仙巌園駅
鹿児島県鹿児島市吉野町にある九州旅客鉄道の駅
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歴史
2017年(平成29年)に日豊本線竜ケ水駅から鹿児島駅の間にある仙巌園付近に仮称「磯駅」の設置を検討する鹿児島市の協議会が設置された[4]。駅の設置目的としては交通手段に乏しい観光拠点である磯地区への交通手段の改善が挙げられており、経済効果は57億円との試算がなされた[5]。2018年(平成30年)11月28日に鹿児島市の協議会により新駅は設置可能との方針が示された[4]。2019年(平成31年・令和元年)に経済団体を中心とした「磯新駅設置推進協議会」が設立され[6]、同年12月には磯新駅設置推進協議会が鹿児島県知事に対して新駅設置要望書を提出した[7]。
2020年4月には新駅設置の事業主体として鹿児島経済同友会などの経済団体、鹿児島県、鹿児島市が参加する「磯新駅設置協議会」が設置された。施設整備費は主に民間が負担し、鹿児島県、鹿児島市も一部を負担する計画となった[8][9]。2021年(令和3年)3月31日付で磯新駅設置協議会とJR九州の間で覚書が交換された[1]。駅前広場と周辺道路を含む総整備費は約12億3,000万円を見込み、国(国庫補助を含む)が4億4,000万円、鹿児島市と鹿児島県がそれぞれ2億7,500万円、島津興業(仙巌園の運営会社)が2億4,000万円を負担する[10]。駅単体での整備費は約4億円で、島津興業が2億4,000万円、市が7,500万円、県が8,500万円を負担する[10]。駅前広場と鹿児島市道改良の総整備費は約2億6,000万円(国庫補助を含む)、国道10号の総整備費は約5億6,000万円で国が3億7,000万円、県が1億9,000万円を負担する[10]。なお、JR九州は負担しない[10]。
磯新駅設置協議会は2023年(令和5年)10月に駅名の公募を実施し[11]、駅名候補の中から「仙巌園前」、「磯仙巌園」、「仙巌園」の3案について2月1日にJR九州へ駅名案として提出した[12][13]。2024年(令和6年)3月26日に駅の名称を「仙巌園駅」とすることが決定され[2]、翌27日に発表された[3]。JR九州社長の古宮洋二は記者会見において「仙巌園が一番シンプルで、来る人にとってわかりやすい」と選定理由を述べた[14]。
開業しておよそ1年を経過した段階では、JR九州鹿児島支社は事前の想定を上回る利用状況としている。駅の近くにある磯海水浴場は夏の利用者が前年度の1.5倍となった。また周辺の店舗等の売り上げも増大し、地区における人の流れが年間を通して増えたとされている。一方で懸念されていた周辺の渋滞の悪化については、実測による調査はされていないが、国道事務所では状況が悪化したとの意見は聞いていないとしている[15]。
年表
駅構造
利用状況
建築制限

仙巌園駅建設予定地は、文化財保護法での名勝である仙巌園と借景としての錦江湾および桜島の間に立地する景観保全地であり、世界遺産「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の緩衝地帯(バッファゾーン)としての開発規制区域でもあることから、駅舎の外観デザインや配色については厳しく制限される。そのため完成予想図を文化庁やユネスコ世界遺産センターおよび世界遺産委員会へ提出し、承諾を得る必要がある。また、駅建設予定地は集成館に伴う周知の埋蔵文化財包蔵地であり、2022年に遺構の存在を確認する試掘調査を実施したところ、石造倉庫の地盤となる人工的に地固めした痕跡を検出したことから、駅建設に際しては地中の埋蔵文化財を傷めない基礎工事を行わなくてはならない[20]。
バス路線

最寄りのバス停留所は、国道10号上にある鹿児島交通・南国交通の仙巌園前と、仙巌園の正門前にある鹿児島市交通局(カゴシマシティビュー)の仙巌園(磯庭園)前である。
仙巌園前停留所の鹿児島中央駅方面のりばは、当駅の整備に伴い路肩から駅用地内に入り込むバスベイ(バス寄せ)が用意されたものの、バス停標識(ポール)の移設について、南国交通は同意する一方で鹿児島交通が渋滞対策の不備を理由に反発、鹿児島県バス協会を通じて移設を承諾できない旨を回答した[21]。この結果、駅開業時点ではバス停は旧来の位置に残ったままとなり、その先での左折レーンのためバスの発着がある度に渋滞が生じることとなった[22]。国土交通省九州地方整備局鹿児島国道事務所は駅開業前後の3度に渡り、鹿児島県バス協会に移設勧告を行ったものの応じなかったため、2025年8月6日に道路法に基づく移転措置命令を発出[23]。最終的に、県バス協会が同月28日夜に車道に残っていた旧バス停標識を撤去したものの、移設に反対していた鹿児島交通は同日「運行の安全性が確保できない」などとして、8月31日での同バス停廃止を発表し(重富方面のりばは存続)、以降は南国交通のみがバス停を使用することとなった[24]。廃止後は、西に約300メートル離れた異人館前停留所が実質的な代替となっている[25]。
旧バス停標識撤去後に鹿児島国道事務所による事故対策工事が開始され、2025年9月11日までに完了した[26][27]。なお、関連して同年3月14日に鹿児島交通が移設関連工事の差し止めを求める仮処分を鹿児島地裁に申し立てていたが、却下されている[28][29]。

