ヌーシャテル市電
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| ヌーシャテル市電 | |
|---|---|
|
ヌーシャテル市電の主力車両・GTW 4/8形(2021年撮影) | |
| 基本情報 | |
| 通称 | リトライユ(Littorail) |
| 国 |
|
| 所在地 | ヌーシャテル |
| 種類 | 路面電車 |
| 路線網 | 1系統(2025年時点)[1] |
| 起点 | Neuchâtel Place Pury Littorail[1] |
| 終点 | Boudry Littorail[1] |
| 駅数 | 12駅(2025年時点)[1] |
| 開業 |
1892年(スチームトラム、R15号線) 1902年(路面電車、R15号線)[2] |
| 運営者 | ヌーシャテル公共交通[3] |
| 使用車両 | GTW 4/8[4][5] |
| 路線諸元 | |
| 路線距離 | 8.85 km(2025年現在)[6][7] |
| 軌間 | 1,000 mm[4][6] |
| 電化区間 | 全区間 |
| 電化方式 |
直流600 V (架空電車線方式)[4] |
ヌーシャテル市電(フランス語: Tramway de Neuchâtel、ドイツ語: Strassenbahn Neuenburg)は、スイスの都市・ヌーシャテルに存在する路面電車。2025年時点で現存する区間はヌーシャテル市内とブードリーを結ぶ都市間系統で、ヌーシャテル州で公共交通を運営するヌーシャテル公共交通会社(Transports Publics Neuchâtelois)、通称「トランスN(TransN)」のR15号線として運営されている[3][1][2]。
ヌーシャテルの路面電車(軌道交通)のうち、最初に開通したのは、1892年9月16日に開通した、エヴォル(Evole) - ブードリー(Boudry)間の本線およびアールーズ(Areuse) - コルタイヨ(Cortaillod)間の支線からなる地域間路線である。これらの路線は「ヌーシャテル-コルタイヨ-ブードリー地域鉄道会社(La compagnie du chemin de fer régional Neuchâtel-Cortaillod-Boudry、NCB)」によって運営されており、同年12月24日にはヌーシャテル湖に面した港を経由しヌーシャテル駅へ向かう区間の延伸が実施され、一部区間は急勾配に対応するためラックレールが設けられた[8][9][10][11]。
- 開業時の客車は一部が博物館で保存されている(2015年撮影)
これに続き、1893年にはヌーシャテル-サン・ブレーズ軌道会社(Compagnie du tramway Neuchâtel- Saint-Blaise、NSB)が、ヌーシャテルとサン・ブレーズ(Saint-Blaise)を結ぶ市内線が開通した。当初、これらの路線は圧縮空気を動力源にしていたが、翌1894年には馬車鉄道に置き換えられ、更に3年後の1897年には電化され路面電車路線となった。一方、NCBの路線についても翌1898年に港方面の一部区間の電化が実施され、同時にこの区間のラックレールが撤去されている[10][8][9]。
- NSBが運営した馬車鉄道(1894年撮影)
そして同年、NSBは新たに設立されたヌーシャテル軌道会社(Compagnie des tramways de Neuchâtel、TN)によって買収され、更に同社は1901年にNCBを吸収合併した。同社はこれらの企業が所有していた路線網に加えて新たな路線網を次々に開通させ、加えてNCBに残されていた非電化区間の電化およびラックレールの撤去を実施した。以降も路線網は拡大し、最大規模となった1926年時点で路線の総延長27 km、系統数6本(1 - 6号線)の路面電車がヌーシャテルおよび近郊地域に存在した。これらの系統は全てピュリー広場(Place Pury)を通っており、5号線を除いて市内に敷設された環状線を経由していた[10][8][9][12]。
