宇宙人東京に現わる

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監督
宇宙人東京に現わる
Warning from Space
監督
脚本 小国英雄
原案 中島源太郎
製作 永田雅一
出演者
音楽 大森盛太郎
撮影 渡辺公夫
編集 西井憲一
製作会社 大映大映東京撮影所
配給 大映
公開 日本の旗 1956年1月29日
上映時間 87分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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宇宙人東京に現わる』(うちゅうじんとうきょうにあらわる)は、1956年昭和31年)1月29日に公開された日本のSF特撮映画である[出典 1]。製作は大映[2]大映東京撮影所[1])、配給は大映[2]カラースタンダード[1][3]。上映時間は87分[1][2]英語の表題は「Warning from Space」もしくは「Mysterious Satellite」。

原案は中島源太郎、監督は島耕二[3]特撮の担当は、後に円谷プロの「ウルトラシリーズ」やピー・プロの『宇宙猿人ゴリ』などを手掛けた的場徹[出典 2]。登場するヒトデ形の宇宙人「パイラ人」のキャラクターデザインは芸術家・岡本太郎が担当している[出典 3]

天体衝突を警告するために地球に出現した宇宙人(パイラ人)と地球人の邂逅、および危機回避のための共闘が描かれる[1]日本初の本格的カラー空想特撮映画であり[4][2]、日本における宇宙人を題材にしたSF映画のパイオニア的な作品でもある[5]。ストーリーには、被爆国である日本核兵器廃絶の理想と[2]、未来の宇宙時代への夢が織り込まれている。また、後年の「ウルトラシリーズ」によくある「姿形の全く違う宇宙人が地球人に変身して人類社会に潜伏する」という描写を、日本映画としては初めて見せた作品でもある。[独自研究?]

友好的な宇宙人1951年公開のアメリカ映画地球の静止する日』、地球への天体衝突は同じく1951年公開のアメリカ映画『地球最後の日』で描かれており、本作への影響が見られる[出典 4]1931年フランス映画世界の終り』や1953年の『宇宙戦争』との類似性も見られる[8][9]。大映が本作品を手がけたのは、怪獣映画で成功していた東宝特撮と差別化する意図もあったとされる[7]

本作は日本初の特撮カラー作品であるが、大映の経営状況の圧迫によって、後続の『鯨神』(1962年)と『大怪獣ガメラ』(1965年)などは白黒作品となっており、たとえば後者の場合は営業的な予測が立てられずに予算が制限されたことが原因だとされている[10]

タイトルの「現わる」は倒産前の大映が特撮系作品に何度か使用していた表現であり、本作の他にも「ガメラシリーズ」にも影響を与えた『原子怪獣現わる』と円谷英二たちも参加した『透明人間現わる』にも見られ、樋口真嗣による『巨神兵東京に現わる』にも使用されている[6]。また、本作を彷彿とさせる題名の松竹作品『大怪獣東京に現わる』は、ガメラを対象としたパロディーである[11]

ストーリー

世界中で謎の飛行物体が目撃され、国際会議や科学者はその正体を巡って盛んに議論をしていた[2]。そんな折、日本各地にヒトデ形の宇宙人が出現した[2]。彼ら「パイラ人」は、地球の水爆開発に警告を発するために来訪した善良な種族であり[2]、日本に現れたのも「世界唯一の核攻撃による被害国なら、話を聞き入れてもらえるだろう」と判断したからだった。しかし地球人はパイラ人の姿を見ると恐れて逃げてしまい[2]、意思を伝えることができない。

パイラ人らは逆に、地球人を容姿の醜い生物だと感じているが、友好のために地球人に変身しての接触を試みる。まず、帝国劇場のトップスターである美女・青空ひかりの姿を選び、記憶喪失の美女・天野銀子として湖へ投下。松田博士を始めとする科学者たちに発見・救出させ、接触するように仕向ける。天野銀子は、松田博士が原水爆以上の破壊力をもつ元素「ウリウム101」を研究していることを知り、その危険性と理論研究の停止を訴え、友好を示す証しとして新天体Rの地球接近を伝える。日本の科学者たちは世界に核兵器の提供を求めるが相手にされず、さらに松田博士はウリウム101の情報を狙う兵器産業スパイに拉致監禁されてしまう[2]。そしてついにRの接近が確認され、その影響で地球上には天変地異が起こり始める[2]。大地を襲う地震や津波に人類は為す術もない。監禁された松田博士も危機に陥るが、そこにパイラ人が救出に現れた。

ようやく危機感を持った超大国は核ミサイルを次々と新天体 Rへ撃ち込むが、全く効果は無かった。ミサイルは全弾撃ち尽くされ、もはやこれまでかと思われた時、パイラ人は松田博士から聞き出した方程式を元にウリウム101の爆弾を新天体 Rに向け発射[注釈 1]。新天体Rは爆発四散し、地球は救われた。こうして、人類は核兵器が完全廃絶された世界で新たな生活を始めるのだった。

