鉄輪
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はるか遠い昔のある夜、一人の中年の女が一心不乱に野を越え林道や川沿いの道を走り抜けてやっとの思いで貴船神社にたどり着く。中年の女は、数日前に夫に裏切られ若い女と夫婦になるため一方的に別れを告げられ、激しい怨みの念を抱いていた。元妻となった中年の女は丑の刻参りをすべく、神社の御神木に打ち付けたわら人形に怨みを込めながら木づちでいくつもの釘を打ち続ける。
数日間貴船神社に通い続けて何度目かの丑の刻参りを終えた元妻は、どこからか「鬼神の神通力を授けよう」とのお告げを聞く。続けてお告げで、逆さにした鉄輪(五徳)の3つの足にロウソクを立てて火を灯し、それを頭に被るよう聞いた元妻は、鬼神となって元夫と若い女の夢に現れ始める。元妻の悪夢にうなされるようになった元夫は、陰陽師・安倍晴明に会って事情を話し、元妻の怨みを鎮めてもらおうとする。
時は流れて現代、とある中年の男がいつものように若い女の部屋で浮気行為に及んでいると無言電話がかかり、電話を切るが、その夜ベルが鳴り続ける。電話の主は妻(中年の女)だと疑う中年の男は帰宅すると、無言電話を問い詰めようとするが、「私がどこに電話したと言うの?」と言われて何も言い返せない。その後も夫は若い女との浮気を重ねるが、彼女の部屋に無言電話が続き、2人は徐々に妻の強い嫉妬心に不安を抱き始める。
電話の音から逃げるように、とある湖畔のホテルに滞在することにした中年の男と若い女だが、宿泊部屋にも無言電話がかかってくる。2人は気分を変えるため、外のプールで泳いだり湖畔を散歩してみるが、何となく妻の気配を感じてしまい、結局部屋で過ごすことに。数日後、何度目かの無言電話を受けた若い女は、中年の男に「きっと中年の女がホテルの内通電話を使って無言電話をかけている」との考えを告げる。
2人はホテルの従業員たちに電話の主のことや他の客について聞くが、なぜかまともに取り合ってもらえず、自分たちで調べることに。数日後、隣に婦人が宿泊していたことを突き止めた2人はその夜、着物姿の女の後をこっそりと追って、ホテルの外へ向かう。湖に訪れた中年の男と若い女は薄闇の中、着物姿の女を見失うが、その直後、2人は後ろから背中を押されて湖へと落ちてしまう。