チオアセトン

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チオアセトン
物質名
識別情報
3D model (JSmol)
ChemSpider
性質
C3H6S
モル質量 74.14 g·mol−1
外観 橙から茶色の液体
匂い 極めて不快で強烈な硫黄臭
融点 −55°C(218.15k/-67°F)[1]
沸点 70°C(343.15k/158°F)[1]
危険性
労働安全衛生 (OHS/OSH):
主な危険性
悪臭、皮膚刺激
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。

チオアセトン: Thioacetone)は化学式(CH3)2CSで表される有機硫黄化合物であり、最も単純なチオケトンである[2]。橙色から褐色の揮発性の高い液体として得られる。不安定な物質であり、低温下でのみ単離が可能である[3]。水に不溶[2]だが、エーテル、ベンゼン、エタノールに可溶。–20℃以上では重合体三量体であるトリチオアセトンへ容易に変換される[4]。極めて不快な臭気があり、既知化合物の中では最悪の悪臭を持つ物質の1つとされる[5]

1889年オイゲン・バウマンらによるトリチオアセトンの合成時に、微量の不純物として初めて得られた[6][7]

チオアセトンは通常、環状三量体であるトリチオアセトン[(CH3)2CS]3クラッキングにより得られる。トリチオアセトンはアリルイソプロピルスルフィドの熱分解、またはルイス酸存在下、低温でアセトン硫化水素で処理することで得られる[8]。トリチオアセトンは500から600℃で分解してチオアセトンを生成する[3][9]

重合

類似化合物であるアセトンが容易には重合しないのとは対照的に、チオアセトンは非常に低い温度で自発的に重合して白色固体を生成する。この固体は環状三量体のトリチオアセトンと、直鎖状重合体···–[C(CH3)2–S–]n–·の混合物である。この生成物の赤外吸収スペクトルは、主に2950、2900、1440、1150、1360、1375 cm−1(側鎖メチル基に起因)および1085、643 cm−1で(C–S結合に起因)観測される。1H NMRスペクトルはδ = 1.9 ppmに単一ピークを示す[6]。重合はラジカルや光によって促進される[6]。生成する重合体の平均分子量は条件にもよるが2,000から14,000の範囲で変動する。この重合体はおよそ70℃から125℃の間で融解する。

悪臭

関連項目

出典

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