ドラゴン (ダンジョンズ&ドラゴンズ)

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種類ドラゴン
ドラゴン
Dragon
特徴
種類ドラゴン
掲載史
初登場Dungeons & Dragons "white box" set (1974)

ファンタジーロールプレイングゲーム(RPG)『ダンジョンズ&ドラゴンズ』(D&D)におけるドラゴン(Dragon)は、ゲームを象徴する怪物的クリーチャーである[1][2][3]

D&Dのドラゴンは、様々な架空の物語や神話に登場するドラゴンを大まかに基にしている[4][5][6]。D&Dでは、プレイヤーはゲーム内の架空のドラゴン(ティアマトが最も著名な例の一つ)と戦うことができ、また「サイキック・ドラゴンを倒す」こともできる[7]。これらのドラゴン、特にその「ダンジョン生態学」は、ファンタジー文学理論に示唆を与える[8]。D&Dのドラゴンはまた、ゲームを取り巻くモラル・パニックの標的としても取り上げられた[9][10]

D&Dにおいて、ドラゴンは巨大で知性を持つ魔法的な爬虫類の怪物として描かれ、多くの種が存在する。各種は通常、その性質と、鱗のもしくは元素への親和性によって定義される[11]。例えば、よく登場する種のひとつが「レッド・ドラゴン」である。その名は赤い鱗に由来し、邪悪で貪欲な性質、そして火を吐く能力で知られる[12]。ゲーム内では、ドラゴンはプレイヤー・キャラクターの敵対者として登場することが多いが[13]、稀に同盟者や支援者となることもある。

強力で知性を持つD&Dのドラゴンは、魔法の能力とブレス攻撃を持つ爬虫類である[14]。色合いによって区別される様々な亜種により、その力が異なる[15]

D&Dには様々な種類のドラゴンが存在するが、ほぼ全ての種に共通する特徴がいくつかある。全ての種は、本来の姿において概ね爬虫類的あるいは蛇のような姿をしている。最も若いドラゴンを除き、それらは非常に巨大であると描写される。少なくとも馬ほどの大きさで、多くはそれより遥かに大きい。ほとんどの種は翼を持ち、飛行能力を有するとされ、ほぼ全てが四足歩行である。ほぼ全てのドラゴンは高度な知性(少なくともヒューマン並み)を持ち、言葉を話す能力があるとされる。全ての種が本質的に魔法的性質を有し、大半の種ではこの性質が何らかの元素への親和性として現れる。一部の種は生来的に呪文を使う能力も備えている。D&Dにおけるほとんどのドラゴンは、自身の元素親和性に関連する1種類以上のエネルギーをブレスとして放つ能力、および同種エネルギーからのダメージや致傷に耐性を有する。一部のドラゴンは二種類のブレス攻撃を持つ。通常はプレイヤー・キャラクターに物理的ダメージを与えるもの([火]、[冷気]、[酸]、[電撃]など)と、非ダメージ効果(麻痺、追い払い、混乱など)をもたらすものがある。

ドラゴンは卵生生物として知られ、その多くは鋭い牙、角、爪を持つと描写される。D&Dにおけるドラゴンは鱗で守られた体を持ち、その鱗の色はドラゴンの種族によって決まる。この鱗の色は、各種ドラゴンが持つ特定の元素的性質を示す視覚的手がかりとなる。各種ドラゴンには固有の気質と、それに由来する道徳観が存在する。これらの要素が個々のドラゴンの性格や行動の基盤となる。通常、同一種内での外見や性格の大きな差異は描かれないが、エベロンなどの特定のキャンペーン設定では例外が生じうる。

D&Dにおけるドラゴンは、プレイヤー・キャラクターと対立する怪物として描かれているため、デフォルトでは大多数のドラゴンが“悪”とされている。この傾向は初期の『Dungeons & Dragons[注 1]』製品(1974年発売の「white box」版[注 2]や『D&D Basic Set[注 3]』など)でより顕著であり、ゴールド・ドラゴンだけが“秩序にして善”とされていたのに対し、他の全ての色のドラゴンは“混沌にして悪”(レッド、グリーン、ブラック)か、“中立にして悪”(ブルー、ホワイト)とされていた[16]

AD&D[注 4]第2版、第3版[注 5]第4版におけるドラゴンの詳細情報は、各版に対応する『ドラコノミコン』に記載されている。これは、プレイヤー向けにドラゴンに関する追加情報を提供するサプリメントブックである。第5版では、同様のテーマを持つ『フィズバンと竜の宝物庫(Fizban's Treasury of Dragons)』がある[17]。AD&D第1版ではこのような書籍は刊行されなかったが、Basic版には『Bestiary of Dragons and Giants』(コードAC10)が存在した[18]

出版物での歴史

中世文学研究者トーマス・ホネガーは、画期的なロールプレイングゲームが「その名前の2番目の要素として、最も手強い敵であるドラゴンを使用している」ことを「偶然ではない」と考えた。なぜなら叙事詩において「ドラゴンが最も危険な生物として認識されることは伝統的」だからである[19]

Original Dungeons & Dragons

“悪”属性の5種のドラゴン(ホワイト、ブラック、グリーン、ブルー、レッド)と、“秩序にして善”のゴールド・ドラゴンは、『OD&D』の「white box」セット(1974)に初登場した[16]。1975年のサプリメント『Greyhawk』では、カッパー、ブラス、ブロンズ、シルヴァーに加え、プラチナ・ドラゴン(バハムート)とクロマティック・ドラゴン(ティアマト)が追加された。「ドラゴン」は、1977年に権利者ソウル・ゼインツTSR社との間で係争となったJ・R・R・トールキンの著作物から保護された用語の一つであった[20]

Dungeons & Dragons Basic set

ホワイト、ブラック、レッド、ブラスの4種は、『D&D Basic Set』(1977)に再登場した。1974年のボックスセットに登場した6種のドラゴンは、『Dungeons & Dragons Basic Rulebook』(1981)に掲載され、さらに1983年版のBasic Setにも再登場した。これら6種はジェム・ドラゴン(クリスタル、オニキス、ジェイド、サファイア、ルビー、アンバー)および、全カオティック・ドラゴンの支配者パール(ムーン)・ドラゴン、全ローフル・ドラゴンの支配者ダイアモンド(スター)・ドラゴン、全ニュートラル・ドラゴンの支配者オパール(サン)・ドラゴン、そして全ドラゴンの支配者(グレート・ワン)らの「ドラゴン・ルーラー」と共に、『Dungeons & Dragons Rules Cyclopedia』(1991)に登場した。

Advanced Dungeons & Dragons第1版

1974年発売のボックスセットに登場した5種の“混沌”属性ドラゴンと、グレイホーク・サプリメントに登場したゴールド・ドラゴンと4種の新ドラゴン(カッパー、ブラス、ブロンズ、シルヴァー)は、『AD&D第1版』の『モンスター・マニュアル(MM)』(1977)にバハムートとティアマトと共に収録された。前者5種は“悪”属性、後者5種は“善”属性とされた。10種のドラゴンには以下の架空の学名が与えられた。ブラック(draco rigidus frigidus)、ブルー(draco electricus)、ブラス(draco impudentus gallus)、ブロンズ(draco gerus bronzo)、カッパー(draco comes stabuli)、ゴールド(draco orientalus sino dux)、グリーン(draco chlorinous nauseous respiratorus)、レッド(draco conflagratio horriblis)、シルヴァー(draco nobilis argentum)、ホワイト(draco rigidus frigidus)。[21]

東洋のドラゴンは、『Fiend Folio』(1981)に登場した。これには、li lung (earth dragon)、lung wang (sea dragon)、pan lung (coiled dragon)、shen lung (spirit dragon)、t'ien lung (celestial dragon)、yu lung (carp dragon)が含まれる。クラウド・ドラゴン、フェアリー・ドラゴン、ミスト・ドラゴン、シャドウ・ドラゴンは、『Monster Manual II』(1983)に登場した。

Advanced Dungeons & Dragons第2版

『AD&D第2版』では、ドラゴンはAD&D第1版のものから大幅に変更され、魔法抵抗が追加され、subdualルールが廃止され、爪や噛みつき以外にも物理攻撃形態が増えるなど、遥かに強力になった[22]。AD&D第2版およびD&D第3版では、トゥルー・ドラゴン(真竜)はさらに3つの主要カテゴリーに分類された。“悪”属性の「クロマティック・ドラゴン(色彩竜)」、“善”属性の「メタリック・ドラゴン(金属竜)」、そしてサイオニック能力を持つレアなクリーチャー、“中立”属性の「ジェム・ドラゴン(宝石竜)」である。加えて、これら3つの主要カテゴリーに分類されない真竜の亜種も存在した。例えばマーキュリーやスチール・ドラゴンは金属竜に分類されそうだが、D&Dの世界観では生物学的差異から金属竜の主要系統外と見なされている(ただし『Dragons of Faerûn』では金属竜として記載)。『Oriental Adventures』のlung dragonまたはspirit-dragonも真竜に属する。

ブラック、ブルー、ブラス、ブロンズ、カッパー、ゴールド、グリーン、レッド、シルヴァー、ホワイトのドラゴンは、AD&D第2版の『モンスターコンペンディウム I(Monstrous Compendium Volume One)』(1989)に登場した[23]。フェアリー・ドラゴンと東洋のlung wang (sea dragon)、pan lung (coiled dragon)、shen lung (spirit dragon)、t'ien lung (celestial dragon)、tun mi lung (typhoon dragon)、yu lung (carp dragon)、chiang ling (river dragon)、li lung (earth dragon)は『Monstrous Compendium Forgotten Realms Appendix』(1989)に登場した。radiant dragonは『Spelljammer: AD&D Adventures in Space』(1989)に登場した。

クリンのドラゴンであるamphi dragon、astral dragon、kodragon、othlorx dragon、sea dragonは『Monstrous Compendium Dragonlance Appendix』(1990)に登場した。クラウド・ドラゴン、Greyhawk dragon、mist dragon、シャドウ・ドラゴンは『Monstrous Compendium Greyhawk Appendix』(1990)に登場した。adamantite dragonは『Monstrous Compendium Outer Planes Appendix』(1991)に登場した[24]。moon dragon、sun dragon、stellar dragonは『Monstrous Compendium Spelljammer Appendix』(1991)に登場した。deep dragonは『Monstrous Compendium Forgotten Realms Appendix II』(1991)に登場した。

宝石竜(アメジスト、クリスタル、エメラルド、サファイア、トパーズ)は、雑誌『ドラゴン』#037(1980年5月)に初登場し、その後『Monstrous Compendium Fiend Folio Appendix』(1992)に再登場した。色彩竜(ブラック、ブルー、グリーン、レッド、ホワイト)、宝石竜(アメジスト、クリスタル、エメラルド、サファイア、トパーズ)、 金属竜(ブラス、ブロンズ、カッパー、ゴールド、シルヴァー)、brown dragon、クラウド・ドラゴン、deep dragon、mercury dragon、mist dragon、シャドウ・ドラゴン、スチール・ドラゴン、yellow dragonは『Monstrous Manual』(1993)に登場した[25]。onyx dragon、jade dragon、ruby dragon、amber dragonは『Monstrous Compendium Mystara Appendix』(1994)に登場した。

