レンジャー (ダンジョンズ&ドラゴンズ)

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レンジャーは、ファンタジーロールプレイングゲームダンジョンズ&ドラゴンズ』(D&D)に登場するキャラクタークラスの一つ。

ほとんどの版で標準的にプレイできるクラスの一つである[1][要ページ番号]。熟練したブッシュクラフト/木工の職人であり、隠者として人里離れた場所で暮らしていることも多い。

AD&D第2版の『プレイヤーズハンドブック(『PHB』)』では、ロビン・フッド巨人退治のジャック、狩猟の女神ディアーナギリシャ神話の英雄オーリーオーンなど、神話や伝説からのインスピレーションがいくつか記載されている[2]

出版物での歴史

Original Dungeons & Dragons

「レンジャー」は、『Original Dungeons & Dragons[注 1]』に最初は存在しなかったが[注 2]、『The Strategic Review』Volume 1, Number 2で初登場した[3]

Dungeons & Dragons Basic set

レンジャーは『D&D Basic set[注 3]』では、クラスとして使えなかった。しかし、『Best of Dragon Magazine』volumes 2–3にはこのヴァージョン向けの選択ルールが掲載されており、呪文リスト、取り巻き、追跡能力などが含まれていた。

Advanced Dungeons & Dragons第1版

「レンジャー」は、『AD&D[注 4]第1版』の『PHB』で利用可能なクラスの一つであり[4]、5つのサブクラスの内の一つだった[5]。第1版のレンジャーはファイターのサブタイプであり[6]、あらゆる武器を使用し、あらゆる防具を装備できたが、ファイターやパラディンよりも追加攻撃の獲得が遅かった。他のウォーリアー[注 5]とは異なり、レンジャーはd10ではなくd8のヒット・ダイスを使用したが、1レベルで2つ目のヒット・ダイスを獲得し、最大ヒット・ダイスは9ではなく11だった。レンジャーはパーセンテージスコアに基づく広範な追跡能力を持ち、d6で1~3の出目(1~2ではなく)で不意打ちができたが、自身は1の出目しか不意打ちを受けることがなかった。レンジャーは8レベルで限定的な呪文使用が可能になり、1~3レベルのドルイド呪文と1~2レベルのマジックユーザー呪文(レベルごとに最大2つ)を修得した。レンジャーは巨人やヒューマノイド(オークなど)との戦闘で最も力を発揮し、これらの敵に対してレベル毎にダメージに+1のボーナスを得た。

高レベルのレンジャーは随伴者を獲得し、クラス化されたプレイヤー・キャラクター種族から、乗騎ペガサス、スードゥドラゴン、ワーベア、カッパー・ドラゴンストーム・ジャイアントなどのクリーチャーまで多岐にわたる。 レンジャーは善属性を必須とし、当初はヒューマンとハーフエルフに限定されていた。レンジャーが選択できる唯一のマルチクラス・オプションは、ハーフエルフに限定された「レンジャー/クレリック」であった。

Advanced Dungeons & Dragons第2版

「レンジャー」は『AD&D第2版』でいくつかの変更を受けた。ヒット・ダイスはファイターとパラディンに合わせられた。レンジャーは依然としてあらゆる鎧を着用できたが、新しい能力のいくつかは軽装鎧の使用を必要とし、その中にはペナルティなしで二つの武器を使用するスキルや、シーフの特殊能力である「move-silently(音を立てずに動く)」と「hide-in-shadows(影に隠れる)」が含まれていた。追跡能力は維持されたが、パーセンテージロールではなくスキルチェックに基づいていた。レンジャーはまた、恐怖や敵意を抱く動物を鎮めることができる限定的テレパシー能力を獲得した。全ての巨人やヒューマノイドモンスターに対してダメージボーナスを得る代わりに、特定のクリーチャーを「敵」とすることができ、対象は巨人やヒューマノイド種族である必要はなかった。クラスの呪文能力は、「プラント(植物)」と「アニマル(動物)」のスフィアー[注 6]から1~3レベルのプリースト呪文に限定された。高レベルのレンジャーは、森の動物、神話的な生物(トレント、ペガサス、ピクシーなど)、およびドルイド、クレリック、または他のレンジャーなどのクラスキャラクターを部下として採用することができる。

