秘蔵宝鑰
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序文の最後の頌が、十住心の各名称に即して解釈した簡潔で要を得たものとなっており、十住心の綱要となっている[7]。
- 第一異生羝羊心 凡夫狂醉 不悟吾非 但念婬食 如彼羝羊
- 第二愚童持齋心 由外因縁 忽思節食 施心萌動 如穀遇縁
- 第三嬰童無畏心 外道生天 暫得蘇息 如彼嬰兒 犢子隨母
- 第四唯蘊無我心 唯解法有 我人皆遮 羊車三藏 悉攝此句
- 第五拔業因種心 修身十二 無明拔種 業生已除 無言得果
- 第六他縁大乘心 無縁起悲 大悲初發 幻影觀心 唯識遮境
- 第七覺心不生心 八不絶戲 一念觀空 心原空寂 無相安樂
- 第八如實一道心 一如本淨 境智倶融 知此心性 號曰遮那
- 第九極無自性心 水無自性 遇風即波 法界非極 蒙警忽進
- 第十祕密莊嚴心 顯藥拂塵 眞言開庫 祕寶忽陳 萬徳即證
- 第一 異生羝羊心(いしょうていようしん)
- 凡夫狂酔して、わが非を悟らず、ただし婬食を念うこと、かの羝羊の如し。
- 第二 愚童持斎心(ぐどうじさいしん)
- 外の因縁によって、たちまちに節食を思う。施心萌動して、穀の縁に遇うが如し。
- 第三 嬰童無畏心(ようどうむいしん)
- 外道天に生じて、しばらく蘇息を得。かの嬰兒と、犢子との母に隨うがごとし。
- 第四 唯蘊無我心(ゆいうんむがしん)
- 唯し法有を解して、我人みな遮す。羊車の三蔵、ことごとくこの句に摂す。
- 第五 拔業因種心(ばつごういんしゅしん)
- 身を十二に修して、無明種を拔く。業生すでに除いて、無言に果を得。
- 第六 他縁大乗心(たえんだいじょうしん)
- 無縁に悲を起して、大悲はじめて発る。幻影に心を観じて、唯識境を遮す。
- 第七 覚心不生心(かくしんふしょうしん)
- 八不に戲を絶ち、一念に空を観ずれば、心原空寂にして、無相安楽なり。
- 第八 如実一道心(にょじついちどうしん)
- 一如本浄にて、境智倶に融ず。この心性を知るを、号して遮那という。
- 第九 極無自性心(ごくむじしょうしん)
- 水は自性なし、風に遇うてすなわち波たつ。法界は極にあらず、警を蒙つてたちまちに進む。
- 第十 秘密荘厳心(ひみつしょうごんしん)
- 顕薬は塵を払い、真言庫を開く。秘宝たちまちに陳して、万徳すなわち証す。