成瀬シリーズ

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膳所駅前に設置された成瀬あかりのデザインマンホール

成瀬シリーズ』(なるせシリーズ)は、宮島未奈による日本小説で、成瀬あかりを主人公とした連作短編集のシリーズの総称[1]新潮社より2023年3月から刊行されている[2]。装画、挿絵はイラストレーターのざしきわらしが手掛けている。

滋賀県大津市(第1作 - 第3作)、京都府京都市(第3作)を舞台に、主人公・成瀬あかりの周辺で起こる出来事を描く「成瀬あかり史」。
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初出は『小説新潮』2021年5月号に掲載された「ありがとう西武大津店」で[3]、新潮社主催の第20回『女による女のためのR-18文学賞』で史上初のトリプル受賞(大賞、読者賞、友近賞)に輝いた宮島の商業誌デビュー作であり[4]、本作を含む単行本デビュー作『成瀬は天下を取りにいく』が書籍、電子書籍合わせて発売から半年で発行部数10万部を突破するなど好評を博す[4]

当初、宮島は続編を意識していなかったが、続編を望む声が多数寄せられたことから[5]第2作『成瀬は信じた道をいく』が刊行され[5]シリーズ化された。

主にあかり以外の登場人物が視点主となり、あかりや視点主の周辺で起こる出来事の語り部として物語が進行する構成が取られているが、あかりがほとんど登場しない「階段は走らない」や作者視点の「ときめき江州音頭」「成瀬慶彦の憂鬱」「そういう子なので」などのエピソードも存在する。作中には実在する人物や社名、商品名などが登場し、虚実ないまぜで物語が展開している。

シリーズ第1作『成瀬は天下を取りにいく』(2023年3月刊行)の「線がつながる」(2022年4月 - 8月の出来事)までは作品発表当時の現実世界の時間軸よりも過去の出来事が描かれていたが、「レッツゴーミシガン」(2023年の7月の出来事)以降は近未来の時間軸の出来事が描かれている[注 1]

2024年、『成瀬は天下を取りにいく』は第39回坪田譲治文学賞、2024年本屋大賞[6]を受賞している。

2025年12月、シリーズ完結作となる第3作『成瀬は都を駆け抜ける』が刊行された[7]。宮島は「成瀬シリーズ」について、当初から第3作で区切る構想を持っていたことを明かしており、本作を完結編として位置付け、「元気なうちに終わらせたかった」と述べている[8]。また、主人公の進路については物語内で明示せず、「読者に想像してほしい」としてシリーズを締めくくった[8]

2025年1月、シリーズ累計100万部を突破し、発売から僅か2年足らずでミリオンセラーを成し遂げた[9]。また、4月には『成瀬は信じた道をいく』が2025年本屋大賞候補(10位)となり、シリーズとして2年連続で候補となる[10]。6月にはシリーズ累計140万部[注 2]を突破し、同月に刊行される『成瀬は信じた道をいく』の文庫本は異例の発売前の重版が決定している[11]。第3作発売時点でシリーズ累計180万部を記録しており[12]、発売から10日で4刷が決定、第3作単体で28万部を突破したことからシリーズ累計200万部を突破した[13]

