リッチ (ダンジョンズ&ドラゴンズ)
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この名称は、死体を意味する古語「lich」に由来する。『D&D』の共同制作者であるゲイリー・ガイギャックスは、ゲームに登場するリッチの描写は、ガードナー・フォックスの短編小説『The Sword of the Sorcerer』(1969)に基づいていると述べている[3][4][5]。
出版物での歴史
リッチは、『D&D』で最初期に登場したクリーチャーの1つである。
Original Dungeons & Dragons
『Dungeons & Dragons[注 1]』では、リッチは最初のサプリメント『Greyhawk』(1975)で導入された[3][6]。そこでは、生前はマジックユーザーかマジックユーザー/クレリックであり、その能力を保持したままの骸骨のモンスターとして簡潔に説明され、低レベルキャラクターを恐怖で逃げ出させる能力を持っていた。
リッチとサイオニックのルールとの関わり、そして象徴的なリッチである「ヴェクナ」については、Supplement III『Eldritch Wizardry』(1976)で説明されている。
Dungeons & Dragons Basic set
『D&D Basic Set[注 2]』には、『ダンジョンズ&ドラゴンズ・マスター・セット』(1985)の、『マスターダンジョンマスターズルールブック』に、独自版リッチが掲載されていた。この版では、「経箱(phylactery)」などについては触れられていないが、クレリックにもなれるとされている[7]。この項目は、『Dungeons & Dragons Rules Cyclopedia』(1991)にも再録されている[8]。
Advanced Dungeons & Dragons第1版
『AD&D[注 3]第1版』では、リッチは『モンスター・マニュアル(『MM』)』(1977)に登場し[9]、そこではより詳細な説明がされており「意志の力により、人ならざる、命無き存在に到達した。特定の召喚術、心術、そして経箱(phylactery)によってこの状態を維持する」という、簡潔で謎めいた記述がある。この経箱の性質と機能は説明されていないが[9]、 現実世界でも「phylactery」という言葉はあり、ユダヤ教の祈祷文が書かれた箱やキリスト教の聖遺物など、様々な意味を持つ。
レン・ラコフカの『ドラゴン』#26(1979)の記事「Blueprint for a Lich」では、呪文使いをリッチにするための方法が説明されている。この記事では、リッチが魂を「壺(jar)」に保管するという考えが紹介されているが、「phylactery」という言葉は使われていない[10]。
リッチの別形態である「デミリッチ」は、『恐怖の墓所(Tomb of Horrors)』(1978)で登場し、後に『The Lost Caverns of Tsojcanth』(1982)[11]、そして『Monster Manual II』(1983)にも登場した[12]。
リッチを生み出すためのPotion of Lichdomの詳細は、『Lords of Darkness』(1988)で語られた。『Blueprint For a Lich』の記述と似ているものの、ここでは単なる「壺」ではなく、「魔法の経箱」を準備するものとして説明されている[13]。
Advanced Dungeons & Dragons第2版
『AD&D第2版』では、リッチとデミリッチは『モンスターコンペンディウム I(Monstrous Compendium Volume One)』(1989)で初登場し、『Monstrous Manual』(1993)に再録されている。この版では、自身の「生命力」を「経箱」に蓄えていると明記されている[14][15]。
Spelljammerキャンペーン設定では、アクセサリ『Lost Ships』(1990)で「アーチリッチ」が登場し[16]、後に『Monstrous Manual』にも登場した。「master lich」は、『Legend of Spelljammer』(1991)に登場した。「firelich」と呼ばれるクリーチャーは、『Monstrous Compendium Spelljammer Appendix II』(MC9)で登場している。
レイヴンロフト・キャンペーン設定の「psionic lich」は、『ドラゴン』#174(1991年10月)で初登場し、その後『Van Richten's Guide to the Lich』(1993)、『Ravenloft Monstrous Compendium Appendix III: Creatures of Darkness』(1994)、『Monstrous Compendium Annual One』(1994)[17]、『Van Richten's Monster Hunter's Compendium』(1999)に登場した。『Ravenloft Monstrous Compendium Appendix III』では、「defiler lich」と「demi-defiler lich」、drow lich(およびdrow demilich、drider lich、drow priestess lich、drow wizard lich)、elemental lichとdemi-elemental lichなど、他のリッチの亜種もいくつか紹介された。