Dungeons & Dragons第3版

クロマティック・ドラゴン(ブラック、ブルー、グリーン、レッド、ホワイト)とメタリック・ドラゴン(ブラス、ブロンズ、カッパー、ゴールド、シルヴァー)は、第3版『MM』(2000)[26]および第3.5版[注 6]『MM』(2003)に登場した。トッド・ロックウッドとサム・ウッドによる描写は、AD&D第1版のデイヴ・サザーランドによる「非常に独創的な」オリジナルデザインを取り入れつつ、解剖学的により説得力のあるものとし、頭部のディテールに加え、翼の形状の違いによって全種を区別しようとした。第3版の描写は、Wizards of the Coastのデザイナーが、現在これらのモンスターの「決定版」と見なしている表現である[3]。ジェム・ドラゴンは第3版『モンスターマニュアルII』に登場した[27]

第3版では、ドラゴンはクリーチャーの一種として分類され、「通常は翼を持ち、魔法的または異常な能力を有する爬虫類のようなクリーチャー」と単純に定義されている[28]。ドラゴンはいくつかに分類される。トゥルー・ドラゴン(真竜)は、年齢区分(ワームリング[注 7]からグレート・ワーム[注 8]まで)によって力を増すドラゴンを指す。Lesser dragonは年齢段階による成長がなく、真竜の能力を一切備えていない場合もある。Lesser dragonの例としては、ドラゴン・タートルやワイヴァーンが挙げられる。その他、ドラゴンに分類されるクリーチャーには、ドレイク、felldrake、elemental drake、landwyrm、linnorm、wurmなどが存在する。

Dungeons & Dragons第4版

第4版では分類が変更され、クロマティック・ドラゴンは必ずしも邪悪ではなく、メタリック・ドラゴンは必ずしも善良ではないことが明らかになった。また、いくつかの新たなカテゴリーが追加された(ただしジェム・ドラゴンは復活しなかった)。「planar dragon」は、物質界以外の存在の次元界に生きることで歪んだドラゴンと定義される。「catastrophe dragon」は、自然災害の側面を帯びたドラゴンで、“混沌にして悪”の性質を持ち、混沌そのものを目的とする。そしてもう一つが「scourge dragon」である[29]

5種の色彩竜(ブラック、ブルー、グリーン、レッド、ホワイト)は、第4版『MM』(2008)において、ヤング、アダルト、エルダー、エインシャントの亜種として登場した。色彩竜は『ドラコノミコン クロマティック・ドラゴン(Draconomicon: Chromatic Dragons)』でも再び紹介された。このサプリメントにはさらにbrown dragon(別名:sand dragon)、grey dragon(別名:fang dragon)、パープル・ドラゴン(別名:deep dragon)の、3種の色彩竜が追加されている。adamantine dragon、カッパー・ドラゴン、ゴールド・ドラゴン、iron dragon、シルヴァー・ドラゴンは『モンスター・マニュアルII 第4版』(2009)に登場した。金属竜は『モンスター・マニュアルII』と『ドラコノミコン メタリック・ドラゴン(Draconomicon: Metallic Dragons)』で紹介されている。Catastrophe dragonは『モンスター・マニュアルIII 第4版』で紹介されている。Planar dragonは『ドラコノミコン クロマティック・ドラゴン』と『ドラコノミコン メタリック・ドラゴン』の両方で紹介されている。

Dungeons & Dragons第5版

5種の基本的なクロマティック・ドラゴン(レッド、ブルー、グリーン、ブラック、ホワイト)とメタリック・ドラゴン(カッパー、ブラス、シルヴァー、ゴールド、ブロンズ)は、第5版『MM』(2014)にワームリング、ヤング、アダルト、エインシャントの形態で登場した。ジェム・ドラゴンや第5版初登場のその他ドラゴンは、『フィズバンと竜の宝物庫』(2021)に掲載されている[30][31]

ゲームメカニクス

D&Dにおいて、トゥルー・ドラゴンは成熟し年を重ねるにつれ強くなる。体は大きくなり、力は増す。ダメージや魔法への耐性が向上し、ブレス攻撃はますます危険になる。知識と魔法能力も向上する。オールド・ドラゴンは竜の魔法を使用できる。これはD&D魔法の特殊な形態である。ドラゴンは、他のD&Dのウィザードのように言葉や身振り、準備を伴う長く複雑な儀式を行う代わりに、わずか数語で呪文を発動できる。第3版および第3.5版では、ドラゴンはソーサラーのように自発的に呪文を使い、時により幅広い呪文を選択できる[32]。また、周囲に神秘的な恐怖のオーラを放つ。千年あるいは二千年を経ると、ドラゴンは最大の成長段階に達する。

多くのD&Dのドラゴンは生来の魔法能力を持つが、それは種族によって異なる。メタリック・ドラゴンはしばしば小動物やヒューマンの姿に変身でき、この能力で密かにヒューマンを助けたり見守ったりする。ドラゴンはまた、自身が結びついた元素に対する生来の力を有する。例えばレッド・ドラゴン(火)は火をある程度制御できる。他のドラゴンの力と同様、年を重ねるごとにその力は増す。Lesser dragon(ワイヴァーン、ハーフドラゴン、dragonwrought koboldなど)は生来の魔法能力を持たない場合があるが、その他の効果においては依然としてドラゴンとして扱われる。

ブレス

ブレスとは、D&Dにおいてドラゴンが吐き出す円錐形または直線状の攻撃である。各種ドラゴンはそれぞれ異なるブレスを持つ。色彩竜は1種類のブレスを、金属竜は2種類のブレスを有する。その他のドラゴンやsemi-dragonもブレス攻撃を持つことが多い。一例として、ドラゴン・タートルの円錐形蒸気ブレスが挙げられる。

形状

ブレスは通常、3つの形状の内のいずれかとなる。

  • 直線: 直線上にダメージを与える。
  • 円錐: 広い円錐状にダメージを与える。
  • 蒸気: ガス雲でダメージを与える。

ダメージ種別

ブレス攻撃は通常、複数の素材のいずれかで構成される。ジェム・ドラゴンは、サイキック・エネルギーや雷のような音響など、他の素材のブレス攻撃を持つ場合がある。

  • [火]: 魔法の火は、ゴールド、ブラス、レッド・ドラゴンによって使用される[33][34][35]
  • [電撃]: ブルー・ドラゴンとブロンズ・ドラゴンは電撃を吐き出す[36][37]
  • [酸]: ブラックとカッパー・ドラゴンは強力な酸を吐き出す[38][39]
  • [毒]: グリーン・ドラゴンのブレス攻撃は塩素ガスの雲である[40][41]
  • [冷気]: ホワイトとシルヴァー・ドラゴンはどちらも氷点下の空気と氷の円錐を放出する[42][43]

魔法

トゥルー・ドラゴンは生まれつき魔法の才に恵まれているが、その力を効果的に使えるようになるには、修練を重ねて技を磨き、成人期を迎える必要がある[44][45]

フィクションでの特徴

生態

ドラゴンは本質的に魔法的な存在であり、見た目とは裏腹に爬虫類的な性質は持たない。全てのトゥルー・ドラゴンは恒温動物であり、その体温は年齢や種によって変動する。しかし、ほとんどの恒温動物とは異なり、ドラゴンは余分な熱を放出する手段を持たない。代わりに、draconis fundamentumと呼ばれる器官を通じて熱が抽出され、エネルギーへと変換される。ドラゴンは外部からの熱の不足にも影響を受けず、代謝や活動レベルが低下することもない[46]

一度に産む卵の数は種により異なるが、通常は少ない(1個~10個程度)。また、ドラゴンはほぼあらゆる他のクリーチャーと交配することができ、ハーフドラゴンを生み出す。最もよく知られているのは人型種族、特にヒューマンやエルフとの交配である。デヴィルエンジェルも含め、ほぼあらゆる組み合わせが可能である。

種により異なるものの、ドラゴンの感覚は多くの点で他のクリーチャーを凌駕している。あらゆる捕食者と同様、彼らは非常に鋭敏な感覚を持ち、それは年齢と共にさらに研ぎ澄まされる。鳥類のクリーチャーと同様、優れた立体視能力と比較的好ましい周辺視野を持ち、昼間ではヒューマンの2倍の視力を発揮する。鳥類とは異なり、優れた暗視能力を有し、光が全くない状況下でも視認可能である。ただし、そのような環境では色を識別することはできない。

行動

D&Dにおける全ての真竜は知性を持つ存在として描かれており、その多くは極めて高い知性を有する。ドラゴンの性格は個体によって異なるが、同じ亜種に属するドラゴンは似たような考え方を持つ傾向がある。ただし、これは常に当てはまるわけではなく、公式D&D資料にはいくつかの例外が存在する。ドラゴンの亜種は“秩序にして善”に属するパラディン的なゴールド・ドラゴンから、残酷で非常に貪欲な“混沌にして悪”に属するレッド・ドラゴンまで、D&Dの全属性を網羅している。

全てのドラゴンは、宝物を集めるという共通の欲求を持つ。貴重で美しい、魔法的あるいは単に輝くものまで様々である。実際、その宝物が必ずしも金である必要はなく、時には美的価値を持つもの、人気のある美術品や彫刻、あるいは膨大な金銭的価値を持つ稀覯本や古書まで含まれる。“悪”のドラゴンにとってこれは、あらゆる手段で富を得ようとする、貪欲な態度へとつながる。善のドラゴンにとって、この宝への欲望は抑制されている。とはいえ、彼らが富を得ることに嫌悪感を抱いているわけではなく、贈り物には感謝する(ただし明らかな賄賂を差し出された場合は侮辱と感じる)。

ドラゴンはヒューマンや他のほとんどの種族よりも強く、速く、一般的に賢く、寿命も長いため、自らを優れた存在と見なす傾向がある。“善”属性のドラゴンにとって、これは単にヒューマノイド種族を子供扱いし、世話を焼いたり教育しようとする傾向を示すに過ぎない。一方、“悪”属性のドラゴンは、ヒューマノイドを単なる動物、あるいは弄ぶための玩具と見なす。最良の場合でも従属者や奴隷に過ぎず、最悪の場合にはドラゴンの次の食事となる。

ドラゴンの長寿は、彼らの往々にして冷淡に見える態度に表れている。“善”属性のドラゴンは、悪を打ち倒すことに注力しつつも、はるかに広い視野で世界を見渡すことができる。“善”属性のヒューマンにとって、極めて重要に見える危機であっても、ドラゴン側ではその出来事を、わずか数世紀で過ぎ去る些事として捉えたりする。他者と冒険する者でさえ、他者が「一刻の猶予もない」と感じる状況下でも、並外れた忍耐力を示す傾向がある。同様に、好戦的な冒険者に敵対された“悪”属性のドラゴンは、侵入者の血筋への復讐を実行するまで数十世代にわたり計画を練ることもある。言及された冒険者の子孫が、単に血筋を理由にドラゴンの標的となることは珍しくない。