TNは1943年に路面電車やケーブルカーを運営していたヌーシャテル-ショーモン鉄道(Compagnie du chemin de fer Neuchâtel-Chaumont S.A.)を吸収したが、それに先立つ1940年に2号線がトロリーバス(ヌーシャテル・トロリーバス)に置き換えられたのを皮切りに路線網は縮小を始め、1964年には市内の環状線が廃止された。そして1976年に3号線が廃止になった事で、ヌーシャテル市内に残る路面電車は最も歴史が長い郊外路線の5号線のみになった。更にこの5号線についても、1984年にアールーズ - コルタイヨ間の支線が廃止されている。また、運営事業者についても1971年にヌーシャテル州やヌーシャテル市、沿線自治体による株式所得による会社再編が行われ、「ヌーシャテル湖畔交通」となっている[10][8][9][13]。
- 5号線の支線を走行するボギー車(1970年代撮影)
その後、残存した5号線(本線)については1980年代以降積極的な近代化が実施され、新型電車の導入や信号設備の更新、終端のループ線の撤去やそれに伴う起終点の移設などの施策が行われている。また、系統番号についても変更が実施されており、2014年からは「215号線」となったが、2023年12月からは現在の「R15号線」となっている。運営事業者については2012年に実施された合併により、ヌーシャテル公共交通(TransN)へと継承されている[10][8][9][14][15]。
- 1980年代に導入された新型ボギー車(1980年代撮影)
路線
前述のように、2026年時点でヌーシャテルに現存する路面電車は、ヌーシャテルとブードリーを結ぶR15号線(旧:215号線←5号線)である。電停は以下の通り[3][1]。
| 電停名 | 接続交通機関 | 所要時間 | 備考・参考 |
|---|---|---|---|
| Neuchâtel Place Pury Littorail | 路線バス トロリーバス |
0分 | |
| Neuchâtel Evole | 1分 | ||
| Neuchâtel Champ-Bougin | 2分 | ||
| Neuchâtel Port-de-Serrières | 5分 | ||
| Neuchâtel Serrières Ruau | 6分 | ||
| Auvernier Littorail | 8分 | ||
| Allées Littorail | 路線バス | 10分 | |
| Colombier NE Littorail | 12分 | ||
| Les Chézards | 13分 | ||
| Areuse Littorail | 15分 | ||
| Boudry Tuilière | 17分 | ||
| Boudry Littorail | 19分 | ||
車両
現有車両

2025年現在、ヌーシャテル市電で使用されているのは、車内の一部がバリアフリーに適した低床構造となっている3車体連接車のGTW 4/8形である。元はスイスの都市・トローゲンに路線を有していたトローゲン鉄道が2004年以降5両を導入した形式で、同社のアッペンツェル鉄道への合併後に実施された使用区間の運行体系変更に伴い余剰となり、ヌーシャテル公共交通へ譲渡された経緯を持つ。2019年から従来の車両を置き換える形で導入が実施され、2025年現在も5両全車が在籍する[4][5][16]。
- 段差がない乗降扉付近の車内(2025年撮影)
過去の車両

GTW 4/8形が導入される前にヌーシャテル市電の残存区間(現:R15号線)で使用されていたのは、1980年代に導入された電動ボギー車のBe 4/4形(501 - 506)と片運転台式の制御ボギー車のBt 4/4形(551 - 554)からなる10両の電車であった。チューリッヒの路面電車(チューリッヒ市電)に導入された連節車のBe 4/6形、通称「トラム2000(Tram 2000)」を基に開発された車両で、愛称の「リトライユ(Ritterail)」は路線の愛称としても浸透する事となった。また、Be 4/4形についてはヌーシャテル、ブードリーなど沿線自治体の名称が付けられた。営業運転時はBe 4/4形による単独運転(1両編成)に加えBt 4/4形を連結する運用も行われ、ラッシュ時には3両編成(Be 4/4形 + Bt 4/4形 + Bt 4/4形)による運行も行われた[12][6][2][17]。
- Be 4/4形(502)(2006年撮影)
このBe 4/4形(501 - 506)およびBt 4/4形(551 - 554)を含め、ヌーシャテル市電で過去に使用された電車の一部はヌーシャテル路面電車友の会(Association Neuchâteloise des Amis du Tramway、ANAT)によって保存されており、動態保存運転も実施されている[12][2][17]。