そろばんずく
1986年の日本のコメディ映画
From Wikipedia, the free encyclopedia
概要
ストーリー
キャスト
※エンドクレジット順
- 春日野八千男:石橋貴明(とんねるず)
- 時津風わたる:木梨憲武(とんねるず)
- 梅づくしのり子:安田成美
- 桜宮天神:小林薫
- 桜宮雅:名取裕子
- 天敵雄:渡辺徹
- クライアント大山:石立鉄男
- 花月:イッセー尾形
- 桃子:木内みどり
- 月丸:浅野ゆう子
- お竹さん:津村隆(現・津村鷹志)
- クライアント波野:財津和夫
- 海鮮料理屋主人:ベンガル
- キャバクラの美人ママ:ティナ・グレース
- 平和島:加藤善博
- スナックのママ:朝比奈順子[1]
- かじか沢:加藤和夫
- ちいママ:泉じゅん
- DJ:伊藤克信
- 団地・月男:金田明夫
- 森永博志・沢田和美・長友啓典
- 竹千代:奥野敦子
- キャバクラの客:嵐山光三郎[1]
- 渋谷:並樹史朗
- 保:佐藤恒治
- コワオモテスター:田中博行(現・SABU)
- ディスコの門番:伊藤洋三郎
- ミニスカートの女:渡辺祐子
- 曽根崎新子:西端やよい
- 河野池佐矢:池田薫
- 白木屋正子:清水由香
- 大竹かおる・河合美佐・川田あつ子
- 植田:岩城正剛(現・椎名桔平)
- 吉川:豊原功補
- 食水透:織部一作
- 品姿行男:重本一志
- おっぱいミルクCF製作進行:進亮
- 宇奈月(ラ社社長):三木のり平
- 三原(ト社社長):小林桂樹
スタッフ
サウンドトラック
製作
1986年の夏興業は春先の段階で『植村直己物語』が毎日放送、『チェッカーズSONG FOR U.S.A.』が日本テレビ、本作と『おニャン子ザ・ムービー 危機イッパツ!』、『子猫物語』がフジテレビ、『必殺! III 裏か表か』が朝日放送、『新・喜びも悲しみも幾歳月』が東京放送と[4]、テレビ局の映画への参入が目白押し[4][5]。映画関係者は「テレビ局は業績が芳しくないから、何か別のもので収入を得ようと必死なんだろう」[4]「『南極物語』でフジTVが見せた自社の電波を使っての圧倒的なパワーにみなが乗ってしまっているのだろう」[4]「いまや映画はカドカワからフジテレビ方式の時代に突入した」[5]などと論じた。
企画
1985年10月にフジテレビから森田芳光監督に「何か映画を撮らないか」と話があった[6]。森田監督がサラリーマンが好きなことから[6]、堂々と「サラリーマンコメディを作りたい」と返事した[6]。とんねるずの起用は「彼らのTVでやってることは芸じゃない、個性が好き。だから映画に持ってきても大丈夫」という森田の考えから[6]。
演出
監督の森田は、とんねるずの2人にアドリブを一切禁止した。森田によると、映画というのは主人公の人生の断片であって、この映画は石橋や木梨の物語ではなく彼らが演じる春日野や時津風の物語であり、2人がアドリブをやって地が出てしまうと映画を見ている人はシラケてしまう。登場人物の性格を踏まえたうえでアドリブが出てくればいいが、映画初のとんねるずには無理だと思ったからアドリブはやめてくれと言ったという[7]。中盤、掃除夫に扮した石橋貴明が桜宮天神(小林薫)を尾行し、料亭前でやる動きはレレレのおじさんの真似で、これは森田の世代より、とんねるず世代で馴染みの動き。
キャスティング
それまで地味な役回りの多かった小林薫が、新興宗教の教祖のような180度違う変人ぶりを見せて怪演している[3]。二度、信者風の人たちがゴルフ場のような場所で説法を受けたり、セックス体操なる妙技をする描写がある。
撮影
森田監督は「こんなにワイド・レンズを多用した映画はないんじゃないかな」と述べている[6]。とんねるずの勤める広告代理店は都心風だが、社員数名で横浜赤レンガ倉庫のセミナーハウスのような場所に移動しそこを拠点とする。他のロケ地は大井ふ頭他[8]。「せいこがひろみはダミーで、まさきだって言ったのもあの人たちだけよ」「30%引きー? ラフォーレのバーゲンじゃないんですよー」などのセリフがある。劇中、とんねるずの主題歌「寝た子も起きる子守唄」の他、「恋人も濡れる街角」、森田が監督を務めた『メイン・テーマ」の主題歌「メインテーマ」がノンクレジットでカラオケで歌われる。
作品の評価
興行成績
失敗に終わったとされる。
批評
国立映画アーカイブは「東宝の『社長シリーズ』を愛好していた森田芳光は、広告業界を舞台にしたサラリーマン喜劇として構想したが、極度にデフォルメされた世界観や演技、さまざまな実験的趣向を凝らした撮影、過去の森田作品のセルフパロディなどが横溢し、全篇にわたって異様なテンションが漲る怪作となった」と評している[1]。
水道橋博士は「公開時には森田×とんねるずでコメディの大傑作が生まれると誰もが予感しながら、壮大な失敗作に終わった、という印象。規模のデカくなった『月曜ドラマランド』のような調子に乗ったフジテレビ感の感想だったが、今見るといろんな映像ギャグを監督が意志的に試していて、今から見ると、なるほど、なるほど、と思える楽しさがあって、印象が変わった」などと評している[9]。
受賞歴
- 第10回日本アカデミー賞 話題賞[10]
- 第26回(1988年度)ゴールデン・アロー賞 芸能賞
- ザテレビジョンATP'89タレント部門賞番組部門特別賞
- 第8回ヨコハマ映画祭 脚本賞
映像ソフト
『ぴあ発行の『ぴあシネマクラブ 日本映画編 2004-2005』ではビデオはポニーキャニオンからの発売と記載されている[3]。2021年12月20日に森田芳光商業映画デビュー以降の全監督作品が『⽣誕70周年記念森⽥芳光 全監督作品コンプリート(の・ようなもの)Blu-ray BOX(完全限定版)』というタイトルでBlu-ray Disc27枚組が、日活/ハピネット・メディアマーケティングから価格11万円で発売されたが、本作のみ収録されていない[11]。森田芳光の妻でプロデューサーの三沢和子は交渉したが、難航してダメだったと述べている[11]。