BMW・X2
From Wikipedia, the free encyclopedia
概要

BMWのSUV[注釈 1]シリーズである「Xモデル」の新ジャンル、SAC(スポーツ・アクティビティ・クーペ)に属し、X6、X4に次ぐ3番目のモデルとして登場した。車名の数字「2」が示すように、同社のSACラインアップでは、最小クラス(Cセグメント)に位置する。
2016年9月29日、パリモーターショー2016にて、コンセプトモデルの「BMW・コンセプトX2」が発表された[1]。既存のXモデルとは一線を画す、「UNFOLLOW」(常識や周囲の評価起点ではなく、自分の道はいつも自分で切り開く)という、全く新しいコンセプトからなる、ヘキサゴンをモチーフとしたデザインが採用された。市販モデルは、2018年に登場した。
2023年、2代目(U10)をベースとした、歴代初の電気自動車であるiX2が登場した。
主なライバルとして、メルセデス・ベンツ・GLAやアウディ・Q3スポーツバックなどが挙げられる。
初代(F39型、2018年 - 2023年)
2018年1月、北米国際オートショーにて発表された[2]。
姉妹車であるX1(F48)と共通のFF系プラットフォーム「UKL」が採用される。四輪駆動システム「xDrive」は、ステアリングの角度や、ホイールの回転速度などの車両データから、オーバーステアやアンダーステアなどの兆候を察知し、瞬時に前後アクスルへの駆動トルクを可変配分する機能を備える[3]。
キドニーグリルは、下部の幅を広げた台形型のデザインを採用しつつ、ルーフラインは、Xモデルらしい強固な印象を残す、やや無骨な形状とした。Cピラーには伝統のホフマイスター・キンクを組み込んだほか、歴代BMWクーペの名車を彷彿とさせる、BMWブランドロゴをあしらった。LEDテールライトには、Xモデル特有のT字形の光源部と、BMWクーペの特徴である、L字形の輪郭が組み合わさった形状が採用されている。リアバンパーとテールゲートは、1枚板状のリアエプロンに被さるような新デザインを採用し、直径90mmの大型エキゾーストテールパイプも装備される。ボディサイズは全幅を1,825mm、全高を1,535mmに抑え、一般的な機械式駐車場にも収まるサイズとした。
インテリアは、ドライバーに向けて僅かに角度がつけられたセンターコンソールを備え、全ての重要な操作系がドライバーの手の届く範囲に配置される。アクセント・トリム付きの大きなインテリア・トリム・パネルや、アンビエントライトにより、高級感を演出した。ダッシュボードには、8インチの高解像度ワイドコントロールディスプレイ、指による文字入力や、地図の拡大/縮小が可能なタッチパッド付きiDriveコントローラーを装備する。
パワートレインは、1.5L 直列3気筒DOHCガソリンの「18i」、2.0L 直列4気筒DOHCガソリンエンジンを搭載する「20i」「M35i」、2.0L 直列4気筒DOHCディーゼルを搭載する「18d」「20d」が用意される。ターボチャージャーには、高精度ダイレクトインジェクションシステム、無段階可変バルブコントロールシステムのバルブトロニック、バリアブルカムシャフトコントロールシステムのダブルVANOSを組み合わせた。トランスミッションは、6速MTのほかに、7速DCTと8速ATが用意される。
デザイン・ラインには、新たにオフロード性を強調した「M Sport X」が用意される。フローズン・グレーのアクセントパーツや、イエローのコントラスト・ステッチが施された、マイクロ・ヘキサゴン・ファブリック/アルカンターラ・アンソラジット・コンビネーション・シート、アルミニウム・ヘキサゴン・アンソラジット・インテリア・トリムなどの専用装備が奢られる。加えて、堅めのスプリングとダンパーを組み合わせたMスポーツ・サスペンションも装備される。最低地上高は、通常モデルと同一の180mmである。
歩行者検知機能付き「衝突回避・被害軽減ブレーキ」、車線の逸脱をドライバーに警告する「レーン・ディパーチャー・ウォーニング」、衝突の危険性が高まった際に警告を発する「前車接近警告機能」といった先進運転支援システム(ADAS)も充実させた。また、アクティブ・クルーズ・コントロール(ACC)や、ヘッドアップ・ディスプレイといった快適装備も、オプションで用意される。BMW SOSコール、BMWテレサービスからなる「BMWコネクテッド・ドライブ」も装備する。
日本での販売
- 2018年4月16日
- 日本仕様が発表された[4]。グレードは、1.5L 直列3気筒エンジンを搭載するFF車「sDrive18i」、2.0L 直列4気筒エンジンを搭載する4WD車「xDrive20i」の2種類が設定される。それぞれに、「Standard」および「M Sport X」のデザイン・ラインが用意される。
