カンボジアの交通

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カンボジアの交通について

カンボジア国内の交通網について記述する。

カンボジアの交通インフラは、内戦によって壊滅的な打撃を受けたが、1990年代以降、諸外国(日本、中国、タイなど)の援助により急速に復旧・整備が進んでいる。


カンボジアの交通(カンボジアのこうつう)では、カンボジアにおける交通網(鉄道道路航空水運)について記述する。

かつては内戦によりインフラが壊滅的な打撃を受けたが、2010年代以降、日本や中国などの支援により急速に整備が進んでいる。特に2020年代に入り、高速道路の開通や新空港の建設など、物流・観光の面で大きな変革期を迎えている。

プノンペン都市の交通整備状況

首都プノンペンでは、急速な人口増加とモータリゼーションに伴う深刻な交通渋滞が課題となっており、複数の次世代交通システム(新交通システム地下鉄)の計画が進められている。

都市鉄道計画

長年、JICAの支援によるAGT(新交通システム)やモノレールの導入が検討されてきたが、2020年代に入り地下鉄や高架鉄道への計画移行が本格化した。

  • 地下鉄・高架鉄道計画: 中国企業の支援により、プノンペン市街地とテチョ国際空港を結ぶ路線の建設が進められている。2026年1月には中国・カンボジア協力による都市鉄道プロジェクトの第2フェーズ(約18km、12駅)の調査が始まった。
  • 空港連絡鉄道: かつてはプノンペン駅から旧プノンペン国際空港まで路面電車が運行されていたが、空港の移転に伴い新空港へのアクセスを担う新路線の建設が優先されている。

公共バス網

2014年に日本の支援(JICA)により本格導入された公共バスは、プノンペン自治バス公社(City Bus Authority)によって運営されている。

  • 路線数: 2026年現在、市内の主要道路を網羅する10以上の路線が運行されている。
  • デジタル化: ICカード支払いやアプリによるリアルタイムのバス追跡システムが導入され、利便性が向上している。

道路・橋梁の整備

メコン川やバサック川によって分断された地域を結ぶ橋梁の建設が相次いでいる。

  • 環状道路: 都市部への大型車両の流入を防ぐため、第3・第4環状道路の建設が進められている。
  • フライオーバー(跨道橋): 渋滞の激しい主要交差点(チョムチャウ交差点など)での立体交差化が進められ、信号待ちによる遅延の解消が図られている。

新空港へのアクセス

2025年に開港したテチョ国際空港はプノンペン市街地から約20km南に位置するため、以下の整備が急ピッチで進んでいる。

  • 空港高速道路: プノンペン中心部と新空港を直結する専用道路。
  • フナン・テチョ運河: 2024年に着工した巨大運河プロジェクトにより、周辺の物流インフラも再編されている。

新空港へのアクセス鉄道計画

2025年に開港したテチョ国際空港とプノンペン市内を結ぶ鉄道リンクの計画が進められている。

  • ルート: プノンペン南部の「60メートル道路(サムデク・テチョ・フンセン大通り)」沿いに建設される予定で、開発主体のCAICによって建設用地の確保が進められている。
  • 現状: 2026年現在、詳細な実現可能性調査(F/S)や土地の割り当てが行われている段階であり、本格的な着工は2020年代後半になると予測されている。当面の間、空港へのアクセスは新設された高速道路および空港エクスプレスバスが担う。


鉄道

カンボジアの鉄道は、カンボジア王立鉄道(Royal Railway of Cambodia)によって運営されている。軌間は1,000mm(メーターゲージ)である。

バンブートレイン
バッタンバン州などで見られる、竹の板にエンジンを載せた簡易軌道トロッコ。「ノーリー」と呼ばれ、観光資源となっている。

道路

道路交通はカンボジアの輸送の主役であり、国道網が首都プノンペンから放射状に伸びている。

高速道路

  • プノンペン-シアヌークビル高速道路(E1): 2022年11月に開通した同国初の高速道路。全長約190kmを約2時間で結ぶ。
  • プノンペン-バベット高速道路(E2): ベトナム国境へ向かう第2の高速道路として建設中(2027年開通予定)。

主要国道

  • 国道1号線: プノンペン - バベット(ベトナム国境)。アジアハイウェイ1号線(AH1)の一部。途中のメコン川には、日本の支援で建設された「つばさ橋(ネアックルン橋)」が架かる。
  • 国道4号線: プノンペン - シアヌークビル。物流の大動脈。
  • 国道5号線: プノンペン - ポイペト(タイ国境)。全線で4車線化工事が進められた。

航空

2020年代に入り、主要都市で空港の移転・新設が相次いでいる。

水運

  • シアヌークビル自治港 (PAS): 同国唯一の大深度海港であり、国際貿易の拠点。
  • プノンペン自治港 (PPAP): メコン川を利用した河川港。ベトナムを経由して南シナ海へ出るルートとして利用される。

都市交通

首都プノンペンでは、公共交通機関の整備が進められている。

  • 路線バス: プノンペン自治バス公社(City Bus)が運行。
  • タクシー・トゥクトゥク: 三輪タクシー(オートリクシャー)が主流であり、近年は「Grab」や「PassApp」などの配車アプリが普及している。

道路交通法

カンボジアの道路交通法は、2007年に制定された旧法に代わり、2014年に新道路交通法が可決(2015年施行)された。その後も交通事故削減を目的として、2020年や2022年に罰則の大幅な強化や新システムの導入が行われている。2026年度には施行が強化されヘルメット着用義務付けられている。

主な規定

  • 通行区分: 日本とは反対の右側通行である。
  • 運転免許:
    • 排気量125cc以下の二輪車については、運転免許証が不要とされている。この規定が、交通安全教育の普及を妨げる一因との指摘もある。
    • 125ccを超える二輪車および四輪車以上の運転には免許が必要である。
  • ヘルメットの着用: 運転者だけでなく、同乗者にもヘルメットの着用が義務付けられている。2016年頃から取り締まりが厳格化された。
  • 飲酒運転: 呼気1リットル中0.25mg以上、または血液1リットル中0.5mg以上のアルコールが検出された場合に罰則の対象となる。2020年の法改正で罰金が従来の約3〜5倍に引き上げられた。
  • 携帯電話: 運転中の手保持での携帯電話使用は禁止されている(ハンズフリー機器の使用は可)。

交通取締り

2022年9月より、交通違反に対して点数制度が試験的に導入された。持ち点12点からの減点方式。また、主要都市の交差点には監視カメラが設置され、自動通報システムによる取り締まりも進められている。しかし、依然として現場の警察官による現金での罰金徴収。

関連項目

参考文献

出典

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