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クチナガワニ属

クロコダイル科の属 From Wikipedia, the free encyclopedia

クチナガワニ属[2](クチナガワニぞく、学名:Mecistops)は、クロコダイル科に属する属。アフリカクチナガワニ属とも呼ばれる。サブサハラアフリカから2種が知られ、名前の通り細長い吻が特徴である。属名はギリシア語の「μήκιστ (mēkist、最長を意味)」と「ὄψις (ópsis、外観を意味)」あるいは「ὄψ (óps、顔を意味)」に由来し、細長い体を示している[2]。

概要 クチナガワニ属, 分類 ...
クチナガワニ属
生息年代: 中新世 - 現世, 11.6 - 0 Ma[1]
ワニ園のニシアフリカクチナガワニ
ニシアフリカクチナガワニ
Mecistops cataphractus
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
界 : 動物界 Animalia
門 : 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
綱 : 爬虫綱 Reptilia
目 : ワニ目 Crocodilia
科 : クロコダイル科 Crocodylidae
属 : クチナガワニ属 Mecistops
学名
Mecistops
Gray, 1844
英名
African slender-snouted Crocodiles
African sharp-nosed Crocodiles
分布域
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分類

以前はクロコダイル属に分類されていたが、DNAおよび形態学研究により、実際にはクロコダイル属の基部系統であることが示され、独自の属に分類された[3][4][5][6]。アフリカクチナガワニ1種のみを含むと考えられていたが、遺伝子解析により、ニシアフリカクチナガワニとチュウオウアフリカクチナガワニの2種に分けられた。両種は約650万-750万年前の中新世に分岐し、カメルーン火山列によって隔てられている[7][8]。

系統

以下の系統樹は、形態学的、分子学的データを組み合わせた2つの研究に基づく[9][10]。ほとんどの形態学的分析では、エウテコドン(英語版)とBrochuchusの間に密接な関係があることが分かっている[11]。

クロコダイル科
(クラウングループ)

一方他の形態学的研究では、クチナガワニ属はクロコダイル科の基部系統であり、コビトワニ亜科よりもクロコダイル属に近いことが判明しており[1][11]、以下の系統樹に示される[11]。赤色は古代アフリカ系統、黄色は新熱帯系統、緑色はインド太平洋系統を示す。

下位分類

和名は中井(2023)による[2]。

形態

中型のクロコダイルで、ナイルワニよりわずかに小さく、通常全長は約2.5mに達し、最大全長は4.2m[12][13]。体重は125-325kg[14][15]。雄は雌よりもかなり大きい。幼体は黄褐色で、暗褐色の斑点が散らばる。成体の体色は黄色、オレンジ色、茶色、灰褐色などで、斑点が残る個体もいる。細長い吻は水中で魚類を捉える際に適応している[2]。

生態と行動

細い吻はガビアル科に似る

中部アフリカと西アフリカの淡水域に生息し、獲物や天敵から身を隠すために、植物が茂った河川や湖を好む。汽水域に進出することもある。主に魚類、両生類、甲殻類を捕食する。成体は小型哺乳類、水生のヘビ、カメ、鳥を捕食することもある。通常は陸上で日光浴をする。繁殖期以外は群れで見られない。雌は主に植物質から成る塚状の巣を作る。巣は高さ50-60 cm、直径1-2mである。巣は雨季の始まりとともに川岸に作られ、繁殖時期は同一個体群内であっても異なる。コビトワニ属と営巣期が重なるが、その期間は短く、コビトワニは川から離れた場所に巣を作ることもある。繁殖期は1-7月[2]。

巣が完成してから約1週間後に、13-27個、平均16個の卵を産み、その大きさは母親の体と比べて非常に大きい。巣は朽ちかけた植物で作られる[16]。抱卵期間は他のクロコダイルと比較して長く、雌では平均90-100日で、雄では通常85-86日であるが、110日を超えることもある。雌は巣の近くに留まるが、他のクロコダイルのように熱心に巣を守らない。卵が孵化し、幼体が鳴き声を発すると、雌は巣を破って孵化を助ける。幼体はその後、浸水林に分散していく。スッポン科などの捕食者も存在するが、捕食は最小限にとどまっており、卵が大きく、孵化期間も長いことに起因する可能性がある。性別は温度によって決まり、28-31℃では雌が、31-33℃では雄が産まれる。卵が耐えられる最高温度は34℃で、その場合雌が産まれる[17]。性別は産卵後14日目から21日目の間に決まる。幼体は早熟で、親と行動は似る。また身を守るために非常に鋭い歯を持つ。性成熟の年齢や、寿命については不明な点が多い[2]。

聴覚、視覚、嗅覚が優れている。体全体に感覚孔があり、その中に神経末端がある。体を覆う感覚器官と、主に吻の周りで頭部を覆う器官がある。半透明の瞬膜は水中でゴーグルのように機能し、視力を改善し、目の損傷を防ぐ。特に幼体は発声を行い、母親に孵化の時期を知らせる。脅威を感じたときにはシューという音や、うなり声を上げることもある。

人間との関係

水生傾向が強く、生息地も人里離れた場所が多いため、研究がほとんど行われていない。旧アフリカクチナガワニ(2種を含む)は、IUCNのレッドリストにおいて近絶滅種に分類されている。皮やブッシュミートを目的とした狩猟、生息地の喪失、餌の魚類の乱獲、生息地の撹乱などが脅威である。以前生息していたいくつかの国からは完全に絶滅しており、他の地域でも減少している。特にガボンでは、比較的健全なチュウオウアフリカクチナガワニの個体群が維持されている[7]。野生個体数については不明な点が多いが、1,000-20,000頭と推定されている。ヨーロッパと北アメリカの多くの動物園で飼育・繁殖されており、コートジボワールでは飼育下繁殖プログラムが開始されている。

出典

関連項目

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