あかね噺
日本の漫画、テレビアニメ番組
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『あかね噺』(あかねばなし)は、原作:末永裕樹、作画:馬上鷹将による日本の漫画。『週刊少年ジャンプ』(集英社)において、2022年11号から連載中[1]。落語家の父親を尊敬する少女が「真打」になるべく噺家として奮闘する[1][3][4]女性落語家を描いた物語[4]。2026年1月時点で累計発行部数300万部を突破している[5]。
| あかね噺 | |
|---|---|
| ジャンル | 少年漫画、落語[1] |
| 漫画 | |
| 原作・原案など | 末永裕樹 |
| 作画 | 馬上鷹将 |
| 出版社 | 集英社 |
| 掲載誌 | 週刊少年ジャンプ |
| レーベル | ジャンプ コミックス |
| 発表号 | 2022年11号 - |
| 発表期間 | 2022年2月14日[1] - |
| 巻数 | 既刊21巻(2026年4月3日現在) |
| その他 | 落語監修:林家木久彦[2][注 1] |
| アニメ | |
| 原作 | 末永裕樹、馬上鷹将 |
| 監督 | 渡辺歩 |
| シリーズ構成 | 土屋理敬 |
| 脚本 | 土屋理敬 |
| キャラクターデザイン | 田中紀衣 |
| 音楽 | 井筒昭雄 |
| アニメーション制作 | ゼクシズ |
| 製作 | 「あかね噺」製作委員会 |
| 放送局 | テレビ朝日系列ほか |
| 放送期間 | 2026年4月4日 - |
| テンプレート - ノート | |
| プロジェクト | 漫画・アニメ |
| ポータル | 漫画・アニメ |
沿革
2022年2月14日発売の『週刊少年ジャンプ』11号より連載を開始[1]。それを記念して、PVを公開[1]。同年6月、単行本第1巻が発売されたことを記念して、YouTubeのジャンプチャンネルにて「親子の掛け合い」や山口勝平による「古典落語『芝浜』の一部」が登場するボイスコミックが公開されている[3][6]。
落語監修は落語家の林家けい木(現林家木久彦:林家木久扇一門)が担当している。これはけい木が自身のTwitterアカウントで『ONE PIECE』に登場する落語ネタを独自に考察していたところ、『週刊少年ジャンプ』編集部から『ONE PIECE magazine』の落語解説の依頼が届き、そこからの縁で2020年11月頃に本作の落語監修も任されたという経緯がある[7]。また、けい木が真打昇進に伴い改名した事で、週刊少年ジャンプ2025年16号より林家木久彦名義で監修を継続。木久彦の真打昇進時に披露興行で使用される後ろ幕には馬上の描き下ろしによるあかね噺のイラストと週刊少年ジャンプのロゴが記載された物が使われている[8]。
原作者である末永は本作について、バトル漫画が主となる『週刊少年ジャンプ』で連載する作品であることから、「演技論を中心としたバトル漫画」であると位置付けている[9]。
2025年8月4日、テレビアニメ化が発表される[10]。
あらすじ
見習い編 第1話~第30話
- プロローグ
- 桜咲朱音は落語家の父を持つ小学生。阿良川志ん太という高座名で細々と活動する父・徹を応援していたが、真打昇格試験にて一門のトップである阿良川一生により破門を宣告されてしまう。心が折れ落語家を廃業した父の無念を晴らすべく、真打を志した朱音は父の師匠である阿良川志ぐまに師事するようになり、6年が経った。高校3年生になった朱音は前座代演として初高座を披露し、阿良川魁生らプロの世界に触れたことで、弟子入りの気持ちを強くするのだった。
- 前座見習い開始(1、2巻収録)
- 高校卒業後の正式な弟子入りが認められた朱音は、まずは志ぐま一門の兄弟子である阿良川享二の仕事に同行する。その中で享二に自身の身勝手な落語を指摘されてしまうが、居酒屋“海”での修行などを通して、落語家に大切な「気働き」を習得していく。
- 可楽杯編(2~4巻収録)
- 朱音の高校に学生落語選手権「可楽杯」の案内が届く。優勝者には一生との座談会が設けられると知った朱音は、破門の真相を聞き出すために出場を決める。出場の条件として志ぐまから『寿限無』で優勝することを言いつけられ、兄弟子阿良川こぐまの助言で噺を鍛えていく。
- 遂に開幕した可楽杯。学生落語の天才練磨家からし、声優の高良木ひかるなど強力なライバルがひしめく中、朱音は挑む。
前座編 第31話~第141話
- 前座修行開幕(4巻収録)
- 高校卒業後、正式に志ぐま一門に入り阿良川あかねを名乗ることになった朱音は、本格的な前座修行に入る。弥栄亭の寄席修行でからし(高座名は三明亭からし)に再会したのもつかの間、可楽杯の一件で入門前から話題を集めていたこともあり、様々な試練が朱音を待ち受ける。
- お茶汲み編(5、6巻収録)
- 噺の稽古に加え、前座として楽屋働きをこなすあかねだったが、新人潰しで有名な先輩落語家に目をつけられ、お茶出しについて嫌みな小言を言われてしまう。翌日の開口一番を利用して仕返しに成功するも、先輩と揉めた噂が広まりあかねは楽屋で孤立、弥栄亭での出番も与えられなくなる。
- 人気の二ツ目柏家禄郎が主催する「禄鳴会」の前座として落語の機会を得るも、前の一件で師匠方にも避けられ、あかねは出演の条件である新ネタ習得に難儀していた。それを見ていた大看板蘭彩歌うららは、値踏みと称して廓噺の『お茶汲み』を教えるが、あかねは花魁の演じ方に苦戦する。
- 替り目編/前座錬成会編(7~9巻収録)
- 阿良川一門の前座の技能を測る前座錬成会の開催が魁生により告げられる。二ツ目昇進への足がかりでもあり、一位になった前座は次代の阿良川を担う若手四人会の出演枠に選ばれるという。錬成会では元営業マンの阿良川嘉一、あかねと可楽杯を戦ったひかる(高座名は阿良川ひかる)など実力派の前座が台頭し、熾烈を究めた。
- 無事四人会への選考に進み、自身の落語家としての個性を模索していたあかねは、演目に志ん太の得意としていた『替り目』を選び、兄弟子阿良川まいけるの下で噺を仕上げる。選考会に挑む中で、あかねは自身の原点である阿良川志ん太に向き合うこととなる。
- 志喜彩祭編(9巻74話~77話)
- 志ぐまのお膝元である天神町にて、志ぐま一門とコラボした祭、志喜彩祭が開かれる。弟子達は毎年出店の売り上げを競うことになっており、あかねはぐりこと共に焼きそばの屋台を出店する。錬成会の結果を引きずり浮かない顔のあかねに、志ぐまはある助言をする。
- 二ツ目推薦編/狸賽編(9巻79話~12巻107話)
- 錬成会の結果、二ツ目昇進に必要な推薦の当てがなくなってしまったあかねだったが、二ツ目昇進の決まった先輩、今昔亭朝がおがあるチラシを持ってくる。唯一推薦をもらえる可能性のある阿良川四天王阿良川泰全と父志ん太、そして朝がおの師匠である今昔亭ちょう朝に繋がりがあるとわかり、朝がおの紹介でちょう朝に話を聞きに行く。
- ちょう朝から噺を教わる約束を取り付けたあかねとからしは、半年後に昇進披露目の会を行う朝がおの勉強会に参加し、そこでの満員札止めを目指す。始めは集客に悩んでいたがあかねの秘策もあり会は成功。披露目の会には泰全の出演が決まり、落語界の注目を集めていた。
- 朝がおから披露目の開口一番を任されたあかねは、ちょう朝から教わった演目『狸賽』で二ツ目昇進の掛かった大一番に挑む。
- まいける真打昇進試験編(13巻108話~14巻117話)
- 破門騒動以来の真打昇進試験に挑むまいける。志ぐま一門を嫌う阿良川全生の妨害、破門騒動のような事件目当てで噺を聞く気のない客席という絶体絶命の状況に陥るが、師匠・弟妹弟子の思いを背負い、過去の因縁に決着をつける。
- 志ぐま独演会(14巻収録)
- 渋谷夏の風物詩、阿良川志ぐま独演会。二ツ目昇進の準備に追われていたあかねは、志ぐまにその開口一番を任される。前座最後の大仕事として、師匠に成長した姿を見せるべくあかねは奮闘する。
- 独演会後~志ぐま一門急展開(15巻126話~131話)
