GAMERA -Rebirth-

日本のアニメシリーズ作品 From Wikipedia, the free encyclopedia

GAMERA -Rebirth-』(ガメラ リバース)は、ENGIが制作を担当し、Netflixで配信された日本アニメシリーズ作品[1]。監督は『GODZILLA』の監督を務め、『小さき勇者たち〜ガメラ〜』の方針にも影響を与えた『REX 恐竜物語』にも参加経験のある瀬下寛之[2][3]。2023年9月7日配信開始[4]。2025年4月から6月にかけて、NHK総合テレビジョンによって地上波で放送された[5]

ジャンル特撮SF
原作KADOKAWA
監督瀬下寛之
概要 ジャンル, アニメ ...
GAMERA -Rebirth-
ジャンル 特撮SF
アニメ
原作 KADOKAWA
原案 瀬下寛之
監督 瀬下寛之
シリーズ構成 猪原健太
瀬古浩司
瀬下寛之
脚本 猪原健太
瀬古浩司
山田哲弥
瀬下寛之
キャラクターデザイン 田村篤
メカニックデザイン 帆足タケヒコ
音楽 片山修志
アニメーション制作 ENGI
unend
StudioKADAN
製作 GAMERA Rebirth製作委員会
配信サイト Netflix
配信期間 2023年9月7日 - 10月12日
話数 全6話
ボコ
ジョー
ジュンイチ
ブロディ
金元寿子
松岡禎丞
豊崎愛生
木村昴
テンプレート - ノート
プロジェクト アニメ
ポータル アニメ
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解説

ガメラシリーズ」としては(未制作に終わったいくつかの作品を除くと)初のアニメ作品であり[注釈 1]1989年の夏を舞台に、ガメラがほかの怪獣たちと戦う様子を目撃する4人の少年たちを描く[10]

本作のプロットには、前作『小さき勇者たち〜ガメラ〜』の制作にも影響を与えた『ガメラ 大怪獣空中決戦』の最初期の脚本の一つ(所謂「小中ガメラ」)の要素を再利用した部分が見られ[2]1989年という時代設定は「昭和平成の中間」という意味合いで用いられたとされる[11]。また、ギャオス以外の昭和の敵怪獣がシリーズの本編に登場するのは大映の倒産によって1971年の『ガメラ対深海怪獣ジグラ』でシリーズが中断して以来となり、後述の通り同作以来となる『ガメラマーチ』の使用も行われている。

ガメラとギャオスのデザインは2015年に公開されたシリーズの50周年記念映像をベースにより優しさと知性を感じさせる様な要素も加えられており、石井克人もガメラのオリジナルデザイナーとしてクレジットで表記されている。また、第1話においてガメラが小型ギャオスの群れを火焔弾で撃墜するシーンも記念映像を踏襲している[1][12]

また、本作における怪獣の能力や描写、人間のキャラクター、ストーリー面や戦闘シーンの細部などは(過去に実現が叶わなかった物も含めて)過去のシリーズ作品へのオマージュが重点的に意識されており、ガメラと子供が互いに助け合う関係性も含めて[13]、昭和シリーズを中核として全作品のガメラの要素を込めている[1][14]。また、各話には子供達の冒険の舞台に合わせた敵怪獣が登場しており、これは脚本の開発よりも先に決定されていた[1]。第6話の舞台である石垣島・崎枝半島にて灯台が登場するのは(『原子怪獣現わる[注釈 2]の描写を踏襲している)『大怪獣ガメラ』を意識した描写である[2][12]。また、クレジットには表記されていないが、生前の高橋二三のアイディアも原案として活かされている[15]

戦闘シーンの描写としては、製作コストの観点から市街地などでの戦闘を減らした部分もあるが、「人類の守護者であるガメラによる犠牲者を出さない」という方針を重要視した事も事実であるとしている。第1話でガメラが着陸したビル群は避難が完了しており、同話で大型ギャオスを火焔弾で撃破する際に昭和記念公園に、第2話で大型ジャイガーを燼滅手で撃破した際に多摩川の河川敷に投げているのもこの方針の影響である[16]。なお、平成ガメラ三部作を監督した金子修介は、本作の制作が進行している最中に自身の新たな構想をKADOKAWAに提示していたとされ[17]、後に『ゴジラ-1.0』におけるインタビューにて、山崎貴からガメラの新作への展望を質問され、本作(GAMERA -Rebirth-)に軽く触れた後、冗談まじりではあるが「ガメラが真珠湾を襲う」というアイディアを言及している[18]

この他にも、後述の通りゲームアプリである『ゴジラバトルライン』でこれまで実現ができなかったゴジラシリーズ」とのコラボレーションが実現している[19]