- トランスミッションは、前者が7速DCT、後者が8速ATを組み合わせ、ガソリン車・右ハンドルのみの設定となる。
- 2018年5月14日
- BMWブランド・フレンドに就任した香取慎吾が出演する、X2のスペシャル・コンセプト・ムービー「UNFOLLOW~THE ALL-NEW BMW X2 meets Shingo Katori~」が公開された[5]。
- 2019年1月28日
- クリーンディーゼル車の「xDrive18d」、および高性能モデルの「M35i」が追加導入された[6]。
- 前者は、最新のコモンレール直噴システムと、可変ジオメトリーターボチャージャーを装備する、2.0L 直列4気筒ディーゼルを搭載し、8速ATを組み合わせる。既存モデルとは異なり、「xDrive」かつ「M Sport X」のみの設定となる。
- 後者は、2.0L 直列4気筒ターボを搭載し、8速スポーツATを組み合わせる。さらに、専用設定が施されたMスポーツ・サスペンション、Mスポーツ・ディファレンシャル、Mスポーツ・ブレーキを採用し、Mパフォーマンス・モデルに相応しいパフォーマンスを発揮する。内外装においても、ヘッドライトやフォグランプ、キドニーグリル、ミラー・キャップに、M Performanceモデル専用のセリウム・グレーを採用するほか、サイド・エアインテークには、シャープな印象を際立たせるブレード・デザインや、より空力性能が高いMリア・スポイラーを装備し、通常モデルとの差別化が図られている。
- 2020年6月8日
- クリーンディーゼル車の「xDrive20d」が追加導入された[7]。既存グレードの「xDrive18d」よりパワーアップした、2.0L 直列4気筒ディーゼルエンジンを搭載し、8速スポーツATを組み合わせる。「xDrive」かつ「M Sport X」のみの設定となる。
- 2021年4月30日
- 仕様変更[8]。
- 「xDrive20d」に、ドライビング・アシスト・プラス、ACC(ストップ&ゴー機能付)、電動フロント・シート、ワイヤレスチャージングが標準装備された。また、「M35i」に、ワイヤレスチャージングが標準装備された。
- 同時に既存グレードが整理され、「sDrive18i」は「M Sport X」のみの設定となった。「xDrive18d」および「xDrive20i」は廃止された。
| F39(2018年 - 2023年) | |||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| グレード | 型式 | 排気量(cc) | エンジン | 最高出力(ps/rpm) | 最大トルク(kgm/rpm) | 変速機 | 駆動方式 |
| sDrive18i (2018年 - 2023年) | B38A15A | 1,498 | 直列3気筒DOHCターボ | 140/4,600 | 22.4/1,480-4,200 | 7速DCT | 前輪駆動 |
| xDrive20i (2018年 - 2021年) | B48A20A | 1,998 | 直列4気筒DOHCターボ | 192/5,000 | 28.6/1,350-4,600 | 8速AT | 四輪駆動 |
| xDrive18d (2019年 - 2021年) | B47C20B | 1,995 | 直列4気筒DOHCディーゼルターボ | 150/4,000 | 35.7/1,750-2,500 | ||
| xDrive20d (2020年 - 2023年) | 190/4,000 | 40.8/1,750-2,500 | |||||
| M35i (2019年 - 2023年) | B48A20E | 1,998 | 直列4気筒DOHCターボ | 306/5,000 | 45.9/1,750-4,500 | ||
2代目(U10型、2023年 - )
2023年、欧州市場にて、フルモデルチェンジ[9]。同時に、従来から設定のあるICEに加え、歴代初のBEV・iX2が登場した。
エクステリアは、正方形に近い大型のキドニーグリル、環状のシグネチャーを2回繰り返すツイン・サーキュラーを進化させたアダプティブLEDヘッドライト、水平方向のキャラクターライン、立体的なLEDリアコンビネーションライトが特徴である。ドアノブの形状は、従来のグリップ式から、空力特性に優れたフラッシュ・ハンドルに改められた。