特定の世界設定において

多くの設定において、メタリック・ドラゴンの神王は白銀竜「バハムート」であり、クロマティック・ドラゴンの女神かつ女王は五頭竜「ティアマト」である。彼女はメソポタミア神話ティアマトを基にしている。同神話では、ティアマトは竜の邪悪な母とされたが、架空の神としての姿は、それとは大きく異なる[6]

本作における全てのドラゴンの始祖にして最高神は「イオ」として知られる。ドラゴンのパンテオンにしばしば含まれる他の神格には、アーステリニアン[47]:31、クロネプシス[47]:32、ファラジャー[47]:34がいる。異なるキャンペーン設定では、他のドラゴンの神格が存在する可能性もある。

ドラゴンランス

ドラゴンランスの小説とキャンペーン設定は、「ドラゴンが支配する世界」という概念を開発の中核に据えており[3]、D&D由来のドラゴン観を普及させる一助となった。ここでは白銀竜は「パラダイン」、竜の女王は「タキシス」と呼ばれる。竜は“善”と“悪”のグループに分かれ、それぞれ金属竜と色彩竜として知られる。パラダインは金属竜を、タキシスは色彩竜を率いる。金属竜は、女神タキシスの指示で戦争に参加することが多い色彩竜の行動に対抗する場合を除き、世界に関与することは稀であった。しかし「第5紀」において、クリン[注 9]に本来生息しない巨大な色彩竜が現れ、クリンの人型種族が支配する多くの国家を乗っ取り、在来の竜の多くを殺害した。彼らは「竜大帝 (Dragon Overlord)」として知られ、赤、緑、黒、白、青から1体ずつ現れた。

ダーク・サン

ダーク・サン設定のアーサス[注 10]では、通常のD&Dドラゴンは存在しない。古典的な元素ごとにドラゴンに似た「ドレイク」が存在するが、大抵の人々にとって「ドラゴン」とはTyrのドラゴンを指す。彼はアーサスの都市を支配する暴君的な指導者で、魔法とサイオニックの両方を操る強力な妖術王であり、極めて強力(かつ苦痛を伴う)な魔術を用いて、自らをドラゴンに似たクリーチャーへと変貌させた。しかしこのドラゴン(BorsまたはBorys)は、トロイ・デニング著『The Cerulean Storm』において、かつての師であるソーサラーRajaatによって遂に倒された。他にもドラゴンと噂された妖術王は数名存在したが、彼らは皆、アーサスに特有のドラゴン的存在へと変貌する途上にあった。この変貌は数段階に及ぶ長い過程を要したが、達成すれば絶大な力を得ることができた。

フォーゴトン・レルム

フォーゴトン・レルム設定において、ドラゴンはドラゴンランスに登場するものと非常に近い存在である。「ドラゴン・カルト」[48]と呼ばれる一派のカルト信者は、ドラゴン、特にアンデッド化したドラゴンが世界を支配すると信じており、邪悪なドラゴンをドラコリッチ(アンデッドリッチに似たドラゴン)へと変貌させようとしている。ドラコリッチは、アンデッド化をもたらす儀式によって教団に部分的に縛られている。さらに、サプリメント『ドラコノミコン』では、ゴーストリィ[47]:150、スケルタル[47]:157、ヴァンピリック[47]:142、ゾンビ[47]:157・ドラゴンなど、他のアンデッド系のドラゴンが複数記述されている。

『ドラゴン』#230から#259まで連載された「Wyrms of the North」シリーズは、後にWizards of the Coast公式サイトで第3版ルールに改訂された(外部リンク参照)。各記事では、フェイルーン[注 11]において重要な個々のドラゴンが詳細に描かれている。

近年、ドラゴンを狂気に陥れる古代の病「ドラコレイジ」[49]が再発し、無数のドラゴンがフェイルーン全土で暴れ回っている。リチャード・リー・バイヤーズによる小説三部作『The Year of Rogue Dragons』(『The Rage』『The Rite』『The Ruin』)およびゲーム・アクセサリ『Dragons of Faerûn』は、ドラコレイジが大陸を席巻する中での、ドラゴン達の活躍と行いを詳細に描いている。

グレイホーク

スチール・ドラゴンは、元来Greyhawk dragonとして知られ、ワールド・オブ・グレイホーク設定に起源を持つ。後にフォーゴトン・レルムなど他の設定にも登場する。頭部には毛髪のような棘を持ち、猫のような体躯に漠然とヒューマンを思わせる顔立ち、鋼鉄の鎧を思わせる鱗を持つ[50]。メタリック・ドラゴンとよく似ているが、一つ大きな違いがある。彼らはヒューマンやその類の文化に潜入、交流、研究するために、他の知性ある種族の姿を取ることを好む。スチール・ドラゴンと接触していることに気付く者は稀だが、彼らは常に本来の肌色を帯びた部分があり、正体がわかる。グレイホーク設定内では、こうしたドラゴンが他の物質界へ旅立ったことが知られ、そこでスチール・ドラゴンと呼ばれるようになった[51]

Council of Wyrms

Council of Wyrms設定は、基本ルールにおいてドラゴンのプレイヤー・キャラクターを唯一許可する設定である(『ドラコノミコン』は標準のD&DにおけるドラゴンPCのルールを導入している[47]:137)。この設定はドラゴンとその従者たちによる社会を基盤としており、標準D&Dのドラゴン種族とドラゴンの神々を使用する。様々なドラゴンのキャラクタークラスを含む、ドラゴンPCおよびNPCの作成とプレイに関する、詳細なルールが用意されている。

エベロン

エベロン設定では、シベイ、エベロン、カイバーの3体の竜神が世界を創り出した。シベイとエベロンはカイバーと戦いを繰り広げ、地底深くに封じ込めた。最終的に3体の竜は大地と融合した。シベイは天空となり、エベロンは大陸となり、カイバーは地下世界となった[52]:98

ドラゴンは文明とは隔絶しており、文明は主にコーヴェア大陸に集中している。彼らはアルゴネッセン大陸に住むが、ドラゴンは非常に縄張り意識が強いため、この大陸はあまり知られておらず、探検はしばしば危険を伴う。何世紀も前、ドラゴンはエベロンを支配していたが、カイバーのデーモンやデヴィルとのドラゴン・フィーンド戦争[53]終結後、彼らはコーヴェアを離れアルゴネッセンへと去った。

ドラゴンは「竜の予言」に深く関わっている。この伝説は世界中に断片が散らばっており、結末は誰にもわからない。彼らはあらゆる出来事を予言における重要な事件と見なし、手がかりを探すために同胞を派遣する組織「チャンバー」[52]:110さえ形成している。エベロンのあらゆるクリーチャーと同様、ドラゴンもあらゆる属性を取り得る。従って“善”のレッド・ドラゴン(通常は“悪”)も、“悪”のゴールド・ドラゴン(通常は“善”)も同様に存在する。このルールはプレイヤーの予想を裏切るかもしれない。ドラゴンは自らを優越種と見なし、他の種族を全て劣等と扱う。さらに、ハーフドラゴンを見かけたドラゴンは、自らの威厳を汚す存在と見なし、必ず狩ることを誓う。

バースライト

バースライト設定には独自のドラゴンが存在し、中心となるセリリア大陸に因んでCerilian Dragonと呼ばれている。その姿は東洋のドラゴンに近く、細長い蛇のような体躯に革のような翼を持つ。背中は鉄のように硬い鱗で覆われ、腹部は厚い革のような皮膚で保護されている。体色は赤みがかった錆茶色から鉄灰色まで様々で、腹部は通常、鱗よりも淡い色調である。Cerilian Dragonは大陸最古の住人の一つであり、エルフやドワーフよりも古い存在である。かつては数多く存在したかもしれないが、長年にわたる同族間の争いや若い種族との戦いで数を減らした。現存が確認されているのはわずか6体ほど。生存するドラゴンは全て「Old」以上の年齢[注 12]である。ドラゴンは極めて知性が高く博識で、若い種族が失った多くの伝承を持っている。彼らは独自の言語を話す。エルフ語やドワーフ語を話す者もいる。これらのドラゴンの一部はDeismaarの戦いに参加した。現在、生存が確認され目覚めているドラゴンは、VosgaardのVstaive峰のドラゴン(Vore Lekiniskiyとしても知られる)とKappenkriaucheranのみである。彼らはDrachenward山脈に棲み、その魔法を支配する。最も有名なドラゴンはTarazin the Greyであり、公式キャンペーン開始時点では数十年も姿を見せていない。唯一確認されているドラコリッチは、Shadow Worldに住むKomassaである。『Birthright』におけるドラゴンは希少で強大な存在として描かれており、冒険には滅多に登場しない。

クロマティック・ドラゴン

クロマティック・ドラゴン(色彩竜)は架空のドラゴンの分類であり、通常“悪”属性を持つ。クロマティック・ドラゴンは、様々なD&Dモンスター出版物で重要な役割を果たしてきた。ホワイト、ブラック、グリーン、ブルー、レッドが、古典的なクロマティック・ドラゴンである[54]。ティアマトはクロマティック・ドラゴンの女王であり、メソポタミア神話における全ドラゴンの邪悪な母を基にしている[6]

出版物での歴史

「クロマティック・ドラゴン」という分類は、『AD&D第2版』の『MM』(1993)で使用されたが[25]、このカテゴリーを構成するドラゴンは、『OD&D』「white box」セット(1974)の時点で、すでに印刷物に登場していた[16]。この用語は、第3版、第4版、第5版の『MM』でも、引き続き使用された。

ドイツの雑誌『Envoyer』は、ゲーム内のドラゴンのアート表現が、版を重ねる毎に良い方向に進化し[注 13]、様々な種が色以外にも独自の特徴を持つようになった、と評している[55]

レッド・ドラゴン

レッド・ドラゴン
Red dragon
特徴
属性混沌にして悪
種類ドラゴン
掲載史
初登場Dungeons & Dragons "white box" set (1974)

レッド・ドラゴンは古典的な色彩竜の中で最大かつ最強の存在である。巨大な体躯に広い翼幅を持ち、頭部には二本の反り返った角がある。孵化すると、ワームリングは自力で生き延びねばならない。レッド・ワームリングは孵化直後はほぼヒューマン並みの大きさで、危険な存在である。火を吐く能力を有し[14][56]、動くものならほぼ全てに破壊と混乱をもたらすことを楽しむ。この性質は成体になっても完全に引き継がれる。他の全ての色彩竜を劣った存在と見なし、その軽蔑の度合いは種別の総合的な力に比例する。レッド・ドラゴンが遭遇する他の色彩竜は、機嫌や性格次第で殺されるか、追い払われるか、服従を強要される。ただしホワイト・ドラゴンは例外で、殺す価値もないと見なされるため、立ち去ることが許される。