- 独演会後、志ぐまから志ん太破門の本当の理由を告げられたあかねは、改めて“志ぐまの芸”を受け継ぎ一生に認めさせる覚悟を決める。しかし、突如志ぐまが病に倒れ、一生から志ぐま一門の解体とあかねを後見人として預かることが言い渡された。一生と志ぐまの過去、先代志ぐまを知るためにあかねはうららの元へ向かう。
- 阿良川一門過去編(15巻132話~16巻140話)
- 時は1964年の新宿。兄弟分だったかつての一生と志ぐまは、極道から少女(若い頃のうらら)を助けた報復を受けていたところを、後に二人の師匠となる柏家生禄(先代阿良川志ぐま)の仲裁で救われる。その後招かれた寄席で見た生禄の一席をきっかけに2人は弟子入りを志願し、柏家生そば、柏家禄ゑんとして前座修行をこなしていくが、生禄の師匠から高座に上がることを禁じられてしまう。
- そこから2年以上が経ち、名跡を継ぐ代わりに生そばと禄ゑんの破門を言い渡された生禄は、それに背き独断で生そばを高座に上げる。生禄、生そば、禄ゑんは柏家を破門にされ、そして立ち上げられたのが阿良川一門であった。
二ツ目編 第142話~
- 二ツ目編開演(17巻142話~148話)
- 志ぐま一門の再興を誓いそれぞれの道を歩み出してから3年後、あかねの新たな歩みがパリで幕を開ける。一生から言い渡された3年間のフランス修行を終えさらなる進化を遂げたあかねは、帰国後の初高座で堂々たる落語を披露するのだった。長いマクラを終え、志ぐまの芸を継承するための本格的な戦いが今始まる。
- 瑞雲大賞編(18巻~)
- 二ツ目向けの新設の賞レース、瑞雲大賞。あかねは審査員である椿家正明に自身の芸を認めさせ、志ぐまの芸を継承するために必要な3つの噺の1つ、『死神』の稽古をつけてもらうために出場する。二ツ目に昇進したひかるとからしも集結し、可楽杯の再戦に意気込むあかねだったが、自身とは対極の「作品派」である正明と、「笑わせずに勝て」という一生の課題に苦悩していく。
登場人物
担当声優は、特筆ない限りはテレビアニメ版での配役。
桜咲家
- 阿良川 あかね / 桜咲 朱音(あらかわ あかね / おうさき あかね)
- 声 - 永瀬アンナ[10] / 山口茜(ボイスコミック版[3])
- 本作の主人公[1]。連載開始当初は落語家を目指す17歳の女子高生→3月27日生まれの18歳(52席/入門1年目6月時点)。
- 落語家としての父親を尊敬していたが、真打昇進試験で突如破門にされ、サラリーマンに転職したことを周囲から「落語をやめさせられてよかった」と言われたことで、父親の無念を晴らし一生や周囲を見返す為、落語家を目指すようになった。
- 志ん太の一人稽古を間近で見続けまた、人情噺に定評がある父の師匠・志ぐまの下で6年もの間、水面下で噺を教わっていたことで人並以上の噺の技術を身に付けた。必要とあらばすぐさま教えを請い、即行動に移すなど落語に対しては一切妥協しない。先輩や大看板クラスの落語家にも物怖じせず、何かと騒動の中心にいたりと破天荒なところは「チンピラ」と諫められることもある。
- 志ぐまの元で鍛え上げられた基本に忠実かつ端正な芸が持ち味だが、後に高座の演目に様々な噺の要素を即興で取り入れる自由奔放な芸風(落語ヴァース)を確立する。
- 小学生の頃から志ぐまと稽古していた影響か、昭和歌謡や純喫茶など古風な趣味をしている。
- 前座見習い期間は平仮名で「あかね」という高座名で活動し、8か月後に高座名「阿良川あかね」として弥栄亭にて前座デビューを果たす。前座選考会では『替り目』を演じる。高座の前半では自身の原点である志ん太の芸に固執するあまり行き詰まっていたが、後半で志ん太の弱さを受け入れ親離れをする。しかし、得点はひかるに一歩及ばず、92点に終わった[注 2]。その後は泰全から二ツ目昇進の推薦をもらうことを目指し、自身の仁を模索しようとちょう朝に噺を教わる。その時の勉強会を通して、動物系の噺を得意とする。
- 二ツ目昇進が決まった直後に志ぐまが病に倒れ、一生が後見人となった。当初はそれに反発していたが、一生と志ぐまの過去を知り、二人の確執の遠因である"志ぐまの芸"を受け継ぐ覚悟を決める。一生に言い渡された3年間のパリ修行で培った表現力を携え、日本に帰国する
- 様々な逆境や試練を乗り越えて噺家として、人間として少しずつ成長していく。
- 阿良川 志ん太 / 桜咲 徹(あらかわ しんた / おうさき とおる)
- 声 - 福山潤[11]/ 山口勝平(ボイスコミック版[3])
- 朱音の父[2]。職業は落語家[1]で志ぐまの最初の弟子(元一番弟子)。
- 入門から13年経過しても落語家として芽が出ず、街中の小さな寄席で細々と活動していたが、自身を支えてくれる家族に応えるため真打昇進試験を受ける。落語家としては演技力に定評があり、噺の登場人物を丁寧に演じ分けることに長ける。真打昇進試験では持ち前の演技力を活かした古典落語『芝浜』を披露し観客を沸かせたが、審査委員長であった一生の「受験者全員破門」の一言により阿良川一門を他4名と共に破門にされてしまった[注 3]。その後は、コンクリートを売買する流通業者へ就職する。朱音の志ぐま門下への弟子入りは「志ぐま師匠なら心配ない」と後押ししている。
- 特徴的なヘアスタイルと丸眼鏡を掛けており、末永によると外見のモデルは三代目 柳亭小痴楽[注 4]。
- 破門後は落語と距離を置き、あかねの高座を直接見たのは朝がおの披露目が初だったが、使命感でなく楽しそうに落語をする娘を見て涙を流した。全生の妨害で遅刻した泰全を連れてくる、噺に没入して暴走しかけたあかねを引き戻すなど、娘の二ツ目昇進における窮地を間接的に救っている。
- "志ぐまの芸"を継ぎたい思いがあったらしく、それゆえに昇進試験で先代志ぐまの演じ方で『芝浜』をかけたために破門されたと志ぐまは見ている。
- 桜咲 真幸(おうさき まさき)
- 声 - 伊藤静 / 風間万裕子(ボイスコミック版)
- 朱音の母。落語家として芽が出ない夫を応援しており、美容師として働きながら金銭面、精神面で支える。はっきりとした性格をしている。あかねが幼少期から志ぐまに師事していたことを知りつつも、夫の破門騒動の件もあり、娘が落語家を目指すことを本心では了解していなかった。しかし、あかねが自身と同じく一度決めたことは曲げない性格であることも理解しており、志ぐま一門に弟子入りする娘を送り出している。
江戸落語界
阿良川流
伝統の革新を推し進める落語界の革新派[13]。現当主は阿良川一生、その下にそれを支える阿良川四天王が控える。独自の昇進規定があり、前座から二ツ目へは芸歴によらず、落語50席、歌舞音曲、寄席の太鼓、講談をクリアし自分の師匠以外の四天王からの推薦が必要。客と四天王、一生が審査する真打昇進試験がある。
かつて名跡「阿良川志ぐま」が存在したが一度途絶えていた一門で、一生と当代志ぐまの師匠、柏家生禄が1960年代に名跡を継いで興した。柏家とは宗家と分家の関係。
真打の数は7名(108席時点)。
一生一門
- 阿良川 一生(あらかわ いっしょう)
- (柏家生そば → 阿良川一生)
- 声 - 大塚明夫[14] / 玉井勇輝(ボイスコミック版)
- 阿良川一門のトップで当代一の呼び声高い落語家[4]。柏家生禄(後の先代志ぐま)の弟子。6年前の真打昇進試験で志ん太を含む受験者全員を破門にした[4]ため、朱音の母・真幸からは破門ジジイと呼ばれている。破門騒動後は世間から批判が巻き起こるが、自身の高座において圧倒的な実力を見せつけることで批判を称賛に変えてしまうほどの力を持つ。
- 世間の落語離れや年功重視など旧時代然とした現在の落語界を憂いており、業界内に革命を起こそうと考えている。その為、彼の一門は年功度外視で実力主義の方針をとり、志ん太の破門についても「高座で客に弱さを気取られ応援されるような者は真打足りえない」「大衆を振り向かせる強靭な芸こそ阿良川の真打に求められるもの」としてそれを徹底した結果である。苛烈な振る舞いや独自の昇進規定により他の一門からは一生を異端視する声も多いが、志ぐまからは「頑固で我儘、自分勝手だが落語にだけは正直な男」と評されている。
- 主催した可楽杯で優勝したあかねと対談し、前述の志ん太破門の理由と自身の信念を語った。