ドラゴンのリッチである「ドラコリッチ」は、『Monstrous Manual』(1993)で初登場した[15]。
“善”属性のエルフのリッチ「ベールノーン」は、『The Ruins of Myth Drannor』(1993)で初登場し、その後『Monstrous Compendium Annual Volume One』(1994)と『Cormanthyr: Empire of Elves』 (1998)に登場した。フォーゴトン・レルム・キャンペーン設定で、神格「ベイン」により創造されたリッチの一種「banelich」は、1995年に『Ruins of Zhentil Keep』ボックスセット(Monstrous Compendium booklet収録)で初登場し、その後『Monstrous Compendium Annual Volume Three』(1996)に登場した[18]。
グレイホーク・キャンペーン設定の「Suel lich」は、『ポリヘドロン』#101 (1994年11月)で紹介され、その後『Monstrous Compendium Annual Volume Two』(1995)に登場した。
ドラコリッチの作成に用いられるPotion of the Dracolichの説明は、『Forgotten Realms Monstrous Compendium Appendix』(1991)に掲載されている。これは『Encyclopedia Magica Volume III』(1995)に、Potion of Lichdomと共に再録されている[13]。
Red Steelキャンペーン設定の「inheritor lich」は、最初に『Red Steel Savage Baronies』(1995) に登場し、その後『Savage Coast Monstrous Compendium』(1996) に登場した。
Dungeons & Dragons第3版
『D&D第3版[注 4]』では、リッチは『MM』にテンプレートとして登場する。この版では、リッチの経箱はユダヤ教のテフィリンに似ていると説明されているが、指輪やamuletなどにもなり得ると記されている[19]。
banelichは、“善”のリッチであるアーチリッチやベールノーンと共に、『フェイルーンのモンスター(Monsters of Faerun)』(2000)に登場した[20]。
デミリッチは、『Epic Level Handbook』(2002)に再び登場した。
Dungeons & Dragons第3.5版
『D&D第3.5版[注 5]』では、改定版『MM』(2003)に、第3版リッチのデータがそのまま収録された。
“善”のリッチとlichfiendは、『Libris Mortis: The Book of Undead』(2004)に登場した[21]。lichfiendは『The Shackled City Adventure Path』の一部として、Dungeon #116(2004年11月)にも登場した。
dry lichは、『Sandstorm: Mastering the Perils of Fire and Sand』(2005)で登場した[22]。
Suel lichは、『ドラゴン』#339 (2006年1月) の特集「Campaign Classics」で再登場した。
Dungeons & Dragons第4版
『D&D第4版』では、リッチは『MM』(2008)に登場する。この版では、経箱について第3版と同様の説明がされているが、着用可能という記述は無い。また、プレイヤーがリッチになるための儀式が用意されている。また、「lich vestige」についても概説されている。これは、再構築ができない、弱体化した幽霊のようなリッチである[23]。リッチは、『ダンジョン・マスターズ・ガイド』(2008)にもテンプレートとして登場する[24]。
第4版のルールでは、プレイヤーは『秘術の書(Arcane Power)』にある「神話の運命」を通じて、アーチリッチになることを選択できる。
Dungeons & Dragons第5版
『D&D第5版』では、リッチが『MM』(2014)に登場する。この版のリッチは、経箱(どういうものかはそれぞれ異なる)に自らの魂を収め、捕らえた魂をそこに蓄え自らの存在を維持しているとされる。デミリッチとドラコリッチも登場する[25]。
解説
