物類品隲
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本文4巻・図絵1巻・附録1巻の計6巻からなる[5]。
南蘋派画家の宋紫石(楠本雪渓)が図絵[6]、中川淳庵らが校閲を担当している[7]。序跋が田村藍水(源内の師)・後藤梨春・久保泰享から寄せられている[1]。
源内や藍水が江戸で開催した物産会「東都薬品会」の第1回(1757年)から第5回(1762年)までの出品物、約2000点のうち、約360点を精選して載せる[8][9]。出品者は源内と藍水をはじめ、青木昆陽・杉田玄白・吉雄耕牛・細川重賢・渡辺吉賢・中島利兵衛らがいた[10][9]。
出品物は多岐にわたり、ランビキで採れる「薔薇露」(紅毛語ローズワアトル)に始まり[1][11]、源内の油絵『西洋婦人図』にも使われた顔料ベルリンブルー(ベレインブラーウ)[1]や、のちの「源内焼」に繋がる陶土[1]、その他、石鹸[12][1]・古銭[13]・木綿[14]・蝦夷種附子[15]・サフラン[1][15]・サソリ[1]・龍骨[1]・スランガステーン[1]・鼉龍[1]・ジャコウネズミ[1]などが載っている。
出品物を14種類(水部・土部・金部・玉部・石部・草部・穀部・菜部・果部・木部・蟲部・鱗部・介部・獣部)に分類して、異名・形状・効能・用法・産地などを記す[1][12]。「品隲」という題名通り、出品物について「上・中・下」三品の品評も記す[1][16][17]。本草学・物産学だけでなく蘭学[18][1]・農学・園芸学[19]・名物学[19][1]・方言学[19][1]などの要素も含む。
『本草綱目』の分類体系に基づきつつも、『本草綱目』の内容を積極的に批判している[1][4][20]。古今東西の書籍を参照しており[1]、宋応星『天工開物』[21][5]、方以智『物理小識』[21][5]、宮崎安貞『農業全書』[1]、ドドネウス『草木誌』(『紅毛本草』)などを参照している[15][11]。
第5巻は、本文中から珍品36点を選んで図示する[5]。西洋の明暗法(キアロスクーロ)を木版画に用いるという試みもされている[22]。
第6巻は、朝鮮人参と甘蔗(サトウキビ)の栽培法と製糖法を記す[5][23]。これらは当時海外輸入に頼っていたため、国産化が画策されており[1][5]、徳川吉宗の「享保の改革」の殖産興業政策においても重視されていた[1][16]。源内は「国益」に資するため第6巻を記した[1][4]。