シリーズ化の構想

後述の通り、主に予算面とスケジュールの事情で本作のクオリティーと成績が低下した可能性が指摘されている[1][3][20][21]。瀬下寛之は当初は完成版の2倍の戦闘シーンを用意したが制作の都合上で削らざるを得なかったとしており[22]、瀬下は可能ならば完成作品の5倍の戦闘シーンを作りたかったと述べている[1]。未使用に終わった怪獣の能力や描写も多く[11]、怪獣の戦闘シーンを全話に導入すること自体が予算的にかなり無茶であったと述べている[23]。また、本作にはオープニングアニメーションも用意されておらず、劇中シーンの流用という形を取っている[24]

一方、瀬下たちは続編の制作を希望しており、実写化への展望にも言及している[22]。続編が実現すれば「ガメラは何故、自らを犠牲にしてでも命懸けで人間を守るのか」などの多数のキーポイントを明示したり[14]、バルゴンなどの敵怪獣を登場させたり[1]、予算が増加すれば戦闘シーンを増やしたいとコメントしており[25]、シーズン5までの構想があるとされる[22]。また、瀬下は本作がガメラシリーズが今後も続いていく(復活する)きっかけになることを願うと述べている[26]

製作

2018年に瀬下寛之が井上伸一郎を筆頭とするKADOKAWAの各関係者と会食した際に、瀬下がポリゴン・ピクチュアズを退職して独立した事を報告するとKADOKAWA側からその場で企画書を提示され、瀬下は即座に快諾したという。瀬下側の要望として、東宝の意向によって『GODZILLA』で叶わなかった「怪獣プロレス」を軸にするという物があり、KADOKAWA側もこれを了承した[1][2][14]。また、ENGIが新たな会社であり当初は2Dのデジタル作画を主目標に設立されたこともあり、本作のために3DのCG部門の発足が決定された。そのため、本作の制作とENGIのCG部門の組織作りは同時進行で行われたために制作の難易度が上がったとされる[1][16]

ストーリーの構成は、瀬下寛之、猪原健太瀬古浩司が中心になって行った。3名は『亜人』と『Levius -レビウス-』でも共同参加しており、この経験が本作の企画を円滑にさせている。ノベライズ版では制作の都合上で本編に取り入れる事ができなかった要素を多く含んでおり、『カミエラビ』でもタッグを組んでいる瀬下とじんが手掛けている[14]。また、怪獣デザインなどを担当した髙濵幹は「平成ガメラ3部作」から本シリーズに関与しており、髙濵は瀬下とは別の実写作品で、ガメラとギャオスのマケットを担当した越智光信と吉田雅則もスクウェア(現スクウェア・エニックス)時代に『ファイナルファンタジー』の制作で瀬下と共同参加していた[1]

キャラクターデザインについては、(徳間書店時代にガメラシリーズと関係性があった)スタジオジブリの出身であり以前から瀬下作品と(瀬下とも交流がある)新海誠[27]の作品に携わってきた田中直哉片塰満則の影響でジブリ作品風の趣があった。また、田村篤の起用も田中と片塰の紹介がきっかけであり、安彦良和と『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』の影響[注釈 3]を受けている[16]

本作に出演した宮野真守早見沙織中井和哉[注釈 4]などは、瀬下寛之の『GODZILLA』にも出演しており、後述の通り『ゴジラバトルライン』における本作との公式コラボレーションでは『GODZILLA』に登場した「ゴジラ・アース」がコラボレーション用のキービジュアルなどに選ばれている[19]

宣伝の一環として、2023年9月に(『ガメラ3 邪神覚醒』の舞台でもあった)渋谷スクランブル交差点での街頭モニタージャックが行われた[28]

その他

各話のサブタイトルは日本語でも英語でも、往年の映画作品などへのオマージュになっている。第1話は本作のエグゼクティブ・スーパーバイザーである井上伸一郎との関係性を有する『聖戦士ダンバイン[注釈 5]、第2話は1957年のポーランドの映画地下水道』、第3話は1958年のアメリカ合衆国の映画深く静かに潜航せよ』、第4話は1962年の大映作品でガメラの生みの親の一人でもある永田雅一や(雅一の養女の夫で大映の看板スターであった)八代目市川雷蔵なども関与した『斬る[2]、第5話は1966年の小説『月は無慈悲な夜の女王』、1952年のアーサー・C・クラーク[注釈 6]による作品『幼年期の終り』に準拠している[29]

あらすじ

1989年の夏、東京・福生市に突如、怪獣ギャオスの群れが襲来する。ギャオスは廃墟となった街に立ちすくむ小学6年生のボコ、ジョー、ジュンイチ、ブロディに狙いを定めるが、そこにガメラが現れる。