制作背景

誕生からシリーズ化の経緯
本シリーズは、宮島が2020年10月に第20回「女による女のためのR-18文学賞」へ応募した短編「ありがとう西武大津店」が端緒となっている。同作は同賞史上初となる大賞・読者賞・友近賞のトリプル受賞を果たしたが、宮島は「それまで何度も新人賞で落選していたので、執筆当時は『これも受賞できなくたって全然おかしくない』と思っていた」ため、受賞の連絡には「腰を抜かしそうになった」という[14]。受賞後、同短編の主人公・成瀬あかりのその後を具体的に考え始め、2023年3月にデビュー作『成瀬は天下を取りにいく』(以下『成天』)として刊行された[14]
シリーズ化は当初の構想ではなく、宮島は「本当は『成天』だけで成瀬の物語は終わりにするつもりだった」としている[15]。しかし、『成天』が多くの反響を得たことや、編集者からの要望を受け、続編『成瀬は信じた道をいく』(以下『成信』)、完結編『成瀬は都を駆け抜ける』(以下『成駆』)の執筆に至った[15]。宮島はこの約5年間を「濃密だけど、あっという間でした」と振り返っている[14]
キャラクター創作秘話
主人公・成瀬あかりは、「ちょっと変わっているけれど挑戦し続ける主人公を書こう」という考えから誕生した[15]。彼女を見守る幼馴染・島崎みゆきは、この主人公を「一番近くで見届ける存在」として設定された[15]。しかし、『成天』最終話「ときめき江州音頭」で島崎が東京へ引っ越す展開がシリーズのターニングポイントとなり、宮島は「その後の成瀬の日常を見届ける別の人物を考える必要があった」と語る[15]。結果として、『成信』ではクレーマー主婦の呉間言実や観光大使の篠原かれん、『成駆』では京大生の坪井さくらや梅谷誠、簿記YouTuberのぼきののかなど、多様な脇役が登場することとなった。宮島は「登場人物のバリエーションの豊かさは、成瀬と島崎が離れて暮らすようになったからこそ出てきた長所」と分析している[15]
周辺人物の創作において、宮島は「『成瀬がどんなことをする物語にするか』と『成瀬との関係性』が一番のベース」と説明し、「物語にとって都合がいいだけの人物は創らないようにしよう」と意識していたという[15][16]。例えば、呉間言実には新人賞応募時代に書いたクレーマー主婦が主人公の短編が原型にあり、篠原かれんは「成瀬の観光大使としての相方」という必要性から創られた[15]。坪井さくらは京大入学式を舞台に、「誰しもが晴れやかな気持ちで臨むわけではない」という視点から構想し[16]、彼女の名前は、坪田譲治文学賞の授賞式の帰路で、編集者が同行記者の名をもとに決めたエピソードもある[16]
シリーズ完結編に向けた意図と物語の整理
完結編『成駆』では、成瀬の京都大学進学後が描かれ、「京都を極める」という新たな目標が設定された[15]。宮島は、『成駆』を執筆するにあたり、『成天』『成信』で「やり残したかもしれない」と思っていた要素を回収し、シリーズ全体の結びとなることを意識したと語る[17]。特に最終話「琵琶湖の水は絶えずして」では、京都と滋賀をつなぐ「琵琶湖疏水」を物語に登場させ、「『成駆』のラストであると同時に『成瀬シリーズ』全体の締めでもある」ものにしたいと考えた[17]。また、「実家が北白川」には、同じ京大出身で宮島が学生時代からファンだった作家・森見登美彦へのオマージュが込められている[16]
宮島は、執筆順では最後にあたる「そういう子なので」で、成瀬の母・美貴子を視点人物とし、シリーズの原点である短編「ありがとう西武大津店」にも登場した地元テレビ番組「ぐるりんワイド」を再登場させ、「『ありがとう西武大津店』の結びになるような祖母・母・娘三世代の物語」を意図したと説明している[17]
宮島は「三冊書いてきてよかった」としつつも、『成駆』単体でも楽しめる作品にすることを心掛けたという[17]。シリーズの完結について、宮島は「いまはひとまずこれで完結、というつもりです」と述べる一方で、「成瀬あかりは、物語のなかで生き続けていますから」と、将来再び彼女の物語を書く可能性に言及している[17]

