蒼き神話マルス
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競馬界で、かつて最強と言われたサラブレッドのディングル血統。しかし、故障・死亡が相次いだためディングルの血統の人気は急落し、源流ディングル自体も死んだと思われ血統は途絶えたかに思われた。
そんな折、ディングル血統に情熱を注ぐ明都大学の遺伝学者「凪野泰輔」がディングルの仔・ヘルメスの仔を作ろうと試行錯誤していた。そんな苦労の末、待望のディングル血統の仔が誕生した。その仔馬こそ、ローマ神話の神の名を受け継ぐ「マルス」であった。
彼らには様々な試練が立ちはだかったが、諦めずに乗り越え、マルスは宿敵シルフィードの子孫「白の一族」との決着でダービーを制覇し、種牡馬としてディングルの血を残す為に引退した。
現役時代にしのぎを削った牝馬、パンドラとの交配も済ませ、順当な種牡馬生活をスタートさせたマルスだったが、白の一族とは別系統のシルフィードの子孫、エアリアルが欧州に出現する。エアリアルは海外のビッグレースに挑戦した白の一族を撃破し、返す刀でマルスとの戦いを望む声明を出した。マルスもそれに応じ、中央競馬では一度引退した馬の現役復帰は認められないため、地方競馬(岩手)で現役復帰して「指定交流競走」に勝つことでジャパンカップに出走を可能にする。マルスは何とか勝利したが、スタート直後からレコード狙いのハイペースで走っていた上、エアリアルに追いつかれそこで更にペースを上げたため、ゴール寸前に心臓停止。そのままゴールを果たす。かくしてマルスは戦場(ターフ)に散り神話となった。
そして4年後東京競馬場にはマルスの活躍を称え銅像が設置され、最高・最強の配合で生まれたマルスの仔の新しい神話がスタートするのだった。
登場人物
- 凪野馬守(ナギノ・マモル)
- 本作における人間側の主人公。1986年12月13日生まれ。馬守の名は「馬を守る子になって欲しい」との願いを込めて母親の結がつけた。
- 中学卒業後、競馬学校に入学し騎手となる。マルスの主戦騎手であり谷村厩舎唯一の専属騎手。軍神を操れる唯一の男であり唯一の相棒。
- 第一話冒頭ではマルスの出産に立ち会うべく競馬学校を脱走した。騎手としての馬守は、競馬学校時代から優秀であったと友人の野々村那智が語っている。しかし、脱走、命令無視、遅刻ギリギリと授業態度は良くなかった。体内時計は正確そのもの。しかし、初勝利するまで重心の問題の克服に悩み時間がかかり、騎手デビューから6戦連続2着と勝ち切れない状況が続いた。克服した後も逃げ、先行ととにかく前方に行く戦法を好んでいる。
- 性格は明朗快活だが天荒からはバカと言われ、また少し安直なところも見受けられる。根は優しいものの、気が強く敵側のキャラクターへの言葉遣いは乱暴など、前作の主人公森川駿とは対照的な性格。
- 凪野泰輔(ナギノ・タイスケ)
- 国立明都大学教授であり遺伝学者。妻の結とは自身が助教授だった頃に日崎静の反対を押し切って結婚した。妹は舞子。長男は馬守。友人は才谷僚平。
- 彼がヘルメスとの仔の配合に血道を上げたことで、結果的に結は死に追いやられてしまった。また、マルスの存在は勤務先の大学の教授会からは正式な研究として認められず、マルスも個人所有の馬扱いであったため、馬主を探すのに苦労したという。馬主を探す段階ではマルスの育成費用どころか餌代にも事欠いていた。なお、その教授会はマルスの共同通信杯での敗北を機に牧場を本格的につぶそうとしていたが、スプリングステークスでのマルスの勝利に感動し、一転して積極的に協力するようになった。
- 元々僚平の頼みで作ったヘルメスであったが、並みならぬ愛情を持つにいたり、ヘルメスが病にかかって死に至った際には気落ちしてマルスの日本ダービー終了まで墓の前でふさぎ込んでしまっていた。