魔道士は死霊術によってリッチになる。リッチの魂を収めるには「経箱[26]」と呼ばれる魔法の容器を使用する[26][27]。リッチは痩せ細った様な容姿になる[28]。いくつかの資料では、リッチになる方法は「Ritual of Becoming」または「Ceremony of Endless Night」と呼ばれている[29]。この過程では、対象者は致命的な薬「Elixir of Defilation」を作成し、満月の日に飲む必要があるとされている。薬の詳細は様々な資料で異なっているが、薬の作成には、潜在的なリッチ自身の手で殺された幼児の血や、その他の同様に邪悪な要素を材料として使用するなど、ほぼ一般的に見て邪悪としか言えない行為が伴う。この薬は飲んだ者を必ず死に至らしめるが、もし成功すれば数日後にアンデッドのリッチとして蘇る。稀に、この変身は延命魔法の結果として偶然に起こることもある。
他の多くのアンデッドとは異なり、リッチは生前の記憶、人格、能力を全て保持している。しかし、技能を磨くための時間は事実上永遠に与えられ、必然的に非常に強力になる。他の強力なアンデッド(ヴァンパイアやマミーなど)と同様に、リッチはその状態に起因する超自然的な力を持っている。例えば、定命の者を精神麻痺の冬眠状態に陥らせ、他人には死んだように見せかけることができる。また、強力な呪文で下級のアンデッドを召喚し、自身を守らせることができる。リッチの骨は朽ち果てることはない。リッチは凄まじい物理ダメージに耐えることができ、病気、毒、疲労、その他生者にのみ影響を与える効果に対して耐性を持っている。しかし、アンデッドのあらゆる「恩恵」にもかかわらず、リッチの最も貴重な資源は、その膨大な知性、卓越した魔術の熟練度、そして研究、計画、策略のための「無限の時間」である。
リッチの魂は、神秘的な形で経箱に結び付けられているため、肉体を破壊してもリッチは死なない。むしろ、魂は経箱に戻り、肉体はリッチを不死に保つ力によって再構築される。したがって、リッチを永久に滅ぼす唯一の方法は、経箱も破壊することである。そのためリッチは一般に、この貴重なアイテムを極めて厳重に保護する。経箱は、事実上あらゆる形状があり[注 6]、秘密の場所に隠され、強力な呪文、護符、モンスター、その他従者によって守られている事が多い。また、経箱自体は魔法の性質を持つことが多いため、破壊するのは入手するのと同じほど困難である。
属性
リッチになる方法次第では、生前の属性を保持できるため、あらゆる属性のリッチが存在し得る。
D&Dのコア・ルールブックである第3.5版『MM』では、「リッチは常に“悪”である」と強調されているが、他のマニュアルでは“善”のリッチについても言及されている[15]。“善”のリッチは、 第3版ルールのサプリメント『フェイルーンのモンスター』で紹介されている。“善”のリッチは、特定の場所や愛する者を守るため、または重要な探求を続けるといった、「崇高な目的」のために不死を求めた存在とされる。一般的なD&Dキャンペーンでは、リッチは死を欺いた邪悪で力に飢えた魔道士である。
AD&D版Spelljammerのアクセサリである『Lost Ships』では、直感により呪文を記憶し、呪文書を必要としない“善”の「アーチリッチ」が登場する。アーチリッチはデミリッチにもならず、永遠にその姿のままである。第4版の書籍『秘術の書』には、“善”、“秩序にして善”、または無属性の英雄を対象としたepic destinyのアーチリッチが含まれている。フォーゴトン・レルムでは、アーチリッチは“善”属性の定命の神聖呪文使いから生まれた存在である。ベールノーンは古代エルフのリッチで、貴族の家を率いて賢明な助言により共同体を支援している。これらのような記録はあれど、善良なリッチは非常に稀で、邪悪な方がはるかに多く見られる。“善”のリッチも多少能力が低下している。
リッチの変種
デミリッチ
デミリッチはリッチの進化した形態であり、知識を得るための他の手段を模索し、アストラル投射を用いて物質界から離れ、存在の諸次元界を旅する。旅する中でその体は徐々に劣化し、頭蓋骨や片方の手だけが残るようになるが、それでも強大な力を持つクリーチャーであることに変わりはない[30]。Cracked.comのタイラー・リンは、2009年に発表した「D&D史上最も馬鹿げたモンスター15」の一つにデミリッチを挙げた。彼は「何の戦術的利点もないようだ。英雄パーティにピニャータのように叩き落とされるため浮いているだけだ」と、ユーモラスにコメントしている[31]。これに対して、Screen Rantのスコット・ベアードは、デミリッチを「D&D最強のモンスター10」の一つに含めており、「浮遊する頭蓋骨は、粉々に砕くのは簡単だと思うかもしれないが、それは間違いだ。デミリッチは、ゲーム内で最も耐久力のあるクリーチャーの1つだ」と述べている[32]。
ヒューマン以外のリッチ
他の種族にも独自の特別なリッチが存在し、必ずしも邪悪ではない。例えば、フォーゴトン・レルム設定のエルフは「ベールノーン(多くの場合、自分の家を監視および保護する義務を負う)」になることができ、イリシッドは「イリシリッチ(『アルフーン』としても知られる)」になることができる。ドラゴンも「ドラコリッチ」になることができる。ドラコリッチは、普通のリッチよりも遥かに強力であるため、非常に恐れられている。デミリッチとなったドラコリッチは、ドラゴンの基準でさえ、非常に強力なモンスターであろう。「Lichfiend」は、リッチとなった邪悪な来訪者である。
その他リッチ
