ラムネ (清涼飲料)
玉詰びんに詰められた炭酸飲料
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ラムネ(Ramune)は、玉詰びんに詰められた炭酸飲料[1] のことである(「玉詰びん」の詳細については後述)。
「ラムネ」という名称は英語の「lemonade」が転訛したものである。別の言い方をすると、ラムネとはもともとは「玉詰びん」という特徴ある瓶に詰められた レモネードのことであった。ただし、中身の飲料の風味は長年の間に変化してきており、実際、サントリーのFAQではラムネとサイダーの違いについて「(もともとは)レモン風味(の飲料)で容器はビー玉栓のガラス瓶でした。長い年月を経るうちに、2つの境目はあいまいになり、現在は容器によって区別されています。」としている[2]。
戦前の文献では「ラム子」という表記でラムネと読ませる例も見られた[3](現在ではこの表記は使われない)。
概要
ラムネは「玉詰びん」という特徴ある瓶に入れられた、英語圏で「レモンライム」と呼ばれる 柑橘の香りのする甘酸っぱい炭酸飲料のことである。「玉詰びん」という容器と、レモネードという中身が組み合わせがラムネの要点であり、レモネードを普通のビンに入れただけでは一般に「ラムネ」とは呼ばない。「ラムネ」は複数のメーカーによって作られており、特定メーカーのブランド名のような固有名詞ではなく、普通名詞(一般的名称)である。
歴史
- 玉詰びん以前
1809年にイギリスのウィリアム・ハミルトンが炭酸水を保存するための容器「きゅうり瓶」を開発した。これはコルクの上から針金やひもで縛り、コルクが乾燥・収縮して炭酸が抜けないように、コルクを湿らせるため横に寝かせて置く形になっていた[4]。まだガラス玉は使う容器ではなかった。
- ラムネ瓶の登場
1843年にイギリスでハイラム・ゴットがビー玉で栓をする「玉入りラムネ瓶」が発明し、ヨーロッパを中心に普及した[4]。
- ラムネの日本への伝来
ラムネの日本への伝来については諸説ある[5]。
- ひとつは、1853年(嘉永6年)にペリー提督が黒船で浦賀に来航した際にラムネが日本に伝わったとする説で[5]、黒船に積んでいた「炭酸入りレモネード」を艦上で幕府の役人に提供したことがはじまりと言われている[4]。この際、栓を開けるとポンという大きな音がし、幕府の役人は驚いて腰の刀に手をかけたという逸話が伝わっている[4]。(ただし、このレモネードは「きゅうり瓶」に入っていたのかも知れない[4])
- 別の説は、1860年(万延元年)に長崎港へ入ったイギリス船によってもたらされた、とする[5]。以来、長崎では外国人用に販売されたという[4]。
- 近年の研究では、長崎市内の、出島、新地荷蔵、町屋から「きゅうり壜」が出土し、長崎ではペリーの来航以前から輸入され、飲用されていたことが確認されたという。当初長崎では「オランダ水」と呼び、また開栓時の音から「ポン水」と呼んでいたと言い、ポン水は外国人を通して(日本人にも)広まったという[6]。
- 日本での製造の開始
日本における製造開始についても諸説ある。
- ある説では、日本人で最初に製造販売したのは、長崎の藤瀬半兵衛だといい、開業は1865年(慶応元年)のことだったといい[7][8]、「レモン水」という名称で販売したという。
- 明治5年5月4日(1872年6月9日)には日本人に初めてラムネ製造の許可が下りた、とも[要出典]。(のちに5月4日は「ラムネの日」となった。)
- 別の説では、明治初期に神戸旧居留地のシム商会が日本で初めて製造と販売を行なったとする[要出典]。
- ライバル容器の登場
1892年にアメリカのウィリアム・ペインター(William Painter)が王冠栓(クラウンコルク)を発明、特許を取得され、世界的に普及していき、玉詰びんは世界各地で消えていった。
- 日本での生き残り
だが日本では、この容器と中身の組み合わせが確固たるスタイルや一種のスタンダードとしてしっかり定着して愛好され、生き延びた。これは(ほぼ)日本独自の現象である。
清涼な風味のほか、独特の形状をしたガラス瓶の清涼感もあいまって、夏の風物詩として日本人に長く親しまれてきた。大日本帝国海軍の艦艇においては、消火設備として設置された炭酸ガス発生装置をラムネ製造器に転用し、乗組員の嗜好品として供給した事も相まって、戦前から広く庶民に親しまれた。1933年3月には特務艦間宮にラムネ玉詰機が搭載された[9]。
1995年には日本ラムネ協会が設立された。
この容器と中身の組み合わせは、近年ではインバウンド観光客(日本を訪れる外国人)からも珍しがられ愛好されるようになっている。
2000年代には、海外で日本食の認知度も上がり、ラムネの日本国外への輸出も行われている。
- 現在の飲料の成分
中身の飲料は、基本的には、水に砂糖やブドウ糖果糖溶液といった糖類および(クエン酸などの)酸味料を加えて味を「甘酸っぱい」ものにし、さらにライムやレモン(風)の香料(フレーバー)を加えた炭酸飲料である。
容器