登場人物

ボコ(和多 大輝 / わだ ひろき)
声 - 金元寿子[30]
本作品の主人公の一人。1978年2月22日生まれの小学6年生(11歳)。身長142センチメートル、体重38キログラム、血液型はO。
母親の意向によって私立中学への受験で引っ越すことが決まっており、ジュンイチやジョーと離れることに漠然とした不安を抱えていた[31]。正義感が強くて困っている存在を見捨てることができない。また、ケンカが弱い一方で負けず嫌いで無鉄砲な部分があり、理不尽な暴力にも臆さない。
本作の登場人物において最もガメラと深く関わる事になり、ガメラとの精神リンクやテレパシーも特に顕著に描写されており、両親が離婚していることもあってガメラに父の面影を重ねる部分がある。教育熱心な母親に辟易している部分があり、本当はスポーツや模型などの趣味などへの興味がある。自転車に乗れないことが悩みの一つ。
ボコの持つ希少な塩基配列、通称「コード」が本作のストーリーにおいて重要な要素となる[32]
ジョー(松田 了 / まつだ さとる)
声 - 松岡禎丞[30]
本作品の主人公の一人[31]。1977年6月25日生まれの小学6年生(12歳)。身長160センチメートル、体重45キログラム、血液型はA。
細身だが筋肉質であり、ケンカが強いが面倒見が良く、ボコとの出会いもイジメにあっていたボコを助けたことがきっかけである。責任感が強く年齢の割に大人びた性格で、好戦的だが冷静な部分も持ち、警戒心が強いために他人を簡単には信用しない。喧嘩っ早い一方で冒険の様な行動を好まず、ボコ達の軽率な行動を戒めることも多い。ボコやジュンイチと仲が良く、彼等の兄貴分的な立場でもあり、喧嘩しても友達を見捨てることはしない。ブロディとは特に対立が激しかったが、母親を亡くして父親との関係性にも問題を抱えていることを知ったことで関係が改善した。
5年前の交通事故で母親と弟を亡くしており、それ以降は父親が酒におぼれて配管工の仕事も休みがちになったため、ジョーが家事全般を担当しており、困窮する家計を支えるために父親には内緒で新聞配達も行っている。乗り物に弱く、船酔いに悩まされる場面も見られ、バイラスから逃れるためにスペースシャトルに向かった際には一人だけ安全ベルトが締められず、ブロディに助けられている[32]
ジュンイチ(市原 純 / いちはら じゅん)
声 - 豊崎愛生[30]
本作品の主人公の一人[31]。本作の主人公では唯一の女性[33]。1977年12月1日生まれの小学6年生(12歳)。身長159センチメートル、体重38キログラム、血液型はB。
本名よりもあだ名で呼ばれる方を好む。オカルトやSF、ミリタリー、先端科学などさまざまな分野の知識に造詣が深い博覧強記型の理系オタクであり、普段の服装も軍事オタクの風が強い。アマチュア無線の免許を取得しており、愛読書は『月刊ムー』や上述の『聖戦士ダンバイン大事典』。
単純な頭脳派というわけではなく、行動力が高く、知識を咄嗟に用いるなど冷静で機転が利き、ブロディ一味への報復のための作戦の立案や装備の開発を行っただけでなく、対ジグラ戦ではジュンイチの機転によってガメラの電磁衝撃波の波長パターンのデータを用いてジグラを対馬へ誘導したことが状況の打破に一役買った。だが、過激な面も持つだけでなく、自他共に認める「変わり者」であり、友人が少ない。ボコとジョーは別クラスの出身ながらも数少ない理解者である。3年前にジュンイチが学校の屋上でUFO[注釈 7]を呼ぶことを周囲に提案した際に、二人だけが乗ってくれたことがきっかけで知り合った。旺盛な好奇心を抑えることができずに空回りしてしまうことも多く、ボコやジョーですら敬遠するほどに暴走しがちであるが、実は本人が一番そのことを気にしており、人知れず悩む場面も見られる[32]
ブロディ(ダグラス・ケン・オズボーン)
声 - 木村昴[30]
本作品の主人公の一人。在日米軍司令官であるレイモンド将軍の息子[31]。1977年5月13日生まれ(12歳)。身長170センチメートル、体重72キログラム、血液型はO。