- 志ぐまが喉頭がんに倒れた後に幹部たちとの会合を経て、志ぐま一門を解体した[注 5]。自身の預かりになったあかねに3年間のフランス修行と、「志ぐまの芸」に関わる一切を禁じることを言い渡す。
- 志ぐまとは1960年代からの兄弟分。生家は戦後の五輪特需で発展した大会社(黒鉄組)であるが、何らかの理由で勘当され、蕎麦屋の店員をしていた時に生禄と出会う。柏家生そばとしての初高座で生禄が破門にされ、その後悔から一生かけて償うことを誓っている。その後も「阿良川志ぐま」の名跡と"志ぐまの芸"を継ぐことができなかったため、過去に囚われている。
- 作者の末永によるとモデルは三遊亭圓生。
- 阿良川 魁生(あらかわ かいせい)
- 声 - 塩野瑛久[15]
- 一生の弟子。すれ違う女性が振り返るほどの美男子。2月1日生まれの21歳(芸歴4年目)(52席/あかね入門1年目6月時点)。6年前の真打昇進試験以降で一生が二ツ目に昇段させた唯一の弟子[注 6]。「色気」を武器とし、『稽古屋』では艶のある女役を難なく演じ、また正反対の間抜けな役を演じることで落差による笑いを生み出す。一方で怪談噺である『豊志賀の死』では嫉妬に狂う女役で鬼気迫る演技を見せる。
- 交通渋滞で遅刻した自身の独演会で前座代演をした朱音の初高座を観て以来、彼女の実力を買っており、一生一門に勧誘するが断られている。
- 母子家庭かつ困窮した幼少期を過ごし、一生とは小学生の時に出会う(当時は落語家だと知らず、母親が経営するスナックで金魚割りをツケで飲んでいく常連だった)。母親が倒れた際、一生に金銭面で助けられたことから弟子入りし、あかねと同じく小学生の頃から師事していた過去がある。そのため、表には見せずとも、一生の弟子として、また落語家として高いプライドと野心を持つ。あかねのフランス修行中に真打昇進試験を受けたが、自身の後継として成長させるため一生にネタ被りの形で台無しにされた。一生を憎悪しつつも弟子としての思いは捨てられず、一生を縛る元凶である志ぐまを恨んでおり、一生會編にてあかねと相対する。
- 阿良川 嘉一(あらかわ かいち)
- 一生の弟子で魁生の弟弟子。第56席時点で入門からわずか2ヶ月目の前座。30代で妻子持ち。眼鏡をかけた小太りの元営業職[注 7]。阿良川一門の前座練成会に出場する。
- 自身の利益よりも客を笑顔にさせることを何より幸福とするサービス精神旺盛な性格。前座選考会ではネタのアレンジに否定的な審査員がいることを承知の上で自身のスタイルを貫き通し、その奉仕の精神を買われ高得点を出すなど浅い芸歴ながらも確かな実力を持つ。
- 営業職時代にたまたま一生の高座を見る機会があり、「人生を懸けるに足る“商材”に出会ってしまった」と脱サラして一生門下に入門した。高座名の由来は「"めでたき"こと事を第"一"とす」で、この名に反した振る舞いをすれば破門と一生に言い渡されている。
- あかねの帰国時には二ツ目に昇進しており、更にテレビ番組で営業職という経歴が「脱サラ落語家」として面白がられた事をきっかけにタレント、役者としても活動し芸の幅を広げている。
志ぐま一門
- 阿良川 志ぐま / 白波 洋輔(あらかわ しぐま / 読み仮名不明)
- (柏家禄ゑん → 阿良川志ぐま)
- 声 - てらそままさき[14] / 斉藤拓哉(ボイスコミック版)
- 阿良川一門のナンバー2で一生の弟弟子に当たる。志ん太、あかねらの師匠[4]。柏家生禄(後の先代志ぐま)の弟子。"泣きの志ぐま"と呼ばれる人情噺の名手。革新派の阿良川一門では唯一の穏健派で、阿良川と溝を深める落語連盟とをかろうじて繋いでいる。二ツ名は天神町であり、町内の宇坂天満宮では一門とコラボした志喜彩祭が行われる。
- 志ん太を守れなかったことを悔いて、破門騒動以降弟子を取らずにいたが、父親の無念を晴らすため落語家になりたいと懇願する朱音の熱意に負け、6年間個人的に稽古をつけていた。始めは贖罪のつもりだったが、彼女の落語家としての将来を夢見るようになり、正式な弟子として育て上げることを誓う。
- 噺の最中に火災報知器が鳴っても客がその場を動かなかったという伝説的なエピソードがある[注 8]。
- あかねの二ツ目昇進決定後に行われた毎年恒例の独演会では、開口一番にあかねを起用した上で、自身も十八番の一つに当たる『死神』を演じ、「引き算の美学」を念頭に置いた熟練した技芸を披露した。
- その後あかねに先代から受け継いできた「志ぐまの芸」を、自身は大成させられていない事を前提としながら伝授するも、初回の稽古直後に心筋梗塞で昏倒。検査の結果ステージ2の喉頭がんである事も判明し、落語家としての今後の活動が危ぶまれている。その後、意識は回復したようで、弟子たちに現場復帰を誓うメールを送っている。
- 一生とは1960年代からの兄弟分。根っからの下町育ちで、直情的な性格から学校にも行っていなかった。蕎麦屋の店員をしていた頃に後の師匠となる生禄と出会う。一生の柏家生そばとしての初高座で生禄が破門にされ、過去を笑い話にできるくらい大きくなることを誓った。
- 漫画・野球・競馬・レコードなどとにかく多趣味。作者の末永によるとモデルは三遊亭圓楽(5代目)と立川志の輔。
- 阿良川 ぐりこ(あらかわ ぐりこ)
- 声 - 山下誠一郎[11] / 鈴木将之(ボイスコミック版)
- 志ぐまの弟子。あかねのすぐ上の兄弟子。二ツ目昇進からまだ日が浅く、あかねの入門時点で芸歴は6〜7年[注 9]。10月11日生まれの前座錬成会時点で24歳。登場当初は芸人仲間からの噂で志ぐまが女子高生とカラオケ店で密会をしていると聞き、探りを入れていた。朱音の入門前は一門の末弟であり、二ツ目ながら朱音の入門時の挨拶の対応など志ぐまの家の雑用は彼が主に行っている。
- おっちょこちょいな所があり、「粗忽」と書かれた服をよく着ている。
- 前座選考会におけるあかねの高座を見て、二ツ目であるにもかかわらず、自分の芸は前座のあかねよりも下であると確信し、志喜彩祭後にその心情を兄弟子のまいけるに吐露。以降はまいけるの紹介で上方(大阪府)の喜福亭鶴花に師事し武者修行をしている。
- 一門解体後は泰全の預かりになり、泰そんとも面識がある。
- 監修の林家けい木等若手落語家からはビジュアルや妹弟子が出来た点から古今亭始(現・古今亭伝輔)がモデルとされていたが、作者の末永が彼の存在を知らなかったために否定されている[16]。
- 阿良川 享二 / 享一(あらかわ きょうじ / きょういち)
- 声 - 阿座上洋平[11]
- 志ぐまの弟子。身分は二ツ目。可楽杯時点で芸歴9年目の28歳→前座錬成会時点で29歳。4月20日生まれ。
- 面倒見が良く、志ん太破門後残った弟子たちをまとめ上げた。生真面目で礼儀作法や基本を重んじる堅物な性格をしており、ぐりこからは「志ぐま一門のお奉行様」と呼ばれている。居酒屋でも専らオレンジジュースを飲み、下戸とされていたが実は酒乱であった[注 10]。 機械に弱く、ガラケーを使っている。
- 高座では自身の性格を活かし、笑い話である落語をひたすら愚直に演じることで噺と演者との温度差による笑いを生み出す。
- 志ぐまの弟子入りを許された朱音の世話役を買って出ている。朱音が自身の仕事に同行した際に『三方一両損』を演じ、兄弟子としての背中を見せた。
- 一門解体後は全生の預かりになり、ぜんまいから「享兄」と呼ばれている。
- 柏家三禄からは"享一"と呼ばれており、柏家一門に在籍していたことが示唆されている。坊主頭などモデルは春風亭一之輔。
- 阿良川 こぐま(あらかわ こぐま)
- 声 - 小林千晃[11]
- 志ぐまの弟子。身分は二ツ目。2月17日生まれ。
- 長い前髪に眼鏡を掛けた青年。ネガティブな性格で対人恐怖症だが、高座では別人。眼鏡を外して髪も上げ、振る舞いも堂々としたものになる(高座モード)。高校生でも通用するほど若く見えるが、実は享二より年上[注 11]で、芸歴も上である。
- 偏差値70超えの元東大生(中退しての入門)であり、演目の時代背景、風俗、舞台になった場所なども事細かに研究して噺に説得力を持たせる理論派。貪欲に知識を学ぶ姿から「寺子屋」と呼ばれている。掘り起こしという手法によって、表舞台から消えた演目を現代に蘇らせる唯一無二の古典の語り手でもある。