リッチには他にも様々な変種が存在する。フォーゴトン・レルムの神格「ベイン」の極めて強力な神官「Banelich」は、100年ごとに力を増していく。「Dry lich」は砂漠に住むリッチで、上級クラス「Walker in the Waste」の行き着く先である。「Psilich」は強力なサイオニック・パワーの使い手で、魔法によらない手段で不死を達成した。Suel Imperiumにも独自のリッチ、「Suel lich」が存在した。彼らは、魂を肉体から肉体へと移す秘術を会得した強力な魔道士であり、その代償として肉体は短期間で燃え尽きてしまう。
著名なリッチ
D&Dにおけるリッチは通常、ほぼ全ての設定において最強格のアンデッドであり、最も強力な一般アンデッド・クリーチャーの一つである。
神格
D&Dの神々の中には、神格となる前はリッチだった者がいくつかいる。これらの神々には次のものが含まれる。
- フォーゴトン・レルム設定のドラウの女神、キアランサリー。
- リッチ王Mellifleur: キャンペーンに縛られないこの神格は、『Monster Mythology』ではリッチの神として紹介されている。
- グレイホーク設定のヴェクナ。
- フォーゴトン・レルム設定のVelsharoon。
- ギスヤンキのリッチクイーン・ヴラーキス157世は、神になることを目指してきた。
- エベロン設定では、エランディス・ド=ヴォル、崇拝者からはLady Volと呼ばれている。
神格以外のリッチ
- グレイホーク設定のアサーラック。
- Alokkair Wizard-King - シャドウデイルの地下に隠れ住んでいたリッチ。かつてアノーラック砂漠のHlonagh王国を支配していた[33]。
- フォーゴトン・レルム設定のArcane Archmage、Arklem Greeth。
- モジュール D1『Descent into the Depths of the Earth』の沈んだ洞窟の住人、Asberdies。
- フォーゴトン・レルムの書籍『Champions of Ruin』(2005)に登場する、Aumvor the Undying。
- レイヴンロフト設定におけるDarkonの領主、Azalin。
- Planescape設定の『Planes of Law』ボックスセットの、アケロンのrogue armyの支配者、Necromancer-KingのBoretti。
- グレイホーク設定における強力なドラコリッチ、Dragotha。
- ダーク・サン設定の3rd Champion of Rajaat、'Ravager of Giants'、 Sorcerer-King of GiustenalのDregoth。
- オルクスの首席外交官および城主、Harthoon(『不浄なる暗黒の書』および『魔物の書 I 奈落の軍勢』より)。
- フォーゴトン・レルム設定における、ネザリル最後の秘術使い、ラーロック。
- Planescape設定におけるDustmen勢力のリーダー、Skall。
- フォーゴトン・レルム設定における、事実上のサーイの支配者、ザス・タム。
- グレイホーク設定に登場するThessalar。thessalmonsterの創造者[34]。
- モジュール『Under Illefarn』に登場し、Lizard Marshを支配する、Redeye。
- フォーゴトン・レルム設定における、Cult of the DragonのFirst Speaker、Sammaster。
- フォーゴトン・レルム設定のベールノーン、Tordynnar Rhaevaern。
- The Twisted Rune Lords:Jymahna、Kartak Spellseer、Priamon Rakesk、Rhangaun、Sapphiraktar the Azure(ドラコリッチ)、および Shangalar the Black(全てフォーゴトン・レルム設定から)。
- エベロン設定のエランディス・ド=ヴォル。ほぼ神格化されている、ヴォルの血信仰の原動力。
- モジュール『Bloodstone pass saga』(特に H4『The Throne of Bloodstone』) およびR・A・サルヴァトーレによる『The Sellswords』三部作の最後の2作に登場する、Witch-King Zhengyi。
- 小説『Azure Bonds』に登場する、魔道士Cassanaの部下であり元恋人、Zrie Prakis。
D&D関連メディアで注目すべきリッチ
- Belpheronは、トリルの征服にあと一歩まで迫った強力なリッチ。『Neverwinter Nights』の拡張パック第1弾『Shadows of Undrentide』のバックストーリーに深く関わっている。 第2弾『Hordes of the Underdark』にもカメオ出演している。
- 『ダンジョンズ&ドラゴンズ タワーオブドゥーム』のラストボス、デイモス。
- 『Baldur's Gate II: Shadows of Amn』の隠しクエストのボス、カンガックス。
- 『ダンジョン&ドラゴン2』のKlaxx the Malign。