登場人物

主要人物

成瀬 あかり(なるせ あかり)
主人公。滋賀県大津市生まれ同市在住。周囲から変わった子と思われても、ブレることなく興味の赴くまま我が道を突き進む。
2006年5月14日生まれ[ep 15]。あけび幼稚園[ep 4]→ときめき小学校[ep 4]→きらめき中学(第1作)→膳所高校(第1、2作)→京都大学理学部(第2、3作)
人物
将来の夢は二百歳まで生きることで[ep 1]、それ以外にも大津にデパートを建てる[ep 4]などスケールの大きな夢を多く語っており、「膳所から来ました」で触れられていた夢[注 3]は、「探さないでください」で結実している[ep 11]。大きなことを百個言って一個でも叶えばいいと主張し[ep 1][ep 11]、日ごろから口に出して種をまいておくことが重要で[ep 1]、何になるかより、何をやるかのほうが大事と考えている[ep 7]
いつもポーカーフェイスで感情が読めず[ep 8]RPGの村人のような口調だが[ep 5]、その気になれば関西弁も敬語も話せる[ep 2]
緊張することがなく、その感覚がわからなかったが[ep 6]、「探さないでください」で人生で初めて緊張する[ep 11]
生い立ち
「まわりを明るく照らす子になるように」との願いを込められ、父・慶彦に「あかり」と命名される[ep 17]。園児のころから走るのは誰よりも速く、絵を描くのも歌を歌うのも上手で、ひらがなもカタカナも正確にかけるなど[ep 1]優秀で、幼稚園の全国こども絵画コンクールを皮切りに、小学生時代、琵琶湖の絵コンクールで琵琶湖博物館長賞、大津市民短歌コンクールで大津市長賞を受賞するなど多数表彰されている[ep 4][ep 8][ep 17]。ひとりで何事も出来てしまうことことから、そのことが気に食わないクラスメイトたちから避けられるようになり、小学5年のときにはあからさまに仲間外れにされるが、本人はまったく意に介していなかった[ep 4]
中学では陸上競技部で長距離を走るが[ep 4]、高校ではかるた[注 4][注 5]に入り「なるぴょん」と呼ばれ、3年時に主将となる[ep 6]
高校在学中は自分のスマホを持っておらず[ep 5][ep 8][ep 10]、大学入学を機に母親が契約したiPhoneを持つようになるが、使い方をよく知らなかった[ep 10]。また、大学生になるまで徒歩とバスで事足りるという理由から、自転車に乗ったことがなかった[ep 13]
生活・嗜好
朝5時起床[注 6]でジョギングし、夜9時就寝の生活を続けている[ep 6][ep 17][注 7]。朝ごはんは自炊したハムエッグ丼が定番で[ep 6][ep 8][ep 17]、急激な血糖値の上昇を防ぐため、30回は噛むようにして食べている[ep 8]。一番好きな食べ物は「白いご飯」[ep 17]。生まれ変わったら「象」になりたい(理由は大きいから)[ep 17]。おやつは幼いころからおやつ昆布[ep 7][ep 8]。大きな数字をみるとつい素因数分解したくなる[ep 2][ep 8]
大津市民憲章を忠実に守ることを心掛け[ep 5]、地区をパトロールし振り込め詐欺を防ぎ、急病人を見つけ救急車を呼んでいる[ep 7]。就任したびわ湖大津観光大使の活動にも熱心で、プライベートで観光大使の衣装に身を包み、北野天満宮でびわ湖大津観光を宣伝している[ep 14]
興味を持ったものにのめり込むタイプで、小学5年生のころ巨大なシャボン玉作りを極め「天才シャボン玉少女」として地元テレビ局に取り上げられる[ep 1]。「髪は1か月に1センチ伸びる」という話を検証するため、高校入学前に自らスキンヘッドにしている[ep 3][ep 6]スタンプラリー好きで、複数のラリーを掛け持ちしている[ep 11]。観光イベントに耳の不自由な人が来たことがあり、そういう人たちにも琵琶湖の魅力を届けたいと考え、手話の勉強を始める[ep 16]。京大進学を機に、「京都を極める」と宣言し、ガイドブックに紹介された京都の100箇所をめぐることを目標としている[ep 17]
特技
何もないところから物を出したり消したりする手品ができたり[ep 2]、一度見た顔と名前は忘れない[ep 9][ep 14][注 8]、達筆[ep 2][ep 5][ep 16][ep 17]、けん玉チャンピオン[ep 4][注 9]、おみくじを引くと大吉以外を引いたことがない[ep 14]、二拝二拍手一拝の完璧な所作で参拝する[ep 14]などの特技を持つ。
島崎 みゆき(しまざき みゆき)
成瀬の幼馴染。「ありがとう西武大津店」「膳所から来ました」「探さないでください」「琵琶湖の水は絶えずして」の視点主で、「成瀬あかり史」を見守る重要な人物。
あけび幼稚園[ep 4]→ときめき小学校[ep 4]→きらめき中学(第1作)→大津高校(第1、2作)→東京の私立大学(第2、3作)
自称「成瀬と同じマンションに生まれついた凡人」で、成瀬を見守るのが己の務めだと考えている。コミュ力が高く友人が多い。
両親の東京への転居に同行し東京の大学に進学すると告げられた成瀬を動揺させ不調[注 10]にするなど、彼女にとって大きな存在[ep 6]
中2の9月に成瀬と漫才コンビ「ゼゼカラ」を結成、M-1グランプリに挑戦している[注 11]。成瀬と違う高校に進学後も解散せず、馬場公園でネタの練習をしていたところ「ときめき夏祭り」の実行委員長・吉嶺マサルに司会にスカウトされ[ep 6]、東京に転居後も祭りのために大津を訪れる。大津育ちだが、県外出身の標準語の両親に育てられたことから、標準語のイントネーション[ep 2]

