ボルボ・EX60
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| ボルボ・EX60 | |
|---|---|
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EX60 | |
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EX60クロスカントリー | |
| 概要 | |
| 製造国 |
|
| 販売期間 | 2026年-(欧州市場) |
| ボディ | |
| ボディタイプ | ミドルサイズSUV |
| 駆動方式 |
後輪駆動 (P6) 全輪駆動 (P10, P12) |
| プラットフォーム | SPA3 |
| パワートレイン | |
| モーター | 交流同期電動機 |
| 最高出力 |
275 kW / 374 PS (P6) 375 kW / 510 PS (P10) 500 kW / 680 PS (P12) |
| 最大トルク |
480 N・m (P6) 710 N・m (P10) 790 N・m (P12) |
| 変速機 | オートマチック |
| 車両寸法 | |
| ホイールベース | 2,970 mm |
| 全長 |
4,803 mm 4,811 mm(CC) |
| 全幅 | 1,899 mm |
| 全高 |
1,635 mm 1,651 mm(CC) |
| 車両重量 | 2,115 ~ 2,330 kg |
EX60(Volvo EX60 )は、スウェーデンの自動車メーカーのボルボ・カーズが、製造・販売するバッテリ電気自動車のミドルサイズSUVである。また、本稿においては、EX60クロスカントリーについても記述する。
2026年1月21日(現地時間)、スウェーデンのストックホルムに位置する美術館「Artipelag(英語版)」で新型のBEVミドルサイズSUVとして発表された[1][2][3]。
この発表以前には既に、ティザー画像やLinkedInでの実車の一部の画像などが、公式から公表されており、2025年9月3日には上記ワールドプレミアの予定が決定していた[4][5][6]。また、上記発表のイベントはYouTube上でもライブ配信されていた(当日の午後6時(CET)より)[7]。
EX60は、ボルボのブランド史上最多270万台の販売記録を持つXC60の兄弟車・EV版として紹介されることも多いが、構造や外観から言ってXC60とは全く異なる新たなモデルである[2][8]。さらに、同車はボルボのEVのSUVラインナップにおいてEX30とEX90の中間にも位置するモデルである[9]。
また、EX60は、AWD仕様で一充電における最大の航続距離が810kmとなっており、これは市場において競合と比較して最長クラスとなっている[2]。
グレードについては、「Core」、「Plus」、「Ultra」の3種類が選択可能である。また、エントリーグレードの「Core」は後述するパワートレインの一部のみ選択が可能となっている。さらに、一つ上と最上位グレードの「Plus」「Ultra」は3種類あるパワートレインのいずれも選ぶことができる。これは少なくとも欧州仕様および米国仕様に関してである。[10]
生産は、2026年4月よりスウェーデン国内のイェーテボリにあるボルボカーズのトースランダ工場(英語版)において行われる[4][9]。2026年1月時点で、欧州では既に受注が開始されており、米国では同年春、英国では同年9月の受注開始の見込みである[11]。加えて、日本を含む他の市場においては2026年中に受注が開始されることが見込まれている[1]。
構造・パワートレイン
EX60には、親会社の吉利グループのプラットフォームを使用するEX30とは異なり、従来のSPA2をベースにして完全にEV用に新開発された「SPA3」プラットフォームを初めて採用している[6]。これは、高度にモジュール化されており、拡張性に優れ、EX30のようなサイズからEX90のような大きなサイズにまで対応可能である[12]。また、最新のコアシステムも採用されているが、本稿ではのちに詳述する。加えて、ボルボでは初めて、リサイクルアルミニウムを使用して部品点数を削減し簡素化を図る、メガキャスティングを採用した[12]。
このプラットフォームやメガキャスティング、さらにセル・トゥ・ボディ技術(バッテリーとボディーを一体化させるもの)、新たな次世代モーター・バッテリセルなど、これらの種々の要素が組み合わさり、エネルギー効率や航続距離が向上している[1][2]。
パワートレインに関して、EX60は三種類のラインナップがあり、「EX60 P6 Electric」、「EX60 P10 AWD Electric」、「EX60 P12 AWD Electric」という名称である(以降、P6、P10、P12とする)[1]。
まず2026年4月よりP6およびP10の生産が始まる。その後、数か月遅れて生産が開始となるP12は2027年第1四半期の発売予定となっている。[9][10][13]
- P6は、83kWhのバッテリーでシングルモーターが後輪を駆動(RWD)し、システム最高出力374PS・最大トルク480Nmを発揮する。航続距離は620kmであると公表されている。0-100km/h加速は5.9秒である。
- P10は、95kWhのバッテリーでデュアルモーターが全輪を駆動(AWD)し、システム最高出力510PS・最大トルク710Nmを発揮する。航続距離は、660kmであると公表されている。0-100km/h加速は4.6秒である。
- P12は、117kWhのバッテリーでデュアルモーターが全輪を駆動(AWD)し、システム最高出力680PS・最大トルク790Nmを発揮する。航続距離は810kmであると公表されている。0-100km/h加速は3.9秒である。[1][2][14]