生息地の選択により、多くの金属竜と遭遇する。中でも最大の敵であるシルヴァー・ドラゴンとは頻繁に対立し、カッパー・ドラゴンに対しては最も強い嫌悪を抱いている。価値を見抜く目を持っており、あらゆる物の金銭的価値を一目で判断できる。宝物の獲得と保持が成体の生活の中心であり、驚くべき速さで膨大な財宝を蓄積する傾向がある。活火山内部を住処とすることを好む。火山が利用できない場合、領土を見渡せる良い岩棚があれば、どんな山にも住む。住処には、地上から高い位置に一つの入り口しかない場合がある。

戦闘においては、非常に危険である。魔法に長け、空中では素早いものの不器用なため、地上での戦闘を好む。彼らは数年にわたって戦略を練り、最適な瞬間を待ってそれを実行する。その炎の爆撃は多くの場合、戦いが始まる前に決着をつける。

レッド・ドラゴンのテンバーシャウドは、1999年刊行の『Drizzt Do'Urden's Guide to the Underdark』に初登場し、2015年の『Out of the Abyss』などの後続モジュールにも再登場した。2023年公開の実写映画ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』にも登場している[57][58]

デイヴィッド・M・イウォルトは、エインシャント[注 14]・レッド・ドラゴンがゲーム内で占める位置について「これほど強力な怪物はほとんど存在しない」と述べた[20]

ブルー・ドラゴン

ブルー・ドラゴン
Blue dragon
特徴
属性秩序にして悪
種類ドラゴン
掲載史
初登場Dungeons & Dragons "white box" set (1974)

ブルー・ドラゴンは、古典的な色彩竜の中で2番目に強力な種である。頭部から一本の大きな角が突き出ており、大きくフリル状の耳を持つ[55]。尾は太くごつごつしており、翼は他の種よりも目立っている。

幻覚を操る天性の才を活かし、「下等な」クリーチャーに対しては露骨な残虐性や殺意よりも、嘲笑や操ることを好む傾向がある。砂漠の旅人を騙して砂を飲ませたり、大きく遠回りさせたりする。主に肉食だが、時折植物も食べる。好物はラクダである。ブラス・ドラゴンとは敵対関係にある。

色彩竜の中では珍しく、比較的秩序ある階層社会を維持している。邪悪な性質にもかかわらず、子供に対しては優れた親であり、卵を放置することは稀である。ブルー・ワームリングは、他のクリーチャーを早くから嘲笑う。食料として砂漠の小動物を狩る。典型的な住処は砂漠の岩層に掘られており、二つの入口を持つ。一つは地表で砂に隠され、もう一つは高い岩棚に面しており、そこに止まって縄張りを監視できる。各住処には水たまりと砂浜のある洞窟もあり、そこで水を飲んだり休息を取る。

空中戦に長けており、空中の敵や地上のクリーチャーに電撃を放つ。巧みに呪文を操り、砂に潜行するのも得意であり、しばしば砂漠の地表すぐ下で獲物を待ち伏せる。潜伏時には、巨大な角が砂漠の尖った岩と見間違えられることがある。

グリーン・ドラゴン

グリーン・ドラゴン
Green dragon
特徴
属性秩序にして悪
種類ドラゴン
掲載史
初登場Dungeons & Dragons "white box" set (1974)

グリーン・ドラゴンは、古典的な色彩竜の中で三番目に強力な種である。鼻先から体長に沿って伸びる、大きく波打つ鶏冠(またはヒレ)を持ち、細長い二股に分かれた舌が特徴。魔法の扱いに極めて長けている。

比較的良き親であり、孵化期間中は通常、両親が卵の近くで待機する。グリーン・ワームリングは鱗がほぼ黒いため、ブラック・ドラゴンと誤認されることがある。成長に伴い鱗の色は次第に薄くなる。通常は、成竜になるまで両親と共に過ごす。

住処は洞窟とトンネルの複合体であり、正面入口は滝の背後に隠されている。崖の高所に位置する洞窟を好む。グリーンとブラックの縄張りは頻繁に重なるが、グリーンの方が強力であるため、通常は優位に立つ。ブラックが沼地に留まる限りは、グリーンは自らの森林に居座ることを許容する場合がある。

戦闘を楽しみ、しばしば理由もなく攻撃を仕掛ける。縄張り意識が強く、領域への侵入を侮辱と見なすこともある。狡猾で二枚舌の敵であり、裏切りを好む。縄張りに迷い込んだ旅人は、賄賂で安全な通行を許されるかもしれないが、承諾したふりをし、油断した瞬間に襲われるかもしれない。攻撃的ではあるが、物理攻撃より魔法を使うことを好む。

ブラック・ドラゴン

ブラック・ドラゴン
Black dragon
特徴
属性混沌にして悪
種類ドラゴン
掲載史
初登場Dungeons & Dragons "white box" set (1974)

ブラック・ドラゴンは、交渉好きという点を除けば、全色彩竜の中で最も気性が荒く残忍である。外見上の特徴は、頭部側面から前方へ長く突き出た角にある[55]。首の上部には大きなフリルがある。

獰猛なハンターであり、通常は水中から襲いかかる。ワニ、リザードフォーク、チュール、ヒュドラ、そして自分より小型で若いグリーン・ドラゴンなども捕食する。敵対関係にあるのはグリーン・ドラゴンとswamp landwyrmである。良き親としては知られていない。ワームリングは極めて残忍で、有機物ならほぼ何でも貪る食欲を持つ。成熟するにつれ、鱗の色は次第に明るくなり、最古の段階ではほぼ紫色に見える。コアミアの「パープル・ドラゴン・ナイト」の名は、かつて現王国に相当する地域を支配した偉大なブラック・ドラゴン「Thauglor」の伝説に由来する。

通常、沼地や濁った池の傍の大きな洞窟や、地下空洞を住処とする。住処には常に二つの入り口があり、一つは隣接する沼地や池を通る水中の入口、もう一つは地上にあり、茂みに隠されている。戦闘においては、正面からの戦いよりも待ち伏せを好む。凶暴で冷酷な敵であり、その酸性の胆汁はどんな鎧の下にも容易に浸透する。樹木が密生した生息地のため、戦闘時に高く飛翔することはできない。

ホワイト・ドラゴン

ホワイト・ドラゴン
White dragon
特徴
属性混沌にして悪
種類ドラゴン
掲載史
初登場Dungeons & Dragons "white box" set (1974)

ホワイト・ドラゴンは、古典的な色彩竜の中で最も弱く、最も凶暴な種である。他の種に比べ劣るものの、それでも大半のヒューマンを圧倒するほどの力と優れた長期記憶を持つ。頭部と首は滑らかに繋がり、翼の縁はほつれている。顎の下には棘に覆われた喉袋があり、流線型の頭頂部には高い鶏冠が立つ。

孵化したばかりのホワイト・ワームリングは透明な鱗を持ち、成長と共に白色へと変化する。孵化後は自力で生き延びるとされるが、一部の親は成竜になるまで巣で子育てを許すこともある。成体は極寒の環境に適応した能力を持つ。氷の崖を軽々と登り、高速で高高度を飛行し、卓越した泳ぎ手である。冷水の中を泳ぐことを好み、食料の大半は水生クリーチャーである。常に飢えており、成長するにつれてより凶暴化する傾向がある。

自らを最も小さく弱い竜種と自覚しているため、劣等感を抱いている個体が多い。巨人や他種の若い竜などを見下し、いかなる機会も逃さず虐げる。山中に掘られた氷の洞窟を住処とする。その巣穴は、他の色彩竜よりも多くのトンネルと部屋で構成されている。他の竜と比べて戦闘能力は高くない。氷のブレスで敵を凍り付かせるが、より強力な竜との戦いは避ける。また並外れた記憶力を持ち、敵対した者をどんなに時間がかかろうと必ず追跡する。

その他クロマティック・ドラゴン

これは色を基にした他のドラゴンの一覧だが、他の色彩竜とは厳密には関係ない。第4版では、gray、brown、パープルのドラゴンが『ドラコノミコン』で発表されたが、grayとパープルのドラゴンは別物だった。ここに列挙されたドラゴンでなく、第3版のfangとdeepドラゴンを基にしている。

名前 特徴 解説
Brown dragon フォーゴトン・レルム設定に登場する猛々しく知性ある竜で、ムルホランドの東にあるRaruin砂漠に生息する。ヒューマンを食料と見なし、餌と会話をすることを奇妙だと考える。翼を持たない代わりに、水かきのある爪で砂漠の砂を掘り進む。体に沿って並ぶ棘の列を繋ぐ膜状のフリルを持つ。
Grey dragon
  • ブレス: 犠牲者の自由を奪い、肉を焼く腐食性の粘液
  • 住処: 荒地、低木地、乾燥した草原、その他平地
  • 属性: “混沌にして悪
Grey dragonは、色彩竜の中で最も貪欲で、金に目がなく、野蛮である。Elderおよびエインシャント級のGrey dragonは、石と特別な親和性を持ち、石のエッセンスを放出し、敵を石化させることができる。エインシャント・Grey dragonの棘は元素共鳴を起こし、主な目標だけでなく、近くのクリーチャーまでも石化させる。
Orange dragon
  • ブレス: 爆発性の化合物
  • 住処: ジャングルの川、湖
  • 属性: “中立にして悪
狡猾な捕食者で、待ち伏せ攻撃を仕掛ける。深い川や湖に潜むことを好む。縄張り意識が強く、支配欲の強い天性の暴君であり、領域内のクリーチャーを支配下に置こうとする。巨大なオレンジ色のワニに似た外見をしている。『ドラゴン』#65で初登場し、レッドとYellowドラゴンの交雑種と説明された。後に同誌#248で再登場し、この時は「Sodium Dragon」の副称が付けられていた。
パープル・ドラゴン 細長い体躯に、深紫から漆黒の鱗を持つドラゴン。自らを全ドラゴンの支配者と称し、太古に滅んだティアマトの妹から生まれたと信じている。ドラゴンの中でも最も知能が高く、無数の手下を集め支配する能力を持つ。エネルギー関連の攻撃による強力な戦闘能力を持つ。『ドラゴン』#65で初登場し、レッドとブルー・ドラゴンの交雑種と説明された。後に同誌#248で再登場し、この時は「Energy Dragon」の副称が付けられていた。
Yellow dragon 孤独で秘密主義のドラゴン。積極的に狩りをするよりも、巧みに仕掛けた罠に獲物がかかるのを、待ち伏せることを好む。全ドラゴンの中で最も機敏で素早い種の一つ。ブレス攻撃は、腐食性化合物を含む水蒸気の爆風である。水を愛し、水遊びを好む。初登場は『ドラゴン』#65で、失われた「原初の」色彩種であり、グリーン・ドラゴンの遠い祖先とされた。後に同誌#248で再登場し、この時は「Salt Dragon」の副称が付けられていた。フォーゴトン・レルムに生息する全く異なる種のyellow dragonについては、ソースブック『FOR1: Draconomicon』に記述がある。

