侮辱罪
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| 侮辱罪 | |
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| 法律・条文 | 刑法231条 |
| 保護法益 | 人の名誉 |
| 主体 | 人 |
| 客体 | 人の名誉 |
| 実行行為 | 侮辱 |
| 主観 | 故意犯 |
| 結果 | 挙動犯、抽象的危険犯 |
| 実行の着手 | - |
| 既遂時期 | - |
| 法定刑 | 1年以下の拘禁刑もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料 |
| 未遂・予備 | なし |
| 日本の刑法 |
|---|
| 刑事法 |
| 刑法 |
| 刑法学 ・ 犯罪 ・ 刑罰 |
| 罪刑法定主義 |
| 犯罪論 |
| 構成要件 ・ 実行行為 ・ 不作為犯 |
| 間接正犯 ・ 未遂 ・ 既遂 ・ 中止犯 |
| 不能犯 ・ 因果関係 |
| 違法性 ・ 違法性阻却事由 |
| 正当行為 ・ 正当防衛 ・ 緊急避難 |
| 責任 ・ 責任主義 |
| 責任能力 ・ 心神喪失 ・ 心神耗弱 |
| 故意 ・ 故意犯 ・ 錯誤 |
| 過失 ・ 過失犯 |
| 期待可能性 |
| 誤想防衛 ・ 過剰防衛 |
| 共犯 ・ 正犯 ・ 共同正犯 |
| 共謀共同正犯 ・ 教唆犯 ・ 幇助犯 |
| 罪数 |
| 観念的競合 ・ 牽連犯 ・ 併合罪 |
| 刑罰論 |
| 死刑 ・ 拘禁刑 |
| 罰金 ・ 拘留 ・ 科料 ・ 没収 |
| 法定刑 ・ 処断刑 ・ 宣告刑 |
| 自首 ・ 酌量減軽 ・ 執行猶予 |
| 刑事訴訟法 ・ 刑事政策 |
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侮辱罪(ぶじょくざい)は、具体的な事実[注釈 1]の摘示をしないで、不特定または多数の人が見られる中で口頭や文書を問わず、他者を侮辱することを内容とする犯罪(刑法231条)。本罪は親告罪である(刑法232条)。または、個人に関する情報、侮辱内容を指示し、他者に合わせる、共犯の事例もある。
行為
法定刑
侮辱罪の法定刑は、1年以下の拘禁刑若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料である(2025年6月1日施行)。
改正前
2022年7月改正前の刑法の法定刑は拘留(30日未満)又は科料(1万円未満)だった[3]。これは刑法典で規定されている犯罪において、法定刑が最も軽いものだった。法定刑に拘留・科料しかないことから、幇助犯・教唆犯は処罰されず(刑法64条)、犯人隠避罪(刑法103条)の客体となる犯人にも当たらないとされていた。また、公訴時効は1年であった。2025年6月1日に改正法の残余部分が施行し、「懲役又は禁錮」を「拘禁刑」に改正。
改正の議論
インターネット上の誹謗中傷が特に社会問題となったことで侮辱罪の法定刑引き上げが議論されるようになった[3]。
2020年5月に女子プロレスラーの木村花がインターネット上で侮辱をされたことを苦にして自殺した事件を契機に厳罰化の議論が進行し、量刑を「1年以下の懲役若しくは禁錮又は30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」へと引き上げる改正案が2022年3月8日に閣議決定された[4]。
ただし、弁護士の神田知宏によると、侮辱罪より刑罰の重い名誉毀損罪においても、警察側が「軽い犯罪」として告訴状の受け取りを拒否する態度をとることは少なくない[5]。このことから侮辱罪の厳罰化についても、名誉毀損罪より刑罰が軽く、警察が動かなければその実効性には疑問があると論じている。
2022年(令和4年)6月13日、侮辱罪を厳罰化する改正刑法が成立した。改正部分は2022年7月7日から施行された[6][7]。
改正により法定刑の引き上げに伴って従来侮辱罪で適用されなかった幇助罪や教唆罪の適用が可能になり、犯人隠避罪の客体となる犯人として適用可能となり、公訴時効も3年になった[3]。