- 日崎(凪野)結(ヒザキ・ユイ)
- 泰輔の妻。妻であり、泰輔の研究助手でもあった。
- 泰輔が助教授の時駆け落ち同然に結婚した。日崎静の一人娘。ヘルメスを天皇賞に出すべく寝る間も惜しみ世話をするが、そもそも馬など触ったこともないお嬢様育ちで、疲労が心臓に負担をかけて倒れ、馬守と泰輔に看取られながら息を引き取る。
- 入院していた時に書いたノートを馬守が遺品を整理中に発見し、このノートに従いマルスの母馬を探した。
- 凪野舞子(ナギノ・マイコ)
- 泰輔の妹。泰輔の友人である才谷僚平と結婚。僚平の死後は才谷牧場でディングルの世話をしている。
- 才谷僚平(サイタニ・リョウヘイ)
- 泰輔の友人であり舞子の夫。
- ディングル日本輸入の発案者。その理由は思いを寄せていた舞子が、ディングルの蒼い瞳を綺麗だと言ったことから。人を惹きつける不思議な魅力を持っている。後にディングルが野良馬になったと知ってから探しまわり、遂に発見したが代償として両手の指と足の指を凍傷で失った。しかし見つけ出したディングルは生殖能力を失っており、ヘルメスも競走馬復帰は絶望的と見られたため、気力を失った才谷は見る見る内に衰弱。ヘルメスが天皇賞で優勝した後は笑顔が戻ったようだが翌1996年に死去。おまけページの作者コメントによると死因は特に考えていなかったとの事。
- 日崎静(ヒザキ・シズカ)
- 日崎商事会長。結の父親であり泰輔の義理の父。結は泰輔が助教授の時に結婚したが静は認めていない。
- 泰輔から馬主になってほしいと乞われたが、一人娘を馬と泰輔が奪ったと考えていたため断る。しかし「結の思い」に動かされマルスを3000万で落札して危機を救う。
- マルスがデビュー戦で勝利した事を報告で知り、結の墓参りをした時偶然にも馬守に会う。馬群の練習をどうするか悩んでいた馬守に、新車の馬運車をデビュー戦の勝利祝いとしてプレゼントした。
- 谷村建太郎(タニムラ・ケンタロウ)
- 馬守が競馬学校卒業後に所属する厩舎の調教師。妻の名は妙子で、前作の主人公森川駿の中学時代の担任。一人息子は慎太郎。前作ではシルフィードの騎手でありシルフィード側の人間だった。妙子とはシルフィードや駿の活躍を通して知り合い、次第に仲を深めていく様子が描かれ、前作の終盤で結婚した。育成名人天荒の最高傑作レッドドラゴンに騎乗した経験もある。
- 騎手時代から減量で苦しみ、度々落馬を経験した。最終的に視力低下で騎手を引退、その後調教師になり谷村厩舎を持つ。調教師としては若手であり新人でもある。
- 理論的なところがあり、時折自らの騎手時代の経験も踏まえて意見を戦わせている。通称「谷建」。新人で周囲からは見くびられる事も多いが、ベテランの厩務員からはその才能を買われており、マルスの日本ダービー制覇後は周囲からも認められて良馬が入ってくるようになった。
- マルスのジャパンカップでの現役復帰に際してはJRA理事長に直談判に行ったが、シルフィードの時と違って特例は認められなかったが、地方競馬で復帰させるというアイディアを見出した。
- 天田荒一郎(アマダ・コウイチロウ)
- 競走馬育成牧場「天田牧場」場主。育成名人として名高いがいきなり馬を殴り、怯まずに立ち向かってくる闘志を秘めているかどうかを調べる。この独特な方法でマルスの闘志を知り、素質を知った。
- 藤村厩舎の元厩務員。担当馬レッドドラゴンが三冠を制覇し藤村厩舎の跡継ぎになるかと思われたが、河原崎の策謀によりドーピング疑惑を掛けられ、レッドドラゴンと共に失脚し北海道に去った。天荒牧場を開いたがドーピングの影響で誰も馬を預けない中、凪野親子がやって来て、マルスを預かることになる。
