NHKマイルカップ

日本中央競馬会(JRA)が主催する中央競馬の重賞競走 From Wikipedia, the free encyclopedia

NHKマイルカップ(エヌエイチケイマイルカップ)は、日本中央競馬会(JRA)が東京競馬場で施行する中央競馬重賞競走GI)である。

開催国 日本の旗 日本
競馬場 東京競馬場
第1回施行日 1996年5月12日
概要 NHKマイルカップ, 開催国 ...
NHKマイルカップ
NHK Mile Cup[1]
第30回NHKマイルカップ(2025年5月11日)
優勝馬:パンジャタワー 
開催国 日本の旗 日本
主催者 日本中央競馬会
競馬場 東京競馬場
第1回施行日 1996年5月12日
2026年の情報
距離 芝1600m
格付け GI
賞金 1着賞金1億3000万円
出走条件 サラ系3歳牡馬牝馬(国際)(指定)
負担重量 馬齢(牡馬57kg、牝馬55kg)
出典 [2][3]
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競走名の「NHK」は寄贈賞を提供している日本放送協会の略称で、東京都渋谷区神南に本部を置く公共放送を提供する特殊法人[4]1950年代以前はNHKラジオ第1(現・NHK AM)で、テレビ放送開始後はテレビで不定期に中継(『NHK競馬中継』)を実施している。

正賞はNHK杯日本馬主協会連合会会長賞[2][3]

概要

1953年から1995年まで東京優駿(日本ダービー)のトライアル競走として施行されていた「NHK杯」を前身としている[5]。当時はクラシック競走に出走できなかった外国産馬や短距離適性のある馬に目標となる大レースを4歳(現3歳)春季に創設しようという気運が高まり、1996年に春の4歳(現3歳)マイル王決定戦として新設された[5][注 1]。それゆえ、創設時は「マル外ダービー[7]といわれたこともある。ただし、こうした外国産馬を主体とするような見方に対しては異論もあり、当時業務部にて競馬番組の変更に関与していたJRA理事の吉崎一郎によれば、「短距離適性のある3歳馬のためのGI競走が必要」とする意見自体は以前からあり、そこに当時の外国産馬の状況を踏まえて「外国産馬が多く出走してくる」という予測があった[8]。それゆえに、レース設立の最大かつ本来の目的は外国産馬絡みのものがメインではなく、あくまで「3歳馬の短距離GI」であるとする見解もある[8]

創設当初より外国産馬が出走可能なほか、指定交流競走として所定の条件を満たした地方競馬所属馬も出走が可能となっている[5]。2009年より国際競走となり、外国馬も出走可能になった[5]

ただ、第1回の1996年は出走した18頭のうち14頭がマル外であるなど、ごく初期は「マル外ダービー」が示す通り、外国産馬が過半数出走しており、2001年まではいずれも外国産馬が優勝、内国産馬は3着(2頭)までという状態であったが、「外国産馬の出走制限緩和8カ年計画」(1992年策定)に呼応するように、国外からトニービンブライアンズタイムサンデーサイレンスを「3大種牡馬」として輸入されたタイミングで、その子孫を中心とした内国産馬の出走が増えるようになる。実際、2002年に内国産馬で初めて当競走を優勝したテレグノシス以後、2021年シュネルマイスタードイツ生産)が優勝するまでの延べ19年間、内国産馬の優勝が続いていた。その大半の父馬は血統にサンデーサイレンス系統が入っていた。また、この「3大種牡馬」導入の影響で、2000年まで過半数前後を占めていた外国産馬は、2012年・2016年・2019年・2020年・2025年のように出走が全くなしの年もあるなど、大幅に減っていった [9]

2002年の第7回は日曜日の5月5日が大國魂神社で行われる「くらやみ祭」への配慮から東京競馬を行わなかったため土曜日の5月4日に施行されたが、2013年・2019年・2024年は5月5日が日曜日の場合でも東京競馬を開催するため日程の変更は行われていない。

NHK交響楽団のメンバー(正式には、正団員以外を交えた「NHK交響楽団とその仲間たちによる金管アンサンブル」)が、発走前のファンファーレを生演奏するのが恒例となっている[10][11]が、2025年はNHK交響楽団がヨーロッパツアーのため行われなかった。また、過去のダービートライアルとしてのNHK杯からの名残りで、八大競走のうちの牡馬三冠・天皇賞有馬記念などと同格扱いで、総合テレビにて全国に生中継されている。