小学生ながらも腕力は特大のバーベルを愛用するなど非常に強いが、それ以外に頼りになる場面は少ない。一方で、英語の読解能力と基礎的な軍事知識を有していることが劇中で役立つ場面もあった。横暴だが実際には気が弱い部分もある。また、盗み聞きした極秘情報を使ってボコ達を自警団活動にそそのかしてジャイガーの探索に向かったことで事態を悪化させている。
日本人の母親を持つハーフであり、インターナショナルスクールに通う。同校のアメリカンフットボールのキャプテンであり、チームメイトおよび取り巻きに、外交官の息子のマーク・アディソン(声 - 佐藤元)、レストランオーナーの息子のジュリアン・ボンピアーニ(声 - 鈴木崚汰)、医薬品メーカーの社長の息子のアンガス・ゲイラー(声 - 高塚智人)がいる。彼らと組んで「税金」という名目で周辺の小中学生のお小遣いを巻き上げてはゲームセンターに入り浸るという荒れた生活を送っていた。しかし、問題行動が多い背景には母親を亡くしたことだけでなく、厳格で立派な父に対するコンプレックス、父の前で優等生を演じなければならないストレス、父から認められたいという承認欲求などのジレンマが関係している。ボコ達との出会いも彼らが苦労して得た無線機の購入資金を強奪したことがきっかけであり、その後も軋轢が続いたが、ギャオスに襲われた際にボコの一存で助けられ、以降の怪獣騒動の中で仲間意識が芽生え、ジャイガー戦でガメラを補佐するために父に叱責されながらも進言した姿を見て友人になった。また、ジュンイチの性別が明らかになると彼女を異性として意識する場面も見られた[32]
外国人の少年が主人公の一角を務めるのは『ガメラ対宇宙怪獣バイラス』以降の昭和作品に見られた特徴である(ガメラ#ガメラシリーズの発足を参照)。
ジェームズ・タザキ
声 - 宮野真守[30]
日系アメリカ人の3世。1957年10月8日生まれ(32歳)。身長188センチメートル、体重72キログラム、血液型はA。
ユースタス財団のエージェントであり、ハーバード大学を卒業し、内閣官房とのコネクションを持つなど有能なネゴシエーターでもあり、優れた交渉術をもって困難な局面を解決したり、相手を油断させて裏をかくこともある。ユースタス財団に属してはいるがビジネスとして割り切っており、実際には同財団に不信感と嫌悪感を抱き忠誠心を抱いておらず、評議会の面々も嫌っている。
離婚経験があり、子供が嫌いで冷徹な印象を持たせる一方で、ぶっきらぼうで閉所恐怖症という弱点があり、狭い場所に入らざるを得ない場合には取り乱すこともある。子供嫌いながらも、一連の怪獣事件の中で生存本能に従った結果としてボコ達と深く関わることになる[32]
エミコ・メルキオリ
声 - 早見沙織[30]
ユースタス財団の科学研究部門のサポートサイエンティストでタザキの助手。1970年2月14日生まれ(19歳)。身長170センチメートル、体重52キログラム、血液型はB。
タザキと行動を共にする場面が多く、彼を信頼しているが対照的に子供にも優しい。おっとりした部分があるがプリンストン大学出身の優秀な職員であり、若くして同校を卒業して生物学遺伝子工学博士号を取得している。年齢と助手という肩書ながらも財団の科学部門における立場はかなり高く、一般職員に対しても発言力を有する。特定の人間の子供に執着するという怪獣の習性に着目して調査を行っており、ボコ達に協力を要請したことから彼らと関わることになる。
母親が変死しており、それによって叔母のノーラがメルキオリ家の現当主および財団の最高幹部に就いた。着用する指輪には、ユースタス財団のシンボルに似た刻印が施されている。とある理由から、主人公達の中でもジュンイチに特に共感を持っている[32]
おっとりした性格は本性を隠す仮面でもあり、実際は非常に独善的な支配欲の持ち主で、子供達の事も自身の目的を果たす為の道具としか見ていない。母親の死の原因が叔母にあるとみなしており、財団内部の不平分子を集めて財団の乗っ取りと叔母への復讐を画策していた。バイラスをコントロールするために子供達を生け贄にしようとするが、タザキの裏切りと子供達の危機を察知したガメラの急襲でバイラスを失い、自身もシャトルの墜落に巻き込まれて重傷を負う。最期はエスギャオスの幼体に補食された。
佐々木宗篤
声 - 櫻井孝宏