主人公の家族

成瀬 慶彦(なるせ よしひこ)
あかりの父親。あかりが京大進学を機に一人暮らしを始めるのではと疑ったり[ep 8]、娘のことで常に気を揉む。滋賀県出身[ep 1]
それほど偏差値の高くない私立大学卒で、京大を受験する我が子をディープインパクトのような突然変異と考えている[ep 8]
初登場は「ときめき江州音頭」であるが、「成瀬慶彦の憂鬱」までフルネームは不明であった[ep 6][ep 8]
成瀬 美貴子(なるせ みきこ)
あかりの母親。1976年生まれ[ep 1]。彦根市出身[ep 1]。短大卒[ep 8]。みゆきの印象では無口で微笑んでいる人[ep 1]。 初登場は「ありがとう西武大津店」であるが、「成瀬慶彦の憂鬱」までフルネームは不明であった[ep 1][ep 8]。物事に動じないところが娘のあかりと似ていると母娘ともどもよく言われる[ep 15]

主人公と同世代の関係者

大貫 かえで(おおぬき かえで)
成瀬の小中高校時代の同級生[ep 4][ep 6][ep 17]。「線がつながる」での視点主で、初登場時は膳所高校1年生。成瀬のことが苦手で、彼女と同じクラスになったことに頭を抱える。クラスカーストでは最下層だが、承認欲求に飢えている。小中時代の仇名は「ぬっきー」であったが、この呼ばれ方を気に入っていない。高校入学を機に縮毛修正をしてストレートにする。人間関係を観察し人物相関図を作成している。東大入学を目指している。
西浦 航一郎(にしうら こういちろう)
「レッツゴーミシガン」「親愛なるあなたへ」の視点主。広島・錦木高校2年の男子高生。出場した全国高校かるた大会で出会った成瀬に心惹かれる。
仇名はにっしゃん。186センチメートル、100キログラム[ep 5]。身体が大きいというだけで小さいころから柔道教室に通わされ、かるた部に入部するまでは柔道部であった[ep 5]。同じ体格の弟が柔道の県大会で優勝しているのに対し自分は成績が良くないことから、柔道に見切りをつける[ep 5]
その後、京都の大学へ進学し[ep 16][ep 17]、競技かるたを継続しながら近所の定食屋でアルバイトをし、鳩居堂のレターセットで成瀬と文通している。
中橋 結希人(なかはし ゆきと)
西浦の幼なじみで競技かるた部の仲間[ep 5]。「レッツゴーミシガン」で西浦と成瀬の仲を取り持とうと成瀬に声をかける[ep 5]
小学生になる前から色気づいており、女性との出会いを求めている。美人の桃谷先輩のいるかるた部に西浦を誘い入部する[注 12]
城山 友樹(しろやま ともき)
「成瀬慶彦の憂鬱」で初登場。初登場時は高知県から京大工学部の入試にヒッチハイクでやって来た浪人生でYouTuber。ひょろっとした丸メガネで、朝ドラにでてくる帝大生のような風貌[ep 8]。本人曰く高校卒業と同時に一家離散しており、母方の祖父母の家に身を寄せている[ep 8]。後に京大工学部に合格している[ep 8]。「ぼきののか」では、成瀬の依頼でののかの謝罪動画の撮影とプロデュースに協力する[ep 14]
篠原 かれん(しのはら かれん)
