日本人のへそ
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とある大学教授の提案から、吃音症治療として浅草のストリッパーの半生を劇中劇で描き、そこから物語は二転三転する。言葉遊びを駆使した喜劇でありながら、日本の社会と精神を風刺し、ミステリー、音楽劇の要素も含む作品である。また、井上自身の経歴や体験が内容に多く反映されている[1]。
NHKの人形劇『ひょっこりひょうたん島』で井上の脚本に感銘を受けた出演者の熊倉一雄が、1967年2月に自身の劇団テアトル・エコーのため井上へ書き下ろし脚本を依頼。完成したのが本作品である。熊倉が当時自ら演出と主演を務め、「日本人のへそ」という題も熊倉が命名している[2]。
1969年2月の初演で成功を収め、しばらく熊倉と井上のコンビによる作品は演劇界の話題となった[3]。また、自分に戯曲の才能はないと思っていた井上はこの成功から、劇作家を一生の仕事にしようと決意したという[4]。
テアトル・エコーでは2度再演されている。2010年の3度目の公演は「目が黒いうちに再演したい」と熊倉の意向で井上本人の快諾の上で企画されたものの、公演前に井上が死去したことから追悼公演となった。また、井上主宰によるこまつ座でも、1985年以降公演が行われている。
初演に出演した山田康雄は本作について、後に「既成の新劇の演技術では処しきれない井上ひさしさんのデビュー作に、役者も演出家も悪戦苦闘していた」と述懐している。なお、山田は役作りの際『ルパン三世』の原作を大きな参考にしたといい、それが縁で代表作となるルパン三世の声優に抜擢されることとなった[5]。
あらすじ
公演
主な出演
主なスタッフ
書誌情報
- 表裏源内蛙合戦(1975年、新潮社、ISBN 978-4101168029)
- 井上ひさし全芝居 その一(1984年、新潮社、ISBN 978-4-10-302315-9)
映画
| 日本人のへそ | |
|---|---|
| 監督 | 須川栄三 |
| 脚本 | 白坂依志夫 |
| 原作 | 井上ひさし |
| 製作 |
須川栄三 藤井浩明 西村隆平 |
| 出演者 |
緑魔子 美輪明宏 佐藤蛾次郎 |
| 音楽 | 服部公一 |
| 撮影 | 逢沢譲 |
| 編集 | 黒岩義民 |
| 配給 | ATG |
| 公開 |
|
| 上映時間 | 101分 |
| 製作国 |
|
| 言語 | 日本語 |
1977年公開。テアトル・エコー公演を基にしており、熊倉も舞台とは別役ながら出演している。
スタッフ
- 監督 - 須川栄三
- 脚本 - 白坂依志夫
- 原作 - 井上ひさし
- 製作 - 須川栄三、藤井浩明、西村隆平
- 撮影 - 逢沢譲
- 美術 - 竹中和雄
- 音楽 - 服部公一
- 録音 - 太田六敏、宮下光威
- 照明 - 福富精治
- 編集 - 黒岩義民
- 助監督 - 近藤明男
- スチル - ケン影岡
- 振付 - 中川久美