レンジャーは一般的に善属性だったが、悪属性版がPakaと共に登場した。Pakaはレイヴンロフトに生息する変身能力を持つ猫型ヒューマノイド種族で、人類に対して敵対的である[7]

第2版の他のクラス同様、レンジャーには独自の拡張ハンドブック『The Complete Ranger's Handbook』が1993年に発行された[8]。このハンドブックは、レンジャーキャラクター向けに多くの新しいキット、装備、オプションを提供している。

Dungeons & Dragons第3版

D&D第3版[注 7]』では、「レンジャー」にさらなる変更が加えられた。敵となる種族は「得意な敵(favored enemy)」と改称され、レンジャーはレベルアップ時に追加の敵を選択できるようになった。クラスは魔法使用能力を維持しているが、その修得時期が大幅に早まり、独自の呪文リストが追加された。レンジャーの仲間に関する性質も大幅に変更された。複数の部下の代わりに動物の仲間を一匹得るようになり、以前の版より早いレベルで仲間を得られるようになった。以前の版で存在した種族と属性の制限は廃止され、初めて「悪のレンジャー」が可能になった。

Dungeons & Dragons第4版

D&D第4版』における「レンジャー」は、弓術または二刀流に特化する能力を維持した。レンジャーの役割は「撃破役」であり[注 8]、単体へのダメージに特化すると共に、機動力にも優れていた。パワー源は「武勇」で[注 9]、他の「武勇」クラス同様、その能力は「exploits」と呼ばれていた。レンジャーの特殊能力は、一撃離脱や単一の敵に集中する戦法に適していた。他の能力により、仲間を支援するための技能判定や、待ち伏せを回避する能力も備えていた。

Dungeons & Dragons Essentials

ルールブック『ヒーローズ・オヴ・ザ・フォーゴトン・キングダム 忘れられた国の勇者(Heroes of the Forgotten Kingdoms)』では、レンジャーの2つの再編集版が紹介されている。「ハンター」は遠距離攻撃に焦点を当てており、「スカウト」は近接攻撃に焦点を当てている。

Dungeons & Dragons第5版

「レンジャー」は、『D&D第5版』の『PHB』(2014)に、基本クラスの一つとして掲載されている[9]。第5版におけるレンジャーはハーフキャスターであり、限定的な呪文使用能力を持つ。その特徴と呪文は、探検、生存能力、敵の追跡に焦点を当てている[10]。3レベルに達すると、プレイヤーは「ハンター」と「ビースト・マスター」という、2つの「レンジャーの類型(サブクラス)」から1つを選択する[10]。「ハンター」は戦闘能力を獲得し、「ビースト・マスター」は制御可能な動物の相棒を得る[9]。第5版の発売以来、複数のソースブックがレンジャーの類型を拡大してきた。『ザナサーの百科全書(Xanathar's Guide to Everything)』(2017)では、さらに3つの類型が追加された。「グルーム・ストーカー(暗中の追跡者)」は暗闇に潜むことに焦点を当て、「ホライズン・ウォーカー(地平線を歩むもの)」は瞬間移動や次元間移動を行い、「モンスター・スレイヤー(化け物殺し)」は獲物と定めた敵への攻撃に長ける。『ターシャの万物釜(Tasha's Cauldron of Everything)』(2020)では、さらに「スウォームキーパー」と「フェイ・ワンダラー」の2つの類型が追加された[11]。『フィズバンと竜の宝物庫(Fizban’s Treasury of Dragons)』(2021)では、「ドレイク・ウォーデン」が追加された[12]

