ミカエリソウ

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ミカエリソウ
ミカエリソウ、天狗倉山、三重県北牟婁郡紀北町にて、2019年11月2日
ミカエリソウ、2019年11月
天狗倉山三重県北牟婁郡紀北町にて
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : キク類 Asterids
: シソ目 Lamiales
: シソ科 Lamiaceae
: テンニンソウ属 Comanthosphace
: ミカエリソウ C. japonicum
学名
Comanthosphace stellipila
(Miq.) S.Moore ex Briq.[1]
シノニム

Leucosceptrum stellipilum (Miq.) Kitam. et Murata[2][3]

和名
ミカエリソウ
品種
  • シロバナミカエリソウ
    C. s f. albiflora Yatoh[4]

ミカエリソウ(見返草、学名Comanthosphace stellipila (Miq.) S.Moore ex Briq.[1])は、シソ科テンニンソウ属分類される落葉亜低木の1[3][5][6]

和名は美しいを人が振り返って見ることに由来する[6]。別名は花冠から長くでる雄蕊に見立てて、イトカケソウ[5](糸掛草)[6]

特徴

は叢生し[5]、樹高は40-100 cm[3]。下部は木質[6]。若いには星状が密生する[5]は長さ10-20 cm、幅6-12 cmの楕円形-長楕円形で、ふちに鋭い鋸歯があり、基部は円形または広いくさび状で、裏面や長さ1-5 cmの葉柄に星状毛が密生する[3][5]

枝先に1-数個の穂状花序が直立し長さ、10-18 cm[3]、薄紅色-紅紫色の花をびっしりとつける[5]は葉状の扁円形で先が短く突出するに包まれ[3][5]、開花すると苞は落下する[6]。花冠は長さ 8-10mm[3]の筒形で、先は浅く5裂する[5]。雄蕊は4個で、花冠から突き出る[5][6]。花期は9月-10月[3][5]果実分離果で、長さ3-3.5 mm、腺点がある[3]。同じシソ科のシモバシラと同じように枯れた茎に霜柱のような氷の結晶が見られることがある[7][8]

分布と生育環境

青葉山スギの植林地に群生するミカエリソウ

日本固有種本州愛知県福井県以西)に分布する[3][5][6]

以下で標本が採集されている[9]

山地内の木陰[6]に群生する[3][5]

薄黄色の花をつけるフジテンニンソウを吸蜜中のミドリヒョウモン

分類

近縁種のテンニンソウ(天人草、学名:Comanthosphace japonica (Miq.) S.Moore ex Hook.f.[10])は、草本多年草で、地下茎は木化し、花は薄黄色[3][8]。葉の裏面の中肋に著しく開出毛がある品種としてフジテンニンソウ(富士天人草、学名:Comanthosphace japonica (Miq.) S.Moore ex Hook.f. f. barbinervia (Miq.) Koidz.[11])が知られている[12]

シロバナミカエリソウ

シロバナミカエリソウ

白花の品種としてシロバナミカエリソウ(白花見返草、学名Comanthosphace stellipila (Miq.) S.Moore ex Briq. f. albiflora Yatoh[4])が知られている。

オオマルバノテンニンソウ

変種としてオオマルバノテンニンソウ(大丸葉天人草、学名Comanthosphace stellipila (Miq.) S.Moore ex Briq. var. tosaensis (Makino ex Koidz.) Makino[13])が知られている[3][7]。別名が、トサノミカエリソウ、ツクシミカエリソウ、オオムラサキテンニンソウ[13]。茎はやや草質で、葉は大きく円く、若い時だけ裏面に星状毛があり、本州(中国地方)、九州に分布する[3]

ミカエリソウの成分と抗菌性

シソ科の植物には生薬漢方薬として有用なものが多い[14]。近縁種のテンニンソウからアシルグリコシド(acyl glycoside)やフラボノール配糖体(flavonol glycoside)の単離が報告されている[14]。ミカエリソウの葉から、アピゲニン(apigenin)、ルテオリン(luteolin)、クリソエリオール(chrysoeriol)、ウルソール酸(ursolic acid)、ポモール酸(pomolic acid)、トルメント酸(tormentic acid)、β-シトステロールβ-シトステロールグルコシド(β-sitosterol glucoside)の成分が確認されている[15]。この中のウルソール酸、ポモール酸、トルメント酸の大腸菌緑膿菌黄色ブドウ球菌ストレプトコッカス・ミュータンスに対する抗菌性の試験結果を下の表1に示す[16]。ウルソール酸は、ストレプトコッカス・ミュータンスに特異的な抗菌活性を示している[16]。ポモール酸とトルメント酸の抗菌スペクトルは広く、ストレプトコッカス・ミュータンス以外のグラム陽性菌の緑膿菌にも効くばかりでなく、グラム陽性菌の緑膿菌に対しても有効であった[16]。グラム陽性菌の大腸菌に対する抗菌性は無効であった[16]。トルメント酸はポモール酸に比べて抗菌活性は弱い[16]

表1 各成分の抗菌性の試験結果
抗菌検査対象の細菌 最小発育阻止濃度
MIC値(μg/mL)
ウルソール酸 ポモール酸 トルメント酸
大腸菌
Escherichia coli IFO 3545
>100 >100 >100
緑膿菌
Pseudomonas aeruginosa IFO 3080
>100 25 100
黄色ブドウ球菌
Staphylococcus aureus IFO 12732
>100 25 100
ストレプトコッカス・ミュータンス
Streptococcus mutans IFO 13955
12.5 12.5 50
ストレプトコッカス・ミュータンス
Streptococcus mutans MT 8148
12.5 12.5 50
ストレプトコッカス・ミュータンス
Streptococcus mutans 6715 DP
12.5 25 25

種の保全状況評価

環境省による第5次レッドリストで指定を受けていないが[17]都道府県レベルでは以下の指定を受けている[18]ニホンジカ食害による消滅が危惧されている[19]。森林伐採や林道工事などが、存続を脅かす要因とされている[20]氷ノ山後山那岐山国定公園における指定植物に選定されている[21]

脚注

参考文献

関連項目

外部リンク

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