- 睨む時の顔はまさに鬼の形相。疑惑が晴れてからは谷建と二人三脚でマルスを育てていく。またレッドドラゴンが現役だった頃、谷建とは調教師と騎手の関係でもあり旧知の仲。 荒削りな武闘派であるが故に、時折意見の相違がある。
- 河原崎とは藤村厩舎時代からライバル関係である。通称「天荒」哲平の証言で彼のドーピング疑惑は晴れたが、特にマルス以外の育成を行う様子はなく、マルスの引退後は天荒牧場に引っ込んでしまう。しかし、エアリアル陣営からの挑戦状を受けてからはマルスの再調教に名乗りを上げる。
- デザインベースは必殺シリーズの念仏の鉄であることがコミックス収録のおまけページの作者コメントに明記されている。モチーフとなった鉄が演じる山崎努の次回作準備の為に、坊主頭から髪を伸ばしたのに対し、天田は長髪から坊主頭に変わるという演出がなされている。
- 紅堂サキ(クドウ・サキ)
- 紅堂財閥の紅堂章仁の長女。章仁が亡くなった直後に後を継いだ。兄は早川ジン(仁)。
- 兄の存在を知ったのは章仁が息を引き取る直前だった。その後、ジンを東京に連れてこようとしたもののクドウファームが放火された際に居合わせ、ユキカゼを厩舎の中から連れ出そうとジンと一緒に厩舎の中に入るが、厩舎が崩れそうになりユキカゼに命を救われる。厩舎の中で過熱した鉄棒を誤って握り、手に大火傷を負ったために常に手袋をしている。後に渡米して大学に通い獣医の資格を取得している。
- 後にシルフィードジュニアを買い取り、白の一族を生み出した。一見すれば冷徹な辣腕オーナーだが、馬への愛情は本物である。
- 冷たい性格に見られがちだが本来はよく笑う快活な性格である。シルフィードジュニアのまえでだけは本来の笑顔を見せる、らしい。駿がジュニアを譲る最後の決断をさせたのもジュニアを見る彼女の目だった。
- また、アルコンの母馬を聞いてきた馬守にも親切に答えている。
- 早川ジン(ハヤカワ・ジン)
- 章仁の実の息子ではあるがジンは章仁が母を捨てて逃げたと思っており、章仁も憎ませることでジンを成長させるしかないと思っていた。それ故に章仁は、サキに対しジンに近寄るなと命令する。
- 地元の居酒屋でディングルの種付けを望んでいた森川修一郎に、あくまで純国産馬に拘りディングルは強いが外国産であるという自らの考えをぶつけた。その愛馬ユキカゼ号は未出走馬だったが、彼の熱意と併せ馬でのユキカゼの20馬身後ろからでも現役馬を怯えさせる凄まじい闘志を見て動かされ森川は協力を申し出る。ところがユキカゼ産駒のシルフィードが活躍し始めた矢先、ジンはクドウファームでの火災に巻き込まれ、ユキカゼを失った挙句に煙を吸い込んでしまい、植物人間になってしまう。
- その後、意識が戻ったのはダービーでマルスが優勝した直後だった。意識が戻った後は白の一族の方針を全て任されており、マルスの仔との対戦前に白の一族を世界最強にすべく、海外遠征を決定している。
- 後藤一弥(ゴトウ・カズヤ)
- フェイユンの元馬主。本作ではガンティアンの馬主である。前作『風のシルフィード』でも登場している。競り市で日崎静にマルスを落札されたことを根に持っている。銀行家であり「馬は商品」と考えているので余計な金はかけたくないと常々考えている。
- 前作ではただドライなだけでさほどの悪人には描かれていなかったが、今作では序盤の敵役として登場し、競り市でマルスを奪い取ろうとするなどの行為で、これには同じ競り市に参加していた風間(前作の敵役の一人で本作ではこの競り市のエピソードのみ登場)も呆れていた。馬守には「強欲じじい」と思われている。前作から12年の月日が流れているが、容姿はほとんど変わらず。