2016年、『PHB』(2014年版)に掲載されたレンジャーに対する批判を受け、Unearthed Arcanaのプレイテストの一環として「改訂版レンジャー」がリリースされた。このプレイテスト版では、レンジャーのコア能力の一部を使いやすくし、特にレンジャーが動物の相棒を使う方法が修正された。これにより、レンジャーは3レベルで動物の相棒を獲得し、同じターンに武器と動物の両方で攻撃できるようになった[13]。ただし、この改訂版はアドベンチャー・リーグなどの組織化されたプレイでは使用できない[13]。「改訂版レンジャー」のリリース後、第5版の共同リード・デザイナーであるジェレミィ・クロフォードは、「公式な代替ヴァージョンをリリースする計画はない」と繰り返し述べている[13][14]。2019年11月、Wizards of the Coastは「Class Feature Variants」という新たなUnearthed Arcanaをリリースし、レンジャーを含む全てのクラスに追加のクラス特徴を追加した[15]。これらの新しいクラス特徴の選択ルールは、2020年に『ターシャの万物釜』のリリースと共に、オプション・ルールとして導入され、ビースト・マスターの相棒に関するオプション改訂版も含まれている[16]

One D&D

次期バージョンのレンジャーのプレイテストが発表された[17]。2022年9月、彼らはOne D&D向けの「Unearthed Arcana 2022 - Expert Classes」のプレイテスト資料をリリースし、これには20レベルまでのレンジャーをプレイするためのルールやサブクラスが含まれていた[18]

評価

Screen Rantは、第5版の12基本クラスの中で、レンジャーを最も弱いクラスと評価した。「このクラスが最下位となった理由は、プレイヤーに特定の役割を強いるからだ。得意な敵と地形を選択できる点は、様々なボーナスを得られ魅力的だが、例えばレンジャーがアンダーダークで異形との戦闘に長けていても、DMが冒険の舞台を砂漠の廃墟に設定した場合、そのボーナスはあまり役に立たない。ただ、改訂版レンジャーのステータスは、このバランスを多少改善している。プレイヤーはそこまで特定条件に縛られる必要はないが、それでもより特化したクラスを選んだ方が良いかもしれない。」[19]

2018年、クリスチャン・ホッファーはComicBook.comで、「現在のD&Dファンの多くは、クラス固有能力の不足とダメージ出力の低さから、レンジャーがゲーム内で最も弱いクラスだと考えている。その中でも、「ビーストマスター」は最も批判されているサブクラスだ[中略]。公式ではないものの、多くのファンは『PHB』に収録されたオリジナルのレンジャーよりも、改訂版レンジャーを好んでいた」と述べている[13]。ホッファーはまた、クロフォードがレンジャーは変更されないとの発言を繰り返したことを指摘し、「驚くべきことに、クロフォードのコメントは週末に様々な掲示板やフォーラムでD&Dに関する激しい議論の火種となり、プレイヤー達はコア・レンジャークラスの優位性と、D&Dチームによって放棄されたと見なされる改訂について議論した。[中略] アドベンチャー・リーグのゲームでプレイしていない限り、改訂版レンジャーのルールを使用できるかどうかは、最終的にDMの判断に委ねられる。D&Dでは自作ルールが非常に一般的であり、家庭内で改訂版レンジャーを自由に使うことを妨げるものは無い」と語っている[13]

2019年、ジェレミー・トーマスは411Maniaで「レンジャーは第5版D&Dプレイヤーから長年批判の的になっており、特に「ビーストマスター」が弱すぎると主張されてきた。WotCは"改訂版レンジャー"をリリースしたが、これはクラスのオプション版として機能し、コア・ヴァージョンを置き換えるものではない」と述べた[14]

The Gamerは、『ザナサーの百科全書』に登場する32の新キャラクター・オプションの中で、第5版のレンジャーのサブクラス「ホライズン・ウォーカー」を、「13の素晴らしいサブクラス」の1つとして紹介している[20]

FiveThirtyEightのGus Wezerekによる第5版のレポートでは、 2017年8月15日から9月15日までにD&D Beyondでプレイヤーが作成したキャラクター10万人あたりのクラスと種族の組み合わせの内、レンジャーが8,887件で6番目に多く作成されたと報告した。最も一般的な種族の組み合わせはエルフ(3,076)で、次にヒューマン(1,715)、ハーフエルフ(891)が続いた。「エルフのレンジャー」は、全てのクラスと種族の組み合わせの中で、2番目に多く作成されたキャラクターであった[21]

脚注

関連項目

外部リンク

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