- 子供の頃から周囲と馴染まず勉強ばかりしてきたことをコンプレックスに感じていたが、「知識は外付けの自信」という志ん太の言葉をきっかけに、積み重ねた知識を武器に噺を演じている。
- 可楽杯に出場しようとする朱音に散々な評価をしたが、その一方で自分の演じる噺について深く知ろうとすることの大切さを高座で示した。「根に持つ性格」と自称する通り、一生に破門にされた志ん太の敵討ちとばかりに協力している。
- 注目度の高い会などにも消極的だったが、あかねを間近で見ているうちに心境の変化があり、一剣企画の阿良川新風会に出演。自身の掘り起こした『擬宝珠』を披露して学問を驚かせた。
- 一門解体後は一剣の預かりになった。
- 阿良川 まいける(あらかわ まいける)
- 声 - 島﨑信長[11]
- 志ぐまの弟子。身分は二ツ目→真打
- 禄郎と肩を並べる二ツ目の筆頭格[注 12] 。8月20日生まれの前座錬成会時点で32歳。ウェーブの掛かった黒髪で、高座の時は髪を結ぶ。かつては金髪だった。自分が見せたい芸よりも客が見たい芸を選ぶことを信条としている。歌うような流麗な語り口(唄い調子)をお家芸とし、傘回し、三味線、長唄といった余芸もこなす。
- 元来は個人主義な性格で、集団になじめず上京した際に志ぐまの高座を初めて見る。入門のきっかけは落語の「一人でやれる所」を気に入ったためだが、志ぐまに弟子入りを三度断られている。
- 軟派な性格で、初登場時は朱音を恋愛的な意味で落としてしまいそうという理由[注 13]で朱音の面倒を見ることを断り、志ぐまから怒りを買っている。志ん太のことは現在もアニキと呼び、「人間にしてもらった」と並々ならぬ恩を感じている一方、根が個人主義な自分は志ん太のような人情噺は語れないと感じていた。真幸が勤務する美容室の常連であり、彼女のことはアネゴと呼んでいる。
- 弟・妹弟子を特殊な呼び方で呼ぶ[注 14]。
- 前座選考会への出場を果たしたあかねに『替り目』を教え、その稽古では志ん太の演じ方を完全再現してあかねを驚かせた。また、噺家の仁(芸の骨格)と噺の属性を示す「阿良川まいける式噺六性図」を独自に考案しており、あかねに自身がどんな落語家なのか問いかける。志喜彩祭では上方へ行くと決意したぐりこを喜福亭鶴花に紹介し、自身も真打昇進に向き合うことを宣言する。
- 軽薄そうに見えて弟・妹弟子を良く気に掛け、高座でも客席に尽くすことを第一としているが、これは志ん太破門後に「一番弟子」としての覚悟を決めたためである。金髪だった髪を黒に染め、天才的な技巧派であった芸風も封じ、8年半もの間、明るく陽気な芸風で活動していた。
- 真打昇進試験では人情噺である『たちきり』を演じ一生以外の審査員から票を集め、真打昇進を内定させた。
一剣一門
- 阿良川 一剣(あらかわ いっけん)
- 声 - 平田広明
- 阿良川一門のナンバー3。一生の弟子。「享楽の一剣」との異名を持つ一方、「陰陽刑事」を初めとしたドラマや映画に出演する等、俳優としても活躍している。
- 阿良川四天王の一人であり、名実共に阿良川志ぐまと同等の力を持っていると評される。真打昇進試験や可楽杯では一生と共に審査員を務めた。
- 常に一定の笑顔を見せながら飄々と振舞う一方で、演じられる落語や人物への評価については冷静かつ中立的な立場を取り続けている。
- 阿良川 ひかる / 高良木 ひかる(あらかわ ひかる / こうらぎ ひかる)
- 声 - 高橋李依[10]
- 可楽杯に出場した役者・声優達の中でも際立った人気と実力を持つ女性声優。
- 7月18日生まれの20歳(52席/あかね入門1年目6月時点)。学歴は短大卒業。
- 代表作「エデンスノヴァ」・サルエル役で話題を呼んだが、それは自分ではなく作品への評価と判断し、また容姿による人気も良しとせず、演者として実力を積み上げるために可楽杯に出場した。年下で無名ながら優勝候補のあかねに対抗心を燃やし、演目『芝浜』で声優としての研鑽を活かした高い演技力を観客達に見せつけたが、あかねの落語家としての圧倒的な技量の前に敗北する。
- 大人しそうな印象とは裏腹に非常に負けん気の強い性格。福岡県出身で、家族と話す時や気が昂った時には訛りが強くなる。二歳年上の兄がおり、兄の男友達とよく遊んでいた経験から勝気な反抗精神が育ったと思われる。
- あかねとの再戦を諦めきれず、可楽杯後、一剣からスカウトを受け声優業と兼業する形で「阿良川ひかる」として活動している[注 15]。
- 前座錬成会であかねと再会した時には、「あかねを倒すために落語家になった」と豪語する通り、自身を落語家の道に引き込んだ彼女に強い執着を見せている。予選ではうららから教わった『搗屋無間』を演じた。続く選考会では『花見の仇討ち』を演じ、役毎に声色を瞬時に切り替える「八人座頭」で評価を得、あかねにリベンジを果たす。
- あかねのフランス修行中に二ツ目へ昇進し、声優としても落語家としても順風満帆だったが、最大のライバルであるあかねが消息不明だったため内心では不満を抱えていた。
- 阿良川 剣びし(あらかわ けんびし)
- あかねが進路相談の際に岩崎を誘った、らくご喫茶で行われた享ニとの二ツ目二人会に出演した落語家。
- 前座選考会や阿良川まいける真打昇進試験、瑞雲大賞などで司会を務めている。
- 阿良川 けん玉(あらかわ けんだま)
- 前座錬成会に出場したあかねと同期の中性的な外見の青年。愛称は「玉(たま)ちゃん」。一剣の弟子であり、彼に関して説明しようとすると上手く言葉が出て来なくなるほど強く尊敬している。ひかるが入門していることについては、錬成会初日に彼女と会うまで知らされていなかった。
全生一門
- 阿良川 全生(あらかわ ぜんしょう)
- 声 - 立木文彦
- 「喜劇王」の異名を持つ阿良川四天王の一人(入門順においては一剣より上)。アフロヘアーに色付きのメガネ若しくはサングラスをしている。
- 真打昇進試験では一生、一剣と共に審査員を務めた。
- 感情の発露が激しく弟子への愚痴や嫌味は当たり前であり、嫌っている人物への嫌悪も隠さない。特に志ぐまとは犬猿の仲とされ、その弟子であるあかねに対しては泰全へ圧力をかけることで二ツ目昇進を妨害し、まいけるの真打昇段試験では開幕前に予定になかった一生へのコメントを求めることで観客を緊張させ空気を冷めさせる等、様々な手段で妨害工作を行う。
- 上記の通り狡猾で我が儘だが、ゆえに嘘や媚びと無縁の言葉は聞き手に痛烈に刺さる。
- まいけるの『たちきり』を見た際は悪態をつきつつも大粒の涙を流し、絞り出すようにまいけるの昇段を認めた。
- 阿良川 遊全(あらかわ ゆうぜん)
- 全生の弟子。身分は二ツ目。
- ドレッドヘアーのような髪型をしている。一剣企画の阿良川新風会に出演した。
- ギャグを畳みかけて笑いを取るスタイルで、くすぐりやボケの多彩さが持ち味。
- 阿良川 ぜんまい(あらかわ ぜんまい)
- 全生の弟子。身分は前座。
- インパクトがないからという理由で、全生に前髪の一部分を三つ編みにさせられている。魁生と同期の入門4年目。
- 前座選考会の開口一番では『強情灸』を演じ、その後に二ツ目昇進が決まった。
泰全一門
- 阿良川 泰全(あらかわ たいぜん)
- 全生の弟子。真打。阿良川四天王の一人で、志ん太や今昔亭ちょう朝とは同期で前座仲間であった。
- オールバックで険しい顔つきをしており、客席を緊張させた空気とその緩和による笑いを生み出す。
- 志ん太が受験した真打昇進試験の前年、阿良川でただ一人真打に昇進していたがちょう朝のように売れず、故に志ん太の破門を招いたことに罪悪感を抱く。若手時代より寡黙であったが、自身を責め続けた結果自他共に厳しい「怒髪天」と異名を持つまでになった。
- 朝がおの二ツ目披露興行前に全生から圧力をかけられ、あかねに二ツ目昇進の推薦を出さないつもりでいたが、徹の説得やあかねの高座を目の当たりにしたことで推薦を出す。朝がおの昇進披露目の口上を務め、かつてちょう朝、志ん太と3人でした約束(真打になったら弟子の披露目で酒を飲む)を果たした。酔うと饒舌になる。鯛焼きが好き。
- 阿良川 泰そん(あらかわ たいそん)
- 泰全の弟子。最近楽屋入りしたばかりで、気だるげな雰囲気の青年。