クロマティック・ドラゴンの評価

『Dungeons & Dragons For Dummies』の著者らは、「中レベルモンスターベスト10」において、ヤング・アダルト[注 15]・ブラック・ドラゴンを第1位にランクした[59]。また同書では、「低レベルモンスターベスト10」において、ヤング[注 16]・ホワイト・ドラゴンを第8位にランクしている。著者らは、これをワームリングより上位に選出したことについて、「キャラクターが少なくともヒューマンと同等、あるいはそれ以上の大きさのドラゴンと戦う方が、より満足感を得られる。ヤング・ホワイト・ドラゴンは、こうした戦いを実現するのに最適である」と述べた[59]。アーロン・ダントらは、レッド・ドラゴンを「致命的存在」であり、RPGにおける「最も恐ろしく古典的なモンスターの一つ」と呼んだ[60]

メタリック・ドラゴン

メタリック・ドラゴン(金属竜)は、『D&D』に登場するドラゴンの分類の一つである。多くのキャンペーン設定において、金属竜は“善”属性を持つ[61]。バハムートは“善”なるドラゴンと金属竜の神であり、現時点で唯一確認されているプラチナ・ドラゴンである。金属竜は様々なD&Dモンスター出版物で重要な役割を果たしてきた。ゲームの歴史の大部分において、ブラス、カッパー、ブロンズ、シルヴァー、ゴールドの5種が、色彩竜の5種とほぼ対応する形で紹介されてきた。第4版の『モンスター・マニュアルII』では、ブラスとブロンズがironとadamantine dragonに置き換えられ[62]、後者の竜種は後発の書籍で、cobalt、mercury、mithral、orium、スチール・ドラゴンと共に発表された。

出版物での歴史

「メタリック・ドラゴン」という分類は、『AD&D第2版』の『MM』(1993)で使用された[25]。ただし、ゴールド・ドラゴンは『OD&D』「white box」セット(1974)に初登場しており[63]、このカテゴリーを構成する他のドラゴンは、AD&D第1版『MM』(1977)以来登場していた[21]。この用語は第3版、第4版、第5版の『MM』でも、引き続き使用された。

ブラス・ドラゴン

ブラス・ドラゴン
Brass dragon
特徴
属性混沌にして善
種類ドラゴン
掲載史
初登場Greyhawk (1975)

他の多くの竜種に比べると弱いが、ブラス・ドラゴンは依然あらゆる尺度で強力なクリーチャーである。彼らは傭兵気質が強く、十分な報酬を支払う者であれば、誰にでも守護者やチャンピオンとして戦うことを快諾する。古代においては、物質界全体において最も優秀、かつ最も進んで助言を与える存在の一つである。

その姿はかなり特徴的である。翼は尾の先端まで体につながり、肩で最も広く、尾に向かって緩やかに細くなり、下から見ると広げた翼が三角形に見える。その鱗は熱と光を放っているように見える。頭部の形状もかなり独特で、両目の周囲から頬にかけて伸びる大きく湾曲した板が、の刃のように両端を尖らせて上方に反り返っている。顎には二本の鋭い角が生えており、年を重ねるにつれ次第に尖っていく。熱した油を塗った金属のような匂いがする。ブラス・ワームリングは、おそらく他の知性ある種族の幼体よりも早く言葉を覚える。成長するにつれ、言葉への愛に火への愛を加える。極めて致命的なブレスを持つが、他のドラゴンより脆い。そのため、遊牧民のドラゴンボーン部族など、知性あるクリーチャーの小集団と同盟を結ぶ。

砂漠の峰や尖塔の内部に巣穴を掘ることを好む。また、巣穴は東向きに配置されることが多く、昇る太陽が一日中巣穴を温めるようにしている。巣穴は精巧に構築され、非常に広大で、敵対的な侵入者を混乱させ追い返すための曲がりくねった通路や行き止まり、逃げ道が数多く設けられている。住処の中心となるのは「大談話室」であり、ここで大半の時間を友や訪問客をもてなすことに費やす。

ブラス・ドラゴンは、ゲームを批判する者たちに「最悪のドラゴン」など、誤った情報を広められたことがある[64]

ブロンズ・ドラゴン

ブロンズ・ドラゴン
Bronze dragon
特徴
属性秩序にして善
種類ドラゴン
掲載史
初登場Greyhawk (1975)

ブロンズ・ドラゴンは秩序に身を捧げ、その理想の最も偉大で最も敬虔な擁護者である。義務に縛られ、名誉を重んじるあまり、 それらが欠点ともなる。秩序の誓いを立てた僕として、傲慢で高慢な印象も与え、自己過大評価の傾向があり、出会う者たちと対立することもある。海岸線、入り江、島々を自らの縄張りとし、海に面した海岸洞窟に住処を構える。全ての者がブルー・ドラゴンに対し深い憎悪を共有しており、この侵入者から住処を守るため警戒を怠らない。

温厚な性格にもかかわらず、非常に獰猛な外見をしている。体の大部分は反射する銅色だが、翼の先端はしばしば緑色を帯びている。目は緑色の虹彩から始まり、年を重ねるにつれ徐々に虹彩がわからない完全な緑色へと変化する。頬の両側から尾の方向へ伸びる三本の大きな角が特徴で、さらに数本の小さな角も生えている。これらの先端は黒く鋭利で、身繕いに用いられることが多い。舌は紫がかった灰色で長く尖っており、二股には分かれていない。首の上部には大きなフリル状の突起が走っている。

一生を共に過ごす伴侶を選び、乾燥した洞窟に卵を産む。孵化した後は親によって育てられ、教えられ、守られる。生まれたばかりのブロンズ・ワームリングは緑がかった黄色をしており、成長するにつれて鱗は次第に青銅色へと変化する。孵化した瞬間から強い責任感を備えている。卓越した泳ぎの能力を持つため、巣穴の入口は当然のように水中にあり、海藻や珊瑚で偽装されていることが多い。しかし巣穴の大部分は水面上に位置し、複数のトンネルと巨大な部屋から構成され、中には海抜千フィート(約300m)に達するものもある。

戦闘、特に悪を倒す戦いに強い関心を示すが、絶対に必要でない限りクリーチャーを殺すことに対して、道徳的に強い躊躇いを持つ。彼らはしばしば“善”属性の軍に加わり、ヒューマンの姿か自らの姿で悪の勢力と戦う。

カッパー・ドラゴン

カッパー・ドラゴン
Copper Dragon
特徴
属性混沌にして善
種類ドラゴン
掲載史
初登場Greyhawk (1975)

カッパー・ドラゴンは、金属竜の中で2番目に弱い種である。生まれながらの、冗談好きのトリックスター。

外見は非常に印象的で、青みがかった温かい銅色の鱗を持つ。ブラス同様、翼は尾の先まで体と繋がっている。しかし大きく湾曲しており、真下から見るとブラスのような三角形でなく「V字形」に見える。強力な跳躍力と登攀力を持ち、逞しい大腿部と肩の筋肉を持つ。頭頂部から後方へ伸びる二本の角は広く平坦である。また両顎から突出した特徴的なフリルを持つ。口を閉じると歯は完全に隠れる。

孵化したばかりの鱗は泥のような茶色をしており、成長するにつれて次第に輝く銅色へと変化する。成体は非常に社交的で、主に互いに悪戯を仕掛け合うことを好む。典型的な住処は洞窟であり、その入口は岩や丸石で隠されている。内部に入ると、訪問者は巨大な迷路状トンネルに迷い込むことになる。彼らは、誰が最も複雑な迷路を作れるか競い合っている。

戦闘においては回避を好む。正面から戦うよりも、相手を挑発し、辱め、からかい続け、最終的に相手が諦めて逃げ出すのを待つ。敵の動きを劇的に遅らせる能力により、逃走する十分な時間を確保できる。しかし、追い詰められた場合は最後まで戦い抜き、そして驚くほど狡猾な敵となる。

ゴールド・ドラゴン

ゴールド・ドラゴン
Gold dragon
特徴
属性秩序にして善
種類ドラゴン
掲載史
初登場Greyhawk (1975)

ゴールド・ドラゴンは、中国神話に由来するを基にしている[6]。ゲーム内では金属竜の中で最強(一部のヴァージョンでは全ての竜の中で最強)であり、悪を倒すことに最も熱心である。生涯の大半をヒューマンの姿で過ごし、悪を探し出し、その卓越した能力を駆使して悪者を罰する。また貪欲な学習者であり、自らの知識と経験を惜しみなく共有する。

頬から横に先端が茶褐色の数本の大きな角を持ち、頭部に沿って後方に2本の非常に目立つ角が突き出ている。最も顕著な特徴は、おそらく顎の上下から生えている触手のようなひげで、頬髭や顎髭のようも見える。翼は、ブラスやカッパーと同様に、尾の先端まで体につながっている。下から見ると、全体的な形状はブラスに似ているが、体色や圧倒的サイズ差により、容易に区別できる。飛行中には翼は波打ち、飛んでいるというより泳いでいるように見える。孵化したばかりのゴールド・ワームリングは、角やひげがないことを除けば、成体と似ている。

住処を作るには、膨大な時間とエネルギーを費やす。住処の間取りは、地下に埋まっているとはいえ、ヒューマンの豪邸によく似ている。多くのドラゴンとは異なり、種全体を包括する非常に堅固で階層的な社会構造を持っている。

戦うよりも話し合いを好む。強力な敵ではあるが、殺生を好まないため、不必要な戦闘は避ける傾向にある。

シルヴァー・ドラゴン

シルヴァー・ドラゴン
Silver Dragon
特徴
属性秩序にして善
種類ドラゴン
掲載史
初登場Greyhawk (1975)

シルヴァー・ドラゴンは、金属竜の中で2番目に強く、あらゆる者にとっても真の友である。シルバードラゴンはヒューマンやエルフとの交流を非常に好み、ヒューマンやエルフの姿をとって、生涯の多くを彼らと共に過ごすのも珍しくない。

一見すると、ホワイト・ドラゴンと非常によく似ている。ただし、翼はより湾曲しており、ほとんどのドラゴンが翼に1本の爪を持つのに対し、2本の爪を持っている。頭頂部から始まり、首、体、そして尾の先端まで流れるような美しいフリルを持っている。フリルは体の近くは銀色、端に逝くほど紫に近づく。頭の上部から後方に、先端の黒い2本の長く滑らかな銀色の角が伸びている。また、顎の下には目立つ鋭いフリルがあり、ヤギのひげのような外見をしている。非常に稀で捉え難く、親切な年配のヒューマノイドや、非常に幼いヒューマノイドの姿を好んでとる。

ほとんどの者は「氏族(clans)」と呼ばれる緩やかな組織を形成し、家族として共に暮らすことを選んだドラゴン達により構成されている。氏族は、知的で優しく、好奇心旺盛で愛らしいワームリング達を守り育てる共同責任を担っている。氏族の長老がリーダーを務めることもあるが、真のリーダーは存在しない。しかし、多くの者は長期間氏族を離れ、ドラゴン以外の種族と共に暮らすようになる。ゴールドやブロンズとは異なり、世界に正義をもたらすため行動することは通常無い。彼らは悪を探すよりも、愛すべきヒューマノイドを守ることに関心を持つ。

