バインダー (化学)

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バインダー: binder)または、結合剤(けつごうざい)とは、接着または凝着により機械的・化学的に他の材料を吸着および保持し凝集体をつくる物質をいう。

より狭義には、繊維・粉末充填剤・その他の粒子を添加して混ぜ、後に化学的または物理的に硬化結合することにより添加物を結合させる液状もしくはペースト状の物質をいう。 接着剤粘着剤増粘安定剤などが例として挙げられる。

バインダーは有機系(歴青、動植物性接着剤高分子など)と無機系(石灰セメント石膏液体ガラスなど)に大別される。これらはさらに主要材料の性質に応じて、金属系・セラミック系、あるいはポリマー系などに分類される。例えば、複合材料WC-Co(切削工具に使用される炭化タングステン)の場合、Co成分がWC粒子を結合させる役割を担っている。

また化学的耐久性に基づく用途別分類として、非水硬性(石膏、空気硬化セメント、マグネシア水酸化カルシウム)、水硬性(ローマセメント英語版ポルトランドセメント水硬性石灰)、耐酸性(フッ化ケイ素セメント、石英セメント)、およびオートクレーバブル170–300 °Cおよび8–16 気圧の高温高圧条件で硬化するもの。例:CaSiO
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系)などがある。

物理特性

バインダーに分類される材料の中には、セメントのように、高い圧縮強度英語版を有する一方で引張強度英語版が低く、引張応力せん断応力が作用する場合には繊維質や鉄筋による補強が必要となるものがある。

樹脂など、靱性および弾性を有する場合もあるが、圧縮応力にも引張応力にも耐えないものもあり、その場合は複合材料母材とし、補強材として繊維を用いることにより、引張強度を大幅に向上させることが可能である。圧縮強度は、充填材を添加することで改善可能である。

用途

バインダーは、顔料もしくは顔料と充填材とともに、絵具パステル、その他美術用途や実用的な塗料の材料としてもちいられる。この用途には、ワックス亜麻仁油アラビアゴムトラガント英語版ガムなどの天然ガム英語版メチルセルロース、あるいは卵白カゼインなどのタンパク質などが用いられる。伝統的な接着剤は、動物の蹄や骨、皮を煮沸して得られる硬いゼラチン状の残留物を水と混合して製造される。天然ガムを原料とするバインダーは、植物から抽出された物質から作られる[1]彫刻レリーフキャストまたは造形する際には、液体バインダーに乾いた物質を多めに添加する[2]

調理分野では、様々な食用増粘剤がバインダーとして使用される。その中の一部、タピオカ乳糖ショ糖、微結晶性セルロースポリビニルピロリドン、および各種デンプンなどは、医薬品分野でも錠剤の製造に用いられる。錠剤用バインダーとしては、乳糖粉末、ショ糖粉末、タピオカ、微結晶性セルロースなどが一般的である。

建設分野では、コンクリートのバインダーとしてセメントが使用される。アスファルト舗装では、歴青がバインダーとして用いられる。伝統的に、土壁をつくる際には藁や天然繊維を混ぜて乾燥後に脆くなる粘土を強化する。また、圧縮強度、硬度を向上させ、収縮を抑制するため、砂も添加する。粘土の結合特性は、成形品(例えば壺や花瓶)の製造や、部材(例えばレンガ)を結合させるためにも広く利用されている。

複合材料では、エポキシポリエステル、またはフェノール樹脂系樹脂が一般的に用いられる。炭素繊維強化炭素複合材料では、プラスチックまたはピッチ熱分解させて炭素源とする。Transite, hypertufa, papercrete, petecreteなどでは、セメントがバインダーとして使用される。

爆発物分野では、ワックスポリイソブチレンスチレン・ブタジエンゴムなどのポリマーが、プラスチック爆薬のバインダーとしてよく用いられる。PBX爆薬には様々な合成ポリマーが使用される。

ロケット燃料においては、1960年代から1970年代にかけての大型固体燃料ブースターの固体燃料の主成分としてポリブタジエンアクリロニトリル英語版共重合体がもちいられた。

有機化学分野では、焼結過程において焼成時に熱分解するように設計された有機系バインダーが用いられる。

歴史

出典

関連項目

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