- 帰国時の乗り物酔いで倒れかけていたあかねを弥栄亭まで連れて行った。高座を見てあかねを姉弟子と認め、以降何かと行動を共にするようになる。
その他(師匠不明)
- 阿良川 一き、生えん、一のくら、一円(あらかわ いっき、しょうえん、いちのくら、いちえん)
- 四人共に阿良川流の二ツ目の落語家(廃業及び再入門前において)。真打昇進試験を志ん太と共に受験し、審査委員長である一生に破門宣告を受ける。全員が正式に破門となったが、志ぐま曰くこの四名のうち一人又は複数名がその後別の一門に再入門し真打となったとされている。
暄風亭
落語連盟に所属する一門。真打は21名(108席時点)。
- 暄風亭 流雲(けんぷうてい りゅううん)
- 落語連盟の一員。
- 暄風亭 雲うん(けんぷうてい うんうん)
- 流雲の弟子。ふくよかな容貌に素直な性格の青年。前座として活動しており、初登場時はクローゼットの中で眠っていた所をあかねに見つかり、その日の立前座を務めていた朝がおに叱られていた。コミックスのおまけ漫画の内容から、料理や食べることが好きな様子である。
- 暄風亭 き流 (けんぷうてい きりゅう)
- 弥栄亭で魁生が『豊志賀の死』を演じた直後に高座に上がった落語家。羽織の色から身分は真打と思われる。『転失気』を演じたが、魁生の高座を客が引きずってしまいスベってしまう。
椿家
落語連盟に所属する一門。真打は30名(108席時点)
- 椿家 正明(つばきや しょうめい)
- 落語連盟の副会長。"椿家 正明"は落語界で唯一世襲で守られてきた名跡。ルールや時間等、「決め事」を徹底的に重んじる堅物かつ合理的な性格。
- 演目に対し寸分の狂いなく演じることを追求する作品派。その完成度は秒単位のタイムスケジュール通りに観客をウケさせる等、高座のあらゆる物事が正明の台本通りに進むという異常なレベルに達している。「椿家の最高傑作」「理路刻々」と評される。
- あかねから『死神』の稽古を依頼されるが自身との芸風が真逆であることから「無駄なことに時間は割かない」と一度は断るも、作品派の芸風で正明を納得させるというあかねの申し出を受け、渋々ながら了承する。
- 無念の父から名跡を託された過去があり、徹の娘であるあかねには個人的な感情がある模様。
- 椿家 八正(つばきや はっしょう)
- 弥栄亭にてあかねが出会った老齢の落語家。真打。マイクと座布団の間隔(80cm)に拘りがある。穏やかな物腰をしており、高座でも会場を包み込むような柔らかい語り口が持ち味。あかねがネタを増やすべく噺を教わろうとするも、今昔庵りゑんとの騒動で仕返しに落語を利用したことに不満を抱いていた八正はあかねに噺を教えるのを拒否する。
- その後、禄鳴会でのあかねの活躍を認め『平林』を教える。
今昔亭
落語連盟に所属する一門。真打は18名(108席時点)。
- 今昔亭 ちょう朝(こんじゃくてい ちょうちょう)
- 落語連盟の幹部。21人抜きの抜擢真打であり最年少で大看板に上り詰めた。尖った金髪にギザ歯が特徴の男性。
- 江戸っ子気質で気っ風のいい性格で、客だけでなく同業者からも愛されるスター性を持つ。スーツケースに入るなど毎回変わった楽屋入りをしている。高座の前にサイコロを振り出た目で演目を決めるなど、大の博打好き。
- 客席の空気を捉える読みの能力と、それを掌握する腕を持ち「天遊博徒」の名で知られる。
- 前座時代は志ん太と泰全と3人で「三馬鹿前座」と呼ばれるなど仲が良かった。志ん太が破門され、さらに連盟と阿良川が険悪になったことで泰全とも距離ができていたが、自身の弟子朝がおの昇進披露目で一堂に会することになる。
- 自身と似た気質のあかねを気に入り、高座の出来次第で二ツ目昇進の推薦を出せないかと泰全に口利きをしている。また、全生の妨害を見越して志ぐまに釘を刺すなど、志ん太の娘としてもあかねを気に懸けている。
- 今昔亭 朝がお(こんじゃくてい あさがお)
- 前座→二ツ目の落語家で、弥栄亭で立前座として登場。ポンパドールの髪型をしている。ちょう朝の唯一の弟子。
- ぐりこと同期で落語家としてはりゑんよりも先輩であるが、師匠ちょう朝を侮辱されたという理由でりゑんを殴ってしまった過去があり、前座見習いから修行をやり直していた。しかし、遂に念願の二ツ目昇進が決まった[17]。
- 二ツ目披露興行までの半年間で勉強会を開くよう朝ちょうに言われ、前座仲間であったあかねとからしを誘う。
蘭彩歌
- 蘭彩歌 しゃ楽(らんさいか しゃらく)
- (三明亭円しゃ → 蘭彩歌しゃ楽)
- 昭和を代表する名人として名を残す落語家。「天朱廓」との異名を持つ廓噺の名手。一方で「師資不承のしゃ楽」とも呼ばれ、一切弟子を取らず芸を他人に教えなかったとされる。
- 男尊女卑が根強かった当時の落語界で女性落語家に否定的だった人物の一人。しかしうららと出会ったことで彼女に廓噺の才能を見出し、唯一の弟子とした。
- 蘭彩歌 うらら(らんさいか うらら)
- 落語連盟の一員にして大看板。妖艶な雰囲気を持つ年齢不詳の女性落語家[注 16]。一生、志ぐま、三禄とは1960年代からの付き合い。
- 以前はホステスとして働いていた描写があり、しゃ楽に才能を見出され落語家へ転身したとされる。名人たるしゃ楽を唸らせた話術とその場の客を男女問わず虜にしてしまう程の妖艶さを持つ。その妖艶さはしばしば麻薬に例えられ、聞き入る客を廓の世界にさらに没入させる。「地獄太夫」との異名を持つ。
- りゑんとの騒動で孤立していたあかねに値踏みとして『お茶汲み』を敢て教え、禄鳴会までの稽古をつける。女性落語家初の名跡に成り、女に落語は出来ないと蔑んだ者を見返すことを目指している。自身の名を継ぐ後継者を探すため、あかね以外にもひかるなど興味を持った落語家に噺を教えている。
- 常に詰みから逆算して行動する。
- 紅茶やワインを愛飲している。
- 高座名のモデルは蝶花楼桃花[18]。
- 蘭彩歌 まゆら(らんさいか まゆら)
- うららの弟子である肌黒の女性落語家で階級は二ツ目。日本舞踊藤花流師範。
- うららに陶酔しており、また門下に前座がいないためか彼女が使用するティーセットや私服及び着物の替えなどを常に用意して共に楽屋入りしている。
三明亭
蘭彩歌と今昔亭の源流。明治より柏家と並び、江戸落語界を牽引してきた一門[19]。真打は36名(108席時点)。
- 六代目三明亭 円相(さんめいてい えんそう)
- 落語連盟の一員。"破邪顕正"と異名を持つ。
- 43名もの直弟子を持ち、三明亭の大名跡”止め名”の継承者。落語の型を重視する一門であり、弟子には前座時代は個性を出させず、徹底的に円相の演じ方をたたき込む方針を取っている。
- 四角形の頭から、からしからは煙突ジジイと言われており、自身はからしのことを蟻ん子と呼ぶ。しかし、弟子の中でからしをよく連れ回している。
- 三明亭 からし(さんめいてい からし)
- 声 - 江口拓也[10]
- 可楽杯2連覇の実績を持つ学生落語の天才。6月18日生まれの23歳。(52席/入門1年目6月時点)最終学歴は四年制大学卒業。自由な発想と軽妙な語り口の落語が特徴の男性。ビジュアルは友保隼平(金属バット)に酷似している[注 17]。単行本16巻にて、SUPER BEAVERの渋谷龍太も見た目のモデルであると明かされている。
- 賢く見えるという動機で大学の落語研究会に入会し練磨家 からし(ねりまや からし)の名で活動。専門用語の多い演目に辟易し、落語は伝統芸能である前に大衆演芸だという信条を掲げ、登場人物や用語を現代風に改変する改作落語を得意とする。人生の成功に必要な資本は信頼できる自分自身という考えを持ち、自信過剰気味なところがある。
- 可楽杯では、『転失気』を大学院生と教授の会話に改変した自作落語『BM』を披露したが、理解できないほど圧倒的なあかねの技量に敗北し、これを契機として正統派の古典落語で有名な円相一門に弟子入りする。あかねより一足先に落語家として前座デビューしているが、大学時代から披露していた改作落語は前座である理由も含めて円相の方針により封印している。