- 『Baldur's Gate: Dark Alliance II』のLyran 。
- 『Neverwinter Nights』で、リッチとなるためチャーウッド村の子供達を炎の王ベリアルへ捧げた魔道士、カーラット。
- メドゥサのHeurodisは、『Neverwinter Nights: Shadows of Undrentide』で、リッチとなるため自らの目(そして石化の凝視)を犠牲にした。ミサルの力を与える古代都市「アンドレンタイド」は、彼女の経箱として使われた。
- 『Neverwinter Nights: Hordes of the Underdark』のアンデッド・セクションのラストボスであるドラコリッチ、Vix'thra。
- 『Neverwinter Nights 2: Mask of the Betrayer』に登場する、タイタンからデミリッチとなったRammaq。
- 『Baldur's Gate II: Throne of Bhaal』のVongoethe。
- 『The Order of the Stick』のXykon。
評価
Geek & Sundryのジョシュ・ハララは、「リッチが現代のゲームやフィクションで本格的に普及したのは、D&Dの共同制作者であるゲイリー・ガイギャックスが1975年にサプリメント『Greyhawk』で、リッチを公式にゲームに追加した時だ。しかし、ガイギャックスがリッチというものを最初に思いついたわけではない。彼はそのアイディアのほとんどを、ファンタジー作家ガードナー・フォックスによる1960年代後半の短編小説から拝借したのだ」と報じている[3]。ヘンリー・グラシーンは、 SLUG Magazineの『MM』(2014)のレビューで、「第5版は最も印象的なクリーチャーのいくつかを取り上げ、それらに否定しようのない雰囲気を与えている」と述べ、リッチを「自分の住処全体を使って、パーティを殲滅しようと必死になる」モンスターの例とした[35]。
io9のロブ・ブリッケンは、リッチを「最も記憶に残るD&Dのモンスター10」の一つに挙げ[36]、Backstab (magazine)のレビュアーであるフィリップ・テシエは、リッチを「ダンジョンズ&ドラゴンズの古典」と呼んだ[28]。2018年にはSyFy Wireが、リッチを「D&Dで最も恐ろしく、忘れられない9つのモンスター」の1つに挙げ、「リッチはD&Dに限らず古典的なモンスターだが、卓上ゲームでリッチと対峙する時は厳しい戦いに備えた方が良い」と述べた[37]。Comic Book Resourcesは2018年に、同様にリッチを「最も強力なD&Dモンスター13」の1つに挙げ、「彼らは不死の呪文使いであり、経箱を見つけて破壊する必要があるため、殺すことはほぼ不可能だ。リッチがパーティに簡単にやらせるわけもなく、それがリッチをゲームで最も危険なモンスターの一つにしている」と述べた[38]。
Almaのエリック・シルヴァーは、ゲーム内での「phylactery(経箱)」という言葉の使用を批判し、「talisman(タリスマン)」というより中立的な言葉を提案した。シルヴァーは次のように書いている。「皆さんがどう思われるか分からないが、「phylactery」という言葉は、ユダヤ教の儀式用具である『tefillin』の英訳としてしか見たことがない。「phylactery」は、具体的には『聖典や秘術が記された小さな羊皮紙を保管するための護符、お守り、あるいは保管庫』と説明されている。[中略] さらに奇妙なことに、リッチは歴史的宗教研究に魅了されていたガイギャックスによって創造された。彼は、アンデッドの魔法使いの王が、ユダヤ人が日々の祈りに使うものに魂を宿すという選択をした。最近の版ではこの起源を遡っているが、Wizards of the Coastは「phylactery」という表現を使い続けている。ユダヤ的暗号はリッチに埋もれているが、リッチ自身と同様に、それを生き続けさせているのである。」[39]
大衆文化において
その他出版社
- リッチについては、Paizo Publishingの書籍『Undead Revisited』(2011)の22~27ページに詳しく記載されている[40]。2021年、Paizoは『Pathfinder RPG』第2版で「phylactery」という言葉の使用をやめ、代わりにリッチは「soul cage」を使って、物理的な物体に魂を封じ込めるようになった[26]。
- Judges Guildが出版した「The Book of Ruins」の20ページ、「The Final Refuge of Allmark」にリッチが登場する。
- リッチは、Judges Guildのモジュール『Citadel of Fire』では、ウィザードがアンデッド化した姿の一つとしてリッチが登場する。
- Lich Kingは、『13th Age』の強力なNPC類型「icon」の一人である[41]。
テレビ
- アニメテレビシリーズ 『アドベンチャー・タイム』は、テーブルトークRPG『D&D』から多くの要素を借用しており、マイナー(ゼラチナス・キューブ)とメジャー(リッチ)の両方のモンスターが登場する[42]。