陸上自衛隊の戦車大隊長(二等陸佐)。物静かな人物であるが、人一倍「悪事」に敏感であり、森永ミルクキャラメルを常備して度々包み紙で折り紙細工を作るという一面もある。江夏にキャラメルを勧めても毎回断られている[32]
佐々木の作る折り紙細工には佐々木が直に遭遇していないにも関わらず怪獣と近い形状の物が含まれている。小説版では、佐々木は幼少時代にとある洞窟でガメラと接近遭遇しており、その際に古代文明が遺した「ガメラと戦った24種類の怪獣」の遺構も目撃している[34]
江夏美緒
声 - 嶋村侑
佐々木の副官のWAC(三等陸佐)。石垣島でのエスギャオスとの戦闘では戦車中隊を指揮した[32]
東伏見篤史
声 - 比嘉良介
内閣官房長官防衛大学を首席で卒業して陸上自衛隊で出世街道を歩んでいたが、政治家だった父の急逝を受けて政界入りした。
人事の調整など各部において天才的な才覚を持ち、政界でも「影の総理」と称されるほどに地位を確立してきた。一方で、政治家としての矜持と柔軟な姿勢を持ち合わせ、ユースタス財団の裏の顔を告発したジェームズ・タザキの意見に耳を傾け、「人類の守護者」としてガメラを保護するべきという彼の提案も受け入れ、石垣島で衰弱したガメラの為に自衛隊と医療関係者を派遣し、自身も現地入りしただけでなく、エスギャオスの襲撃に際しても自分だけ先に避難することを拒んでいる[32]
和多藍子
声 - 森なな子
大手広告代理店で働く人気のコピーライターである一方で、シングルマザーとして家事も両立させている。
教育ママであり、息子に対して過干渉な部分も見えるためにボコは煩わしく思っている部分がある。権威に弱く、学歴やブランドを重視する、一方で、これらの側面はボコへの強い愛情と責任感の裏返しでもあり、子供の危機に対しては強い決意と行動力を持ち、レイモンド将軍相手にも臆することなく対面している。終盤ではタザキの助力によって危険を承知で与那国島に渡航する[32]
レイモンド・オズボーン
声 - 中井和哉
ブロディの父であり、極東米軍福生基地の司令官。
日本人の妻とは沖縄で出会ったが、彼女の夭逝を経て厳格に息子を育てようとしてきたが、軍務に追われる身分であることもあって、息子の問題行動やその原因である悩みにも気づけていない[32]
声優を担当した中井和哉は、『小さき勇者たち〜ガメラ〜』のプロモーションで「ガメ太郎」を演じている。
ユースタス財団評議会
同財団の幹部であり国際連合にも強い影響力を持ち、の裏側に極秘の拠点を持つ。全員が10万年前の怪獣を用いた大殺戮を首謀した諸貴族の末裔であり、本人たちも選民思想が強い。
エミコの叔母のノーラ・メルキオリ(声 - 大井麻利衣)、アンセルム・リューブラント(声 - 玉井勇輝)、プルデンシオ・フォルテア(声 - 武内駿輔)、ウィンストン・グリフィス(声 - 羽多野渉)が登場する[32]
バーニー・ドーソン
声 - 中谷一博
ユースタス財団の科学部門に所属する43歳の科学者。身長192センチメートル。若干言葉遣いが粗いものの、遺伝子工学の権威だけでなく船長としての素質を持ち併せ、劇中ではメルセゲル号とセルケト号の船長も務めている[32]
同部門に所属する職員として、ローデリヒ・アウラー(声 - 露崎亘、身長193センチメートル、32歳)、エルッキ・ピルホネン(声 - 藤原聖侑、身長175センチメートル、29歳)、ダリオ・モンテマジョル(声 - 大西弘祐、身長165センチメートル、28歳)が個別キャラクターとして登場しており、全員が博士号を有している。ローデリヒはガメラの電磁衝撃波の波長パターンの解析を行い、そのデータをジュンイチに与えた。ダリオはタザキの交渉によって財団を裏切って一行をに送り届けるためにスペースシャトルを操縦するが、バイラスの攻撃によって死亡した[32]
鈴木博士・松井博士
声 - 佐々木義人(鈴木)・横田大輔(松井)[30]
東伏見によって石垣島に召集された医療関係者たち。ガメラの圧倒的な生態に驚愕して治療に難儀するが、子供たちが「オリリウム」に触れたことで垣間見た古代人の記憶を使って解決の糸口を発見する。
その他
自衛隊司令官(声 - 早川毅[30]、米軍兵士(声 - 左座翔丸[35]山下タイキ[36]、吉田和生[37])、難民(声 - 拝師みほ[38]木田祐[39]、杉山太一[40])などが登場する。