- 住村商事の創立百周年を祝う催しでは、社史を講談に仕立て上げて演じたが円相からは「講談もどき」と手厳しい評価を下されている。周囲からは簡単に何でもできてしまうと思われることもあるが、講談の台本にはびっしりと書き込みがされているなど、影での努力家。その後は円相の導きでちょう朝に師事するが、その中で大勝負よりもリスクを減らして及第点を取りに行く癖を指摘される。
- あかねがフランスに行っている間に二ツ目に昇進した。お笑いの賞レースに落語で準優勝し話題を集めたが、歯に衣着せぬ物言いや擬古典により「落語界の異端児」として物議を醸している。
柏家
200年以上の歴史があり、東京の落語界の伝統と歴史を背負う。真打は54名(108席時点)江戸落語界最大の一門[13]。
- 当代柏家 三禄(かしわや みろく)
- (柏家三ご → 柏家三禄)
- 落語連盟会長で現落語界で唯一の人間国宝[注 18]。
- 四代目柏家三禄の弟子であり生禄の弟弟子。落語連盟のトップでありながら、阿良川と溝を深めている現在の落語界に対しては思うところがあるようで、志ぐまにはあの頃のように戻れないかと本心を吐露している。あかねの高座を初めて見た際、彼女に先代志ぐまの面影を感じている。
- 4代目三禄の弟子で生禄の弟弟子にあたり、1960年代から一生、志ぐま、うららと交流があった模様。
- 柏家 禄郎(かわしや ろくろう)
- 三禄の弟子。泣きぼくろと黒髪が特徴の男性。現在最も勢いのある二ツ目で、100人を越える弟子を持つ柏家一門で頭角を現したことから"麒麟児"と称されている。普段は比較的物静かだがあかねに突っかかるりゑんを諫め、孤立しかかっていたあかねを気に掛けるなど良識人。また一方で誰が主催の落語会でもその日一番のウケを狙う武闘派としての一面も持つ。
- 落語では「音」を重視しており、語り口や登場人物の演じ分けにおいて噺を音として客に聴かせ、緩急を織り交ぜた表現で客を沸かせる。
- ”志ぐまの芸”を柏家に取り戻すため独自に調べており、うららに聞くも話を逸らされた。また、記者の樫尾公久にも調査を頼んでいる。
- ホラー系が苦手で、『死神』など持っていない噺がある。
- 柏家 白州(かしわや はくしゅう)
- 声 - 越後屋コースケ
- 二ツ目の落語家。享二と共に二人会を開催しており、正式な弟子入り前だった朱音を楽屋働きとして出入りさせ、急遽開口一番を彼女へ依頼する。その後、可楽杯で大きく注目を集めたあかねに阿良川一生へのヘイトが集中することを危惧していた。
- 志喜彩祭では、深刻な対人恐怖症に陥っているこぐまに機転を利かせて高座モードを発動させた。
- また、こぐまとはスイーツ仲間である。
- 四代目柏家 三禄(よだいめ かしわや みろく)
- 生禄(後の先代志ぐま)、三ご(後の当代三禄)の師匠であり、柏家の大名跡であり止め名「三禄」の継承者。
- 伝統や格式を重んじ、ゴロツキだった生そば、禄ゑんに2年以上もの間寄席での開口一番を禁じた。
- 5年に1度柏家の実力者が集う特別興行「柏宴」にて生禄の三禄襲名を内定させる代わりに生そば、禄ゑんの両名を破門にするよう通告するが、生禄が生そばを開口一番に高座へ上げたため生禄を一門ごと(生そば、禄ゑんと共に)破門にした。
- 柏家 生禄(かしわや きろく)
- (柏家生禄 → 5代目阿良川志ぐま)
- 柏家一門の落語家で階級は真打。本編ではすでに故人。当代志ぐまと一生の師匠。「らっはっは」という笑い方が特徴で、左眉に戦時中に負ったと思しき傷がある。
- 若き日の一生と志ぐまを袋叩きにする極道の組長(戦時中の元部下でラバウルで一緒だった)に対して「俺の顔を立ててほしい」とその場を収め、2人を弥栄亭寄席に誘った。その時に披露した演目「時そば」の高座が、ただの蕎麦屋の店員に過ぎなかった2人が彼に弟子入りして落語家になる切っ掛けを作った。
- 現代以上に伝統と古典を重んじていた当時の落語界において、様々な噺を自由に紡ぎ語る高座で客から高い人気を得ており、その鮮烈で型破りな技量は桜咲朱音と共通している。
- 当時の他の落語家達からも「彼が柏家三禄の名を継げば落語界は変わるかもしれない」と声が出るほどだった。しかし、師匠から「三禄」の襲名と、(入門前に極道と揉め事を起こした事がある)生そばと禄ゑんの破門を命じられてしまう。師匠への恩義こそあったが、自分を曲げることを良しとしなかったためにそれを拒否し、独断で生そばを開口一番として初高座に上げ、3人共々破門された。
- その後、途絶えていた名跡「阿良川志ぐま」の名を受け継ぎ阿良川一門を設立した。未完の演目である志ぐまの芸を現在の志ぐまに託している。亡くなる間際は廃人のようにやつれており、一生に対して意味深な言葉を残している。
その他の落語家
- 馬ば(ばば)
- 大柄な落語家。亭号不明。階級は真打。ぬるめの白湯が好み。禄鳴会以降、あかねに稽古をつけた描写がある。
- 今昔庵 りゑん(こんじゃくあん りえん)
- (今昔庵り朝 → 今昔庵りゑん)
- 二ツ目の落語家。目をつけた前座に様々な言いがかりをつけ小言を言う陰湿な性格で、「新人潰し」と呼ばれている。
- 弥栄亭であかねに出がらしの茶を出されたと難癖をつけ、立前座である朝がお共々陰湿な嫌味を言うが、それに反発したあかねに寄席の開口一番において『山号寺号』をアレンジした仕返しをされ、自身の高座を潰されてしまった。
- この一件以来信用回復に努めていたが、3年後も性格は変わっておらず、帰国したあかねに嫌がらせをしている。しかしあかねが高座で実力を見せつけ、小細工を弄する自身の狭量さを突き付けられたことで意気消沈していた。
- 柏亭 良治(はくてい りょうじ)
- あかねがりゑんとの騒動を起こした次の芝居での弥栄亭での立前座。陰気かつ気弱な性格をしており、たびたび腹痛を起こす。
- りゑんやうららから目をつけられるのを恐れており、担当の芝居中にあかねを高座に上げないと宣言したり、前座働きを休ませてうららの会にあかねを着かせるなどしている。
- 3年後には二ツ目になっており、「ネガティブ落語の雄」と注目されている。
上方落語界
榊
- 榊 龍若(さかき りゅうじゃく)
- 声 - 興津和幸
- 可楽杯の審査員常連の上方落語家。阿良川一門前座錬成会四人会の審査員も務めた。
- 好物はラーメン。
喜福亭
- 喜福亭 鶴花(きふくてい つるはな)
- まいけるの紹介でぐりこの修行を引き受けた女性落語家。ぐりこに上方落語の太鼓の打ち方を教える。機嫌が良いと飴をくれる。まいけるの真打昇進試験では『たちきり』の演目中に鳴る三味線の演奏者として東京に駆けつけ、ぐりこの応援メッセージが書かれた手拭いを届けた。
その他の人物
- 吉乃 紗季(よしの さき)
- 声 - 小夏ゆみこ / 町山芹菜(ボイスコミック版)
- 落語喫茶の女主人。6年前、志ん太の落語を見て期待を寄せていた。魁生の会で代演をしたあかねに志ん太の姿を重ねた。
- 御来屋 守(みくりや まもる)
- 声 - 武田幸史
- 居酒屋「海」の店長。大柄な体格の男性でオネエ言葉で話す。享二の手引きであかねをバイトとして雇い、客への気遣いを学ぼうとするあかねに様々な目線でのアドバイスをした。また、尾崎に対しては最初警戒心を持っていたが、料理を褒められたことで彼を気に入っている。
- 岩清水 万智子(いわしみず まちこ)
- 声 - 伊瀬茉莉也
- あかねの担任教師。通称「岩先(いわせん)」。生徒の進路指導では生徒の夢を応援するよりも進学による堅実的な指導を行っている。嘗て芸人を目指す生徒を受け持ち、応援していたが、その生徒が早々と夢を諦めフリーターになってしまったことに教師としての責任を感じ、上記のような指導を行うようになった。
- 落語家を目指すあかねに対しても進学を勧めるが、あかねの落語を直接見たことで考えを改め、彼女の応援者の一人となった。
- 尾崎(おざき)
- 声 - 落合福嗣、泊明日菜(10才)
- あかねの同級生である男子生徒。あかねからは「ジャンボ」と呼ばれている。あかねとは小学生時代からの付き合いで、当時は落語家である志ん太とあかねを小馬鹿にする嫌味な性格だったが、柔道を始めたことで改心し、現在ではあかねの良き相談相手となっている。
- 樫尾 公久(かしお きみひさ)
- 声 - 岩崎諒太
