上古音
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概要
上古音と中古音の境界がいつ頃になるのかについては諸説あるが、詩経の押韻に見られる音韻体系を基本としていることから詩経音系と呼ばれる。
資料となる文献が少なく、さまざまな類推法を用いて復元作業がなされている。基本となる資料は『詩経』を中心とした韻文の押韻字であり、また漢字の形声文字における音符も重要な手がかりである。その他、漢代の古典注釈学である訓詁学の書物において音に言及していることがあり、例えば「○読若●」(○は●のように読む)といった同音または近似音を表している。また「徳は得なり」といった声訓と呼ばれる近似音による字義注釈も参考になる。また出土文献と伝来文献の文字の異同を調べることも有益である。
韻母
声母
上古音の声母の研究は押韻といった資料に頼ることができないため非常に困難が伴う。その研究も比較的遅く清の銭大昕によって始められた。
無軽唇音説
→詳細は「古無軽唇音」を参照
無舌上音説
→詳細は「古無舌上音」を参照
また銭大昕『十駕斎養新録』に「古え舌頭・舌上の分無く、知徹澄の三母は…これを古音に求むれば、則ち端透定と異なるなし」とあり、中古音の舌上音「知徹澄」は上古音の「端透定」から分化したものという説を唱えている。
娘日帰泥説
→詳細は「娘日帰泥」を参照
有重子音説
カールグレンは『分析字典』(1925年)においてkl・glという二重子音があったという説を唱え、後の『漢文典』(grammata serica、1940年)ではさらに19種の重子音を想定している。王力などはこれを否定している。