新しい夜明け
From Wikipedia, the free encyclopedia
| 『新しい夜明け』 | ||||
|---|---|---|---|---|
| ボブ・ディラン の スタジオ・アルバム | ||||
| リリース | ||||
| 録音 | 1970年6月-8月 | |||
| ジャンル | ロック、カントリー・ロック、カントリー | |||
| 時間 | ||||
| レーベル | コロムビア | |||
| プロデュース | ボブ・ジョンストン | |||
| 専門評論家によるレビュー | ||||
| チャート最高順位 | ||||
| ||||
| ゴールドディスク | ||||
| ||||
| ボブ・ディラン アルバム 年表 | ||||
| ||||
| 『新しい夜明け』収録のシングル | ||||
| ||||
『新しい夜明け』(あたらしいよあけ、英: New Morning)は、1970年にリリースされたボブ・ディランの11作目のスタジオ・アルバム。
ビルボード・トップ LP's チャートで最高7位、全英アルバム・チャートで1位を記録した。RIAAによりゴールド・ディスクに認定されている。
1970年4月3日のレコーディングをもってアルバム『セルフ・ポートレイト』の制作は事実上完了した。ボブ・ディランはナッシュビルからニューヨークに拠点を移し、同年5月1日にニューヨークのコロムビア・レコーディング・スタジオでジョージ・ハリスン、チャーリー・ダニエルズ、ラス・カンケルらとセッションを行った。一部の曲ではプロデューサーのボブ・ジョンストンも参加し、ピアノを弾いた[1]。「サイン・オン・ザ・ウィンドウ」「イフ・ナット・フォー・ユー」「時はのどかに流れゆく」などのほか、ディランの過去の作品(「いつもの朝に」「くよくよするなよ」など)も録音された。この日に録音された音源はレコードには収録されなかったが、ハリスンは自身のソロ・アルバム用に「イフ・ナット・フォー・ユー」を5月下旬から6月上旬にかけての期間にロンドンのEMIスタジオで録音した[2][注 1]。
6月1日、本格的に『新しい夜明け』のレコーディングが開始され、アル・クーパー、デヴィッド・ブロムバーグ、ロン・コーネリアスらが加わった[1]。レコーディングは6月5日まで5日間連続して行われた[1]。
6月9日、ディランはプリンストン大学から名誉音楽博士号を授与された。デヴィッド・クロスビーは授賞式に出席することに躊躇していたディランを車に乗せ大学へ向かった。このときの体験を元にしてディランは「せみの鳴く日」を書いた[3]。
6月30日、「風に吹かれて」の新しいバージョンを録音することに専念したが、結局アルバムには収録されなかった。そしてこのセッションを機にプロデューサーのボブ・ジョンストンはスタジオに戻ることはなかった。ディラン自身がジョンストンとの仕事をそれ以上求めなかったとも言われている。ジョンストンはこの年の夏に行われたレナード・コーエンのヨーロッパ・ツアーに参加したため、実質的な意味でディランから離れることになった[4][5]。
クーパーはディランを説得し、7月13日に「新しい夜明け」と「サイン・オン・ザ・ウィンドウ」のオーケストラのダビングを行った。7月23日もクーパーの主導の下、「ジプシーに会いに行った」と「スペイン語は愛の言葉」と「イフ・ナット・フォー・ユー」のオーバーダブを行った。しかしディランはこれらダビングした音源は最終的には採用しなかった[1][5]。
8月12日、「イフ・ナット・フォー・ユー」「せみの鳴く日」「時はのどかに流れゆく」をレコーディングした。参加ミュージシャンはバジー・フェイトン(ギター)、ハーヴェイ・ブルックス(ベース)、アル・クーパー(オルガン)の3人だった。結局この日に録ったテイクがそのまま3曲ともアルバムに収録された[1]。
10月21日、『新しい夜明け』は発売された[1]。
収録曲
全曲、作詞・作曲: ボブ・ディラン
Side 1
- イフ・ナット・フォー・ユー - If Not for You - 2:39
- せみの鳴く日 - Day of the Locusts - 3:57
- 時はのどかに流れゆく - Time Passes Slowly - 2:33
- ジプシーに会いに行った - Went to See the Gypsy - 2:49
- ウィンタールード - Winterlude - 2:21