- 月刊落語記者。可楽杯で優勝したあかねの記事を書き、以来、彼女に大きな期待を寄せている。あかねの可楽杯出場の理由や、破門騒動の真相について知っているが公にはしていない。多くの会を取材しており、一剣や禄郎ともつながりがあるなど業界内での顔が広い。
- 落語界から姿を消したあかねを探していたが、3年後、取材先のパリで偶然再会する。
- 古味 沙恵(こみ さえ)
- 声 - 島田愛野
- 月刊落語記者。樫尾の後輩で頬のそばかすが特徴的な女性。記者でありながら落語にあまり精通しておらず、いつも取材に意欲的な樫尾とは対照的にどこか一歩引いた態度である。
- 可楽杯に出場した高良木ひかるを目にした途端「あのサルエル様役の⁉︎」と大興奮で捲し立てるなど、アニメ好きな一面がある。
- 円(まどか)
- 声 - 若林佑
- 高良木ひかるのマネージャー。四角い縁の眼鏡をかけた男性。よくひかるの言動や機嫌に振り回されている。
- 当初はひかるの可楽杯出場に否定的で、様々な理由を挙げて説得しようとしていたが、演者として挑戦したいというひかるの熱意には逆らえず、深夜まで落語の稽古に励む姿を陰ながら見守っていた。一方内心では、今(可楽杯出場時)の人気は容姿によるところが大きいものの、仕事には困らない状況であったため、落語に固執するひかるに疑問を抱いていた。しかし、可楽杯決勝で芝浜を演じ切ったひかるを見て、彼女の強みは容姿や演技力でなく、なりふり構わないがむしゃらさであると心から認識を改めた。
- 斉藤 学問(さいとう がくもん)
- 演芸界を50年取材してきた老齢の評論家。江戸落語の基礎を重要視する。
- 阿良川一門前座選考会の審査員を務めた。落語に対する歴史的観点や自身の価値観から基礎を重視し、演目にアレンジを加える事を嫌うなど保守的な人物。しかしアレンジをふんだんに加えつつも客を笑わせる事に直向きな嘉一に一定の評価を与えるなど柔軟な思考も持ち合わせている。
- 父親がフランス人で母親が日本人のエミリー(フランス在住)という孫がいる。
- エミリー・デュポント
- 学問の孫であかねのホームステイ先のホストファミリー。あかねのことを「アキャ」と呼び、フランスでの落語会のフランス語字幕を担当している。
- 水瀬 花恵(みなせ はなえ)
- 声 - 三浦千幸
- 住村商事で働いている女性で、からしとは幼稚舎からの幼なじみ。数多くの内定を蹴って落語家になったからしを「軽薄な男」と評価していたが、会社が催した円相の独演会で共に仕事をして以降は、こっそりからしの落語を見に行くなど応援している模様(単行本収録の「あかね小噺」で「罪な男」①〜としてシリーズで描かれており、からしを密かに異性として意識している)。
- 3年後、副業でからしのマネージャーをしている。
- キヨエ(きよえ)
- 蕎麦処『喜久彦』の女将。夫に先立たれた後女手ひとつで店を切り盛りしている。少年時代の一生、志ぐまを雇っていた。
作風
オリコンニュースによると、「いきいきとしたキャラクターと臨場感溢れるコマ」が描かれている[2]。
コラムニストの堀井憲一郎によると、本作の「阿良川流」は立川談志がその弟子と作った流派である立川流をモデルとしている[4]。本作では「真打への試験が行われて」おり、あかねの父の阿良川志ん太をはじめ「試験を受けた全員が破門だと言い渡されて」いる場面が「『立川談志による前座全員破門』を連想」させると堀井も話している[4]。ほかにも本作では「阿良川『流』」と呼ばれているが、「いま『流』と付けて呼ばれるのは『立川流』だけである」ことから、モデルとされる[4]。阿良川志ん太が演じた『芝浜』では「芝の浜へ行くシーンをカット」したが、それは「古今亭一門のスタイル」が取り入れられている[4]。堀井によると、作中に登場する阿良川一生は「談志を意識して描いている」ように見えるという[4]。作品としては、「落語の細かい部分には深く触れないで、演者が醸し出す雰囲気を伝えようと」描かれている[4]。
映画監督の庵野秀明によると、落語は「基本は『静』で、表情と言葉だけが『動』」である[20]。本作は「その落語を感情の流れによる物語の構成力と、キャラと背景・吹き出しと擬音による漫画でしか出来ない表現力で、少年ジャンプの王道として面白く描」かれている作品となっている[20]。
また、原作者の末永裕樹は「"スポ根"として書いた」と語っている[21]。
評価・反響
- 第1巻の単行本の帯にて尾田栄一郎が本作を「好き」だと推薦のコメントを寄せている[3]。尾田の薦めで本作を読んだという山口勝平も、「面白い」とコメントを寄せた[3]。なお、山口の娘である[2]山口茜も「何気ない親子のシーン」や登場人物について、「とても素敵」だと話している[3]。勝平・茜親子は、今作のボイスコミックにて同じく親子役(勝平が阿良川 志ん太/桜咲 徹、茜が桜咲朱音)を演じている。
- 連載開始と同時に本業の落語家たちからも大きな注目を集め、笑福亭鉄瓶[22]、三遊亭王楽(現・7代目三遊亭円楽)[23]、月亭八光[24]らがそれぞれ本作の感想を語っており、極めつけは本作の監修担当のけい木が桂米助のYouTubeチャンネルにて本作で落語監修する経緯を語っている[25]。講談師の神田伯山も、本作が『週刊少年ジャンプ』で連載されると聞いて自身のラジオ番組『問わず語りの神田伯山』でエールを送っている一方で、『週刊少年ジャンプ』の作風の一つである「作品が売れなくなるとバトル漫画に路線変更してしまう」ことを懸念するような発言を残しており、ADからは「早くスタンドを出せばいい、異能力バトルで戦う熊さん八つぁんを」という会話を打ち合わせの最中にしていた事を明かしている[26]。
- 監修のけい木は自らを「#あかね配りおじさん」と称し、出版社からまとめ買いをして周りの落語家や関係者に配布・宣伝をしている。一名だけ渡された先輩の落語家が、「読んだが、ああいうのは立場上漫画とはいえ容認できない」と電話をしてきた[27]。
- 2022年8月の「次にくるマンガ大賞2022」コミックス部門にて第3位を獲得している[28]。
- 2023年1月には、「マンガ大賞2023」にノミネートされている[29]。
- 2023年2月、「全国書店員が選んだおすすめコミック2023」にて第3位を獲得[30]。
- 2023年4月、「第47回講談社漫画賞」の最終候補作品に選出[31]。
作中披露された演目
聖地
書誌情報
- 末永裕樹(原作)・馬上鷹将(作画)『あかね噺』集英社〈ジャンプ コミックス〉、既刊21巻(2026年4月3日現在)
- 「あの日」2022年6月3日発売[3][33]、ISBN 978-4-08-883150-3
- 「喜びの先」2022年8月4日発売[34]、ISBN 978-4-08-883193-0
- 「寿限り無し」2022年10月4日発売[35]、ISBN 978-4-08-883260-9
- 「来ていい場所」2022年12月2日発売[36]、ISBN 978-4-08-883419-1
- 「開口一番」2023年3月3日発売[37]、ISBN 978-4-08-883427-6
- 「お茶汲み」2023年6月2日発売[38]、ISBN 978-4-08-883492-4
- 「前座錬成会」2023年8月4日発売[39]、ISBN 978-4-08-883592-1
- 「強すぎる思い」2023年10月4日発売[40]、ISBN 978-4-08-883691-1
- 「替り目」2023年12月4日発売[41]、ISBN 978-4-08-883791-8
- 「"陽"の芸」2024年3月4日発売[42]、ISBN 978-4-08-883822-9
- 「久しぶり」2024年5月2日発売[43]、ISBN 978-4-08-884023-9
- 「落語ヴァース」2024年7月4日発売[44]、ISBN 978-4-08-884114-4
- 「一番弟子」2024年9月4日発売[45]、ISBN 978-4-08-884165-6
- 「歩む道」2024年11月1日発売[46]、ISBN 978-4-08-884284-4
