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P-クマル酸

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p-クマル酸(英語: p-Coumaric acid)は、ケイ皮酸のヒドロキシ誘導体であるヒドロキシケイ皮酸である。クマル酸には、o-クマル酸、m-クマル酸、p-クマル酸の3つの異性体があり、フェニル基上のヒドロキシ基の位置で区別される。p-クマル酸は、3種類の中で天然に最も多く存在する。trans-p-クマル酸とcis-p-クマル酸の2種類がある。

概要 物質名, 識別情報 ...
p-クマル酸
p-クマル酸の構造
p-クマル酸の構造
p-クマル酸のボールスティックモデル
p-クマル酸のボールスティックモデル
物質名
識別情報
3D model (JSmol)
ChEBI
ChEMBL
ChemSpider
DrugBank
ECHA InfoCard 100.116.210 ウィキデータを編集
EC番号
  • 231-000-0
IUPHAR/BPS
性質
C9H8O3
モル質量 164.160 g·mol−1
精密質量 164.047344
融点 210–213 °C (410–415 °F; 483–486 K)
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
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水に対しては難溶性であるが、エタノールやジエチルエーテルにはよく溶ける結晶性固体である。

シナピルアルコール及びコニフェリルアルコールとともに、リグニンの主要な構成要素となっている。

天然の存在

p-クマル酸は、Gnetum cleistostachyumに含まれる[1]。

食品

p-クマル酸は、ラッカセイ、シロインゲンマメ、トマト、ニンジン、ニンニク等、様々な食用植物に含まれる。ワインや酢の中にも含まれ[2]、またオオムギにも含まれる[3]。

花粉中のp-クマル酸は蜂蜜の成分である[4]。

誘導体

p-クマル酸グルコシドは、アマ種子を含むパンに含まれる[5]。p-クマル酸ジエステルは、カルナウバロウに含まれる。

代謝

生合成

P450依存性酵素のtrans-ケイ皮酸-4-モノオキシゲナーゼによって、ケイ皮酸から生成される。

ケイ皮酸   para-coumaric acid

チロシンアンモニアリアーゼの作用で、L-チロシンからも作られる。

L-Tyrosine   para-coumaric acid + アンモニア + H+

生化学

p-クマル酸は、ワイン中でブレタノマイセス属酵母により生産される4-エチルフェノールの前駆体となる。この酵母は、4-ヒドロキシケイ皮酸デカルボキシラーゼにより、p-クマル酸を4-ビニルフェノールに変換する[6]。4-ビニルフェノールは、さらにビニルフェノールレダクターゼによって還元されて4-エチルフェノールとなる。匂いによるブレタノマイセス属の同定のため、培地にクマル酸が添加されることがある。

Brettanomycesによるp-クマル酸から4-エチルフェノールの変換

cis-p-クマル酸グルコシルトランスフェラーゼは、UDP-グルコースとcis-p-クマル酸を用いてp-クマル酸グルコシドとUDPを生成する酵素である。この酵素は、グリコシルトランスフェラーゼ、特にヘキソシルトランスフェラーゼのファミリーに属する[7]。

フロレト酸は、干し草を食べるヒツジの第一胃で見られ、p-クマル酸の2-プロペン酸側鎖への水素付加により生成される[8]。

医療への利用

p-クマル酸は抗酸化物質活性を持ち、発癌性のニトロソアミンの生成を抑制することで[9]胃癌のリスクを減少させると考えられている[10]。

生物作用

p-クマル酸は蜂蜜中に存在するが、養蜂業者が餌として与える異性化糖由来の代替餌には存在しない。p-クマル酸は、特定の殺虫剤を無毒化するため、この欠乏が蜂群崩壊症候群の一因になっているとの説もある[4]。

関連項目

出典

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