Wikiwand AI

台湾南部地震 (2016年)

2016年に台湾南部の高雄市を震央として発生した地震 From Wikipedia, the free encyclopedia

台湾南部地震(たいわんなんぶじしん)は、2016年2月6日午前3時57分(UTC+8)に中華民国台湾)南部の高雄市震央として発生したマグニチュード(M)6.6の地震である[10][11][12]。震央から高雄美濃地震、被害の大きい地域から台南地震、発震日時から206大地震とも呼称された。

発生日 2016年2月6日
発生時刻 午前3時57分26.1秒
(現地時間 台湾標準時 UTC+8)
震央 中華民国の旗 中華民国台湾高雄市
北緯22.92度 東経120.54度 / 22.92; 120.54
震源の深さ 14.6 km
概要 本震, 発生日 ...
台湾南部地震(2016年)
地震によって倒壊した高層ビル
震源の位置(USGS)
台湾南部地震 (2016年)の位置(台湾内)
台南
台南
高雄
高雄
台湾南部地震 (2016年)
地震の震央の位置を示した地図
本震
発生日 2016年2月6日
発生時刻 午前3時57分26.1秒
(現地時間 台湾標準時 UTC+8)
震央 中華民国の旗 中華民国台湾高雄市
北緯22.92度 東経120.54度 / 22.92; 120.54
震源の深さ 14.6 km
規模    リヒターマグニチュード(Ml)6.6
最大震度    震度7: 台南市新化
津波 なし
地震の種類 横ずれ成分含む逆断層[1]
余震
最大余震 5月22日4時51分(NST)
M5.2 最大震度5級[2]
被害
死傷者数 死者117人、負傷者551人[3][4][5][6][7][8][9]
被害地域 台南市、高雄市など
出典: 特に注記がない場合は中央気象局[10]による。
プロジェクト:地球科学
プロジェクト:災害
テンプレートを表示
閉じる

概要

2016年2月6日午前3時57分26.1秒に台湾南部の高雄市美濃区屏東市の北約27.1kmの地点)を震央として発生した地震で、震源の深さは14.6km。地震の規模は中央気象局ではリヒターマグニチュードを6.6、モーメントマグニチュードは6.5[13]アメリカ地質調査所はモーメントマグニチュードを6.4としている[1]。この地震によって台南市新化で最大震度の7級を記録した他、雲林県草嶺で震度6級、嘉義市中心部でも震度5級の強い揺れを観測した[10]

金門県澎湖県や中国大陸東南部沿岸の福建省泉州市漳州市厦門市莆田市広東省梅州市潮州市浙江省杭州市でも揺れを観測[14][15][16][17]

また、アメリカ地質調査所では台南市新化区メルカリ震度(MMI) VIII、高雄市美濃区と嘉義市中心部でMMI VIIの強い揺れが報告されている[1]香港天文台では市民100人以上が揺れたのと報告が寄せられた[18]

各地の震度

台湾内における各地の震度(中央気象局震度階級)は以下の通り[10]

さらに見る 最大震度, 県市地区 ...
閉じる

メカニズム

台湾島は琉球海溝の西端とマニラ海溝の北端に位置する。

台湾はフィリピン海プレートユーラシアプレートが約8cm/年の速度で衝突している収束型境界であり、世界の中でも地震が多い地域の一つである。このプレートの衝突によって震源周辺では、左鎮断層、新化断層、甲仙断層、旗山断層など逆断層、或いは横ずれ断層の活断層が複雑に密接して分布してることが分かっていた[19][20]。また、震源からやや離れた台南で被害が集中していることについて、嘉南平原に堆積する軟弱地盤の沖積層によって発生した焦点効果英語版が原因として指摘されている[21]。この焦点効果によって、台南市では強震動継続時間や卓越周期が山間部と比較して長くなったと見られている[22]東京大学地震研究所の平田直教授(地震学)は「台湾はプレート境界付近にあり、地下の境界の構造が複雑になっている。このため、日本と同じかそれ以上に地震が起きやすい場所である。今回の規模の地震は過去にも数多く発生しており、本震でダメージを受けた建物が倒壊することもあるため、今後も余震に注意すべき」と話した。また、建物倒壊の原因は長周期地震動の可能性もある[23]