- 「ぐちゃぐちゃ」2025年2月4日発売[47]、ISBN 978-4-08-884431-2
- 「弟子入り」2025年4月4日発売[48]、ISBN 978-4-08-884449-7
- 「二ツ目編 開演」2025年6月4日発売[49]、ISBN 978-4-08-884559-3
- 「取りにいく」2025年9月4日発売[50]、ISBN 978-4-08-884650-7
- 「差し出す覚悟」2025年11月4日発売[51]、ISBN 978-4-08-884739-9
- 「偽りの古典」2026年1月5日発売[52]、ISBN 978-4-08-884811-2
- 「己れ派」2026年4月3日発売[53]、ISBN 978-4-08-884897-6
イベント
コラボPV
テレビアニメ
2026年4月よりテレビ朝日系列『IMAnimation』枠ほかにて放送中[11]。
声優陣には放送1年前から原作でも落語の監修を手がける林家木久彦の元で修行を積み、実際に落語の高座も上がった。それだけでなく落語の高座のシーンの収録時には実際に収録スタジオに高座を敷き、担当声優には落語の本番さながらの雰囲気で収録してもらうという異例の手法がとられた[63]。
スタッフ
- 原作 - 末永裕樹、馬上鷹将[10]
- 監督 - 渡辺歩[10]
- 副監督 - 播摩優[10]
- シリーズ構成・脚本 - 土屋理敬[10]
- キャラクターデザイン - 田中紀衣[10][64]
- サブキャラクターデザイン - 新田靖成[64]
- 衣装デザイン - 島沢ノリコ
- プロップデザイン - 岩永悦宜
- 美術監督 - 田辺浩子
- 美術設定 - 多田周平
- 色彩設計 - 合田沙織
- 撮影監督 - 中村雄太
- 編集 - 廣瀬清志
- 音響監督 - 小沼則義
- 音響効果 - 安藤由衣、本郷俊介
- 音響制作 - ビットグルーヴプロモーション
- 音楽 - 井筒昭雄[10]
- 落語監修 - 林家木久彦[10]
- 落語稽古 - 林家木久彦、柳家吉緑、林家なな子、林家あんこ、桃月庵こはく、柳家小はだ、三遊亭好二郎、三遊亭ごはんつぶ
- 落語実演協力 - 林家木久彦、桃月庵こはく、柳家あお馬、三遊亭好二郎、三遊亭ごはんつぶ、柳家しろ八
- 上方落語指導 - 笑福亭べ瓶(第8話)
- お囃子 - 柳沢きょう
- 寄席文字 - 橘紅樂
- プロデューサー - 遠藤一樹、若林豪、岡川広樹
- アニメーションプロデューサー - 新宅潔
- アニメーション制作 - ゼクシズ[10]
- 製作 - 「あかね噺」製作委員会
主題歌
各話リスト
| 話数 | サブタイトル | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 総作画監督 | 初放送日 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 第一席 | あの日 | 渡辺歩 | 播摩優 |
|
| 2026年 4月4日 |
| 第二席 | 初高座 | 播摩優 | 山根幹史 |
|
| 4月11日 |
| 第三席 | 兄弟子 | 三室健太 |
| 田中紀衣 | 4月19日 | |
| 第四席 | 喜びの先 | 長屋誠志郎 | 中釜勇亮 |
| 新田靖成 | 4月25日 |
| 第五席 | 進む道 | 佐々木美和 |
| 5月2日 | ||
| 第六席 | 寺子屋 | 森田宏幸 | 境隼人 |
| 日下部智津子 | 5月9日 |
| 第七席 | 可楽杯 | 中野涼子 |
| 香川久 | 5月16日 | |
| 第八席 | ニーズ | 金子志津枝 |
|
|
| 5月23日 |
放送局
| 放送期間 | 放送時間 | 放送局 | 対象地域 [68] | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年4月4日 - | 土曜 23:30 - 日曜 0:00 | テレビ朝日(製作参加) ほか系列フルネット全24局 | 日本国内[注 21] | 字幕放送[69] / 連動データ放送[69] / 『IMAnimation』枠 |
| 2026年4月5日 - | 日曜 22:00 - 22:30 | AT-X | 日本全域 | CS放送 / 字幕放送[70] / リピート放送あり |
| 2026年4月6日 - | 月曜 1:00 - 1:30(日曜深夜) | BS朝日 | 日本全域 | 製作参加 / BS/BS4K放送 / 字幕放送[71] / 『アニメA』枠 |
| 2026年4月12日 - | 日曜 21:00 - 21:30 | テレ朝チャンネル1 | 日本全域 | CS放送 |
| 2026年5月23日 - | 土曜 20:30 - 21:00 | アニマックス | 日本全域 | BS/CS放送 / リピート放送あり |
| 配信開始日 | 配信時間 | 配信サイト | 備考 |
|---|---|---|---|
| 2026年4月5日 | 日曜 0:00(土曜深夜) 更新 | ||
| 日曜 0:00 - 0:30(土曜深夜) | ABEMA アニメチャンネル | リピート放送・見逃し配信あり | |
| 2026年4月6日 | 月曜 0:00(日曜深夜) 更新 |
|
BD / DVD
| 巻 | 発売日[72] | 収録話 | 規格品番 | |
|---|---|---|---|---|
| BD | DVD | |||
| BOX | 2026年9月30日予定 | 第1話 - 第12話 | ANZX-18011/3 | ANZB-18011/3 |
WEB番組
- YouTubeの「tv asahi animation Youtube チャンネル」にて配信。
- 「TVアニメ『あかね噺』メイキング 〜落語稽古篇〜」
- 2026年3月29日(日)よりTVアニメ連動企画として配信[73]。
TVアニメ『あかね噺』メイキング 〜落語稽古篇〜 回 配信日 出演 第1回 2026年
4月2日永瀬アンナ(阿良川 あかね 役)、江口拓也(三明亭 からし 役)、
高橋李依(阿良川 ひかる 役)、林家木久彦(落語家)第2回 4月6日 福山潤(阿良川 志ん太 役)、林家木久彦(落語家) 第3回 4月13日 塩野瑛久(阿良川 魁生 役)、林家木久彦(落語家) 第4回 4月20日 永瀬アンナ(阿良川 あかね 役)、林家木久彦(落語家)、
林家あんこ(落語家)第5回 4月28日 小林千晃(阿良川 こぐま 役)、山下誠一郎(阿良川 ぐりこ 役)、
阿座上洋平(阿良川 享二 役) 、林家木久彦(落語家)第6回 5月4日 永瀬アンナ(阿良川 あかね 役) 第7回 5月11日 永瀬アンナ(阿良川 あかね 役)、林家木久彦(落語家) 第8回 5月18日 江口拓也(三明亭 からし 役)、林家木久彦(落語家) - 「アフレコ楽屋ばなし」
- 2026年4月5日(日)よりTVアニメ連動企画として配信[74]。
アフレコ楽屋ばなし 回 配信日 出演 第1回 2026年
4月5日永瀬アンナ(阿良川 あかね 役)、福山潤(阿良川 志ん太 役)、
林家木久彦(落語家)第2回 4月12日 永瀬アンナ(阿良川 あかね 役)、塩野瑛久(阿良川 魁生 役) 第3回 4月19日 島﨑信長(阿良川 まいける 役)、小林千晃(阿良川 こぐま 役)、
阿座上洋平(阿良川 享二 役)、山下誠一郎(阿良川 ぐりこ 役)第4回 4月26日 永瀬アンナ(阿良川 あかね 役)、阿座上洋平(阿良川 享二 役) 第5回 5月3日 永瀬アンナ(阿良川 あかね 役)、落合福嗣(ジャンボ 役)、
伊瀬茉莉也(岩清水 万智子 役)第6回 5月10日 永瀬アンナ(阿良川 あかね 役)、小林千晃(阿良川 こぐま 役) 第7回 5月17日 永瀬アンナ(阿良川 あかね 役)、江口拓也(三明亭 からし 役)、
高橋李依(阿良川 ひかる 役)
| テレビ朝日系列 IMAnimation | ||
|---|---|---|
| 前番組 | 番組名 | 次番組 |
あかね噺
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