M-1グランプリ2021
2021年開催のM-1グランプリの第17回大会
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『M-1グランプリ2021』(エムワングランプリ2021)は、吉本興業・朝日放送テレビ(ABCテレビ)主催の漫才コンクール「M-1グランプリ」の第17回大会。2021年12月19日に決勝戦が開催され、ABCテレビ・テレビ朝日系列にて生放送された。大会スローガンは「人生、変えてくれ。」[注 1]。優勝者は錦鯉[1]。
前年から引き続き、入場前の手指消毒、検温、観覧客のマスク着用など、新型コロナウイルス感染症への慎重な対策を行ったうえで開催された。タイトルロゴの「2021」部分は、「コロナ禍から前に進もう」という意味を込めて赤系の配色となった[2]。
プレミアムスポンサーはCygames、サントリー、日清食品が続投した一方で、第11回(2015年)から6年間協賛してきたファミリーマートが外れ、代わりにセブン-イレブンが加わった。
大会終了後、第7回(2007年)から審査員を務めていたオール巨人は自身のブログにて、この年を最後に上沼恵美子と共に審査員を卒業することを決めたことを発表[3]。同じく第7回(2007年)から審査員を務めていた上沼も、ラジオで巨人と共に審査員を辞める旨の発言をした[4]。
大会の流れ
予選
エントリー受付は7月3日から8月31日まで[5][6]。今大会では「1回戦から有観客」「3回戦あり」の形式に戻り、シード権の対象も従来の「前年の準決勝進出組」に戻されている。
エントリー数は再エントリーを含め6017組[7]。1回戦は8月1日から10月5日にかけて全国各地で開催され、その後は東京、大阪・京都の2地区に分けて、10月8日 - 20日に2回戦、10月25日 - 11月2日に3回戦、11月10日 - 17日に準々決勝が行われた。
6017組のうち、294組が3回戦、127組が準々決勝に進出。ベストアマチュア賞は「軍艦」が受賞。NSC在学中の3回戦突破は、2015年の大会復活後では初めてであった[8][注 2]。
今大会から公式YouTubeチャンネルで3回戦の全ネタが配信されるようになった[注 3]。前年の決勝戦においでやすこがが2位となった影響で即席ユニットへの注目が高まり、三日月ヶ浜(三日月マンハッタン・浜村凡平太)、人人(しゃもじ・与座よしあき、読みは「ちゅちゅ」)、ヒコロヒーとみなみかわ(ヒコロヒー・みなみかわ)、ぶるファー吉岡(紺野ぶるま・ルシファー吉岡)などが躍進を見せた[9]。準々決勝ではラパルフェが『M-1』の制度そのものをネタにした漫才を披露し、話題を呼んだ[10]。
準決勝は12月2日に行われ、ワイルドカードの滝音を含む26組が出場した[11]。準決勝初進出はヨネダ2000、真空ジェシカ、男性ブランコ、もも、ヘンダーソン、モグライダーの6組。
審査の結果、オズワルドとインディアンスが3年連続、錦鯉が2年連続、ゆにばーすが3年ぶり3回目、もも、真空ジェシカ、モグライダー、ランジャタイ、ロングコートダディが初の決勝戦進出を果たした。
- 錦鯉・長谷川雅紀(当時50歳)は『M-1』史上初となる、50代での決勝戦進出となった。また、芸歴26年は決勝進出者として最長芸歴である。
敗者復活戦(大会の流れ)
12月19日、六本木ヒルズアリーナにて開催。司会は陣内智則と西野七瀬。
ワイルドカードを除く準決勝で敗れた16組が出場。審査は視聴者投票によって行われ、全16組のネタが終了した後、視聴者は公式サイトもしくはデータ放送にて、面白いと思った3組を選んで投票する。投票時間中に最も多くの票を獲得した1組が、決勝戦へ勝ち上がる。
出番順抽選会の司会は銀シャリ。敗者復活戦直前に行われた抽選会で鰻和弘が振ったサイコロにより、「アルファベット順」にくじを引いて出番順を決定した。
前年でネタ途中に17時に流れる防災行政無線の「夕焼小焼」が流れるというトラブルがあったことを踏まえ、今年度は進行を一時中断することで対処された。また、最終16組目のさや香が狂気じみたネタを披露し、ネット上で大きな話題となった[12]。