最大の航続距離となるP12は先述のとおり、EV市場の他のライバル車などと比較してもこの値は長く、このセグメントにおいては最長となっており、競合のBMWのiX3よりも約6km長い値である[15]。
また、充電について、NACS充電ポートを標準で装備しており、これはテスラ社の広域なスーパーチャージャーのネットワークと互換性がある。加えて、充電に関してボルボ社は400kWの急速充電器を使用した場合に、10分で最大340km分の航続距離が得られるとしている。[12][16]
デザイン
デザインに関しては、ボルボによると「ボルボが大切にしてきたスカンジナビアンデザインの理念を、EV時代へとさらに進化」させたものであると謳っている[17]。
外装に関しては、「空気を切り裂くように滑らかに走る」と表現されるように、ボンネットは低く設計され、ルーフラインは流れるような流線形で、サイドボディは絞り込まれており、これらのスタイリッシュで効率性に優れたデザインは、ボディ全体の空力性能を高め、空気抵抗係数(Cd値)は0.26となっている[2][17]。この値は、ステーションワゴンやセダンにも匹敵するもので、航続距離にも貢献している[11]。
また、「トールハンマー」デザインのヘッドライトや、グリルがなく滑らかなフロントも同車の特徴となっている[6][12]。また、テールライトは、ボルボの他のEVのSUVに見られるC字型のユニットを使用せず、XC90やステーションワゴンで使われているような、下部が曲がった形状の直下型のデザインが採用されている[15]。さらに、ホイールは20インチのものが標準装備である。このサイズを21インチや22インチにアップグレードすることも可能であるが、航続距離がおよそ32km低下する[12]。
内装については、ボルボを象徴するスカンジナビアにおけるミニマリスト的なアプローチを継承しており、多層構造であり運転席側には細長いデジタルディスプレイを備えるダッシュボードやGoogleのソフトウェアを搭載した15.1インチの曲面OLEDディスプレイが特徴である。[9][12][15]
- EX60 フロント
- EX60 リア
- EX60 内装
テクノロジー
EX60は、新たなテクノロジーについても特徴となっている。
同車には、車を制御する最新のハードウェア・ソフトウェア基盤であり、ボルボ社とGoogleやNVIDIA、Qualcomm Technologiesらが共同で開発し、北欧神話の鳥にちなんで名付けられた「HuginCore」と呼ばれるコアシステムの最新版が搭載されている。また、Google社の生成AIであるGeminiも同じく搭載される。さらに、他のモデルと同様に、ボルボ・カーズ・スーパーセット・テックスタック(Volvo Cars Superset tech stack)により定期的な無線アップデート(OTA)により継続的な機能・安全面でアップデートがなされる。[18][19]
「HuginCore」は、自社の電動アーキテクチャ、コアコンピューター、ゾーンコントローラー、ソフトウェアを包括するシステムである。このシステムは、Qualcomm社の「Snapdragon Cockpit Platform」という名称で、毎秒250兆回以上という演算処理能力を備えるシステム・オン・チップ(SoC)によって動き、また、同社の「Snapdragon Auto Connectivity Platform」も搭載され高速なネット環境を提供する。さらに、DriveOS上で動作する「NVIDIA DRIVE AGX Orin」というSoCにより高速コンピューティングを実現する。加えて、車載センサーからの膨大なデータをリアルタイムで解析し、安全性と応答性を高めることを可能にしている。これらから構成されるシステムは、当初システム面で失敗したEX90とは異なり、ボルボ社は「シームレスで遅延のない」インフォテインメントシステムを標榜している。[18][20][21]
また、Geminiに関しては、運転中に必要な操作をハンズフリーで行なえるようになり、自然な会話で複雑な操作を行うことが可能になっているとされている。また、ボルボ社は、公式プレスリリースによると、今後「EX60のカメラを通じてドライバーが見ているものを理解し、あなたの周りの世界に関する質問に答えられるようになる」という予定であるとしている。[18]
EX60クロスカントリー
上記発表においては、「ボルボ・EX60クロスカントリー」も同時に公開された[1]。
クロスカントリーは、オフロードにも対応しており、ベースのEX60よりも最低地上高が20mmリフトアップされている[11]。また、より力強いエクステリアのデザインに加え、専用のホイールデザイン、スキッドプレート、よりワイドなホイールアーチ、専用バッジなどもこの仕様の特徴となっている[11][22]。ボディーカラーには、新たな当該モデル専用の「フロストグリーン」が設定され、この色はスカンジナビアの自然から着想を得たものである[11]。
パワートレインには、全輪駆動が標準装備となっており、発売からしばらくは先述のP10のみが選択可能である。今後は「EX60クロスカントリーP12 AWD Electric」と呼ばれるグレードの名称でP12が導入される予定である(2026年1月現在)。[1]
また、クロスカントリー仕様ではエアサスペンションを装備しており、路面状況に合わせ最大40mm車高を上げることや高速走行時や航続距離を伸ばしたいときなどには逆に車高を下げることも可能である。[11][23]
販売に関しては、2026年1月時点において欧州市場では既に先行予約が開始されている。また、他の市場に関しては順次2026年内に拡大されていく予定である。[23]
- EX60クロスカントリー フロント
- EX60クロスカントリー リア