他の金属竜と同様に戦闘を好まず、殺生を嫌う。しかし、戦闘を強いられると、他のドラゴンと同様危険になる。主に敵対するのはレッド・ドラゴンである。なぜなら、これらの色彩竜はほぼ例外なく邪悪で、破壊の才能に恵まれているからである。さらに、この両者は住処として同じ山岳地帯を好むため、互いの考え方や信条が食い違うだけでなく、縄張り争いも起こる。住処は通常、氷に覆われた山の中にあり、正面入口へは空からしか到達できない。

レアタイプ

名前 解説
Adamantine dragon Adamantine dragonは、雷鳴のパワーが加わった近接攻撃を操る戦術家である。あらゆる場所に見られるが、巨大な洞窟を住処にすることを好む。

戦術的には、素早く倒せる単一目標に正面攻撃を仕掛けることを好む。仲間と行動を共にする時は、自らが敵の攻撃を躊躇せず受け止める。単独で戦う時は、まず弱い敵を孤立させ、素早く仕留めることを考える。

Cobalt dragon ミッドナイト・ブルーを帯びたドラゴン。ほとんど感知できないほどのエネルギーのブレスを放つ。これらのドラゴンは、chromium dragonと同様に気性が荒かったが、iron dragonとその主には従った。
Mercury dragon Mercury dragonは、ドラゴンとしては比較的小型で素早く、長い尾を持つ。非常に気まぐれで、頻繁に決断を下したり変更したりする。生まれたばかりの鱗は鈍い銀色だが、成長するにつれて輝きを増し、成体になると鏡のような光沢を帯びるようになる。

高温の黄色い光線を直線状に放つ、1種類だけのブレス攻撃を持つ。しかし成体になると、光を反射してまばゆい閃光を敵に放つ、二次的な攻撃が可能となる。戦闘においては予測不能だが、挑発されない限り“善”属性のクリーチャーを攻撃することはない。戦闘では常に呪文を使用し、新しい独創的な使い方を模索している。

Mithral dragon Mithral dragonは、ドラゴンの中でも最も希少かつ強力な存在である。彼らは、自らがイオの最後のヴィジョンを追う者と自称している。神々や天使と共にアストラル海で暮らすことを選んだにもかかわらず、彼らは定命のクリーチャーと接触する計画や陰謀を企てている。いかなる犠牲を払ってでも自らの計画を推し進めようとし、それを阻止しようとする下等なクリーチャーには災いが降りかかる。彼らは異なる時間や空間のヴィジョンを見る。アストラル海の住人である彼らは不老不死であり、戦闘で殺されない限り死ぬことはない。
Orium dragon Orium dragonは、過去の文明の廃墟があるジャングルや熱帯雨林に棲息している。彼らは下等な存在に命令を下し、過去の栄光を再建し、滅びた帝国の忘れ去られた魔法を手に入れようとする。その庇護下にある者には、懸命だが厳しい君主のように振る舞う。ドラゴンとその帝国再建の夢を脅かす者は、その腐食性のブレスで窒息させられる。このブレスは、煙のような蛇の姿となって固まり、ドラゴンの命令に従って攻撃を仕掛ける。
スチール・ドラゴン スチール・ドラゴンの体はどこか猫科動物を思わせるが、顔はヒューマンのような雰囲気もある。頭には髪の毛や髭を思わせる棘があり、鱗は磨かれた鋼鉄のように輝く。

ヒューマンの姿を好んでおり、本来の姿で現れることは稀である。日常的に特殊能力を用いてヒューマン社会に潜入し、賢者、学者、魔道士などの知識人に変装する。文明化された種族の芸術、文化、歴史、政治への飽くなき好奇心を持ち、ヒューマンやそれに類する種族と共に暮らしている。彼らは交わる者には本性を隠しているが、同種同士は互いに見分けることができる。

孵化時の鱗は、鋼鉄のような輝きを放つ深い青灰色をしている。成体へと成長するにつれ、その色は明るく光沢のある、磨かれた鋼鉄のような輝きを増していく。ヒューマンの姿になった時は、髪、目、爪などに、必ず鋼灰色の特徴を一つ持つ。稀に、指輪、タトゥー、その他の装飾品がその特徴となることもある。本来の姿の時は、濡れた鋼鉄のような匂いを放つ。

ヒューマンの姿を好むため、洞窟に住むことは滅多にない。代わりに、大邸宅や城といったヒューマンの住居を選ぶ。住居は必ず豪華である必要はないが、ドラゴンの宝物を全て保管できる宝物庫を置けるだけの広さは必要。食事もヒューマンの姿でとることを好むが、本来の体重を維持するためには、ヒューマンより遥かに多くの食事を必要とするため、月に一度はドラゴンの姿で狩りに出かける。こうした不在は、「別の都市の図書館で記録を調べている」などのように、潜入した社会における彼らの立場に合わせて説明される。

宝石、高価なコイン、中型クリーチャーが使用できる魔法のアイテムなど、人型形態で持ち運べる宝物を好む。彼らは都市の日常生活を乱したり、自然の狩猟場を荒らすクリーチャーを嫌悪する。都市内では、トラブルメーカーへの対処は地方当局に頼ることが多いが、頼れない場合は、自ら裁きを執行する能力も十分に備えている。荒野では、より迅速な裁きを好む傾向がある。

ジェム・ドラゴン

ジェム・ドラゴン(宝石竜)は、「色や金属でなく宝石の種類」に基づくドラゴンの分類である[27]。宝石竜は、一般に善悪に関して“中立”属性を持つが、中には極めて利己的で、仲間としては恐ろしい者もいる。宝石竜には、アメジスト、クリスタル、エメラルド、サファイア、トパーズが含まれる[65]。サルディオールは、宝石竜の神である。オブシディアン・ドラゴンも厳密には宝石竜であるが、サルディオールや他のほとんどの宝石竜とは敵対関係にある。

出版物での歴史

宝石竜(アメジスト、クリスタル、エメラルド、サファイア、トパーズ)とルビー・ドラゴンのサルディオールは、『ドラゴン』#37(1980年5月)の初版に初登場した[66]

宝石竜は、AD&D第2版『Monstrous Compendium Fiend Folio Appendix』(1992)[67]と『Monstrous Manual』(1993)[68]に登場した。彼らは『Council of Wyrms』セット(1994)[69]と書籍『Campaign Option: Council of Wyrms』(1999)[70]に、プレイヤー・キャラクター種族として登場した。

宝石竜は、第3版『モンスターマニュアル II』(2002)に登場した[27][71]

第5版の、Extra Lifeの資金調達のチャリティー・サプリメントで、宝石竜の歴史とサファイア・ドラゴンのデータ・ブロックが紹介された[65][72]。宝石竜(アメジスト、クリスタル、エメラルド、サファイア、トパーズ)の詳細は、サプリメント『フィズバンと竜の宝物庫』(2021)に登場した[30]SyFy Wireは、「ジェム・ドラゴンには、あまり一般的ではない[光輝]、[死霊]、[雷鳴]、[精神]、[力場]のダメージ種別を使用する、新しい能力とブレス攻撃がある。『フィズバン~』には、基本『MM』のドラゴンと同じように、様々な年齢と脅威度の宝石竜のデータ・ブロックが含まれている」と強調した[30]

アメジスト・ドラゴン

アメジスト・ドラゴン
Amethyst dragon
特徴
属性真なる中立
種類ドラゴン
掲載史
初登場Dragon #37 (1980年5月)[66]

“中立”の宝石竜の中で最も強力なアメジスト・ドラゴンは、高貴で威厳に満ちたクリーチャーである。生まれたばかりの頃はラヴェンダーの肌に、きめ細やかで半透明の紫色の鱗を持つ。成長するにつれて鱗は濃くなり、最終的には輝くラヴェンダー色になる。彼らは超然とした態度で生に臨み、“善”と“悪”、“秩序”と“混沌”といった対立には無関心である。せいぜい、取るに足らない視点をめぐる、些細な口論としか考えず、時間をかけ考慮するに値しないと考える。これらの威厳あるドラゴンは、自らを宝石竜のリーダーと考え、下位の宝石竜のほとんども、日常生活やCouncil Aerieにおいて、この指導に甘んじている。

大量の魚と宝石を食する。彼らは身の回りの世話をさせる家臣を抱えているが、他のドラゴン・ロードほど多くの制約や要求を課すことはない。彼らの多くは隠遁と秘密のために、少なくとも一つの隠された水中洞窟を持っている。彼らは近縁種のシルヴァーとカッパーを愚か者と見なし、レッドとホワイトを明確に嫌うが、いかなる者も真の敵とは考えない。彼らは戦闘よりも、議論と交渉を通して解決に導くことを好むが、必要であれば戦うことも辞さない。

クリスタル・ドラゴン

クリスタル・ドラゴン
Crystal dragon
特徴
属性混沌にして中立
種類ドラゴン
掲載史
初登場Dragon #37 (1980年5月)[66]

クリスタル・ドラゴンは、自らを取り巻く世界について学ぶことに多くの時間を費やす。彼らは何よりも友情を重んじ、宝物も価値あるものというよりは、感傷的なものを好む。善意を持って訪れる訪問者を歓迎する。他の慈悲深いドラゴンと同様に、戦うよりも会話を好む。孵化したばかりの幼体は光沢のある白い鱗を持ち、成長するにつれて透明度が増していく。成体になると、この鱗は月光の下で光り輝くようになる。真昼の陽光の下では、直視できぬほどの眩い輝きを放つ。

遊び好きでいたずら好きなため、無責任な支配者になる傾向がある。彼らは寒冷で開けた北方の地に領土を築き、雪と氷で城を築く。澄み切った寒い夜に星を眺めるのを好むため、城は空に向けて開け放たれている。ホワイト・ドラゴンの氏族はクリスタル・ドラゴンを単なる獲物と見なしているため、両者はほぼ常に衝突している。しかし、クリスタル・ドラゴンがホワイト・ドラゴンの幼生を養子にすることも知られている。

エメラルド・ドラゴン

エメラルド・ドラゴン
Emerald dragon
特徴
属性混沌にして中立
種類ドラゴン
掲載史
初登場Dragon #37 (1980年5月)[66]

エメラルド・ドラゴンは、熱帯の島々に生息している。彼らは好奇心旺盛で、歴史、伝承、慣習を守り続けている。非常に内向的で、他者が自分の宝物や縄張りを狙っているのではないかと疑念を抱いている。孵化したばかりの幼体は半透明の緑色の鱗を持ち、成長するにつれて硬くなり、様々な緑色に変化する。これらの鱗は光の中で煌めき、皮膚が常に動いているように見える。