決勝戦(大会の流れ)
12月19日にテレビ朝日にて開催。司会は今田耕司と上戸彩[13]。
前年と同様、決勝戦でも審査員席の間をアクリルボードで隔て、観客にマスクを着用させるなど、予選会に続いて新型コロナウイルスへの感染拡大策を講じた。出場者についても舞台裏ではなくスタンバイルームに感染対策を施した上で待機し、呼ばれた組が舞台のあるスタジオまでの通路を移動する形となり、その様子も映された。
審査員は4年連続でオール巨人、富澤たけし、塙宣之、立川志らく、礼二、松本人志、上沼恵美子の7名が務めた。なお、前年にアクリルボードを設置した影響で漫才が少し聞こえづらいという事態が起きたため、対策としてアクリルボードを首元までとし、さらに観客席に近い巨人、富澤、塙はイヤホンを付けて漫才を聞くように変更された。
笑神籤プレゼンターとして、この年に行われた東京オリンピックの金メダリストである阿部詩と水谷隼が出演し、水谷、阿部の順で交互に抽選した[注 4]。その結果、モグライダー、ランジャタイ、ゆにばーす、敗者復活組、真空ジェシカ、オズワルド、ロングコートダディ、錦鯉、インディアンス、ももの順でネタを披露することになった。
敗者復活戦会場では、前年と異なり全組が舞台下で待機した。4組目の抽選で「敗者復活組」のくじが引かれ、敗者復活戦の結果発表が行われた。投票の結果、上位3組に名を連ねた金属バット、ハライチ、男性ブランコが舞台へ上がり、総投票数292万9959票のうち、40万1909票を獲得したハライチが決勝戦に進出した。
- ハライチが決勝戦に進出したことで、決勝戦進出者が所属する事務所(当時)の数が6社となり、最多記録を更新した[注 5]。
- ハライチは敗者復活戦で爆発音(4分30秒)を超えてネタを披露しており、決勝戦でも持ち時間(4分)を大幅に超過し約5分30秒に渡ってネタを続けたため、インターネット上で物議を醸した[14]。
敗者復活組を除く決勝進出コンビ9組の紹介VTRでは、「コンビ結成の理由」と、「M-1グランプリとは―」へのメンバー1人の返答が表記された。
| コンビ名 | コンビ結成の理由 | M-1グランプリとは― |
|---|---|---|
| モグライダー | やっと見つけた“顔が派手なバカ” | 漫才そのもの(芝) |
| ランジャタイ | 「君、おもしろい?」と聞き「おもしろい」と答えた | 夢舞台(伊藤) |
| ゆにばーす | 試した相方候補の中で一番ウケたから | 甲子園(川瀬) |
| 真空ジェシカ | プロに行く可能性が見えた | 僕らが唯一、世に出られる手段(ガク) |
| オズワルド | お笑いを辞めなさそうだったから | 逃げたくて逃げたくない壁(伊藤) |
| ロングコートダディ | 組んだら「楽そう」と感じたから | 大お祭り(兎) |
| 錦鯉 | 出会った中で一番バカだったから | 人生を変えられるもの(長谷川) |
| インディアンス | きむが惚れ込んだ田渕のボケ | 今の僕の、ほぼ「全て」(田渕) |
| もも | 漫才への熱量が同じだったから | 芸人人生 大逆転(まもる。) |
審査員7名による採点の結果、オズワルドが1位通過、錦鯉とインディアンスが同率2位で最終決戦に進出。後者2組は規定に基づき、錦鯉が2位通過、インディアンスが3位通過とされた。出番順は昨年と同様、ファーストラウンド3位→2位→1位の順に自動的に決定した。
最終投票では巨人がオズワルドに、上沼がインディアンスに、他の5名が錦鯉に投票。5票を獲得した錦鯉が第17代王者となった。
結果
決勝戦(結果)
| 金背景 | 1位通過、優勝 |
| 銀背景 | 2位通過 |
| 銅背景 | 3位通過 |
| 赤文字 | 審査員別の最高評点 |
| 青文字 | 審査員別の最低評点 |
| 赤太文字 | 全体の最高評点 |
| 青太文字 | 全体の最低評点 |
- 順位は最終決戦に進出したコンビは票数、それ以外のコンビはファーストラウンドの得点による順序。
