漁港の肉子ちゃん
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| 漁港の肉子ちゃん | |
|---|---|
| 小説 | |
| 著者 | 西加奈子 |
| 出版社 | 幻冬舎 |
| 発売日 | 2011年8月31日 |
| 漫画 | |
| 原作・原案など | 西加奈子 |
| 作画 | 杉作 |
| 出版社 | 幻冬舎コミックス |
| 掲載サイト | comicブースト |
| レーベル | バーズコミックススペシャル |
| 発表期間 | 2021年1月29日 - 2022年3月11日 |
| 巻数 | 全2巻 |
| 映画 | |
| 原作 | 西加奈子 |
| 監督 | 渡辺歩 |
| 脚本 | 大島里美 |
| キャラクターデザイン | 小西賢一 |
| 音楽 | 村松崇継 |
| 制作 | STUDIO 4℃ |
| 製作 | 吉本興業 |
| 配給 | アスミック・エース |
| 封切日 | 2021年6月11日 |
| 上映時間 | 97分 |
| テンプレート - ノート | |
| プロジェクト | アニメ |
| ポータル | 文学・アニメ |
『漁港の肉子ちゃん』(ぎょこうのにくこちゃん、Fortune Favors Lady Nikuko)は、西加奈子による日本の小説[1]。2011年8月31日に幻冬舎より発売された[2]。
北陸の漁港で船に住む二人きりの母娘、よくいえば天真爛漫でいじらしい、悪くいえばだらしなくてダサくて能天気という肉子ちゃんと、美しく知的な少女キクりんの半年間の日常が描かれた作品[3][4]。
表紙イラストは著者の西加奈子自身によるもので、裸の女性が身を丸めているクリムトの「ダナエ」を、独特のタッチで再現している[4]。
2021年1月時点で累計発行部数は35万部を突破している[3][5]。
主人公の肉子が、太っていてダサくて、男性に関して奔放で騙されやすい人物として描かれているのは、天使のような真っ白な気持ちのキラキラした人を書きたいと思った著者が、「それはやはり処女ではなくこういう人だろう」と思ったから[4]。また、物語を肉子本人ではなく、子供でも大人の女性でもない微妙な年頃である小学5年生の娘のキクコの視点で描いたのは、一人称や三人称で書くと本人がどれだけ魅力的でも男性にだらしない女性の話となればどうしても直接的で生臭くなってしまうからである[4]。
本作は、次回作の舞台は猫が生魚を食べているような場所がいいと思った著者が、担当編集者とその出身地である宮城県石巻市と女川町を東日本大震災前に旅したことをきっかけに書かれた[6]。結果として、物語の設定上の都合で舞台は日本海に面した架空の町にすることに決めたが、当初予定していた舞台が執筆後に被災したことに関して、「もし書いている最中に震災が起こっていたら内容は書き直していたと思う。それも自意識にとらわれて"私は被災した人々と土地に対してこんなに心を砕いてます"というアピールのための直しになっていたのではないか。そうした善意の取り合い合戦にのることなく、素直にキラキラしていた石巻の思い出だけをもとにして書けてよかった」と述懐している[4]。
あらすじ
太っていて不細工だが、とても明るい肉子ちゃんは、男にだまされフラれるたびに住む場所を転々と変えながらもひたむきに生き抜いてきた[2][7][8]。書き置きを残して蒸発した男を追いかけて、痩せっぽっちの幼い娘キクりんと北の小さな漁港にたどり着いた肉子ちゃんは、そこで焼き肉屋「うをがし」の店主サッサンと出会った。妻に先立たれ、子供もおらず、孤独に絶望して店を畳もうとしていたサッサンは、キクりんを連れて現れた肉子ちゃんを見て「肉の神様が現れた」と思い込み、「うをがし」に雇い入れて"お腹を壊さないこと"を条件に、所有する小さな漁船に安く住まわせることにした[7]。こうして始まったこの小さな町での母娘二人の暮らしは、当初は大変なこともあったものの、3年経った今では毎日賑やかに楽しく暮らしていた[7][8]。しかし、11歳となって思春期を迎えたキクりんは、友人たちとの関係や肉子ちゃんとの不安定な暮らしに頭を悩ませるようになっていた[7][8]。
登場人物
- 肉子ちゃん / 見須子 菊子(みすじ きくこ)
- 38歳。北陸の小さな漁港の焼き肉屋「うをがし」で働く。肥満体だが、明るい性格。大阪弁に語呂合わせを交えて話す。関西出身で16歳で大阪に出てスナックで働きはじめたのを皮切りに、何人もの男にだまされ、各地を転々としたのち、キクりんを連れて漁港に落ち着く。うをがしの裏の平屋を「悪評が立つので決してお腹を壊さない」という条件で格安の家賃で借りて住んでいる。
- キクりん / 見須子 喜久子(みすじ きくこ)
- 肉子ちゃんと暮らす小学5年生の少女で物語の語り手。色白で手足が長く、ハーフの男の子に間違えられるほど整った容姿の持ち主。読書が好き。陽気でおおざっぱな肉子ちゃんを淡々と見つめている。
- サッサン / サスケ
- うをがし主人。妻を亡くして店を閉めようとしていたが、肉子ちゃんを見て「肉の神様が現れた」と雇い、店が繁盛するようになった。
- マリア
- キクりんと同じ5年1組のクラスメイトで親友。裕福な網元の家の娘でいつも女の子らしい服を着ている。バスケをする女子グループを分裂させ、自分が優位に立とうとしたが、逆に孤立してしまう。
- 二宮
- 5年2組の男子。同じ組の桜井と松本と一緒にマリアとキクりんの下校するあとをつけている。目つきが暗く無口。人の見ていないところで変な顔を作る癖がある。両親から病気と言われ「ことぶきセンター」で模型をつくる療法を受けている。変顔に気付いたキクりんと親しくなる。
既刊一覧
- 『漁港の肉子ちゃん』(幻冬舎、2011年8月31日、ISBN 978-4-344-02049-8)
- 『漁港の肉子ちゃん』(幻冬舎文庫、2014年4月10日、ISBN 978-4-344-42184-4)
漫画
2021年1月29日から2022年3月11日まで、ウェブコミック配信サイトのcomicブースト(幻冬舎コミックス)にて杉作の作画によりコミカライズ作品が連載され[9]、幻冬舎コミックス〈バーズコミックススペシャル〉よりコミックスが発売された[10]。
- 西加奈子(原作)、杉作(作画)『漁港の肉子ちゃん』幻冬舎コミックス〈バーズコミックス スペシャル〉、全2巻
- 2021年5月24日発売[8]、ISBN 978-4-344-84860-3
- 2022年3月24日発売[11]、ISBN 978-4-344-85016-3