氏族全体がプライバシーを強く求め、ドラゴン・ロードとその子孫が住処の場所を自ら決定するほどである。主要な住処には、訪問者やその他の脅威をドラゴンに警告するための罠や警報装置が仕掛けられている。侵入者を静かに観察することを好み、隠れ場所から姿を現すことは滅多にない。戦闘を強いられた場合は待ち伏せ攻撃を好み、隠密行動と奇襲攻撃で敵を素早く無力化する。脅威が大きすぎると判断すると、躊躇なく撤退する。しかし、復讐を企てることもあり、必要とあれば何世紀にもわたって続く。

食べるものに対して、躊躇いを感じることはない。トカゲやジャイアントを好むが、いざとなれば何でも食べる。他のドラゴン種の中では、サファイア・ドラゴンと最も仲が良く、しばしば並行する領域(エメラルドが地上、サファイアが地下)を支配している。レッド・ドラゴンの有名な強欲さを恐れている。信頼できるパートナーから得られる安心感と保護を好み、長期間にわたって一体のパートナーと連れ添う。

サファイア・ドラゴン

サファイア・ドラゴン
Sapphire dragon
特徴
属性秩序にして中立
種類ドラゴン
掲載史
初登場Dragon #37 (1980年5月)[66]

サファイア・ドラゴンは地下の領域を好む。彼らの領域の、地上の大部分はエメラルド・ドラゴンが支配するが、地上のわずかな部分と、熱帯ジャングルの地下に広がる広大な洞窟も、自らの領域としている。ドラゴンの中で、おそらく最も軍国主義的である。彼らは外部からの侵入者から自らの領域を熱心に守り、境界線に近づく者にも警戒する。彼らの関心の大部分は地下にあるため、彼らが現在使用している洞窟を奪おうとしない限り、他のドラゴンと衝突することは滅多にない。熱帯の地下を巡って彼らと争うのはブラック・ドラゴンだけだが、彼らでさえサファイアの軍勢と直接衝突することには慎重になる。

生まれた時から美しく、鱗の色は淡い青から濃い青まで様々で、光の中で煌めく。その体色から、ブルー・ドラゴンと間違われることもある。主な獲物はジャイアント・スパイダーで、この珍味を求めてトンネル内で大規模な狩りが行われる。軍国主義的で好戦的な一方、すぐに攻撃を仕掛けるわけではない。侵入者(全ての訪問者)を観察し、対処法を計画することを好む。彼ら自身やその宝物が脅かされると、ブレス、呪文、物理攻撃で即座に攻撃する。より強力な敵に直面した場合は、サイオニックや特殊能力を使って逃走する。長期間単一の伴侶と連れ添うが、彼らが伴侶を得る理由は、何より自分の名声と地位を高めるための側面が強い。

トパーズ・ドラゴン

トパーズ・ドラゴン
Topaz dragon
特徴
属性混沌にして中立
種類ドラゴン
掲載史
初登場Dragon #37 (1980年5月)[66]

トパーズ・ドラゴンは温帯の島々の沿岸部に生息し、水面下に住処を造るが、そこは水に濡れないようになっている。排他的で利己的なこのドラゴンは通常、島の他の住民とほとんど関わり合いを持とうとしない。多くの場合、仲間を求めることも、歓迎することもない。

孵化したばかりの頃は、鈍い黄橙色をしている。成長するにつれて鱗は硬くなり、半透明でファセット(切子)状になる。成体になると、太陽の光を浴びて輝くようになる。鱗に潮風や波しぶきが当たるのを好むが、水は特に好きではない。泳ぐのは楽しみのためではなく、あくまで狩りや攻撃、巣穴への移動のためである。魚やその他海洋生物、特に珊瑚海に生息する美味なダイオウイカを好んで食べる。

自分達が特に興味を引いたり、影響を受けない限り、他のドラゴンたちが抱える問題や懸念には無関心な傾向がある。悪意はないが、決して良い対話相手ではなく、付き合いやすいわけでもない。どう見られるかほとんど気にしない上、混乱を招くような突飛な行動を見せる。彼らは訪問者を嫌うが、できる限り戦闘を避けようとする。戦闘が避けられない場合は、策略や約束で敵の注意を逸らした上で、牙や爪で攻撃する。彼らはブロンズ・ドラゴンを嫌う。他のドラゴンの友情を受け入れるには時間がかかるが、一旦受け入れれば生涯の友となる。他のドラゴンが、表面上の壁やぶっきらぼうさを乗り越えると、彼らの中に忠実な仲間と守護者を見出すことができる。

オブシディアン・ドラゴン

オブシディアン・ドラゴン
Obsidian dragon
特徴
属性真なる中立
種類ドラゴン
掲載史
初登場Dragon

オブシディアン・ドラゴンは、宝石竜の中で最も知能が高い一方で、最も獰猛でもある。非常に傲慢で怒りっぽく、獲物を弄んでから仕留めるのを好む。滑らかな黒い皮膚を持ち、関節部分はカミソリのように鋭い。孵化したばかりの頃は、鱗は灰色でざらざらとしており、はっきりとしている。成長するにつれて、鱗は黒ずみ、滑らかになり、互いに溶け合うようになる。

ほとんどの者は、火山の周囲や、火の元素界にある石炭の山に住処を作ることを好む。しかし、ほとんどのグレート・ワームは、創造の力を用いて独自の擬似次元界を創造する[73]

ジェム・ドラゴンの評価

マーク・トイラーは2002年に『Fictional Reality』のレビューで、ジェム・ドラゴンは「興味深いブレス攻撃を持っている」と述べた[27]

ジェニファー・メルツァーは、 2021年に『フィズバンと竜の宝物庫』の出版に先立ち、 Comic Book Resourcesで「ジェム・ドラゴンの最もユニークな特徴の一つは、宝石のような結晶状の鱗だ。また、サイオニック能力を持つ傾向があり、テレパシー、サイコキネシス、クレアセンティエンスといった、超能力的な性質を持つ魔法能力の達人である」とコメントしている[72]。彼女は、これらのドラゴンの気質は様々で、「中には知的な生き物との会話を楽しむ(あるいは切望する)ドラゴンもいるが、孤独を好む傾向があり、世界とその問題から距離を置き、世界が自分たちから距離を置いてくれることを期待している」と述べている[72]。メルツァーはまた、第3版では「オブシディアン・ドラゴンはジェム・ドラゴンの中で最も知的で危険な存在だった」と強調している[72]

CBRのブルック・トーマスは、『フィズバンと竜の宝物庫』に収録されているドラゴンのランキングで、ジェム・ドラゴンを第2位に挙げている。トーマスは、ジェム・ドラゴンは脅威度の高いドラゴンとは異なり、「平均的なキャンペーンでは対戦相手として適している」と述べている[31]。トーマスはジェム・ドラゴンを「その汎用性、有用性、そして世界構築への貢献」から「エキサイティング」だと評価している[31]

その他ドラゴン

ほとんどの解説では、トゥルー・ドラゴンはクロマティック・ドラゴンとメタリック・ドラゴンの2つのファミリーのみで構成されているとされている。しかし、トゥルー・ドラゴンにはさらに多くのファミリーが存在し、特定のカテゴリーに属さない種も存在する。

名前 解説
Catastrophic dragon Catastrophic dragonは、典型的には“中立”属性である。Avalanche Dragon、Blizzard Dragon、Earthquake dragon、Tornado Dragon、Typhoon Dragon、Volcanic Dragon、Wildfire Dragonなどである。Catastrophic dragonは他のドラゴンの神々ではなく、プライモーディアルに忠誠を誓う。イオの敗北後、プライモーディアルに寝返ったドラゴンの一団がいた。プライモーディアルはこれらのドラゴンを、元素の混沌を宿した存在へと変容させた。メタリック・ドラゴンとクロマティック・ドラゴンはCatastrophic dragonを異形と見なす[74]
Lung dragon Lung dragonは、元々Oriental dragonとして知られており、全て善悪に関して“中立”属性を持つ。翼を持たないクリーチャーで、生来の魔法によって飛行する。Lung dragonは、特定の種に関わらず、あらゆる体色を持つ[75]。これらのドラゴンは中国神話に由来する[6]

Oriental dragonは、AD&D第1版『Fiend Folio』(1981)で初登場した。これにはli lung (earth dragon)、lung wang (sea dragon)、pan lung (coiled dragon)、shen lung (spirit dragon)、t'ien lung (celestial dragon)、yu lung (carp dragon)などが含まれていた[75]。AD&D第1版『Oriental Adventures』では、さらにchiang lung (river dragon)とtun mi lung (typhoon dragon)が追加された。Lung dragonは後に、『Monstrous Compendium Forgotten Realms Appendix』(1989)にも登場した[76]

これらのクリーチャーは、第3版『Oriental Adventures』(2001)に「lung dragon」の見出しで登場した[77]

Ferrous dragon Ferrous dragonは、典型的には“秩序”属性を持つ。Iron Dragon、Nickel Dragon、Tungsten Dragon、Cobalt Dragon、Chromium Dragonであり、これらは雑誌『ドラゴン』で登場した。全てのFerrous Dragonは通常の金属を感知することができ、“秩序”属性を持つ彼らには厳格な序列があり、上位のドラゴンが下位のドラゴンに法を指示する。序列は最上位から順に、Iron、chromium、Cobalt、Tungsten、Nickelとなっている。GruaghlothorがFerrous Dragonの最高支配者である。
Chromium Dragon 『ドラゴン』#356に登場。

シルヴァー、スチール、mithrilのドラゴンとは形容しがたい、鈍く輝く銀色のドラゴンとして言及された。これらのドラゴンは、凍てつく氷晶を放つブレス攻撃を持っていた。これらの“秩序にして悪”のドラゴンは、特に悪意に満ちた性質を持っているようである。

Cobalt Dragon 『ドラゴン』#356に登場。

ミッドナイト・ブルーを帯びたドラゴンは、かすかに知覚できるほどのエネルギーのブレスを放つことができた。これらの“秩序にして悪”のドラゴンは、Chromiumと同様に気性が荒いものの、ironとその支配者に従属していた。

Iron Dragon 『ドラゴン』#356に登場。

鉄鉱石を産出する丘陵や山岳に生息する“秩序にして中立”のドラゴン。これらのドラゴンは、過熱した火花([火]と[電撃]ダメージ)と円錐状の睡眠ガスによるブレス攻撃を持つ。

Nickel Dragon 『ドラゴン』#356に登場。

この“秩序にして悪”のドラゴンは、灰色と白の金属の鱗を持ち、腐食性のガスを武器として吐き出すことができた。

Tungsten Dragon 『ドラゴン』#356に登場。

概して慈悲深い種族であるFerrous Dragonの一種。そのブレスは高温の砂と[殴打]の砂で構成されており、特にクロマティック・ドラゴンや、その他の強大な悪と戦うことを得意としているようだった。鈍い緑と灰色が混ざった金属的な鱗を持つ。