- ファーストラウンドで同点になった2組が共に最終決戦に進出した場合は、高得点を付けた審査員が多い方を上位とし、得点欄に括弧書きで高得点を付けた審査員の人数を記載する。
- ファーストラウンドで同点になった2組が共にファーストラウンドで敗退した場合は、公式サイトに合わせて同じ順位とし、出番順に記載する[注 6]。
- 最終決戦の票数が同じ場合は、ファーストラウンドの得点が高いコンビを上位とする。
- 所属事務所は出場当時、結成年の太字はラストイヤー。
- 敗者復活組はキャッチコピーが無いため、「(敗者復活組)」とする。
- 順位や得点などをまとめた表は、矢印がついたセルをクリックすると、昇順、降順、元の順の順番で並び替えられる。
| 順位 | コンビ名 所属事務所 | No. | 結成年 | 決勝戦進出歴 | キャッチコピー | ファースト | 最終決戦 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 出番 | 得点 | 出番 | 得票 | ||||||
| 優勝 | 錦鯉 SMA[注 7] | 3761 | 2012年 | 2年連続 2回目 | 50歳おバカの大冒険 | 8番 | 655点 (4名) | 2番 | 5票 |
| 2位 | オズワルド 吉本興業 | 2372 | 2014年 | 3年連続 3回目 | シン・東京スタイル | 6番 | 665点 | 3番 | 1票 |
| 3位 | インディアンス 吉本興業 | 3107 | 2010年 | 3年連続 3回目 | 快速ボケ特急 | 9番 | 655点 (2名) | 1番 | 1票 |
| 4位 | ロングコートダディ 吉本興業 | 4141 | 2009年 | 初進出 | やわらかハード | 7番 | 649点 | ||
| 5位 | もも 吉本興業 | 6 | 2017年 | 初進出 ノーシード | なにわNEWフェイス | 10番 | 645点 | ||
| 6位 | ゆにばーす 吉本興業 | 3355 | 2013年 | 3年ぶり 3回目 | NO M-1,NO LIFE. | 3番 | 638点 | ||
| 6位 | 真空ジェシカ プロダクション人力舎 | 76 | 2012年 | 初進出 ノーシード | 屈折のエリート | 5番 | 638点 | ||
| 8位 | モグライダー マセキ芸能社 | 635 | 2009年 | 初進出 ノーシード | やんちゃとぶきっちょ | 1番 | 637点 | ||
| 9位 | ハライチ ワタナベエンターテインメント | 2179 | 2006年 | 5年ぶり 5回目 ノーシード | (敗者復活組) | 4番 | 636点 | ||
| 10位 | ランジャタイ グレープカンパニー | 3033 | 2007年 | 初進出 | 奇天烈の極み | 2番 | 628点 | ||
| 出番順 | コンビ名 | 得点計 | 巨人 | 富澤 | 塙 | 志らく | 礼二 | 松本 | 上沼 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | モグライダー | 637 | 91 | 93 | 92 | 89 | 90 | 89 | 93 |
| 2 | ランジャタイ | 628 | 87 | 91 | 90 | 96 | 89 | 87 | 88 |
| 3 | ゆにばーす | 638 | 89 | 92 | 91 | 91 | 93 | 88 | 94 |
| 4 | ハライチ | 636 | 88 | 90 | 89 | 90 | 89 | 92 | 98 |
| 5 | 真空ジェシカ | 638 | 90 | 89 | 92 | 94 | 94 | 90 | 89 |
| 6 | オズワルド | 665 | 94 | 95 | 95 | 96 | 96 | 96 | 93 |
