた。
従来型の貨物機では、地上から吊り下げられたエンジンをできるだけ離すため、主翼は高翼配置とされることが多い。これにより、未舗装滑走路や砂利滑走路での運用時に異物吸入(FOD)を防ぐことができる。この構成では、胴体は主翼の桁から吊り下げられる形で支持される。しかしフラットベッドでは、貨物が機体上面に搭載されるため、この方式は適さなかった。そのためロッキードは、旅客機に類似した低翼配置を採用した。FODを回避するため、エンジンは主翼上方のパイロンに設置され、現代的な対称翼平面形においては空力的にほぼ同等の性能が得られるとされた。
多くの貨物機では、貨物室後端部を開放してトラックが接近できるよう、T字尾翼が採用されることが一般的である。この構成では尾翼を胴体上部に高く取り付ける必要があるが、フラットベッドでは翼と同様、この方式は適さなかった。代わりに、貨物搭載部より前方から左右に張り出す大型V字尾翼が採用され、方向舵は荷台の両側に配置された。さらに、前部のコックピット区画は右側に回転できるよう設計されており、前後両端から同時に積み下ろしが可能とされていた。機体はロッキード L-1011 トライスターと多くの設計要素を共有しており、特に操縦室や機首構造、全体の規模とレイアウトに共通点が見られる。
特許出願には、戦車2両(現代型ではなく、M4シャーマン戦車に近い形状)を搭載した例が示されているほか、概念図ではトラックに積まれたパレット貨物を同様の方法で搭載する様子も公開されている。これらの場合、コックピット後方には小型の空力フェアリングが設置され、その後端は平らになっており、一種の「ポッド」として機能する。通常は、貨物はコックピットから尾部まで延びる貨物用フェアリングの下に搭載され、比較的従来型の貨物機に近い外観となるが、C-5ギャラクシーのような従来型貨物機と比べるとやや細長い設計である。さらに、貨物フェアリングと同サイズの旅客搭載モジュールも提案されており、これらのモジュールは特別なトラックを使って、機体から前方に滑らせる形で一括して積み下ろしできる構造になっていた。
参考文献
- US 4379533, "Transport Airplane", issued April 12, 1983
- “Flatbed – A Unique and Versatile Transport Airplane”. SAE. (1980年9月1日). http://www.sae.org/technical/papers/801064