プレイナー・ドラゴン 外方次元界にはプレイナー・ドラゴンが生息しており[47]:170、以下のような種類が存在する。
  • Shadow Material Planeに生息するシャドウ・ドラゴン。『fr:Backstab』のレビュアー、フィリップ・テシエは、コンピュータゲームBaldur's Gate II』に登場するシャドウ・ドラゴンの戦闘力について、「正面から攻撃すれば、10秒もかからず殲滅できる」と評した[78]R・A・サルヴァトーレの小説『Icewind Dale Trilogy』の2作目『Streams of Silver』では、シマーグルームと呼ばれる別のシャドウ・ドラゴンが、ドゥエルガルの一族の支配者として登場する[79]
  • 対なす理想郷バイトピアに住むAdamantite dragon。
  • 気高き緑の大地アルボレアに住むArboreal dragon。
  • アストラル界に住むAstral dragon、ectoplasmic dragon、kodragon。
  • 機械仕掛けの涅槃境メカヌスに住むAxial dragon。
  • 英雄界イスガルドに住むバトル・ドラゴン[47]:180
  • 百獣の原野ビーストランズに住むBeast dragon。
  • 無常なる混沌の忘却界リンボに住むケイオス・ドラゴン[47]:173
  • 無限の階層なす奈落界アビスに住むChole dragon。
  • アウトランズに住むConcordant dragon。
  • 祝福の野エリュシオンに住むElysian dragon。
  • エーテル界に住むイセリアル・ドラゴン[47]:170
  • 灰色の荒野ハデスに住むGloom dragon。
  • 風吹きすさぶ魔窟パンデモニウムに住むハウリング・ドラゴン[47]:179
  • 上方次元界に住むオケアノス・ドラゴン[47]:172
  • 永遠に荒涼たる苦界ゲヘナに住むパイロクラスティック・ドラゴン[47]:177
  • 七つの層なす天界山セレスティアに住むレイディアント・ドラゴン[47]:183
  • 永遠の戦場アケロンに住むラスト・ドラゴン[47]:181
  • 下方次元界に住むステュクス・ドラゴン[47]:174
  • 深き暗闇の幽閉界カルケリに住むタルタリアン・ドラゴン[47]:176
  • 九層地獄バートルに住むHellfire Wyrm。

下級の竜

下級の竜[47]:278は、トゥルー・ドラゴン(真竜)ではない全てのドラゴンで構成され、様々なクリーチャーが含まれる。

名前 解説
ドレイク ドレイクは、下級の竜の大きなファミリーである。彼らは、遥かに巨大な真竜の小型版のような姿をしており、真竜の護衛として行動することがある。ほとんどのドレイクは動物並みの知能しか持たず、話すことはできないが、ブレス攻撃を持ち、危険な敵となり得る。ドレイクは従わせることができ、中には空飛ぶ乗騎や荷役獣として使う者もいる。
エレメンタル・ドレイク エレメンタル・ドレイクは、ワイヴァーンの遠縁にあたる種族である[47]:144。元素界に起源を持ち、ジャーンの乗騎として用いられることもある[47]:144。ワイヴァーンとは異なり、知性を持っている。
  • エア・ドレイク - 風の能力に長け、目つぶしの砂嵐を操る“混沌にして中立”のドレイク[47]:147
  • アース・ドレイク - 地の能力に長け、微震を起こす“秩序にして中立”のドレイク[47]:145
  • ファイアー・ドレイク - 高熱で攻撃する“中立にして悪”のドレイク[47]:149
  • アイス・ドレイク - 凍りつく攻撃を行う“混沌にして悪”のドレイク[47]:145
  • マグマ・ドレイク - 組み付いた相手を燃やす“秩序にして悪”のドレイク[47]:149
  • ウーズ・ドレイク - [酸]攻撃を行う“秩序にして悪”のドレイク[47]:146
  • スモーク・ドレイク - 煙のブレス攻撃を行う“混沌にして悪”のドレイク[47]:148
  • ウォーター・ドレイク - 水の能力に長け、触れるだけで火を消す“真なる中立”のドレイク[47]:147
ドラゴネット ドラゴネットとは、小型の下級の竜全般を指す一般的な用語であり、厳密に言えばドレイクも含まれる[80]
  • フェアリー・ドラゴン - いたずら気があり、フェイに属するクリーチャーと連携していることも多い[47]:169
  • スードゥドラゴン - 魔道士の使い魔として典型的な、ドラゴンに似た超小型クリーチャー。テレパシーで意思疎通でき、毒のある針を持つ尻尾が主な武器[81]
  • スパイアトップ・ドラゴン - カモメのような習性を持つ超小型のドラゴン。塔の最上部に営巣する[82]
ランドワーム ランドワーム(陸竜)は、主に“悪”属性を持つ下級の竜の一族。狡猾で話すことができるが、翼が無く飛ぶことはできない[47]:185
  • アンダーダーク・ランドワーム - “秩序にして悪”の陸竜で、洞窟竜とも呼ばれ、邪悪な企みを巡らせる存在である[47]:185
  • ジャングル・ランドワーム - “中立にして悪”の陸竜で、憎悪の感情しか持ち合わせておらず、完全に性根がねじ曲がっていると言われている[47]:186
  • スワンプ・ランドワーム - “混沌にして悪”陸竜で、欲を最優先する狡猾な存在であり、獲物を可能な限り苦しめてから殺すのを好む[47]:187
  • ツンドラ・ランドワーム - “真なる中立”の陸竜で、凍った地面に穴を掘って潜み、獲物を待ち伏せする[47]:188
  • デザート・ランドワーム - “中立にして悪”の陸竜で、悪心を抱きつつ、砂の中に自身を埋めて獲物を待ち伏せする[47]:188
  • ヒル・ランドワーム - “混沌にして悪”の陸竜で、知能が低く横柄かつ粗暴なため、力を見せつけて相手を威圧しようとする[47]:190
  • フォレスト・ランドワーム - “秩序にして中立”の陸竜で、同種の中で最も高貴な存在であり森の番人を自任している[47]:191
  • プレインズ・ランドワーム - “混沌にして中立”の陸竜で、同種の中では身体が最も小さい卑しい腐肉喰らいだが、毒のある噛みつきは危険である[47]:191
  • マウンテン・ランドワーム - “秩序にして悪”の陸竜で、多くの時間を高山の洞窟でうたた寝して過ごすが、目覚めた際には非常に勇猛果敢な存在と化す[47]:192
リノーム リノームは、真竜の古代の、あるいは原始的な近縁種。翼と後ろ足を持たないため、真竜よりも蛇のような姿をしている[83]。既知のリノームは全て邪悪で残酷である。「Norse dragon」と呼ばれることもある。リノームには多くの亜種が存在する[84][85][86][87][88]

評論家のマーク・トイラーは、リノームについて、この巨大な「ドラゴンのような存在、野生化したドラゴンとでも表現すべきか」が彼の興味を非常にそそったと述べている。彼は、グレイ・リノームを「(リノームとしては)小さいが、それはつまり"超大型"で、非常に攻撃的」、ドレッド・リノームを「最も大きく、頭が二つある」、そしてコープス・テアラーを「老いて、賢く、そして凶暴」と評した[27]

評価

『Dungeons & Dragons for Dummies』ではドラゴンが中心的な役割を担っており、「多くのキャラクターにとって、ドラゴンと戦い(そして財宝を略奪する)機会こそが、このゲームをプレイする理由である」と述べている。著者らはまた、低レベルおよび中レベルキャラクター向けのモンスターベスト10それぞれに、特定のドラゴンを選んでいる[89]。マイケル・ウィットワーらは、ゲーム初期に発表されたアドベンチャーにドラゴンがほとんど登場しなかったのは、キャラクターにとっての危険性が極めて高かったためだとしている。「ドラゴンは書籍や箱の表紙には最適だったが、ゲーム内では非現実的だった。ドラゴンを常時登場させるためのプレイ可能なD&Dの枠組みが単純に存在しなかったのだ」。この不一致を解消する手段の一つとして、ドラゴンランス設定が開発された[3]

ジョン・ピーターソンは、D&Dにおけるドラゴンを「財宝に貪欲な存在」とした。宝を蓄積することがゲームの大きな目標の一つである以上、キャラクターが倒すべき象徴的クリーチャーがドラゴンになったことは皮肉だと感じた。なぜなら、D&D以前の伝承やファンタジーにおける「宝を溜め込むドラゴン」のイメージは、まさにそのような強欲さを戒めるものだったからである[1][90]

同様に、フィリップ・J・クレメンツはD&Dについてこう記している。「その名称自体が示唆するように、ダンジョンもドラゴンも、キャラクターたちの力と狡猾さによって克服され、利用されるために存在している」[13]

GameSpyのアラン・ラウシュは、第3版アートワークにおけるドラゴンの描写の改善について次のようにコメントしている。「ドラゴンは、それぞれの好む環境で機能する特徴的な性質を持たせることを念頭に再設計された。それによって、明確に"D&Dのドラゴン"となったのだ」[91]

『Dungeons & Dragons 4th Edition For Dummies』の著者らは、エインシャント・ブルー・ドラゴンを第4版の高レベルモンスターベスト10の第3位にランクした。著者らはエインシャント・ドラゴンを「この威厳ある致命的なクリーチャーの最も強力な形態であり、エインシャント・ブルー・ドラゴンは、全てのドラゴン類の頂点に迫る存在」と描写し、レッド・ドラゴンにのみ凌駕されるとした。著者らは「[電撃]と[雷鳴]を放つこの恐るべき竜の猛威に、単独で長く抗える挑戦者はほとんどいない」と結論づけている[92]

Screen Rantは2018年、ゲームの「最強(と最弱)モンスターランキング10」をまとめ、prismatic dragonを最強の1つに挙げ、「あらゆる冒険者パーティにとって究極の挑戦となる存在だが、異常なほどレベルを上げたグループ以外は容易に殲滅されるだろう。prismatic dragonを倒すことは、実際のプレイヤーにとっても究極の挑戦となるだろう。なぜなら、このクリーチャーとの遭遇を終えるのに必要なダイスを全て振る前に、プレイヤーたちは老衰で息絶えてしまう可能性が高いからだ。」と述べた[93]

その他出版社

ドラゴンは、マテル社にライセンス供与された初期の携帯型電子ゲーム、『Dungeons & Dragons Computer Labyrinth Game』(1980)と『Dungeons & Dragons Computer Fantasy Game』(1981)の主な敵役であり、インテレビジョン社のゲーム、『Advanced Dungeons & Dragons: Cloudy Mountain』(1982)と『Advanced Dungeons & Dragons: Treasure of Tarmin』(1983)にも登場した[3]

1981年、Varanae社は『Dragons』というサプリメントを出版し、『MM』の形式で50種類の新たなドラゴンを詳述した。1986年には、Mayfair Games社から『Dragons』と題されたシナリオが出版され、善と悪のドラゴンの戦いを背景に、ドラゴンに関するより詳細な背景資料が盛り込まれた[94]

ブラック、ブルー、ブラス、ブロンズ、カッパー、ゴールド、グリーン、レッド、シルヴァー、ホワイトのドラゴンについては、Paizo Publishingの書籍『Dragons Revisited』(2009)に詳しく記載されている[95][要非一次資料]

関連文献

脚注

参考文献

外部リンク

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