競走条件

以下の内容は、2026年現在[2][3]のもの。

出走資格:サラ系3歳牡馬・牝馬、除未出走馬および未勝利馬(出走可能頭数:最大18頭)

  • JRA所属馬
  • 地方競馬所属馬(後述)
  • 外国調教馬(優先出走)
  • 負担重量:馬齢(牡馬57kg、牝馬55kg)
  • 騸馬(去勢した牡馬)は出走できない[注 2]

出馬投票を行った馬のうち優先出走権のある馬から優先して割り当て、その他の馬は通算収得賞金の総計が多い順に割り当てる(出走申込馬が出走可能頭数を超え、かつ収得賞金が同額の馬が複数いる場合は抽選)[12]

優先出走権

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競走名競馬場距離必要な着順
チャーチルダウンズカップGIII日本の旗阪神競馬場芝1600m3着以内
ニュージーランドトロフィーGII日本の旗中山競馬場
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収得賞金がない馬(未勝利馬・未出走馬など)は出走できないが、チャーチルダウンズカップ及びニュージーランドトロフィーで2着以内の成績を収め、収得賞金を得て、優先出走権を得れば出走できる[12][注 3]

その他の前哨戦

優先出走権の付与はされないが以下のレースも春の3歳マイル路線に繋がるレースとなっている。

さらに見る 競走名, 格 ...
競走名競馬場距離
シンザン記念GIII日本の旗京都競馬場芝1600m
ファルコンステークス日本の旗中京競馬場芝1400m
ジュニアカップL日本の旗中山競馬場芝1600m
クロッカスステークス日本の旗東京競馬場芝1400m
マーガレットステークス日本の旗阪神競馬場芝1200m
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地方競馬所属馬の出走資格

地方競馬所属馬は、同一年度に行われる下表のステップ競走で所定の成績を収めた馬に優先出走権が与えられる[13][12]

さらに見る 競走名, 格 ...
競走名競馬場距離必要な着順
チャーチルダウンズカップGIII日本の旗阪神競馬場芝1600m3着以内
ニュージーランドトロフィーGII日本の旗中山競馬場
桜花賞GI日本の旗阪神競馬場2着以内
皐月賞日本の旗中山競馬場芝2000m
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上記のほか、JRAで行われる芝の3歳重賞競走優勝馬にも出走資格が与えられる[5]

賞金

2026年の1着賞金は1億3000万円で、以下2着5200万円、3着3300万円、4着2000万円、5着1300万円[2][3]

歴史

年表

  • 1996年 - 4歳牡馬・牝馬限定の重賞競走(GI[注 4])として新設[5]
  • 2001年 - 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走資格を「3歳牡馬・牝馬」に変更[5]
  • 2007年 - 日本のパートI国昇格に伴い、格付表記をJpnIに変更[5]
  • 2009年
    • 国際競走に変更され、外国調教馬が9頭まで出走可能となる[5]
    • 格付表記をGI(国際格付)に変更[5]
  • 2020年 - 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止のため「無観客競馬」として実施[14](2021年も同様[15])。
  • 2024年 - 負担重量を馬齢表記に変更。