「コンビーフはうまい」の視点主。黒髪ロングの美人[ep 11]。母や祖母と三世代続けて「びわ湖大津観光大使」に任命された女子大生。19歳。父は大津市議、母の実家は大津でも有名な和菓子屋。母と祖母が三代連続観光大使を目指し、母が男前と評判だった市議会議員の息子(今の夫)と結婚して生まれており、観光大使となるべく、小さいころから大津市内や近郊の観光スポットに連れていかれうんちくを叩きこまれている[ep 10]。家族や友人には秘密にしているが撮り鉄鉄道オタクで、鉄道写真を投稿する裏垢を持っている[ep 10]。撮り鉄ということを秘密にしているため、当初はスマホで撮影していたが[ep 11]、「探さないでください」ではごつめのカメラで撮影するようになっている[ep 11]
坪井 さくら(つぼい さくら)
京都大学理学部1回生[ep 12][ep 13][ep 14][ep 16][ep 17]。「やすらぎハムエッグ」の視点主。
不愛想で勉強以外出来ない自分に嫌悪感を抱く眼鏡女子。同級生の早田に12年間想いを寄せる。
梅谷 誠(うめたに まこと)
京都大学農学部1回生[ep 13][ep 14][ep 16][ep 17]。「実家が北白川」の視点主。北白川別当の実家から京大に通う。
新入生健康診断(入学式は明後日)の帰りに達磨研究会に勧誘される。
森見登美彦好きの父親の影響で小学3年生の時に『太陽の塔』を手に取り、それ以来、森見のファン。
木崎 輝翔(きざき きらと)
京大工学部2回生[ep 13][ep 14][ep 16][ep 17]。達磨研究会の会長。無精髭を生やし茶色い髪をした見目麗しい和装の男性。愛知県出身。
森見登美彦の作品に影響を受け、研究会の活動で大学構内でこたつを囲み卓上コンロで火鍋を食べる。
北白川の学生向けワンルームマンションの305号室に在住。男子校で6年間を過ごし、女子への憧れから「黒髪の乙女」との出会いを求める。
1回生で会を結成し、毎週火曜日に金閣寺道にある自宅で森見作品をはじめとする京大小説について語り合う。
大曽根 隼人(おおそね はやと)
京大経済学部2回生[ep 13][ep 14][ep 16][ep 17]。達磨研究会。鍋奉行。一条寺在住。名古屋出身で輝翔と中学から一緒。
共働きの親の家庭で育ったことから昔から自炊しており料理上手。いつも穏やかなナイスガイで女子から人気がある。
橿原 裕典(かしはら ひろのり) / かっしー
京大工学部2回生[ep 13][ep 16][ep 17]。達磨研究会。数式男。奈良出身。高野在住。逆らえない先輩がいて突発的に麻雀に誘われるときがある。
田中 ののか(たなか ののか)
立命館大学の2回生[ep 14][ep 16][ep 17]。「ぼきののか」の視点主。奈良県出身。1年前にドイツ語の前期試験を終えた瞬間「このままでは何もなさずに大学生活を終える」と焦燥感にかられ、日商簿記一級の合格を目指すYouTubeチャンネル「ぼきののか」を開設する。高校時代は会話の輪に加われなく、無料の数独ばかり解いていた。
いつもは自宅スタジオのミルキーウェイ白梅町402から配信しているが、特別編で合格祈願のため北野天満宮を訪れ、びわ湖大津観光を宣伝する成瀬あかりと遭遇する。
Xフォロワー6桁の漫画家にチャンネルを紹介され、登録者数が300人から3千人に急増する。闇属性を自称し黒いワンピースを着用している。