余震

2016年2月8日現在までで余震とみられる有感地震は17回発生しており、最大の地震は本震3分後に発生したM4.9、最大震度3級。

さらに見る 時間(NST), 震央 ...
時間(NST)震央規模深さ最大震度
2016年5月22日04時05分高雄市美濃区5.218.9 km5級
2016年2月6日04時00分台南市帰仁区4.928.9 km3級
2016年2月6日04時01分台南市新市区4.331.1 km3級
2016年2月6日04時03分台南市帰仁区4.527.0 km3級
2016年2月6日04時12分台南市帰仁区3.831.9 km2級
2016年2月6日04時18分台南市関廟区4.231.5 km3級
2016年2月6日05時07分台南市新化区4.425.1 km3級
2016年2月6日05時13分台南市新化区3.729.9 km2級
2016年2月6日06時14分台南市龍崎区3.733.1 km1級
2016年2月6日07時07分台南市帰仁区3.932.5 km2級
2016年2月6日21時41分台南市関廟区4.130.5 km2級
2016年2月8日11時22分台南市楠西区3.515.5 km2級
2016年2月8日17時54分高雄市六亀区4.319.2 km2級
2016年2月10日03時56分台南市帰仁区3.831.1 km1級
2016年2月10日08時40分台南市大内区3.622.6 km2級
2016年2月10日14時37分高雄市六亀区3.615.2 km2級
2016年2月10日21時34分高雄市六亀区4.015.3 km2級
2016年2月10日21時37分高雄市六亀区4.115.4 km1級
閉じる

被害と影響

日本赤十字社によると、地震により台南市のビルが崩壊・損傷し、死者117人、負傷者550人、損壊家屋200戸以上、損壊校舎186校の被害が発生した[24]

建造物

横倒しに倒壊した維冠金龍大樓
傾倒した京城銀行新化支店
  • 台南市では9棟が全壊し、5棟が傾くなどし[25]、台南市全体で500人以上が負傷した[26]。このうち永康区では、地上16階・地下1階の高層ビル維冠金龍大樓」が横倒しに倒壊し、地震全体の死者の9割以上に当たる115人の死亡が確認された[27][28][7][29]
  • 雲林県虎尾鎮建国一村で落下物により2人が負傷し病院に搬送された[30]
  • 高雄市にある市定古跡旗山天后宮牌坊の装飾が落下し砕け散る被害が出た[31]

交通

電力と水力

  • 台南市と高雄市で約16.8万戸が停電した[34][32]
  • 台南市で約40万戸断水した[34]
  • 嘉義市で民家一戸が天井から倒壊し、ガス漏れやエレベータに閉じ込められた報告がそれぞれ1件。5件の水道管破裂の被害が出た[35]
  • 雲林県北港と嘉義県東石郷で地震により水道管が破裂。同日に別のに切り替え水の供給にこぎつけた[35]

産業

対応

政府・自治体

馬英九総統は当日午前に航空機で被災地を視察した後、台南市に設置された現地対策本部を訪問。その後新北市の災害対策センターで指揮にあたる[32]。地震発生から72時間が過ぎると被災者の生存率が急激に下がるとされ、台南市は72時間が過ぎると重機を使った瓦礫の撤去作業を開始したが、行方不明者の家族は「生存者を傷付ける可能性がある」と抗議した[37]

16階建てビル「維冠金龍大樓」について

この倒壊したビルは、柱などの中に複数のサラダ油や塗料の缶が埋め込まれているのが見つかり、内政部手抜き工事の可能性があるかどうか調べる方針である[25]。2月9日、台湾検察当局はビルの建設を担当した会社の元社長ら幹部3人を業務上過失致死容疑で逮捕した[38][39]。このうち、業務上過失致死などの容疑で拘束されたある人物は「もう忘れた」などと容疑を否認しているほか、友人に「20年以上前のマンションだから倒れても仕方ない」と話していた。更に、この人物は4つの名前を使い分けていた。検察当局の調べで、ビルの1階から5階の梁や柱に用いられた補強用の鉄筋は、構造計算書に記された量の半分しか使われていないなど、設計図と実際で構造が異なっていることがわかった[40][41]。また、ビルの1階から4階では壁を打ち抜く改築工事が行われていたため、これが強度を低下させて崩壊の一因になった可能性があるとされる[42]。12日、ビル近くで慰霊祭が行われ、馬英九総統も参加した[43]

国外

脚注

関連項目

外部リンク

Related Articles

Timelines

Top Qs

Fact Checks