登場怪獣

本作品に登場する怪獣は、すべて10万年前まで存在した「エリシタニア」などの超古代文明が戦闘用の兵器および過剰増加した人口の調整装置として生み出したとされている[1]。本編に登場した怪獣はそれぞれが複数の「系統」から派生した姉妹系統にあり、各々が高い知能を持ち戦略的な行動を行い、遠方の「危険要素」を感知して効果的に判断したり、プラズマ電磁波や「シールド」などを発生させたり、人間とくに怪獣と接触経験のある子供を遠方から感知したり、対象の人間に何らかの精神干渉を行う傾向があるなど身体構造や能力に類似性がみられるのもこのためである[11][41]。また、ガメラの骨格構造やジャイガーの四肢の構造などには人間との類似性も存在している[11]

前日譚である漫画作品『GAMERA -Rebirth- コードテルソス』では、超古代におけるより初期の怪獣が多数登場するが、超古代文明の崩壊時にはガメラは24種類の怪獣と戦っていたことが示唆されている[34]。本編に未登場の怪獣の中にはバルゴンの存在も確認されており、ガメラとギロン、ギャオスとジグラ、バルゴンとジャイガー、バイラスと詳細不明の複数の怪獣がそれぞれ同系統から派生したとされている[11]

ガメラ以外の怪獣の特徴として、遺骸が不自然に融解したり有毒性のガスを発するなどの特徴もみられるだけでなく、同種同士を含む怪獣同士の共食いや人間を捕食することで急速成長・巨大化を遂げる傾向があり、場合によっては巨大化を加速させるために戦略的に共食いや人間の捕食も行う。また、場合によっては獲物(人間)に意図的に恐怖を与えて逃げ惑う様を楽しむような行動も取ったり、とくに人間の子供の捕食に強い興味を示すだけでなく[注釈 8]、特定の子供の捕食に非常に強い執着を見せる[32]

また、敵怪獣はすべて「狂気を帯びた赤い眼」「紫色の血液」「どこかしら伸びる体のパーツ」を持つようにデザインされたり、当初はすべての怪獣が足裏に姿勢と(ビルの壁面に付着するなどの)行動の補助用の「(ダイオウホウズキイカをイメージした)牙のついた吸盤」を持つことが検討されていたが、完成作品ではギャオスとジグラに限定されている[23]

なお、完成作品(シーズン1)にバルゴンが登場しなかった理由について、瀬下はバルゴンの冷凍系の能力などを本編のストーリーでは活かしきれなかったなどの理由を挙げている[1]

ガメラ[42]
ギャオス・エスギャオス[31][42][43]
ジャイガー[31][42][43]
ジグラ[31][42][43]
ギロン[31][42][43]
バイラス[31][42][43]

登場兵器・メカニック

架空

コミュニケーター
ユースタス財団が開発した携帯型の双方向性の通信機器であり子供たちの安全のために配られた。通信機能だけでなく、オメガ電波航法装置を用いた測位や軍用GPSの使用も可能である。現代のスマートフォンアイフォンのような様相を持つ[11]
セルケト号・メルセゲル号
ユースタス財団が保持する特殊な科学調査船。調査船ではあるが魚雷などの軍備を搭載しており、さらに電磁推進を用いた超高速の緊急航行も可能である。ヘリコプターや特殊潜水艦ネフェルテム号も配備されており、緊急時の脱出にも応用可能である[11]
スペースシャトル
低軌道宇宙ステーションへの定期輸送に使われる。脱出用ポッドを2つ装備[11]

実在

対馬オメガ局
ジュンイチの機転でジグラの感覚器官を攪乱させるために利用された[44]
F-15
1話に登場。福生基地から出撃した編隊が西新宿でギャオスと交戦したが全機撃墜された。
ハンヴィー
第2話に米軍車両として多数登場。住民の避難誘導やジャイガーの迎撃を行う。銃座が無いユースタス財団塗装の車両も登場し、第6話では自衛隊が高機動車の代わりに運用しているシーンもある。
M1128 ストライカーMGS
第2話に多数登場。出現したジャイガーをハンヴィーと共に迎撃する。
74式戦車
佐々木の指揮する陸上自衛隊の主力戦車として多数登場。第6話では回復途上にあるガメラを守る為、エスギャオスと交戦した。
LCAC-1級エア・クッション型揚陸艇
第6話冒頭に多数が登場。石垣島・崎枝半島に74式戦車や高機動車を揚陸した。
AC-130
第6話に米空軍機が6機登場。エスギャオスに対し対地攻撃を行った。
アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦
米海軍駆逐艦として第2話でガメラをSM-2で迎撃。第3話ではジグラを主砲や魚雷で攻撃するも、質量弾の攻撃で全滅した。第6話には海上自衛隊護衛艦として登場し、エスギャオスを主砲やミサイルで攻撃するが、超音波メスの攻撃で全滅。

