ビーティ数列
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正の無理数 r はビーティ列 ℬr ≔ ⌊r⌋, ⌊2r⌋, ⌊3r⌋, … を生成する。
r > 1 ならば s ≔ r/r − 1 もまた 1 より大きい無理数で、これら2つは等式 1/r + 1/s = 1 を満たす。これらが生成する2つのビーティ列 ℬr, ℬs はビーティ列の相補対を成す。ここに「補」("complementary") は任意の正整数がこれら2つの列のうちどちらかちょうど1つに属することを意味している。
例
(例1)
r ≔ φ を黄金比とすれば、s = φ + 1 (= φ2) である。これに対するビーティ数列の内、(⌊nr⌋) は下ワイソフ列
であり、補列 (⌊ns⌋) は上ワイソフ列
である。これらの列はワイソフのゲームの必勝形を与え、ワイソフ配列の定義に用いられる。
(例2)
r ≔ √2 とすると、s = 2 + √2 となる。これに対するビーティ数列は
- 1, 2, 4, 5, 7, 8, 9, 11, 12, 14, 15, 16, 18, 19, 21, 22, 24, …(A001951);
- 3, 6, 10, 13, 17, 20, 23, 27, 30, 34, 37, 40, 44, 47, 51, 54, 58, …(A001952).
(例3)
r ≔ π とすると、s = π/π − 1 となる。これに対するビーティ数列は
歴史
ビーティ列がその名で呼ばれるようになるのは、1926年に雑誌 American Mathematical Monthlyにおいてサミュエル・ビーティ が提起した問題に由来する[1][2]。この問題はおそらく、その雑誌に提案された中でも最も引用される問題の一つである。しかし、それよりもずっと以前の1894年に、同じ数列がレイリーの著書 The Theory of Sound[3]の第二版で簡単に言及されている。
レイリーの定理
性質
一般化
ランベック–モーザーの定理はレイリーの定理を一般化するもので、整数函数およびその逆函数から定義されるより一般の列の対が、同じ整数全体の集合の分割性質を持つことを示す。
ウスペンスキーの定理は、正の実数 α1, …, αn に対し (⌊kαi⌋)k,i≥1 が全ての整数をちょうど一つずつ含むならば n ≤ 2 であることを述べる。つまり、3つ以上のビーティ列の組に関するレイリーの定理と同等の定理は存在しない[4][5]。