主人公と異世代の関係者

稲枝 敬太(いなえ けいた)
「階段は走らない」の視点主。大阪のWeb制作会社に大津から通勤する[ep 3]。1977年生まれ。Twitterで成瀬のことをつぶやく[ep 3]
「ときめき江州音頭」では、ときめき夏祭り実行委員として再登場。ゼゼカラのファンで西武大津店のころから知っていたと明かす[ep 6]
吉嶺 マサル(よしみね マサル)
稲枝の旧友。「階段は走らない」で初登場。吉嶺マサル法律事務所の代表弁護士[ep 3]。メガネをかけた童顔[ep 6]
「ときめき江州音頭」「やめたいクレーマー」では、ときめき夏祭り実行委員長として登場、噂を聞きつけた高校1年当時のゼゼカラを祭りの司会にスカウトしている。
北川 みらい(きたがわ みらい)
「ときめきっ子タイム」での視点主。初登場時はときめき小学校の4年生[ep 7]。「ゼゼカラ」の熱狂的ファンで総合学習の時間でゼゼカラの取材をする。「やめたいクレーマー」では成瀬の地域パトロールに同伴し[ep 9]、「探さないでください」では自主的に一人でパトロールしている[ep 11]
呉間 言実(くれま ことみ)
「やめたいクレーマー」の視点主。近所のスーパーにクレームをつける(のをやめたい)36歳の主婦[ep 9]。妊活していた時期があったが、待ち時間の長さや待合室の椅子が少ないなどクレームをつけ通えなくなっている[ep 9]。成瀬から万引きを捕まえるのに、フレンドマートを午前中パトロールしてもらいたいと持ち掛けられる。
呉間 祐生(くれま ゆうせい)
言実の夫[ep 9]。クレーマーの父・一雄を反面教師として育ったのか、まったくクレームを言わない。人懐っこい笑顔[ep 11]。大阪から滋賀に転勤となり、当初は大阪から通勤していたが、琵琶湖を気に入りレイクフロント大津におの浜メモリアルプレミアレジデンスに引越している。

主人公の周辺人物

みゆきの母親
島崎みゆきの母親[ep 1]。小さい時から間近で見てきた成瀬の行動を面白がっている[ep 1]。第1回から視聴するM-1グランプリの2004年を「神回」と言ったり[ep 2]、深夜番組に出演する漫才コンビ・オーロラソースの話題に食いつく[ep 2]など、お笑い好き。
滋賀県外出身で、滋賀を見下しているところがある[ep 11]
オーロラソース
マヨネーズ隅田(マヨネーズすみだ)、ケチャップ横尾(ケチャップよこお)
M-1グランプリの予選でゼゼカラと同じ予選グループの漫才コンビ[ep 2]。みゆきの母が関心を寄せている。
その後、出世してMBSテレビで「オーロラソース DE マリアージュ」という深夜の冠番組を持つようになる[ep 6][注 13]
みゆきの東京転居と同じタイミングで東京進出し、お昼のバラエティー番組の木曜レギュラーとなる[ep 11]
咲子(さきこ)
あかりの叔母(あかりの母・美貴子の妹)[ep 15]。彦根市在住で、夫と子ども二人と暮らしている。

