月に聞いた11の物語
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題名のとおり、物語性の強い11の楽曲が収録されている。付属のブックレットには歌詞などとともに、谷山による各楽曲に対する解説も掲載されている。物語性の強い楽曲が収録された背景について、谷山は自身がダークな物語やテーマのある音楽を好んでいることが関係していると語っている。『夢みる力』から本アルバムのリリースまでにもROLLYや栗コーダーカルテットと合作する企画があったが、それでもファンからオリジナル・アルバムの新作を待望されていたという[2][3]。
『月に聞いた11の物語』という題名は、アンデルセンの短編童話集『絵のない絵本』から着想を得た。この作品は月が語り手として登場しており、谷山にはこの作品のように短い物語が多数入ったアルバムを目指したいという意向があったという。収録曲には歌詞に「月」という言葉が含まれるものもいくつかあるが、谷山はアルバムの題名を付ける際にその点についてはあまり意識していなかったと語っている[3]。また、収録曲の「きつね」と「金色野原」はそれぞれ宮沢賢治の童話『土神と狐』、梨木香歩の小説『西の魔女が死んだ』から着想を得ている。どちらも谷山が40代以降に読んで最も感涙した作品であるという[4]。
谷山の指名により、編曲者として石井AQ、蓜島邦明、寺嶋民哉、保刈久明、からくり人形楽団(谷山、ROLLY、佐藤研二、高橋ロジャー和久、石井のユニット[1])が参加した。谷山の要望により、蓜島は「あやしい系」[3] (「妖しい」および「怪しい」[2][5])、寺嶋は「美しい系」[3]の曲の編曲を担当したという。寺嶋は「テルーの唄」のシングルバージョンの編曲を担当したことがあり、この楽曲は映画『ゲド戦記』の予告編で使用された。谷山がそのときの寺嶋のシンセ・ストリングスと、満天の星空を映すアニメーションに感動したことから、本アルバムには寺嶋のシンセ・オーケストラが取り入れられているという。また谷山は、自身の楽曲の編曲を長年担当している石井とは好みが似通っていると評しており、石井には他の編曲者の色味をつけたくない曲の編曲を依頼したという[3]。