用語

ユースタス財団
世界的に多大な影響力を持つ慈善団体としての顔を持つが、実体は超古代文明の末裔によって幹部が構成されており、人口問題や飢餓や戦争などの解決のために人口調節装置および兵器として「怪獣」を生み出し「浄化」という名目での地球規模での大量殺戮を画策していた。
エスギャオスによってリプログラミングされたガメラを操って「浄化」を継続しようとするが、ボコとの精神リンクと絆やガメラ自身の精神力によってガメラが自我を取り戻し、ガメラは諸刃の剣である「荷電重粒子砲」を用いて財団幹部の月の極秘拠点を幹部ごと破壊した[45]
コード
作中の時代(1989年)ではボコが持つ特殊で稀有な塩基配列であり、怪獣がコードを摂取すると加速度的に増殖する[32]
オリリウム
超古代文明と怪獣にまつわる未知の水晶体。エネルギー共振体であり、適切な用法を用いれば怪獣のエネルギー源として回復能力を大きく向上させる事が可能。また、劇中ではボコ達がオリリウムに触れたことで古代人とガメラの記憶を追体験した[45]
超古代文明
10万年前まで地球上に存在していた高度な文明であるが、優れた科学技術とは裏腹に上述の様々な問題に直面しており、主に貴族階級を中心として「怪獣」の運用を進め、最終的に大破局を経て壊滅的な被害を被った[45]。スピンオフ漫画『GAMERA -Rebirth- コードテルソス』にて古代文明と初期の怪獣がよりクローズアップされている。
沼の亀
第1話にて、ボコ達の隠れ家の近くの深さ1.5メートルほどの沼にて、木の根に絡まって身動きが取れなくなっていた石亀[注釈 9]。ボコはこの亀を見捨てることができず、ジョーやジュンイチと共に苦労しながらも助け出した[46]
秘密基地
裏山にあるボコ達の隠れ家であり、各自が様々な私物や消耗品を持ち寄っている。ここに来る際に、各自の自転車は付近の神社に停めている[46]

舞台

以下、作中での登場順に列挙する[11]

スタッフ

  • 原作 - KADOKAWA[30]
  • 原案・監督 - 瀬下寛之[30]
  • 副監督 - 井手恵介[30]
  • シリーズ構成 - 猪原健太瀬古浩司、瀬下寛之[30]
  • 脚本 - 猪原健太、瀬古浩司、山田哲弥、瀬下寛之[30]
  • キャラクターデザイン - 田村篤[30]
  • 怪獣デザイン - 髙濵幹[30]
  • プロダクションデザイン - 田中直哉、フェルディナンド・パトゥリ[30]
  • メカニックデザイン - 帆足タケヒコ[30]
  • アニメーションディレクター - こうじ[30]
  • アニメーションスーパーバイザー - 堀正太郎[23]
  • 怪獣アニメーションスペシャリスト - 藤澤修人[23]
  • 造形監督・光画監督 - 片塰満則
  • チーフエンジニア - 田中満[30]
  • 演出 - 石間祐一[30]
  • CGスーパーバイザー - 戸田貴之、元木パウロ[30]
  • リギングスーパーバイザー - 砂村洋平[30]
  • エンバイロンメントスーパーバイザー - 中村葉月[30]
  • アニメーションスーパーバイザー - こうじ、比嘉一博[30]
  • エフェクトスーパーバイザー - 宮台直也[30]
  • テクニカルスーパーバイザー - 帆苅哲[30]
  • 編集 - 肥田文[30]
  • 音響監督 - 岩浪美和[30]
  • 音楽 - 片山修志[30]
  • 音楽プロデューサー - 若林豪、水鳥智栄子
  • 音響効果 - 小山恭正[30]
  • 録音調整 - 山口貴之[30]
  • 録音助手 - 齋藤栞[30]
  • 音響制作 - グロービジョン、岸田直樹、鐘江徹[30]
  • プロデューサー - 田村淳一郎、吉岡宏起、金丸裕、白石照明、徳村憲一、佐野純子
  • ラインプロデューサー - 松隈喬平[30]
  • 制作プロデューサー - 飯島哲[30]
  • アシスタントプロデューサー - 菅原広貴、徳本沙羅、平田徹[30]
  • プロダクションマネージャー - 萩原恭香[30]
  • アシスタントプロダクションマネージャー - 井澤佳奈[30]
  • プリプロダクションマネージャー - 松下 ゆかり[30]
  • エグゼクティブスーパーバイザー - 井上伸一郎[48]
  • アニメーション制作 - ENGI、unend、StudioKADAN[30]
  • 製作 - GAMERA Rebirth製作委員会(KADOKAWA、 笠原周造、山下愼平、 清原誠巳、川北健、佐野貢一、酒井拓也、阿部伸明、関翔男、上田雄太、サミーBANDAI SPIRITS[30]

主題歌

主題歌「夏暁」とエンディングテーマ「FLY & DIVE」は、WANIMAが担当する[49]。作詞・作曲はKENTA、編曲はWANIMA。

また、第6話のエンドクレジットには『ガメラマーチ』のアレンジバージョンがBGMとして使用されており、シリーズの本編で同曲が使用されたのは大映による最後の作品である1971年の『ガメラ対深海怪獣ジグラ』以来となる。

