海底撈火鍋
火鍋レストランのチェーン店
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海底撈火鍋(かいていろうひなべ、海底撈国際控股有限公司)は中華人民共和国四川省簡陽市に本社を置く火鍋を主とした飲食業を行う企業。サービス重視の経営方針で知られ、中国最大規模の火鍋チェーンとして中国国内外に店舗を展開している。2022年時点で、直営店は中国大陸の164都市に1,349店舗、海外に67店舗を構えている。
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種類 | 公開会社、上場企業 |
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| 市場情報 | SEHK: 6862(ブルーチップ) |
| 設立 | 1994年3月20日 |
| 創業者 | 張勇 |
| 本社 |
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拠点数 |
1363店舗 (2025年8月現在[注 1][1]) |
事業地域 |
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主要人物 |
董事長:張勇 CEO:楊利娟[2] |
| 製品 | 飲食業および食産業 |
| 売上高 |
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営業利益 |
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利益 |
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| 総資産 |
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| 純資産 |
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従業員数 | 120,000 |
| ウェブサイト | http://www.haidilao.com |





特徴
海底撈火鍋は中高級火鍋店に位置づけられ、1人当たりの消費額は150~200元の高水準となっている。同社は丁寧な顧客サービスで知られており、店内ではエプロン、ヘアゴム、ヘアピンなどを提供し、託児サービスも行う。待ち時間には無料の靴磨きやマニキュアのサービスも利用でき、店員は客のエビの殻を剥いたり、歌唱や踊るように麺を伸ばすパフォーマンスのほか、誕生日の客へのケーキのサービスなどを行っている。2023年には、中国・広西チワン族自治区発祥のダンス「科目三」を接客パフォーマンスに取り入れ、店員が店内でこのダンスを披露するサービスがSNSなどで話題となった[3][4][5]。また店員は中国全国各地の出身者が集められ、客は同郷出身の店員を指名することもできる[6][7][8][9]。また外部からの食材や酒類の持ち込みも許可されている[10]。また同社は四川省簡陽市にショッピングセンターを運営している[11]。
歴史
海底撈は1994年3月20日に張勇が中国四川省簡陽市で「地上種」という名の麻辣湯を主とした小さな飲食店を創業したことに始まった。現在の社名である「海底撈」は、麻雀の一種である四川麻雀の用語に由来する[12]。その後、四川風火鍋を主体として中国各地の火鍋特色を融合した店になり、1999年の西安雁塔店開業を皮切りにチェーン展開を開始した[13][14]。
中国国外への進出は2012年末にシンガポールで初の店舗を開業したことから始まり、2015年には台北に台湾1号店、2017年には香港油麻地に旗艦店を開設した。香港店では月額約55万香港ドルの賃料で24時間営業を計画し[15]、2017年10月に営業を開始した[16]。 2018年5月17日に同社は香港証券取引所への上場申請を行い、6~7億アメリカドルの資金調達を目指した[17]。同年9月11日から株式の公募を開始し、9月26日に香港証券取引所のメインボードに上場。公募価格は1株当たり14.80~17.80香港ドルで、1,000株単位の最低投資額は17,979.37香港ドルとなり、当時最高額の新規上場銘柄となった[18]。 2019年にはマレーシアのサンウェイ・ピラミッドに初の店舗を開業するなど積極的な拡大を続けた[19]。同年11月、シンガポールでは12店舗を展開し、聯合早報から「中国十大業界リーディングブランド賞(中: 中国十大行业领军品牌奖)」を受賞した[20]。
設備面では、2018年に北京の中駿・世界城店においてロボットアームや中枢制御システムを備えた配膳ロボットを導入。パナソニックとの共同開発で食品安全の強化とスマート化を推進する取り組みとして、他の店舗にも順次展開される予定となっている[21][22]。
コロナ禍においては、市場の回復を予測して店舗の拡大を続けたが判断の誤りと需要の低迷により収益が悪化。2021年度には39.76億人民元の営業損益を計上し、初の赤字を記録した。2020年からは2年連続で純資産も減少しており、2021年11月には不採算の店舗を中心に300店舗以上を閉鎖した[23]。
2023年8月16日に無錫茂業天地店で洗髪サービスを開始。海底撈はこれを会員向けの店舗独自のサービスであり、会員特典の拡充を目的としたものと説明した[24][25]。 10月には西安文理学院の学食内に「海底撈キャンパス火鍋(中: 海底捞校园火锅)」なる店舗を開設。学食内に併設された校内限定の営業店舗として学生向けに特化した価格設定の店舗で海底撈として初めての大学キャンパスへの進出となったほか、ポストコロナ期における同社の再拡大の兆しともなった[26]。