パイラ人

宇宙ステーション内で作戦を練るパイラ人たち

体は5を持つヒトデ形で、そのうち2肢部分を用いて直立および歩行を行っており、胴にあたる部位に大きな一つ眼を具えている。眼は時折発光する(撮影では市販の円形蛍光灯を用いて表現されている)。なお、ポスタースチル写真では体の色は赤になっているが、映像中に登場するパイラ人はすべて暗めの灰色の体に青い眼をしている。

高度な科学力を持つ一方で、独自の「宇宙道徳」に基づき他の天体の生物に対して友好的でもある。新天体 R の衝突を警告するために地球を訪れ、地球近くに円錐を組み合わせた形の宇宙ステーションを設置し、アダムスキー空飛ぶ円盤で地球に出入りしていた。地球人を「顔の中心に出っ張り(=)のある哀れな醜い生物」と言い、嫌悪感を示すが、それでも「地球に入りては地球に従え」の信念で、地球人たちに恐怖されないように変身装置を使って地球人の姿に変化した。地球人に変身したパイラ人は、指紋が無く、驚異的な跳躍能力、瞬間移動能力を持つ。

パイラ人たちが会話する場面では、低い音階のノイズのような音声がかすかに流れるが、これが言語であるのか、あるいはテレパシーで意思の疎通を行なっているのかは明瞭でない(作中では、画面隅に会話内容が字幕で出る)。ただし、地球人と同様の姿に変身してからは、流暢に言語を話した。身振りもほとんど行わず、直立・歩行に用いる2肢のすぐ上の、水平に伸びた2肢の先端を上下に振る動作をわずかに示すだけである。

  • ポスターなどでは、巨大なパイラ人が街中に出現しているスチールが用いられているが、劇中にはこのようなシーンはなく、スチール自体もコラージュによるものである[7]

キャスト

出演者の順は本編タイトルバックのクレジット順に、役名表記は「外部リンク」欄の各データベースに基づく。

本作のエキストラには「ガメラシリーズ」で知られる湯浅憲明が含まれている。湯浅は島耕二の甥であり[13]、島の下で助監督としての経験を積んでいる[14]

スタッフ

ノンクレジット (スタッフ)

特撮

それまで大映で特撮を手掛けていた横田達之に替わり、的場徹や築地米三郎らが特撮を手掛けており、的場は企画段階から本作品に携わっていた[4]。特撮面では、パイラ人が地球人に変身するシーンは評価が高い[12]

パイラ人の円盤が上昇するシーンは、撮影所のプールに建てたホリゾントの上に照明を、手前に月島のミニチュアセットを設置し、円盤の上昇に併せて花火を点火して、凄まじい勢いを表現している[2]。さらに水中に置いたドラム缶の底からモーターを用いて排水することで海中の渦を表現した[2]

宇宙のシーンは、特殊ホリゾントをかけた大ステージに、数百のクリスタルガラステグスで吊るしたり、ガラスに描いた絵を映すグラスワークで銀河系を描くなどして表現している[2]。クライマックスの東京のシーンでは大がかりなミニチュアが制作されたが[2]、あまり効果的ではなかったと評されている[12]。天変地異のシーンでは、台風の実景映像も用いている[2]

映像商品

ネット配信

コミカライズ

  • 『宇宙人東京に現わる』(鈴木光明作、『ぼくら』1956年3月号付録)※映画で描かれたヒトデ型としてのパイラ人は登場しない。[16][17]

影響

パイラ人が登場した際の独特の音は、ガメラジェット噴射で飛行する際の飛行音に転用された。後年に湯浅憲明が執筆に協力した書籍でもガメラとパイラ人と鯨神ネズラなどが共演する構想が掲載されている[18]。また、破李拳竜による『マンガボーイズコミックススペシャル:大怪獣ガメラ』にもパイラ人をモチーフとした宇宙人が登場する[19]

スタンリー・キューブリックは本作の鑑賞後に影響を受けて『2001年宇宙の旅』を制作している[20]。同年に公開された湯浅憲明の『ガメラ対宇宙怪獣バイラス』と『2001年宇宙の旅』では、宇宙船や機械類のデザイン等の類似性が見られ、後者の原作者であるアーサー・C・クラークGAMERA -Rebirth-#その他も参照)の提唱した「高度な科学技術と魔法は区別できない」という法則を意識した部分がある[6]

上述の通り的場徹も参加した「ウルトラシリーズ[6]や『2001年宇宙の旅』の他にも本作が影響を与えた可能性のある作品やキャラクターは存在しており、同様に円谷英二が特撮監督を務めた東宝の『妖星ゴラス』(1962年)や『怪獣大戦争』(1965年)[5][8][21]DCコミックススターロ[22][23]や『スーパーマン[9]、『The Day the Earth Caught Fire[24]、『ポケットモンスター』シリーズのヒトデマンおよびスターミー[25][26]、『女神転生』シリーズのデカラビアなどがある[27]。なお、『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』も本作との類似性が指摘されているが[9]、両作品の公開日は日本と米国という別の国々であったが1週間の差であり、『宇宙人東京に現わる』が先行している。

脚注

参考文献

外部リンク

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