防災庁
日本の行政機関
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防災庁(ぼうさいちょう)は、2026年11月2日に設置が予定されている日本の行政機関。災害対策基本法第2条の2の基本理念に則り、防災(災害予防、災害応急対策、災害復旧及び災害からの復興をいう。)に関する内閣の事務を内閣官房と共に助け[注釈 2]、防災に関する行政事務の円滑かつ迅速な遂行を図る[注釈 3]ことを目的として内閣に置かれる。
デジタル庁と同様に国家行政組織法の適用が除外され[注釈 4]、必要な事項は防災庁設置法に規定されている。
建制順では、防災庁はデジタル庁の次、復興庁の前(復興庁設置期限到来後は総務省の前)となるが、防災大臣は主任の大臣でないため、閣僚等名簿における大臣の並びは、各省大臣の後のデジタル大臣の次に防災大臣、復興大臣が続き、ついで国家公安委員会委員長の順となる。防災副大臣については、副大臣の筆頭であるデジタル副大臣の次で、復興副大臣、内閣府副大臣の前となる。防災大臣政務官も同様に政務官の筆頭であるデジタル大臣政務官の次となる。
沿革
2014年(平成26年)9月、関西広域連合は、災害に強い国土形成の観点から「関西圏域の展望研究会」[2]を設置し、関西と東京の双方に「防災庁」を置き双眼構造体制を確立することを目指し、2015年(平成27年)9月に防災庁の実現を盛り込んだ「関西圏域の展望研究 報告書」[3]を国に提出した。
一方、自由民主党では、2010年代に東日本大震災(2011年)、御嶽山噴火(2014年)、平成28年熊本地震(2016年)などの大規模災害が立て続けに発生したことから、2016年(平成28年)5月に東日本大震災発生時の政府の初動対応を検証するチームが「防災庁」の検討を盛り込んだ報告書をまとめた[4]。
関西広域連合は、平成28年熊本地震発生後の2016年(平成28年)7月から「我が国の防災・減災体制のあり方に関する懇話会」[5]を開催し、2017年(平成29年)7月に防災省(庁)創設を提案する報告書[6][7]を提出した。
2024年9月の自民党総裁選挙では防災庁の新設を掲げた石破茂が総裁に当選、10月1日には内閣総理大臣に就任した。同日発足した第1次石破内閣では内閣府特命担当大臣(経済財政政策担当)の赤沢亮正に防災庁設置準備担当を兼務させることとした[8]。同年11月1日には内閣官房に「防災庁設置準備室」が発足した[9]。
2025年9月7日、石破が内閣総理大臣と自由民主党総裁を退陣すると表明し、次期政権に防災庁創設の方針を引き継ぐ意向を示した[10]。同年10月21日に内閣総理大臣に就任した高市早苗は就任記者会見で2026年度中の防災庁設置を目指した石破前政権の方針を堅持し、準備を進める考えを示した。復興庁の知見を生かすため、復興大臣の牧野京夫に防災庁設置準備担当を兼務させると説明した[11]。同年12月1日、政府は防災庁の発足時期を2026年11月1日とする方針を決定し[12]、同月26日に閣議決定した[13]。2026年3月6日、政府は防災庁設置法案および関連法案の改正案を閣議決定。事前防災の強化のため人工知能等のデジタル技術の活用に注力すると報じられた[14]。
同年7月13日、参議院本会議で防災庁設置法が与党などの賛成多数で可決、成立[15]。17日、同法(令和8年法律第61号)が公布された。
同年9月25日、防災庁の発足日を同年11月2日にすると閣議決定した[16]。
評価・見解
- 石破は2016年の平成28年熊本地震の直後から防災省の設置を提唱していた[17]。かつての国土庁防災局を継承した内閣府の防災担当部局が各省庁からの出向者で多く構成されていたことや、当時国務大臣であった河野太郎が防災担当大臣のほか、国家公安委員長、行革担当大臣、消費者担当大臣などを兼務していた[18]ことを挙げ、「在任の長い専任の国務大臣を置き、職員にもあらゆる事態に備えた人材を集めるべき」との考えを示していた[17]。
- 自民党の小林鷹之は石破の構想に対し「司令塔機能を強化する、防災の知見を深め蓄積して共有するという問題意識は共有する」とした一方で「防災省という組織の話になると、屋上屋を架すことになるのではないか」との考えを示していた[19]。
組織
以下の「法」は防災庁設置法を指す。
- 幹部
- 内閣総理大臣(防災庁の長、主任の大臣。法第6条第1項、第2項)
- 防災大臣(法第8条第1項)
- 防災副大臣(1人。他にデジタル庁又は他省との兼務者を置くことができる。法第9条第1項、第2項)
- 防災大臣政務官(1人。他にデジタル庁又は他省との兼務者を置くことができる。法第10条第1項、第2項)
- 防災大臣補佐官(1人。非常勤とすることができる。法第11条第1項、第5項)
- 内部部局
- 防災庁事務次官(法第12条第1項)
以下の人数は2026年度予算定員として示されたもの。
防災局の招致
防災局は、2028年度までに2カ所が設置される方針で、各地の自治体は招致に前向きな姿勢を見せた。
- 北海道では札幌市をはじめ17の自治体や地域が招致の意欲があるとし、本州との同時被災のリスクが少なく首都圏の防災機能をバックアップできるとアピールした[21]。
- 宮城県仙台市の郡和子市長は「地域の防災力の強化に繋げていきたいという思いは強く思っているものですから、防災局の設置・誘致に向けてさらに力をいれていかなければいけない」と述べた[22]。
- 福島県ではいわき市などが誘致活動を行うほか、複数の自治体や関係者が前向きな動きを示した[23]。
- 石川県の山野之義知事は「能登半島地震、奥能登豪雨の知見が相当積み重なっているので」「小松空港周辺に防災局を設置していただくことが日本全体にとっても間違いなくプラスになってくる」と述べた[24]。
- 愛知県の大村秀章知事は名古屋市の三の丸エリアに地方拠点を設置するよう国に働きかける方針を示した[25]。
- 岐阜県の江崎禎英知事は「南海トラフ地震の際、愛知と三重の被災者を受け入れるのは岐阜県」「東西南北、高速道路が県内全てつながりました。そこの要所要所に大病院が配置されている、それはまさに岐阜県の持っている強みであります」と述べた[26]。
財政
2026年度(令和8年度)一般会計当初予算における防災庁所管歳出予算は24億1457万3千円である[1]。
このほか、東日本大震災復興特別会計を国会、裁判所、会計検査院、内閣、内閣府、デジタル庁、復興庁、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省および防衛省と共管する[注釈 6]。