歴代優勝馬

優勝馬の馬齢は、2000年以前も現行表記に揃えている。

コース種別を記載していない距離は、芝コースを表す。

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回数施行日競馬場距離優勝馬性齢タイム優勝騎手管理調教師馬主単勝オッズ単勝人気1着本賞金
第1回1996年5月12日東京1600mタイキフォーチュン牡31:32.6柴田善臣高橋祥泰(有)大樹ファーム11.8[16]49200万円
第2回1997年5月11日東京1600mシーキングザパール牝31:33.1武豊森秀行植中倫子2.01
第3回1998年5月17日東京1600mエルコンドルパサー牡31:33.7的場均二ノ宮敬宇渡邊隆1.81
第4回1999年5月16日東京1600mシンボリインディ牡31:33.8横山典弘藤沢和雄シンボリ牧場8.26
第5回2000年5月7日東京1600mイーグルカフェ牡31:33.5岡部幸雄小島太西川清4.32
第6回2001年5月6日東京1600mクロフネ牡31:33.0武豊松田国英金子真人1.21
第7回2002年5月4日東京1600mテレグノシス牡31:33.1勝浦正樹杉浦宏昭(有)社台レースホース14.34
第8回2003年5月11日東京1600mウインクリューガー牡31:34.2武幸四郎松元茂樹(株)ウイン26.09
第9回2004年5月9日東京1600mキングカメハメハ牡31:32.5安藤勝己松田国英金子真人3.61
第10回2005年5月8日東京1600mラインクラフト牝31:33.6福永祐一瀬戸口勉大澤繁昌3.92
第11回2006年5月7日東京1600mロジック牡31:33.2武豊橋口弘次郎前田幸治8.73
第12回2007年5月6日東京1600mピンクカメオ牝31:34.3内田博幸国枝栄金子真人ホールディングス(株)76.017
第13回2008年5月11日東京1600mディープスカイ牡31:34.2四位洋文昆貢深見敏男4.31
国際GIに格付け
第14回2009年5月10日東京1600mジョーカプチーノ牡31:32.4藤岡康太中竹和也上田けい子39.8109200万円
第15回2010年5月9日東京1600mダノンシャンティ牡31:31.4安藤勝己松田国英(株)ダノックス2.61
第16回2011年5月8日東京1600mグランプリボス牡31:32.2C.ウィリアムズ矢作芳人(株)グランプリ4.61
第17回2012年5月6日東京1600mカレンブラックヒル牡31:34.5秋山真一郎平田修鈴木隆司3.71
第18回2013年5月5日東京1600mマイネルホウオウ牡31:32.7柴田大知畠山吉宏(株)サラブレッドクラブ・ラフィアン34.310
第19回2014年5月11日東京1600mミッキーアイル牡31:33.2浜中俊音無秀孝野田みづき1.91
第20回2015年5月10日東京1600mクラリティスカイ牡31:33.5横山典弘友道康夫杉山忠国6.43
第21回2016年5月8日東京1600mメジャーエンブレム牝31:32.8C.ルメール田村康仁(有)サンデーレーシング2.319500万円
第22回2017年5月7日東京1600mアエロリット牝31:32.3横山典弘菊沢隆徳(有)サンデーレーシング5.82
第23回2018年5月6日東京1600mケイアイノーテック牡31:32.8藤岡佑介平田修亀田和弘12.861億500万円
第24回2019年5月5日東京1600mアドマイヤマーズ牡31:32.4M.デムーロ友道康夫近藤利一4.32
第25回2020年5月10日東京1600mラウダシオン牡31:32.5M.デムーロ斉藤崇史(有)シルクレーシング29.69
第26回2021年5月9日東京1600mシュネルマイスター牡31:31.6C.ルメール手塚貴久(有)サンデーレーシング3.72
第27回2022年5月8日東京1600mダノンスコーピオン牡31:32.3川田将雅安田隆行(株)ダノックス7.141億3000万円
第28回2023年5月7日東京1600mシャンパンカラー牡31:33.8内田博幸田中剛青山洋一22.29
第29回2024年5月5日東京1600mジャンタルマンタル牡31:32.4川田将雅高野友和(有)社台レースホース2.92
第30回2025年5月11日東京1600mパンジャタワー牡31:31.7松山弘平橋口慎介(株)Deep Creek26.19
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NHKマイルカップの記録

  • レースレコード - 1:31.4(第15回優勝馬ダノンシャンティ)[5]
    • 優勝タイム最遅記録 - 1:34.5(第17回優勝馬カレンブラックヒル)
  • 最多優勝騎手 - 3勝
    • 武豊(第2回・第6回・第11回)、横山典弘(第4回・第20回・第22回)[17]
  • 最多優勝調教師 - 3勝
    • 松田国英(第6回・第9回・第15回)
  • 最多勝利種牡馬 - 3勝
  • 最年少優勝騎手 - 藤岡康太(第14回・20歳4ヶ月22日)
  • 最年長優勝騎手 - 内田博幸(第28回・52歳9ヶ月12日)
  • 親子制覇
    • クロフネ - クラリティスカイ・アエロリット

[18]

  • 兄弟制覇
    • なし

[19]

脚注・出典

関連項目

外部リンク

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