- バブルがはじけた後の不況で銀行経営も上手くいっておらず、性格もはじけてしまったようで皐月賞ではガンディアンの活躍に今までから考えられないほど狂喜乱舞したり、レース後、「馬の恨みを車ではらす」などといって陽の車にぶつけるも工事中の道路にはまるなど完全なギャグキャラと化している。
- 河原崎玄三(カワラザキ・ゲンゾウ)
- JRA栗東所属。幾多の名馬を作り出し、数々の重賞制覇の実績を持つ凄腕調教師。
- 半面、あまりに調教が厳しいので馬を何頭も潰し「死神」なる不名誉なあだ名もつけられている。
- 捨て子であったが調教師・藤村虎一に拾われ、虎の右腕と称されるほどの技術を習得していたが、天荒と跡継ぎ争いの際、哲平にレッドドラゴンに薬物入り飼い葉を与えるよう仕向け、天荒をドーピング実行者として競馬界から追放させ藤村厩舎を継ぎ、関西ナンバー1調教師と言われるまでに出世する。当初は自厩舎で斜行癖のあるトーゴーディック号に馬守を乗せて騎乗停止の処罰を受けさせようと画策したり、ガンティアンの馬主・後藤と組んでマルスの邪魔をするなど、ただの悪役として描かれていたが、府中3歳ステークスのあたりから、気落ちしたガンティアンにハードレーニングを施し、エルルナを破るほどの馬に鍛え上げ、また、一度肺を潰したハヤタを鍛え直し、マルスに勝つまでに仕上げ、さらに敵であるはずの向井陽にエルアルコンの蹄の治療法を教えるなど、本物の調教師と描かれている。
- その一方で「優しすぎる騎手」野々村那智の可能性を見出したのも河原崎である。レッドドラゴンにドーピングをしたのを実は後悔してお り、その理由を藤村から「ずっと一人だったが馬だけはいつもそばにおり、お前ほど馬が好きな奴はいない」と評した。以来、二度と馬を裏切らないこと、どんなに身体を壊していようが見捨てたりしないと誓っている。肺を壊したハヤタを見捨てなかったのもこのためであり、馬を潰しかねないハードトレーニングを施すのも「走れない競走馬は死んでいるも同じ」という理論のためである。
- 市村松也(イチムラ・マツヤ)
- JRA・河原崎厩舎所属の騎手。通称「市松」。馬守を小僧と呼び、マルスのデビュー戦ではガンティアンに騎乗し敵役を演じたが、その後はトーゴーディック号で斜行をしてしまった馬守を擁護したり、GIではアドバイスを与えている。
- 感情を全く表情に出さないためクールな印象。派手さはないが渋い騎乗ぶりで「仕事師」と呼ばれ、ベテランだけあって分析は鋭い。
- 亜門兄弟(アモン)
- 兄は真央(マオ)、弟は理央(リオ)。一卵性双生児。美形であり、女性ファンが多い。
- 両親を早くに亡くし、経済的事情からそれぞれ別に育てられた。真央がエルソルに騎乗、理央はエルルナに騎乗している。二人とも馬群のコントロールが得意。理央は紅堂サキの言葉に傷つき一時失踪したが、兄真央はその意志を継いで朝日杯3歳ステークスに出走し、エルソルの白い稲妻を発動させるまでに至る。そのレースぶりを見て理央も復帰。しかし、不利な距離でのレースばかりを走らされて2着続きだったため、サキからは期待されていないのではと疑いを持つが、ジンの見舞いに行くサキを偶然目撃し、その本当の想いを知ったことでNHKマイルカップで気迫でエルルナの白い稲妻を発動させて勝利し、日本ダービー出走を決めた。四天王に騎乗するまで重賞に勝ったことがなかったため、マスコミからは「客寄せパンダ」と揶揄されていた。モデルは柴田大知、未崎兄弟[要出典]。
- 向井姉妹(ムカイ)