| 7 | ロングコートダディ | 649 | 89 | 90 | 93 | 95 | 95 | 91 | 96 |
| 8 | 錦鯉 | 655 | 92 | 94 | 94 | 90 | 96 | 94 | 95 |
| 9 | インディアンス | 655 | 92 | 91 | 93 | 94 | 94 | 93 | 98 |
| 10 | もも | 645 | 91 | 90 | 91 | 96 | 95 | 92 | 90 |
| 出番順 | コンビ名 | 得票数 | 巨人 | 富澤 | 塙 | 志らく | 礼二 | 松本 | 上沼 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | インディアンス | 1 | ★ | ||||||
| 2 | 錦鯉 | 5 | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ||
| 3 | オズワルド | 1 | ★ |
敗者復活戦(結果)
- コンビ名、所属事務所は出場当時、結成年の太字はラストイヤー、金背景は決勝戦進出者。
| 順位 | コンビ名 | 所属事務所 | No. | 結成年 | 出番 | 得票 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | ハライチ | ワタナベエンターテインメント | 2179 | 2006年 | 5番 | 40万1909票 |
| 2位 | 金属バット | 吉本興業 | 2460 | 2007年 | 14番 | 37万6458票 |
| 3位 | 男性ブランコ | 吉本興業 | 1219 | 2011年 | 12番 | 34万5898票 |
| 4位 | 見取り図 | 吉本興業 | 4000 | 2007年 | 4番 | |
| 5位 | 東京ホテイソン | グレープカンパニー | 3914 | 2015年 | 13番 | |
| 6位 | マユリカ | 吉本興業 | 4284 | 2011年 | 6番 | |
| 7位 | アインシュタイン | 吉本興業 | 3582 | 2011年 | 2番 | |
| 8位 | ニューヨーク | 吉本興業 | 3980 | 2010年 | 11番 | |
| 9位 | からし蓮根 | 吉本興業 | 3027 | 2013年 | 15番 | |
| 10位 | ヨネダ2000 | 吉本興業 | 901 | 2020年 | 7番 | |
| 11位 | アルコ&ピース | 太田プロダクション | 2291 | 2006年 | 9番 | |
| 12位 | さや香 | 吉本興業 | 1942 | 2014年 | 16番 | |
| 13位 | ヘンダーソン | 吉本興業 | 2612 | 2008年 | 8番 | |
| 14位 | ダイタク | 吉本興業 | 811 | 2009年 | 3番 | |
| 15位 | カベポスター | 吉本興業 | 3026 | 2014年 | 10番 | |
| 16位 | キュウ | タイタン | 4379 | 2013年 | 1番 |
スタッフ
個別記事のある人物・会社のみ記載し、所属先は省略する。
- 構成:倉本美津留、前田政二、石原健次
- 予選審査員:遠藤敬、大井洋一、里村仁志、下田雄大、友野英俊、ハスミマサオ、長谷川朝二、堀由史、諸岡立身、やまだともカズ
- ナレーション:畑中ふう、アラン・J、Sayoko Kamei
- ABC本社 Gサブ
- P:山田敬文
- デジタル:佐々木匡哉
- 営業:竹野康治郎
- WEB企画協力:GYAO!
- 協力:よしもとブロードエンタテインメント、tv asahi create、森ビル、アイネックス、テイクシステムズ、テルミック、共立、tv asahi service、三交社、俳優座劇場、VALSE inc.、つむら工芸、テレフィット、TOKYO TOWER、ハリウッド美容専門学校、イングス、戯音工房
- 映像提供:読売テレビ
- 協力:テレビ朝日
- 制作:朝日放送テレビ、吉本興業