各話リスト

サブタイトルは、第1話から第3話までが同名の映画のタイトルから、第5話と第6話がSF小説のタイトルから引用されており、上述の通り第4話の『斬る』は永田雅一らも関与した同名の大映作品に由来している[2][29]

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話数サブタイトル
第1話東京上空
第2話地下水道
第3話深く静かに潜航せよ
第4話斬る
第5話月は無慈悲な夜の女王
第6話幼年期の終わり
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TV再編集版 各話リスト

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話数サブタイトル放映日
第1話夏の雷鳴2025年4月05日
第2話東京上空000004月12日
第3話地下水道000004月19日
第4話落日の決闘000004月26日
第5話太平洋の嵐000005月03日
第6話深く静かに潜航せよ000005月10日
第7話明日も明日もその明日も000005月17日
第8話斬る000005月24日
第9話時を超える影000005月31日
第10話月は無慈悲な夜の女王000006月07日
第11話さよなら僕の夏000006月14日
第12話幼年期の終わり000006月21日
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漫画

スピンオフ漫画『GAMERA -Rebirth- コードテルソス』が、原作:KADOKAWA、漫画:カンブリア爆発太郎、ストーリー原案:瀬下寛之により、ヤングエースUP(KADOKAWA)にて2023年9月8日から2024年12月27日まで連載[50][51]。本編より10万年前の世界が舞台となっている。

  • カンブリア爆発太郎(漫画) / KADOKAWA(原作) / 瀬下寛之(ストーリー監修) 『GAMERA -Rebirth- コードテルソス』 KADOKAWA〈角川コミックス・エース〉、全2巻
    • 上巻 2023年12月28日発売[52]ISBN 978-4-04-114243-1
    • 下巻 2025年2月4日発売[53]ISBN 978-4-04-115274-4

また、貴島煉瓦によるアニメ本編のコミカライズ版が2023年9月13日より「ComicWalker(現カドコミ)」および「タテスクコミック」にて連載されているが、人間のキャラクターのデザインや戦闘シーンなどの細部が本編とは異なる部分がある[54]

小説

アニメを原作にしたノベライズ『小説 GAMERA -Rebirth-』が瀬下寛之とじんの著により角川文庫(KADOKAWA)から発売された[14]

関連書籍

  • GAMERA Rebirth製作委員会(監修)『GAMERA -Rebirth- 公式設定資料集』KADOKAWA、2024年1月29日発売[57]ISBN 978-4-04-113841-0

コラボレーション

おでかけ子ザメ』および『夜は猫といっしょ
SPコラボによるショートアニメ[58][59]や商品展開が行われている[60]
青鬼オンライン
ガメラ、ボコ、ギャオスがコンテンツとして登場した[61]。本ゲームは(外伝小説『平安百鬼譚』にガメラが登場した)『妖怪大戦争 ガーディアンズ』とのコラボレーションも行っており、その際には大魔神が登場している[62]
ユニオンアリーナ
専用のブースターパックが用意されている[63]
ゴジラバトルライン
多数のプレイヤーの要望によって実現した「ゴジラシリーズ」とのコラボレーションであり、過去の徳間書店とKADOKAWAによるクロスオーバーの提案は却下されてきたが、今回は東宝側からの提案だった。また、同じく瀬下寛之による作品『GODZILLA』の「ゴジラ・アース」がガメラと対面する各種キービジュアルなどに使われている[19]
ギガバッシュ英語版
怪獣などをテーマにした対戦型のゲーム作品であり、同作には「ゴジラシリーズ」や「ウルトラシリーズ」のキャラクターが登場している。2025年11月から本作とのコラボレーションが開始され、ガメラとギロンがプレイアブルキャラクターとして登場した[64]
神亀酒造
「神の亀」というコンセプトでのコラボレーションであり、本作およびシリーズの60周年を記念した「神亀」との特別コラボ商品が発売されている[65]

評価

上記の通り本作には全体的な予算とスケジュールの不足が指摘されており[1][3]、各所における評論家や視聴者からのレビューに共通するのは、怪獣のビジュアルや戦闘シーンを高く評価したり、ストーリーも悪くなく設定面でも評価できる部分も見られるなど全体的な視聴者からの評価は決して低くはないが、人間や小道具関連のビジュアルが視聴者を遠ざけ、評価を下げている可能性になっている、というものが目立つ[20][21]。過去のガメラシリーズの出版物や音楽面に携わってきた辻真先は、本作の戦闘シーンの多様性や登場人物のキャラクター性などを評価している[33][66]

本作の舞台である福生市対馬は、「訪れてみたい日本のアニメ聖地88」の2024年版に選出された[67]。また、ボコ(和多大輝)の英語版の声優を務めたライアン・バートリーは2023年の「Voice Arts Awards」にノミネートされた[68]

その他

脚注

参考文献

外部リンク

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