ユーリプテルス
From Wikipedia, the free encyclopedia
| ユーリプテルス | |||||||||||||||||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ユーリプテルスの復原図 | |||||||||||||||||||||||||||
| 地質時代 | |||||||||||||||||||||||||||
| シルル紀 | |||||||||||||||||||||||||||
| 分類 | |||||||||||||||||||||||||||
| |||||||||||||||||||||||||||
| 学名 | |||||||||||||||||||||||||||
| Eurypterus De Kay, 1825 | |||||||||||||||||||||||||||
| タイプ種 | |||||||||||||||||||||||||||
| Eurypterus remipes DeKay, 1825 | |||||||||||||||||||||||||||
| シノニム | |||||||||||||||||||||||||||
|
Baltoeurypterus | |||||||||||||||||||||||||||
| 種 | |||||||||||||||||||||||||||
|
|
ユーリプテルス(Eurypterus)は古生代シルル紀に生息したウミサソリの1属。幅広い遊泳脚を特徴とし、ウミサソリの中では発見例が最も多く、研究が進んでいる著名な属である[1]。十数種が知られ、化石はヨーロッパや北アメリカから発見される[2]。
翼のように広げた後脚に因んで、学名は古代ギリシア語の「ευρυς」(eurys、広い)と「πτερον」(pteron、翼、櫂)の合成である[3]。


- 一般的なサイズと既知最大級のユーリプテルスのヒトとのサイズ比較図
- 大小の個体を保存した化石
- 腹側に鉤状の突起物をもつ第2脚の化石
中小型のウミサソリであり、20cm前後の個体は比較的に普遍に見られる[4]。体長の記録は長らく6cmから33cmとされてきた[5]が、約15cmの尾節が知られ、元の体長は半mを超えるほど大型であったと推測される化石も後に発見される[6]。他のウミサソリと同様、体は大きく前体(prosoma、頭胸部)と後体(opisthosoma、腹部)の2部に分かれる。
前体は台形の背甲に覆われ、その背面には三日月型の側眼(複眼)と小さな中眼(単眼)をそれぞれ1対をもつ。6対の前体付属肢(関節肢)の中で最初の1対である鋏角(chelicerae)は小さく目立たない。残り5対は脚で、それぞれ多少異なった形態をとり、後方の脚ほど多くの肢節に分かれる(第1脚は7節、第2-3脚は8節、第4-5脚は9節)[7]。第1脚(触肢 pedipalp)は最も貧弱で、第2-3脚は一連の棘をもち、第4脚は比較的に単純で細長い[7][8]。学名の由来でもある第5脚は高度に特化した遊泳脚で、全ての付属肢の中で最も発達しており、先端の数節が幅広いパドルを構成する[7]。このように遊泳脚に特化した第5脚は、本属をも含んだウミサソリ亜目(Eurypterina)の共有派生形質である[8]。
後体の体節は前端数節で最も幅広く、後半以降では後方に向けて次第細長くなる。他のウミサソリと同様、13節の中で最初の1節は退化的で、背面では12節の背板のみが見られる。この後体を更に前後で中体と終体(mesosoma と metasoma、または前腹部 preabdomen と後腹部 postabdomen)として区別させる見解もある[8]。他のウミサソリと同様、後体前半の腹面には板状の付属肢(1枚の下層板 metastoma と6対の蓋板 operculum)がある。最初の蓋板(生殖口蓋 genital operculum)の中央には、先端に1対の爪状の棘を備わった生殖肢(genital appendage)がある。生殖肢のうち type a は2節の長い棒状で棘は短く、type B は1節で短いものの棘は細長い[9]。残り5対の蓋板は他のウミサソリと同様に、書鰓などの呼吸器をもっていたと考えられるが、それを保存した化石は未だに本属から発見されていない[10][11]。後体の最終体節は両後縁がやや左右に広げ、終端には棘状の尾節(telson)が伸びる。
性的二形で、生殖肢は他のウミサソリと同様に雌雄によって異なる他、第2脚も雌雄によって鉤状の突起があったり欠けたりする[9]。
下位分類
2020年現在、疑問視される ?Eurypterus cephalaspis をも含めて15種が認められる[2]。
- ?Eurypterus cephalaspis Salter, 1856
- Eurypterus dekayi Hall, 1859
- Eurypterus flintstonensis Swartz, 1923
- Eurypterus hankeni Tetlie, 2006a
- Eurypterus henningsmoeni (Tetlie, 2002)
- Eurypterus laculatus Kjellesvig-Waering, 1958
- Eurypterus lacustris Harlan, 1834(= Eurypterus pachycheirus Hall, 1859 = Eurypterus robustus Hall, 1859)
- Eurypterus leopoldi Tetlie, 2006a
- Eurypterus megalops Clarke & Ruedemann, 1912
- Eurypterus ornatus Leutze, 1958
- Eurypterus pittsfordensis Sarle, 1903
- Eurypterus quebecensis Kjellesvig-Waering, 1958
- Eurypterus remipes DeKay, 1825(= Carcinosoma trigona (Ruedemann, 1916))- タイプ種
- Eurypterus serratus (Jones & Woodward, 1888)
- Eurypterus tetragonophthalmus Fischer, 1839(= Eurypterus fischeri Eichwald, 1854 = Eurypterus fischeri var. rectangularis Schmidt, 1883)