- イフ・ドッグズ・ラン・フリー - If Dogs Run Free - 3:37
Side 2
- 新しい夜明け - New Morning - 3:56
- サイン・オン・ザ・ウィンドウ - Sign on the Window - 3:39
- ワン・モア・ウィークエンド - One More Weekend - 3:09
- ザ・マン・イン・ミー - The Man in Me - 3:07
- 3人の天使 - Three Angels - 2:07
- ファーザー・オブ・ナイト - Father of Night - 1:27
パーソネル
- ボブ・ディラン – ボーカル、アコースティック・ギター、エレキ・ギター、オルガン、ピアノ
- デヴィッド・ブロムバーグ – エレキ・ギター、ドブロ
- ハーヴェイ・ブルックス – ベース・ギター
- ロン・コーネリアス – エレキ・ギター
- チャーリー・ダニエルズ – ベース・ギター
- バジー・フェイトン – エレキ・ギター
- アル・クーパー – オルガン、ピアノ、エレキ・ギター、フレンチ・ホルン
- ラス・カンケル – ドラムス
- ビリー・ムンディ – ドラムス
- ヒルダ・ハリス – バック・ボーカル
- アルバーティン・ロビンソン – バック・ボーカル
- Maeretha Stewart – バック・ボーカル「イフ・ドッグズ・ラン・フリー」
- ボブ・ジョンストン – プロデューサー
- レン・シーグラー – フォトグラファー
反響・評価
チャート
| 年 | チャート | 最高順位 |
|---|---|---|
| 1970年 | ビルボード・トップ LP's 200 | 7 |
| 1970年 | 全英アルバム・チャート Top 75 | 1 |
リリース
- アメリカ
| 日付 | レーベル | フォーマット | カタログ番号 | 付記 |
|---|---|---|---|---|
| 1970年10月19日
1970年10月21日[10] |
Columbia | LP | KC 30290 | |
| Columbia | CD | CK | ||
| 2009年3月31日[11] | Columbia | CD | リマスター |
- 日本
| 日付 | レーベル | フォーマット | カタログ番号 | 付記 |
|---|---|---|---|---|
| 1970年10月21日 | CBSソニー | LP | SONP-50390 | |
| 1974年 | CBSソニー | LP | SOPL-228 | |
| 1976年 | CBSソニー | LP | 25AP 281 | |
| 1987年12月21日[12] | CBSソニー | CD | 28DP 1109 | CBS CD ROCK 100 |
| 1991年12月1日[13] | ソニー | CD | SRCS 6161 | NICE PRICE LINE |
| 2009年5月27日[14] | ソニー | CD | SICP-2006 | 2008年デジタル・リマスター、紙ジャケ、完全生産限定盤 |
| 2009年9月30日[15] | ソニー | Blu-spec CD | SICP-20221 |
備考
- 1970年春、ディランは米国の桂冠詩人の一人であるアーチボルト・マクリーシュより、スティーヴン・ヴィンセント・ベネの短編 The Devil and Daniel Webster を戯曲化したミュージカル『スクラッチ』のための音楽を依頼され、マクリーシュの脚本を読み楽曲を提供した。「新しい夜明け」、「ファーザー・オブ・ナイト」、「時はのどかに流れゆく」は、その戯曲のために書かれた曲である。『スクラッチ』は、1971年5月6日ブロードウェイで上演されたが、2日後の5月8日には打ち切りになっている。[16]
- 今作ではディランはかつての『ブロンド・オン・ブロンド』(1966年)を彷彿とさせる曲もあり、メディアの評価も好意的ではあったが、収録曲自体はピアノ弾き語りがメインで女性コーラスの多用やジャズ、ゴスペル調のスタイルも取り入れるなど、その後のスタイルの変遷を予兆させるものとなっている。
- 初期プレスでは「新しい夜明け」のイントロでディランがカウントを取る部分も収録されていたが後にカットされた。日本盤LPでは継続してそのVersionが使用されていた。また今セッションで収録されたカバー曲のいくつかは三年後「ディラン」に収録された。