加爾基 精液 栗ノ花
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| 『加爾基 精液 栗ノ花』 | ||||
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| 椎名林檎 の スタジオ・アルバム | ||||
| リリース | ||||
| 録音 |
黒猫堂スタヂオ 東芝EMI第参スタヂオ 東京オペラシティ コンサートホール 熱海 かじか荘 和楽亭 スタヂオ テラ | |||
| ジャンル | J-POP、ロック | |||
| 時間 | ||||
| レーベル | 東芝EMI(当時)/Virgin Music | |||
| プロデュース | 化猫キラー[注 1] | |||
| チャート最高順位 | ||||
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| ゴールドディスク | ||||
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| 椎名林檎 アルバム 年表 | ||||
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| 『加爾基 精液 栗ノ花』収録のシングル | ||||
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『加爾基 精液 栗ノ花』(カルキ・ザーメン・くりのはな 外国語:Kalk Samen Kuri-no-Hana)は、2003年2月23日に東芝EMIより発売された日本のシンガーソングライター・椎名林檎による3作目のスタジオ・アルバム。自身初となるコピーコントロールCDで発売されたが[注 2]、2008年7月2日にデビュー10周年記念アルバム『私と放電』の発売にあわせて、通常盤となるCD-DAが再発売された。デビュー5周年記念日である2003年5月27日には2枚組仕様のアナログ盤も発売された。
今作は、妊娠・出産による活動休止を経た椎名が、前作『勝訴ストリップ』から約3年ぶりに発売した3枚目のスタジオ・アルバムである[注 3]。『勝訴ストリップ』発売の際、椎名は3枚目のアルバムタイトルを「不思議・猥雑・エキセントリック」とし、全編ドイツでレコーディング・製作するつもりだったと話していた。後に放送されたスペースシャワーTVによる本作の発売記念特別番組のインタビューでは、「加爾基」が「不思議」、「精液」が「猥雑」、「栗ノ花」が「エキセントリック」の役目を果たしていると語っている。『加爾基 精液 栗ノ花』というタイトルの由来は、ある2名のスタッフとの雑談で「精液ってカルキ臭いよね?」「いや栗の花の臭いとも聞くよ」というやりとりを聞き、語感が綺麗だと感じ、タイトルに採用したという[1]。通称は「カルキ」で、略称はタイトルの英題訳からの3つの単語の頭文字を取った「KSK」(ただし「カルキ」はオランダ語である「Kalk」、「ザーメン」はドイツ語 である「Samen」)。
当初は2001年に発売されたシングル『真夜中は純潔』より、表題曲「真夜中は純潔」とカップリング曲の「愛妻家の朝食」を対にして収録する予定だったが、製作が進むにつれて本作の世界観に合わないと判断したため、収録が見送られた。その為この2曲はオリジナルアルバムには収録されていない。後に「愛妻家の朝食」はカップリングアルバム『私と放電』、「真夜中は純潔」は本人公認ベストアルバム『ニュートンの林檎 〜初めてのベスト盤〜』にそれぞれ収録された。
前作同様、曲目の配置・ブックレットの写真などすべてシンメトリーに配置されているが、今作はさらに徹底している。収録曲の使用楽器までもシンメトリーになるように決められ、収録総合時間も「44分44秒」と編集作業で調整。なお、音楽配信サイトやサブスクリプション型ストリーミングサービスでは収録時間や、曲間の繋がりなどが調整されたものが配信されているが公式サイトなどには特に記述されていない[注 4]。ブックレットの歌詞表記に関しては、椎名が歌詞も本作の重要なツールの1つと考えているため、スタッフの手を借りて旧字体・歴史的仮名遣により記載(楽曲の曲番号も統一)。また、ジャケット写真に使われている磁器は、椎名が好きな窯元「館林古琳庵」に特別にオーダーメイドで製作してもらったもの。
初回生産分のみ「林檎クン眉唾ステツカー」[注 5]封入。
制作の背景
本作は、ギターやキーボード、ベース、ドラムといったスタンダードなバンド・サウンドに加え、ストリングスやパーカッション、ウッドベース、鍵盤ハーモニカ、そしてディジュリドゥやカリンバ、マンドリンやシタールといった民族楽器、琴や篠笛といった雅楽器からさまざまな生活ノイズまでをも含めた音がコラージュされた実験的なアルバムとなっている[2]。
当時、引退しようと思っていた椎名は「その場のセッションだけでOKというアルバムを2枚作ったので、やめる前にもう少し楽器の音色や録音技術、その他いろいろな方法を使ったものを一枚くらい作ろう(と思って作った)」と語っている[3]。
ほぼ彼女のセルフプロダクションによって作られ[2]、過去2枚のアルバムより長い、約1年の製作期間をかけて製作された。
演奏者と曲を信じてアレンジを固めずに自由なセッションで作った1枚目の「無罪モラトリアム」と2枚目の「勝訴ストリップ」に対し、本作はプレイヤーに惚れてその場の空気をパッケージ化するそれまでのやり方を排除するのがテーマの、録音技術に特化した作品である[4]。そのため、編曲については、それまでの椎名の作品ほとんどに関わってきたアレンジャー兼ベーシストである亀田誠治ではなく、『勝訴ストリップ』でもエンジニアを務めたレコーディング・エンジニアの井上雨迩が椎名とともに担当している[注 6]。また「やつつけ仕事」およびその他収録曲のオーケストラパートに関しては、カバーアルバム『唄ひ手冥利〜其ノ壱〜』の「森パクトディスク」で編曲を担当した森俊之が編曲している。
演奏のダイナミズムや快楽をなるべく排除する方法を取ったため、それまでのアルバムでの「バンド演奏による一発録り」というレコーディングスタイルではなく、シンプルなバンドサウンドではやり切れない楽曲を集め、オーケストラの演奏やプログラミングなどをふんだんに用いて多重録音で制作された[2][5]。
予算を気にしながら製作した椎名は、節約のために自身が所有するMacintoshと安価な録音機材と作曲・編集ソフトを用いて大まかなアレンジを井上と交換しながらしていったという。レコーディング前の打ち合わせでは演奏者に椎名によって几帳面に書かれたスコアが手渡された[2]。
「生でやってるとあり得ないレコーディングの魅力」を追求するべく、井上とともに「生楽器と電子音が共存する方法」を模索しながら椎名の自宅にてレコーディング作業を開始[2]。民族楽器など単品の楽器は自宅の一室で録音し、ストリングスなど大人数を要する物は別々の部屋で同時収録した。ボーカル録音の際は「太宰治的体験」をしたいという椎名の要望で、わざわざ熱海の旅館の一室を借りて機材を持ち込んで木造和室で歌入れを行った[2]。
詞世界に関しては、「歌詞だけで成立させるつもりはなく、どうしても必要な重要なフレーズなどは音でそこに突っ込みを入れているつもりなので、歌詞だけを読んでも行間につじつまがなかったりとかすることも多い」と語っている[2]。「輪廻」がアルバムを貫くテーマであり、故意に古めかしい表現を用いて歌詞表記全体の時間軸をあえて現代ではないところに設定したのも、輪廻の普遍性をより際立たせたいという意図もあった[2]。