以下で述べるクリスプやクランブルは、一般的なコブラーと異なり、一番上の層にオートミールで作られたロールオーツを用いることがある[2]。
アイスクリームが添えられたピーチカブラー
グランツ、パンダウディ、スランプはカナダの沿海州とニューイングランドで見られるコブラーの派生型である。典型的なレシピでは、フィリングの上に団子状の生地を載せ、コンロにかけた鉄鍋やフライパンで焼く。伝えられるところによれば、これらの名は火にかけている間のブツブツいう音(英語でこれをgruntと呼ぶ)から取られている。ここで使われるようなビスケットやダンプリングはドウボーイとも呼ばれる。ドウボーイはシチューでもカブラーと同じように用いられる。
アメリカ合衆国で食べられているカブラーのバリエーションには、このほかにもアップル・パンダウディ(アップルコブラーの皮を崩したもの。皮をフィリングと混ぜ合わせることもある)、ベティ、バックル(イエローケーキ[注 3]生地に具材を混ぜ込んだもの)、ダンプ(またはダンプケーキ)[4][5]、グランプ、スランプ、ソンカーなどがある。ソンカーはノースカロライナ州特有のもので、アメリカ式のコブラーを深皿で焼いて作ったものである[2][6]。
ディープサウスではフィリングとして果物1種類だけを用いたカブラーが最も一般的で、その果物の名を取ってブラックベリーカブラー、ブルーベリーカブラー、ピーチカブラーのように呼ばれる。ディープサウスの伝統では、フルーツカブラーにバニラ・アイスクリームをトッピングすることもある[要出典]。この地域では塩味のカブラーはそれほど一般的ではないが、例としてはトマトカブラーがある。これはサザントマトパイに似たもので、タマネギなどを具材としており、上に載せるビスケット生地にはチーズやコーンミールを入れることがある[7]。
ベティ、またはブラウンベティとして知られるカブラーの一種はアメリカ植民時代にまで遡ることができる。1864年の『イエール・ライブラリー・マガジン』では"brown Betty"として紹介されており、「ブラウン」が小文字で始まっていることから「ベティ」が正式な料理名だと考えられる[8]。しかし、1890年に出版されたレシピでは「ブラウン」も大文字で始まっているため「ブラウンベティ」が正式名とされる[9]。
ブラウンベティはパン粉(またはパン片や砕いたグラハム・クラッカー)と果物(さいの目に切ったリンゴが一般的)の層を交互に重ね、蓋をしてオーブンで焼いたものである。食感はブレッドプディングに近い。
アメリカ中西部では、アップル・ベティまたはストロベリー・ベティは、しばしばアップル・クリスプと同義語である[要出典]。
イギリスとコモンウェルス諸国では、スコーンを載せたコブラーが優勢であり、甘いものも塩味のものも見受けられる。甘いフィリングとしてはリンゴ、ブラックベリー、ピーチなどが一般的である。塩味のコブラーは、牛肉、子羊、羊肉などのフィリングをキャセロールに入れ、スコーン生地の団子を載せて作る。団子を全面に敷き詰めるのではなく、肉に火が通りやすいように器のへりに沿って並べるだけの場合もある[10]。塩味のカブラーにはチーズやハーブのスコーンを載せることもある[11]。
カブラーとクランブルは腹持ちがよいにもかかわらず、伝統的なペストリーほどバターを必要とせず、マーガリンで作ることもできるため、第二次世界大戦中に食糧省によって奨励された[要出典]。