- 姉は陽(ヒナタ)、妹は茜(アカネ)。向井牧場が借金で潰れたため陽は騎手になり、茜は父の弟に引き取られる。茜は昔ツバサから落馬したため、運動ができない足になった。2人は性格がまるで違うため、すれ違いの日々を送っていた。陽はエルアルコンの主戦騎手。中学卒業後、茜の夢を継ぐ為に騎手となり、ツバサの子であるエルアルコンへの騎乗を自らサキに頼み込んでいる。この件で茜は陽がツバサを処分した相手に頭を下げていたという思い違いによる対抗意識からマルス陣営に接近していくが、馬守の助言もあり、やはり姉は姉であるという思いから陽とエルアルコンを応援した。陽の方も皐月賞では茜が子供の頃使っていた鞍を使ってレースに挑んでいる。皐月賞後に手術が成功した茜と対面して無事に和解した。このエピソード中途から馬守といい仲になり、マルスの引退後も牧場にくっついてきて、ほかの女に鼻を伸ばす馬守に制裁を加えたりしている。が、陽は馬守の事を(誤解を招く発言もあったが)茜に付く悪い虫として認識したようである。
- 名倉十郎(ナクラ・ジュウロウ)
- 2004年のリーディングジョッキーであり、エルディオスの主戦騎手。父は姓こそ違うが冨良木与一。父の影響からか、騎手は一流とか競馬の神云々とやたらプライドに拘る。その為、一流騎手はレースで実力を発揮すればいいという考えでエルディオスの調教も与一に任せていた。子供の頃、父与一が呑んだくれていたことからに与一を嫌うようになった。
- 朝日杯3歳ステークスでは自分のプライドを優先させた結果、マルス・ガンティアン・エルソルに敗れた上に、馬を殺す乗り方をしたためエルディオスと呼吸が合わなくなり敗戦を重ね、青葉賞では父与一への乗り替わりを命じられる。だがそのレース中、与一の古い馴染みである天荒から、父が呑んだくれになった本当の理由と、エルディオスの臆病な性格を教えられ、父が自分にエルディオスの乗り方を指南してくれているのだと気付き改心する。その後はエルディオスの性格に合った走りをするようになった。
- おまけページの作者コメントによると、モチーフとなったのは四位洋文。
- 真崎猟(マサキ・リョウ)
- 公営岩手競馬のトップジョッキー。何かと地方競馬を見下す中央競馬を嫌っている。騎乗技術は超一流で地方・中央交流レース「みちのく3歳特別」に地方馬パンドラで参戦。マルスに先着を許さなかった。
- おそらくモデルは岩手競馬所属で、同じく岩手競馬所属のまま中央フェブラリーステークス(GⅠ)に勝ったメイセイオペラの騎手だった菅原勲(もっとも菅原騎手は中央を嫌ってはいないが)。
- 本作では馬守以外で唯一レースでマルスに騎乗している。
- 野々村那智(ノノムラ・ナチ)
- 競馬学校時代の馬守の友人。母を助けるため騎手になった。
- 初登場時は気が弱く全く勝てないダメ騎手だったが、市松の怪我により代役としてハヤタに騎乗し、共同通信杯4歳ステークスに出走、マルスに勝利した。
- その後は人が変わったように勝ちまくり、わずか3ヶ月でGI騎乗資格を得る31勝を突破。日本ダービーでは市村から実力でハヤタの主戦騎手の座を奪い取った。九州出身。
- 森川駿(モリカワ・ハヤオ)
- 前作の主人公で、シルフィードの騎手。最終巻のジャパンカップのみ登場。騎手はすでに引退しており、アメリカで生産者として活躍していることが作中語られていた。
- サキにシルフィードジュニアを譲る際、いつかジュニアとシルフィーナの子同士を対決させようと約束しており、最終巻で約束通り自ら育て上げたシルフィードの孫、エアリアルで「キングジョージ」「凱旋門賞」など海外の大レースで対戦するが、あっさり全勝してしまったため、落胆していた。凱旋門賞前にマルスの引退式に出席しており、種牡馬の身体ではない事を察して白の一族全滅後にジャパンカップにてマルスとの対戦を希望する。報道陣に、既に引退したマルスはもう規定で復帰出来ない事を示唆されると、「方法はある」と、マルス陣営が何らかの手でジャパンカップ出走を実現させる事を期待するコメントを出した。ジャパンカップでは命を懸けてまで勝利をもぎ取ったマルスに涙を流しながら完敗を認めた。前作での詳細は『風のシルフィード』を参照。
