フランスの化学者・細菌学者モーリス・レモインが1925年に初めて単離し、性質を調べた。PHBはバチルス・メガテリウム(英語版)やラルストニア・ユートロファ(アルカリゲネス・ユートロファス、ラルストニア属)などの様々な細菌または古細菌が、炭素源が豊富な環境において細胞内封入体として産生する。このポリマーは、炭素同化の一次産物であり、細胞内にエネルギー貯蔵物質として蓄えられ、他に利用可能な炭素源が無ければ代謝される。PHBの細菌による生合成反応は、2分子のアセチルCoAが重合してアセトアセチルCoAになる反応で始まり、次にそれが還元され3-ヒドロキシブチリルCoAとなり、これを前駆体としてポリマーが合成される経路がよく知られている。[18]
水に不溶であり、ある程度の加水分解耐性がある。これは、現在利用されている他の生分解性プラスチックの多くが水溶性であり、湿気に弱いのとは異なる特長である。酸素透過性がよく紫外線耐性が高いが、酸とアルカリに弱い。クロロホルムや塩素化炭化水素に可溶[19]。生体適合性があり、毒性もないので、医療への応用に適している。融点175℃でガラス転移温度は15℃である。引張強度40 Mpaであり、ポリプロピレンに近い。ポリプロピレンとは異なり水に沈むので、堆積物中で嫌気性分解されやすい。
1980年代にインペリアル・ケミカル・インダストリーズ (ICI) がパイロットプラントレベルまで開発を進めたが、製造費用が高い一方で物性がポリプロピレンに及ばないことから興味を失った。1996年にモンサントがICI/ゼネカからポリマー製造に関する全ての特許を買収し、Biopolという商標でPHBをPHVとのコポリマーの販売を行った。しかし、モンサントは2001年にBiopolに関する権利を米国企業のYield10 Bioscience、以前はMetabolixに売却[20]し、2004年始めには細菌からPHBを製造していた培養施設も閉鎖した。現在の焦点は細菌のかわりに植物からのPHB製造へ移っている。しかし、最近のマスコミの遺伝子組み換え作物に対する過剰な報道にも関わらず、モンサントのPHB産生用植物のニュースはない。[21]微生物が産生するポリヒドロキシアルカン酸としては、ポリヒドロキシ吉草酸 (Polyhydroxy hvalerate、PHV) やポリヒドロキシカプロン酸 (Polyhydroxyhexanoate、PHH)、ポリヒドロキシカプリル酸 (Polyhydroxyoctanoate、PHO) およびそれらのコポリマーが知られている。