生肖
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生肖(せいしょう)、十二生肖(じゅうにせいしょう)または十二属相(じゅうにぞくしょう)は、十二支(子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥)に鼠・牛・虎・兎・龍・蛇・馬・羊(山羊)・猿・鶏・犬・猪(豚)の十二の動物を当てたものである。なおここで、「酉」は漢字の読みとしては「とり」だが、意味は「にわとり」である。
その内訳を見ると、牛・馬・羊・鶏・犬・豚は六畜と呼ばれる古代中国における代表的な家畜である。また鼠・牛・虎・兎・龍・馬・羊・犬・豚は漢字において意符となり、部首となっている。このうち龍のみが想像上の動物である。なお、部首となっている動物名は他に(総称的なものを別にして)豸・鹿・黽・亀がある。
国および民族による動物の相違
| 国および民族 | 子 | 丑 | 寅 | 卯 | 辰 | 巳 | 午 | 未 | 申 | 酉 | 戌 | 亥 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 中国 | 鼠 | 牛 | 虎 | 兎 | 龍 | 蛇 | 馬 | ヤギ | 猿 | 鶏 | 犬 | 豚 |
| 韓国 | 鼠 | 牛 | 虎 | 兎 | 龍 | 蛇 | 馬 | 羊 | 猿 | 鶏 | 犬 | 豚 |
| 日本 | 鼠 | 牛 | 虎 | 兎 | 龍 | 蛇 | 馬 | 羊 | 猿 | 鶏 | 犬 | 猪 |
| ベトナム | 鼠 | 水牛 | 虎 | 猫 | 龍 | 蛇 | 馬 | ヤギ | 猿 | 鶏 | 犬 | 豚 |
| カンボジア | 鼠 | 牛 | 虎 | 兎 | ナーガ | 蛇 | 馬 | 羊 | 猿 | 鶏 | 犬 | 豚 |
| チャム族 | 鼠 | 牛 | 虎 | 兎 | 龍 | 蛇 | 馬 | ヤギ | 亀 | 鶏 | 犬 | 豚 |
| マレー | 鼠 | 牛 | 虎 | マメジカ | ナーガ | 蛇 | 馬 | ヤギ | 猿 | 鶏 | 犬 | リクガメ |
| タイ | 鼠 | 牛 | 虎 | 兎 | ナーガ | 蛇 | 馬 | ヤギ | 猿 | 鶏 | 犬 | 豚 |
| ラーンナー | 鼠 | 牛 | 虎 | 兎 | ナーガ | 蛇 | 馬 | ヤギ | 猿 | 鶏 | 犬 | 象 |
| グルン族 | 鼠 | 牛 | 虎 | 猫 | 鷲 | 蛇 | 馬 | ヤギ | 猿 | 鳥 | 犬 | 鹿 |
| ブルガール(ブルガール暦) | 鼠 | 牛 | 虎または狼 | 兎 | 龍 | 蛇 | 馬 | ラム | 猿 | 鶏 | 犬 | 猪 |
| モンゴル(モンゴル暦) | 鼠 | 牛 | 豹 | 兎 | ワニ | 蛇 | 馬 | 羊 | 猿 | 鶏 | 犬 | 豚または猪 |
| チベット | 鼠 | 牛 | 虎 | 兎 | ル | 蛇 | 馬 | ヤギ | 猿 | 鳥 | 犬 | 豚 |
| ハザール | ラクダ | 牛 | 豹 | 兎 | 魚またはワニ | 蛇 | 馬 | ヤギ | ハリネズミ | 鶏 | 犬 | 象 |
| ペルシャ | 鼠 | 牛 | 虎 | 兎 | 鯨 | 蛇 | 馬 | ヤギ | 猿 | 鶏 | 犬 | 豚 |
| カザフ | 鼠 | 牛 | 豹 | 兎 | カタツムリ | 蛇 | 馬 | ヤギ | 猿 | 鶏 | 犬 | 豚 |
| キルギス | 鼠 | 牛 | 虎 | 兎 | 龍 | 蛇 | 馬 | 羊 | 猿 | 鶏 | 犬 | 猪 |
| トルクメン | 鼠 | 牛 | 虎 | 兎 | 龍または魚 | 蛇 | 馬 | 羊 | 猿 | 鶏 | 犬 | 豚 |
| トルコ | 鼠 | 牛 | 豹 | 兎 | 魚 | 蛇 | 馬 | 羊 | 猿 | 鶏 | 犬 | 豚 |
イノシシとブタ
中国も含め、亥に当てられるのはブタである地域が圧倒的多数であり、日本のイノシシが特殊である。
漢字の「猪」は中国語ではブタも含めた言葉であり、イノシシのみを指す場合は「野猪」や「山猪」と呼ぶ。
日本では、古くはブタを「ゐ(イ)」と呼んでいたが、ブタを飼う習慣が廃れブタがいなくなると、イノシシを「ゐ」と呼ぶようになった。そのため、「亥」の獣もブタからイノシシとなった[1]。たとえば、日本の『古事記』などに登場する上代の「猪飼/猪甘」(ゐかひ(イカイ))を、仏教普及以前の日本にも存在した豚飼いのこととする説もある。
ヒツジとヤギ
未に当てられる漢字の「羊」は、中国ではヒツジだけでなくヤギをも含めた言葉であり(区分する時は、ヒツジは「綿羊」とヤギは「山羊」とする)、十二支に当てる時も両者を区分しない。ここから、十二支を英訳した場合も、未に当てられるのはGoat(ヤギ)あるいはSheep(ヒツジ)とされる。
一方、日本では、ヒツジ及びヤギの存在は知られていたが、家畜としての定着は遅かった(ヤギはようやく近世になって九州の一部に定着したが、温暖湿潤な日本の気候に馴染みにくいヒツジは近代まで国内の飼育記録すら少ない動物であった)。そのため日本においては両者を混同する習慣がなく、「羊」という漢字はヒツジのみを表すようになっているため、未にはヒツジが専ら当てられている。
その他の相違
上述の日本における亥とイノシシ・ブタに関する相違以外にも、世界各地にさまざまな相違がある。
ベトナムでは丑は水牛、卯は猫に変わり、未はヤギを当てる。1つの説は「卯」(mẹo)の読みは「猫」(mèo)に似ているという。
タイでは未はヤギを当てる。
モンゴルでは、寅においてトラの代わりに豹を用いることがある。
西アジアや東ヨーロッパの一部の地域にも若干の差異があることがあるものの十二支の風習がある。ただし、インドでは酉(とり、鶏)はガルダ (ガルーダ=インド神話の神鳥)に、アラビアでは辰(たつ、龍)はワニに、イランでは辰(たつ、龍)はクジラに、ブルガリアでは寅(とら、虎)が猫にそれぞれ置き換わる[2]。ロシアの十二支はアジアのそれと全く同じである。