インテリアは、メーターパネルと、コントロールディスプレイを一体化させた「BMWカーブド・ディスプレイ」を、運転席側に傾けて配置した。従来のシフトレバーと、iDriveコントローラーは廃止され、トグルスイッチ式のギヤセレクターに置き換わった。また、センターコンソールには、Qi機能を備えたスペースも確保されている。なお、搭載されるiDriveのOSはID8から8.5へ、さらに2024年までにID9に変更されている。
車両のキーを持たずとも、対応のスマートフォン、スマートウォッチを携行していれば、車両に近づくだけでロック解除、エンジン始動を可能にする「BMWデジタル・キー・プラス」や、AI技術を活用し、音声会話だけで車両の操作、情報へのアクセスが可能となる「BMWインテリジェント・パーソナル・アシスタント」を新たに装備している。
ラゲッジ容量は大人3名乗車時には560ℓ、また40:20:40の分割可倒式リアシートを全て倒すことで最大1,470ℓにまで拡大することが可能である。
X2のパワートレインは、2.0L 直列4気筒DOHCガソリンエンジン「20i」「M35i」が用意される。トランスミッションは6速MTが廃止され、全車に7速DCTが組み合わされる。欧州市場には、48Vマイルドハイブリッドシステム搭載車も用意される。
iX2のパワートレインは、最高出力190PS(140kW)、最大トルク247Nmを発揮する、2つの電気モーターを前後に配置する「30」が用意される。システムトータルでの最高出力は200kW、最大トルクは494Nmであり、0-100km/hは5.6秒を誇る。ボディ床下に収納される、リチウムイオン電池のバッテリー容量は66.5kWhで、普通充電と急速充電(CHAdeMO)に対応している。
デザイン・ラインは、「Standard」および「M Sport」の2種類が用意される。「M Sport」には、可変容量ダンパーであるアダプティブMサスペンションが装備され、通常モデル比で車高が20mm低くなる。
先進運転支援システム(ADAS)は、3眼の高性能カメラ&レーダーと、高性能プロセッサーを駆使する、新世代の「ドライビング・アシスト」を装備する。新たに、ハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能、レーン・チェンジ・ウォーニング(車線変更警告システム)、衝突回避・被害軽減ブレーキ(事故回避ステアリング付)、クロス・トラフィック・ウォーニング、パーキング・アシスタント、リバース・アシスト機能などが追加されている。
日本での販売
- 2023年10月25日
- X2およびiX2が同時に発表された。
- X2は、2.0L 直列4気筒ガソリンエンジンを搭載する4WD車「xDrive20i」が、iX2には2つの電気モーターを前後に配置する4WD車「xDrive30」が設定される。いずれも「xDrive」かつ「M Sport」のみが用意される。全車右ハンドルのみの設定となる。
- 併せて、X2の高性能モデル「M35i xDrive」が発表された。2.0L 直列4気筒ツインターボに、Mスポーツ・ブースト機能付き7速DCTを組み合わせる。右ハンドルのみの設定となる。さらに、フロント・アクセルに組み込まれた、機械式リミテッドスリップデファレンシャル、アダプティブMサスペンションなどを装備し、Mパフォーマンス・モデルに相応しいパフォーマンスを発揮する。内外装においても、Mロゴ付きの垂直な二重バー装備のBMW Mキドニー・グリル、黒色仕上げのMエクステリア・ミラー・キャップ、4本出しのテール・パイプ、19インチMアロイ・ホイール、Mドア・シル・トリム、Mペダル、パドル・シフト付きMレザー・ステアリング・ホイール、照明付きMスポーツ・シートなどが装備され、通常モデルとの差別化が図られている。
| U10(2023年 - ) | |||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| グレード | 型式 | 排気量(cc) | エンジン/電気モーター | 最高出力(ps/rpm) | 最大トルク(kgm/rpm) | 変速機 | 駆動方式 |
| xDrive20i (2023年 - ) | B48A20P | 1,998 | 直列4気筒DOHCターボ | 204/5,000 | 30.6/1,450-4,500 | 7速DCT | 四輪駆動 |
| M35i xDrive (2023年 - ) | B48A20H | 直列4気筒DOHCツインターボ | 317/5,750 | 40.8/2,000-4,500 | |||
| xDrive30 (2023年 - ) | HB0001N0(前) HB0002N0(後) |
- | 交流同期電動機 | 306/8,000 | 50.4/0-4,900 | 無段変速 | |