北村道子

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北村 道子(きたむら みちこ、1949年 - )は、日本のスタイリスト、衣裳デザイナー。石川県金沢市出身[1]

映画、広告、雑誌、舞台など多岐にわたり、フリーランスで活動。

衣服を人間の精神や肉体の延長として捉える独自の「衣裳術」を確立した。その表現は、単なるキャラクターの視覚化に留まらず、衣裳を通じて俳優の身体性に新たな命を吹き込み、人物像そのものを決定づける稀有な力を持つ[2]

森田芳光それから』、相米慎二あ、春』、是枝裕和幻の光』、 黒沢清アカルイミライ』など、名作の衣裳を彩り続け、是枝裕和には「日本映画を衣裳で変えた」と言わしめた[3]。日本のメディアにある光をもたらした独自の存在感のアーティストである。[2][4]

10代の頃にはサハラ砂漠やアメリカ大陸などを放浪する旅に出た[1]。その後パリに約1年間滞在。パリで観た黒澤明の映画『蜘蛛巣城』に衝撃を受ける[4]

1975年頃より活動し、1986年フリーランスとなる。主に映画界で活躍し、森田芳光映画における緻密なキャラクター造形や、俳優・浅野忠信との長年にわたるコラボレーションは、日本の実写映画におけるスタイリングの概念を大きく変えた。

宇多田ヒカル(『FINAL DISTANCE』/2001、「traveling」「SAKURAドロップス」などMV三部作)やUAなどのアーティストの衣裳も手がけた。アーティストが出演したNHK『ドレミノテレビ』での衣裳も担当した。

是枝裕和の『幻の光』などの作品から宇多田ヒカルMV三部作頃 (1995~2000年代初頭)は、北村の集中力が極まっていた時期であり、「異常な集中力が無い限り、非日常は生み出せない」と語っている[5]

映画『殺し屋1』(2001) で浅野忠信演じる垣原のキャラクター造形とも言える、北村の衣裳スタイリングはポップカルチャーの伝説となっている[6]

映画『アカルイミライ』に衣裳で参加しており、同作品のメイキングフィルム『曖昧な未来、黒沢清』(監督・撮影 藤井謙二郎/2003)では、スタッフとして自身が出演している。

映画『妖怪大戦争』(2005)での豊川悦司(加藤保憲役)と栗山千明(アギ役)の2人に関して、専属スタイリストとしてクレジットされている。

毎日映画コンクール 第62回(2007)にて、映画『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』の衣裳により、技術賞を受賞した。

衣裳術』シリーズ(リトルモア刊行/2008〜2022)は作品集であり、独自の「衣裳術」についての文章もまとめられており、後進のスタイリストやデザイナーに多大な影響を与え続けている[7]

舞台作品では、日本のダンスカンパニーであるDAZZLE(ダズル)の公演衣裳を『Re:d』、『花ト囮』、そして坂東玉三郎が初めてダンス公演を演出したDAZZLE主演『バラーレ』(2015)と手がけた。

松岡正剛は自身の書評サイト「千夜千冊」1587夜 意表篇(2015)において、北村の『衣裳術』を詳解。北村を「凄いアーティスト」と呼び、衣服を通じて人間の本質や時代性を射抜くその表現を高く評価している。

2021年刊行『森田芳光全映画』。そのなかでプロデューサー・三沢和子は北村の仕事を振り返り、スタイリスト・伊賀大介は『それから』、『キッチン』といった森田作品を彩る、北村の鮮烈なスタイリングの印象を寄稿している。

2022年度(第40回)毎日ファッション大賞鯨岡阿美子賞を受賞した。

2023年11月20日より『GQ JAPAN』において『北村道子のジェントルマンを探して』を連載。ここでは、北村の視点から「現代のジェントルマン像」を探り、グレン・グールド小津安二郎などのスタイルを語っている。

フィルモグラフィ

ビブリオグラフィ

脚注

外部リンク

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