- 夕貴潤(ユウキ・ジュン)
- かつて闘神マキシマムの騎手であった。最終巻のジャパンカップのみエアリアルの騎手として登場。本作では髪の毛がかなり伸びている。ジャパンカップでエアリアルと共にマルスに挑み、計算に基づいて勝利を得ようとしたが、命を懸けたラストスパートまでは読み切れずに敗北した。詳細は『風のシルフィード』を参照。
- 菊地正太(キクチ・ショウタ)
- 谷建の師匠。医者に酒を止められているが構わず飲んでいる。本作では馬の診療所を経営していて、かつて面倒を見た真崎を知っている。前作ではシルフィードの調教師として登場した。
- 松造(マツゾウ)
- 菊池の回想の中でのみ登場。前作『風のシルフィード』では、主人公森川駿の最も身近にいた人物の一人だった。本作では菊池と共に馬の診療所を共同経営している。
- 森田哲平(モリタ・テッペイ)
- 元藤村厩舎・河原崎厩舎厩務員。ドーピング実行者として名乗り出た直後に河原崎に解雇された。その後マルス陣営入りし、天荒に代わりレッドドラゴンの世話をしている。
- 冨良木与一(フラキ・ヨイチ)
- 名倉十郎の父。主に障害レースに騎乗。
- 十郎の祖父・名倉伍平調教師の元娘婿。しかし伍平に面と向かって意見を言ったところ反感を買い離婚させられ、しかも騎乗できなくなるようにされ、ヤケを起こして呑んだくれ、そのせいで体重が増え減量が苦手となり「乗れずの与一」という不名誉なあだ名がつけられた。
- 普段はエルディオスの調教をしているので、実は臆病な馬だと知っていた。青葉賞前の障害レースでは減量による体力低下が原因で落馬した。しかし本番の青葉賞に勝ち、十郎にエルディオスの本当の乗り方を教える。
- 藤村厩舎時代の天荒とは古い顔馴染み。
- 有田(アリタ)
- ヘルメスの元馬主。
- 大学教授の馬には誰も振り向かなかったが「綺麗な目をしている」と気に入ってヘルメスの馬主になった。ヘルメスの仔の馬主になるのを楽しみにしていたが、マルスが生まれる一年前に他界していた。
- 田辺夫妻(タナベ)
- ハヤタの生産者。田辺牧場で初の競走馬として産まれたハヤタに期待を寄せる。
- 育成牧場での事故で肺が潰れたハヤタを一度は競走馬にするのを諦めかけたが、河原崎にハヤタの素質を認められ競走馬にすべく地獄の特訓をした。河原崎厩舎を訪れた際偶然にも野々村那智に会い、ハヤタの生い立ちを話して共同通信杯に出る決意を固めさせた。
- 田中調教師(タナカ)
- 谷村厩舎の隣に田中厩舎を持つ。田中厩舎は関東の有力厩舎の一つ。
- 性格はかなり悪い。2人の息子がいて、兄は騎手でもある一郎、弟は慎太郎のライバルである二郎。息子2人は父親と非常に似ており、馬守達からはクローン親子と思われた。
- 弟の二郎はボクシングを習っており、マルスの敗戦から慎太郎を苛めるグループの主犯格になっていたが、内外タイムス杯で兄一郎が騎乗する馬がコバロンに敗れて[1]以降はイジメを止めた模様。一方の一郎は反則紛いの行為を得意とする危険な騎手で、内外タイムス杯で馬守に負けたことを根に持っていたので、皐月賞では後藤と組んでガンティアンと共に登場したが結局、墓穴を掘った。
- 藤村虎一(フジムラ・トライチ)
- 回想シーンのみの登場。通称・虎。藤村厩舎(後の河原崎厩舎)の前所長で、天田と河原崎の師匠であり、河原崎の事実上の養父。臨終に際し後事を河原崎に託したが、天田を陥れたのが河原崎であること、及び河原崎が調教師としての良心までも失っているわけではないことを見抜いており、「ドーピングは絶対やるな」と遺言した。