独特の形状の瓶は、1872年にイギリスのハイラム・コッドが米国特許[10] を取得したものが元になっており、英語では「コッドネックボトル」と呼ばれる。日本語では「ラムネ瓶」「玉詰め瓶」とも呼ばれる。
ラムネはこの玉詰め瓶(コッドネックボトル)という特徴ある容器と、中身の柑橘風味の炭酸飲料が、がっちりと組み合わさった状態で人々から認知されている商品であり、かつては炭酸飲料やサイダーの代表的なものとして広く飲まれていたが、ガス圧に抗して瓶に王冠で栓をする技術の普及や、缶飲料の登場で、シェアは小さくなっている。それに伴い、専用瓶のメーカーも少なくなった。発祥の地であるイギリスでは、すでにこの瓶は店頭から姿を消している。インドの一部地域ではいまだに瓶をつかったラムネに似たバンタやゴリソーダと呼ばれる飲料が販売されている。
瓶には、上から5分の2ほどの位置にくびれが設けられており、口とくびれの間にラムネ玉と呼ばれるガラス球が封入されている。この瓶に飲料を充填し、間髪を入れずに瓶をひっくり返すと、内部の炭酸ガスの圧力でラムネ玉が口部のゴムパッキンに押し付けられ、瓶が密閉される。すなわち、炭酸飲料の内圧だけを利用して密封する仕組みであった。金属やコルクの栓を使う普通のガラス瓶飲料と異なり、栓まで含めてリサイクルが可能なリターナブル容器ということになる。瓶は洗浄して再使用され、状態にもよるが、平均で25回使用されるといわれる。[要出典]しかし実際には子供たちがラムネ玉目当てに瓶を破壊してしまうことも多かった。またラムネ玉があるために、タバコの吸殻を始めとした異物が入っている場合に、洗浄が非常に困難になるという問題もある。
中身を飲む際は、瓶の口を密封しているラムネ玉を瓶内に押し込み、内圧を逃がすことで開栓する。長らく木製の押し込み用具(玉押し)が販売店頭などに置かれていたが、1980年代以降、開栓用の凸型をしたプラスチック製の器具「ラムネ開け」(玉押し)を添付して販売するのが主流となった。この「装着型のラムネ開け」(玉押し)は、販売時にはラムネ玉が押し下げられないようにリングを挟む形で容器上部に装着されており、開栓時にリングを外して再び容器の口に取り付け直接ラムネ玉を押し下げることで開栓する。開栓時には同時に容器の口を抑え込んでおかないと中身が吹き出すことがある。なお、開栓の際に瓶を斜めに傾けると、泡を出さずに開けることができる。ラッパ飲みやコップに注ぐ際に瓶を傾けると、押し込まれたラムネ玉が再び上がって口を塞いでしまうことがあるが、多くの瓶には口の手前にくぼみが付いており、そこに玉を引っ掛けるとこれを防ぐことができる。
販売までの経緯において取り扱いが悪く、開栓を待たずラムネ玉が容器内に落ちてしまっていることがあるが、このような場合、中身がこぼれていたり内容物が変質していることがあるため製造元や販売元に返送するよう商品に表示されていることが多い。
瓶製造は、広口に成型しておいた瓶にラムネ玉を入れてから口を熱してすぼめるという工程がとられる。2000年代では、洗浄しやすくするために瓶口がプラスチックとなり、中のラムネ玉を取るために口の部分を通常とは違う右回り(時計回り)にひねっていくと、口部キャップが外せるようになっている(スクリューキャップ)。2000年代では使い捨てのPET容器のラムネも登場している。ゴミ分別のため、やはり容易に口部を外してガラス玉を取り出せる構造になっている(スクリューキャップ)。このような口部のキャップを外すことが可能な商品の場合にはラムネ玉の誤飲を防ぐため、飲み終わってから外すよう注意表示が記されていることが多い。
近年の中身の飲料の変種
基本の柑橘風味の炭酸飲料だけでなく、 イチゴ風味やメロン風味といった非柑橘系フルーツ風味のラムネも存在し、これらはレモネード(レモン水)という原義に立ち返れば、明らかに語義矛盾である。しかし、これらのバリエーションラムネの存在は、ラムネとは日本で独自の発展を遂げた独特の容器に封入されたフルーツ系の風味のついた炭酸飲料と広く認識されるようになったことの証左であり、ラムネはすでにレモネードとは別種の飲料であると了解しうる、と指摘されている[11][12]。缶チューハイにおいて、「ラムネ風味」と「レモネード風味」が、それぞれ別個の味のバリエーションとして発売された例[いつ?](どの会社?)もある。
その他、下記のような変種のラムネも販売されることがある。
そのほか、辛口わさびラムネ、杏仁ラムネ、お茶らむね、キムチ風味のラムネ、カレー風味のラムネ、激辛カレーラムネ、ラー油風味のラムネ、たこ焼風味ラムネなども、一部の地域、店で販売されることがあるという。
業界とメーカー
関連法規、飲料組合によるラムネ業界保護
ラムネの製造は、全国清涼飲料協同組合連合会および全国清涼飲料工業組合連合会によって、分野調整法を背景に中小企業の分野として宣言されている。そのため、業界の慣習として大企業は製造に参入できない[14]。
日本の主なラムネ製造メーカー
特筆なき場合の出典:[15]
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