店舗
2020年12月末時点で海底撈は世界全体で1,400店舗を展開しており、このうち中国大陸に1,240店舗、その他60店舗以上が香港、マカオ、シンガポール、台湾、韓国、日本、タイ、アメリカ、オーストラリア、カナダ、アラブ首長国連邦に所在していた。2017年通年の収入は106.37億元で前年比36.2%増、純利益は10.28億元で2016年の7.35億元と比較して約4割の増加であった。 2021年11月5日に海底撈は2021年12月31日までに約300店舗を閉鎖すると発表したが、従業員の解雇は行わないとした。主な理由は急速な店舗拡大による業績不振である。この発表時点で株価は既に75%下落し、時価総額は3,500億香港ドル減少していた[27]。
2020年末時点での主な地域別の店舗数
- 中国大陸:1,240店舗
- 香港:5店舗(油麻地店、銅鑼湾店、尖沙咀店、荃湾店、将軍澳店)
- マカオ:2店舗(ザ・ロンドナー・マカオ店、ザ・ベネチアン・マカオ店)
- 日本:6店舗(池袋店、新宿店、大阪心斎橋店、幕張店、横浜駅前店、上野店)
- 韓国:7店舗(明洞店、江南店、弘大店、建大店、永登浦店、大学路店、釜山店)
- 台湾:16店舗
- ベトナム:1店舗(ビテクスコ・フィナンシャルタワー店)
- マレーシア:17店舗(セランゴール、クアラルンプール、マラッカ、ジョホール、ペナン、ペラ、サバ、サラワク各店)
- タイ:7店舗(バンコク3、プーケット1、チエンマイ2、パタヤ1)
- シンガポール:12店舗
- インドネシア:10店舗(ジャカルタ6、スラバヤ1、タンゲラン1、メダン1、バタム1)
- オーストラリア:6店舗(シドニー2、メルボルン2、ブリスベン2)
- イギリス:2店舗(ロンドン・ピカデリー店、バーミンガム・ブルリング店)
- アメリカ:13店舗(カリフォルニア州など)
- カナダ:5店舗(バンクーバー、リッチモンド、トロント、マーカム、スカーバロー)
- アラブ首長国連邦:1店舗(ドバイ・モール店)
- フィリピン:1店舗(SMモール・オブ・アジア店)
2022年には新たに24店舗を開業し、48店舗を再開、50店舗を閉鎖した。2022年12月31日時点で、中国大陸に1,349店舗、香港・マカオ・台湾地区に22店舗を展開していた[28]。
子会社
- 蜀海北京投資有限公司:研究開発、調達、生産、品質管理、倉庫管理、輸送、販売を業務とするサプライチェーンサービス企業。
- 海底撈調味料官方旗艦店[29]。
問題・論争
食品安全問題
海底撈では過去に複数回の食品安全問題が発覚しており、同社ではほぼ毎月公式サイトにて各店舗の検査で判明した問題(食材期限切れ、設備不良、不衛生な作業など)を公表している[30]。 2017年8月に法制晚報の記者が北京勁松店および太陽宮店に潜入取材した際、配膳室や流し場においてネズミの出没および食品棚への侵入、下水掃除用の箒や雑巾を流し場や保管庫の清掃に使い回す行為、流し場内部の重篤な汚れなどが確認された[6]。 この報道の後、海底撈は事実を認め、深く遺憾の意を表明し、関係店舗への即時営業停止の命令を行った。北京市食品薬品監督管理局も調査に乗り出して両店舗を行政処分対象とした[31]。 同社は全店舗での厨房の公開徹底と監視カメラによる管理の徹底を約束し、太陽宮店が同年9月30日、勁松店が12月に営業を再開した[32][33]。
2017年8月にはシンガポールの店舗で従業員が素手で食品を扱ったとして当局から注意を受け[34]、2018年2月にもクラーククレイ店が同様の違反で2週間の営業停止および800シンガポールドルの罰金を命じられた[35]。 2025年3月6日に中国のインターネット上で、男性が海底撈のテーブル上で鍋に排尿する動画が拡散された。3月8日に上海市公安局黄浦分局によって、2月24日未明に上海外灘店で発生した事件であると確認、容疑者2人を行政拘留した[36]。海底撈は3月10日に2人へ民事訴訟を起こし、該当店舗の鍋・食器類を全交換および徹底的な清掃を実施。3月12日には当該期間中に同店で飲食した4,109組の客に対し、全額の返金および注文金額の10倍を補償すると発表した[37]。9月12日、黄浦区人民法院は被告2名およびその保護者に対し、指定新聞での謝罪広告掲載と220万元の賠償を命じた[38]。
持参食材をめぐる議論
中国大陸の店舗では以前からメニューにない食材の持ち込みを原則認めてはいたものの、食品安全のため店舗側で検食・留置を行っていた(但し詳細は店舗ごとに異なる)[39]。 2017年12月12日より台湾の店舗は食材や酒類の無料持ち込み、個室利用時の料金縛りなし・時間制限なし・開瓶料なしという客側に有利な異例のサービスを発表し、大きな話題となった。発表後、台湾店舗の約9割の客が持ち込みを利用する状況となったが[10][39]、同業他社から「業界価格を破壊する行為」との批判が相次いだ[40]。持ち込み量が食品の安全管理の許容を超えたため、2018年2月15日からは台湾の店舗においては食材の持ち込みを全面禁止とした。その後、上海や北京の一部店舗でも持ち込みの禁止が順次実施された[39]。 2023年2月21日より、中国大陸の全店舗において食材の持ち込みが厳格に禁止されたことが確認されている[41]。
台湾店舗における監視カメラをめぐる懸念
台湾の店舗では店内に多数の監視カメラを設置していることから、プライバシーや国家安全保障上の懸念が指摘された。海底撈は「すべての映像は台湾の法令に基づき処理され、海外でのバックアップは行わず、一定期間で上書き消去する」と説明しているが、一部市民にはデータ流出への懸念が残っている[42]。