南から来た男 (アルバム)

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専門評論家によるレビュー
レビュー・スコア
出典評価
AllMusic4.5/5stars[1]

南から来た男』(みなみからきたおとこ、Christopher Cross)は、原題ではセルフタイトルとなっているクリストファー・クロスのデビュー・アルバムで、1979年半ばにレコーディングされ12月にリリースされた。このアルバムは、3M デジタル・レコーディング・システム (3M Digital Recording System) を活用した初期のデジタル・レコーディング・アルバムのひとつである[2]。1970年代後半から1980年代前半にかけて最も影響力のあるソフトロック・アルバムの一つとして挙げられるこのアルバムは、アルバム・オブ・ザ・イヤー、レコード・オブ・ザ・イヤー、ソング・オブ・ザ・イヤー、最優秀新人賞を含む5部門のグラミー賞を受賞し、クロスは主要4部門を同一年に受賞した初のアーティストとなった。この偉業はその後、2020年のビリー・アイリッシュまで達成されることがなかった。

スティーヴン・トマス・アールワインによると、このアルバムは「大ヒットとなり、広く賞賛され、少なくとも業界関係者の間では支持され(批評家たちはじっくり聴きなおしもしなかった)、マルチ=プラチナのセールスといくつものグラミーを獲得した。オールミュージックにおける後年の立場からの批評でアールワインは、本作のソフトロックのアルバムとしての成功は、ほとんどの聴き手にとって意味のないことだろうと述べ、本作が、その一貫した良質な楽曲とクロスの技巧的に優れたミュージシャンシップによって「当時、主流だったアルバム群の中の最良の部分であることは間違いない」とし、「その通り、彼は感傷的な雰囲気を好み、バラードをとても甘美にでき、また彼の旋律は豊かで楽曲の構成はしっかりしていて、そうした強固な基礎の上に、古典的といえるほどの輝きが、とりわけ深く印象に残るマイケル・マクドナルドバッキング・ボーカルも含め、スタジオ・ミュージシャンのプロや友人たちによって提供されている」と述べている[1]

このアルバムはまた、後年において、ヨット・ロック英語版と称されるジャンルの鍵となる作品として賞賛されている。2009年チャック・エディは雑誌『スピン』にリストを発表したこのジャンルに欠かせない8点のアルバムのひとつとして、本作を挙げた[3]。雑誌『Vinyl Me, Please』のティモシー・マルコム (Timothy Malcolm) は、2017年に発表した最良のヨット・ロック・アルバム10点のひとつに本作を入れ、「このアルバムは、実のところヨット・ロックのジャンルからは音響的には少し外れており、アコースティック・ギターストリングスが強調されている。しかし、そのメッセージはこのジャンルにぴったりであり、内面の平安を求める愚か者のためのものであって、そして何より、極めてスムーズに流れるのである」と述べている[4]2018年にオンライン公開された The Vinyl District におけるマイケル・H・リトル (Michael H. Little) は、本作をこのジャンル最高のアルバムとし、また最もスムーズなアルバムのひとつだとも述べ、クロスを「ソフトロックの顔 (the face of soft rock)」にしたと評した[5]

収録曲

全曲、クリストファー・クロス作詞作曲。

  1. セイ・ユール・ビー・マイン - "Say You'll Be Mine" - 2:53
  2. 愛はまぼろし - "I Really Don't Know Anymore" - 3:49
  3. スピニング - "Spinning" - 3:59:ヴァレリー・カーターとのデュエット曲
  4. もう二度と - "Never Be the Same" - 4:40
  5. 哀れなシャーリー - "Poor Shirley" - 4:20
  6. 風立ちぬ - "Ride Like the Wind" - 4:30
  7. ライト・イズ・オン - "The Light Is On" - 4:07
  8. セイリング - "Sailing" - 4:14
  9. ジゴロの芸人 - "Minstrel Gigolo" - 6:00
    (以上、アナログ盤LPでは、「風立ちぬ」以降がB面[6]
  10. マリー・アン - "Mary Ann" - 2:52:2012年リリースの日本盤リマスターCDボーナス・トラック[7]

『風立ちぬ』はイギリスのヘヴィ・メタルバンド、サクソンがカヴァー(アルバム『ディスティニー』収録)。

『マリー・アン』は、ヤマハ音楽振興会が主催した1980年の第11回世界歌謡祭のために書かれ、1980年に日本独自盤としてシングルがリリースされた楽曲である [8][9]

パーソネル

プロダクション

  • プロデューサー - マイケル・オマーティアン
  • アシスタント・プロデューサー - Michael Ostin
  • エンジニア/ミックス - Chet Himes
  • セカンド・エンジニア - Stuart Gitlin
  • マスタリング - Bobby Hata
  • アートワーク - Danny Henderson and James Flournoy Holmes
  • デザイン - James Flournoy Holmes and Wonder Graphics
  • フラミンゴ・コンセプト - Jim Newhouse

チャート

シングルBillboardアメリカ合衆国

シングル チャート 最高位
1980 "Ride Like the Wind" Pop Singles 2
1980 "Sailing" Pop Singles 1
1980 "Never Be the Same" Adult Contemporary 1
1980 "Never Be the Same" Pop Singles 15
1981 "Say You'll Be Mine" Pop Singles 20

認定

国/地域 認定認定/売上数
オーストラリア (ARIA)[16] プラチナ 70,000^
フランス (SNEP)[17] プラチナ 300,000*
ドイツ (BVMI)[18] ゴールド 250,000^
イタリア (FIMI)[19] ゴールド 200,000*
オランダ (NVPI)[20] ゴールド 50,000^
ニュージーランド (RMNZ)[21] ゴールド 7,500^
スペイン (PROMUSICAE)[22] ゴールド 50,000^
イギリス (BPI)[23] プラチナ 300,000^
アメリカ合衆国 (RIAA)[24] 5× プラチナ 5,000,000^

* 認定のみに基づく売上数
^ 認定のみに基づく出荷枚数

受賞

脚注

外部リンク

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