実在する人物

人物そのものへの言及や、登場人物に似ている人物の例え、比喩表現などで実在する人物の名前が作中に登場する。

シリーズ一覧

『成瀬は天下を取りにいく』

シリーズ第1作。連作短編集。文庫本にはエッセイ「大津ときめき紀行 ぜぜさんぽ」と森見登美彦による解説を収録[11]
  • 単行本:2023年3月17日発行[2]新潮社ISBN 978-4-10-354951-2
  • 文庫本:2025年6月25日発売[19]新潮文庫ISBN 978-4-10-106141-2
タイトル 初出 成瀬あかり史
ありがとう西武大津店『小説新潮』2021年5月号[3]中学2年の夏休みの出来事(2020年)
膳所から来ました書き下ろし中学2年の9月の出来事(2020年)
階段は走らない『小説新潮』2022年5月号[20]「ありがとう西武大津店」の外伝
線がつながる書き下ろし高校1年の4月 - 8月の出来事(2022年)
レッツゴーミシガン書き下ろし高校2年の7月の出来事(2023年)
ときめき江州音頭書き下ろし高校3年の8月の出来事(2024年)

Audibleオトバンクからそれぞれ朗読、ドラマ形式で音声化されている[21][22](詳細は「成瀬は天下を取りにいく#オーディオブック」を参照)。

『成瀬は信じた道をいく』

シリーズ第2作。連作短編集。
タイトル初出 成瀬あかり史
ときめきっ子タイム書き下ろし高校3年の10月の出来事(2024年)
成瀬慶彦の憂鬱書き下ろし高校3年の2月の出来事(2025年)
やめたいクレーマー『小説新潮』2023年5月号[24]大学1回生の6月 - 8月の出来事(2025年)
コンビーフはうまい書き下ろし高校3年の3月 - 大学1回生の7月の出来事(2025年)
探さないでください書き下ろし大学1回生の大晦日から元日の出来事(2025年 - 2026年)

Audibleとオトバンクからそれぞれ朗読、ドラマ形式で音声化されている[21][25](詳細は「成瀬は信じた道をいく#オーディオブック」を参照)。

『成瀬は都を駆け抜ける』

シリーズ第3作。連作短編集。
タイトル初出成瀬あかり史
やすらぎハムエッグ『小説新潮』2024年5月号[27]大学1回生の4月 - 5月の出来事(2025年)
実家が北白川『小説新潮』2025年1月号[28]大学1回生の6月の出来事(2025年)
ぼきののか『小説新潮』2025年5月号[29]大学1回生の7月 - 8月の出来事(2025年)
そういう子なので書き下ろし大学1回生の10月の出来事(2025年)
親愛なるあなたへ書き下ろし大学1回生の12月の出来事(2025年)
琵琶湖の水は絶えずして書き下ろし大学1回生の3月の出来事(2026年)

Audibleとオトバンクからそれぞれ朗読、ドラマ形式で音声化されている[21][30](詳細は「成瀬は都を駆け抜ける#オーディオブック」を参照)。

メディアミックス

コミカライズ

書誌情報(コミカライズ)

  • 『成瀬は天下を取りにいく』新潮社〈BUNCH COMICS〉、全3巻
    1. 2024年12月9日発売[34]ISBN 978-4-10-772770-1
    2. 2025年6月9日発売[35]ISBN 978-4-10-772837-1 - 描き下ろしの番外編「あかりちゃんとみゆきちゃん」を収録[36]
    3. 2025年8月7日発売[37]ISBN 978-4-10-772858-6 - 描き下ろしの番外編「西浦くんのつぐ想い」を収録[38][注 14]

朗読劇

舞台

舞台 『成瀬は天下を取りにいく』』のタイトルで2026年7月に、『成瀬は天下を取りにいく』と『成瀬は信じた道をいく』を原作に東京・サンシャイン劇場、京都・南座、滋賀・大津市民会館で上演予定[40]。主演は山下美月[40]

キャスト(舞台)

スタッフ(舞台)

  • 原作 - 宮島未奈
    • 『成瀬は天下を取りにいく』(新潮文庫刊)[40]
    • 『成瀬は信じた道をいく』(新潮社刊)[40]
  • 脚本・演出 - G2[40]
  • 製作 - 松竹[40]

コラボレーション

脚注

外部リンク

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