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ロイヤル・バレエ団

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ロイヤル・バレエ団(The Royal Ballet)は、イギリスの王立バレエ団。

ロイヤル・オペラハウスが1946年以来の本拠地

フランスの「パリ・オペラ座」、ロシアの「マリインスキー・バレエ」の2大バレエ団に加えて、世界三大バレエ団の一つと称されることもある。三大バレエ団の中ではもっとも歴史が浅いが、王立ということもあって格式高いことで知られる。

本拠地はロイヤル・オペラ・ハウス(Royal Opera House)であり、ロンドン中心部のコヴェント・ガーデン(Covent Garden)にある。

2022年現在の名誉総裁はチャールズ3世[1]、芸術監督は元BRBプリンシパルのケヴィン・オヘア。2020年現在の所属ダンサーは90人[2][3]。#ダンサー

傘下にロイヤル・バレエ学校がある。

概説

特色

マリインスキー・バレエやパリ・オペラ座が王室の命によって設立され、王室の擁護の中で数百年の歴史を持つのとは対照的に、ロイヤル・バレエの設立は個人によるものであり、そのために当初から演劇的で大衆受けする作品が作られていた。王立バレエ団となってからも、前述のアシュトンに加え、J・クランコ、K・マクミランなど個性的な振付家が輩出され、『ラ・フィユ・マル・ガルデ(リーズの結婚)』、『マノン』、『うたかたの恋』、『パゴタの王子』など演劇性の高い作品が生まれた。演劇の伝統の色濃いイギリスのバレエ団らしく、古典作品においてもマイム(パントマイム)を多く残す振付を上演するほか、演技に重きを置くプリンシパル・キャラクター・アーティストという階級をダンサー最高位のプリンシパルと並び設けている点も、とりわけ特徴的である。

また、前記のマリインスキー・バレエやパリ・オペラ座、あるいはそれに匹敵するボリショイバレエ団のフランスやロシアの3大バレエ団が、自国の子供を付属のバレエ学校で育てたダンサーを中心に団員を構成し(マリインスキーとボリショイならばロシアおよび旧ソ連国家、オペラ座ならフランス)外国人は少ないのとは対照的に、1980年代後半から他国でバレエ教育を受け、すでに高いレベルに成長したダンサーを積極的に入団させているのも特徴としてあげられる。結果、日本の熊川哲也・吉田都、フランスのS・ギエム、スペインのT・ロホ、キューバのC・アコスタ、ルーマニアのA・コジョカル、アルゼンチンのM・ヌニェスなど国際色豊かな多士が揃うようになった。反面、安易に他国の優秀ダンサーを引き抜いてばかりで、自国のダンサーを育成していないという指摘もある。また『マノン』、『ロミオとジュリエット』など1960年代から1970年代に製作された新古典上演を重んじるあまり、W・フォーサイスなどコンテンポラリー、モダン系の演目を取り入れるのが遅れ、レパートリーが旧態依然となっているという批判もある。

公演

秋から翌年夏までを「1シーズン」とし、通常の年だと、1シーズンでおよそ100回〜140回の公演を精力的に行っている。

本バレエ団の本拠地であるロイヤル・オペラ・ハウスのメインステージは、ロイヤル・オペラ(歌劇場)とスケジュールを分け合って交互(あるいは日替わり)に上演を行うシステムになっているので、1年のうち約3分の1ほどの日数が本バレエ団の公演に割り当てられている。

また通常の年だと、夏(7月〜8月頃)に約3〜4週間のスケジュールで海外ツアー(海外公演)を行っている。本バレエ団の定番の海外ツアー先としては日本とアメリカ合衆国(ニューヨークやロサンゼルスなどの主要都市)が挙げられる。そのほか、ヨーロッパ各国の主要都市やロシア(モスクワ・サンクトペテルブルク)や中国で公演を行ったこともある。

歴史

先にバレエ・リュスで活躍していたアイルランド出身のバレリーナ、ニネット・ド・ヴァロアが1931年にロンドンで始めたヴィック・ウェルズ・バレエ(Vic Wells Ballet)が濫觴(らんしょう)[注 1]である。英国にはまだ国立のバレエ団は存在せず、全くの私立カンパニーとしての始まりであった。1942年までにバレエ団はロンドンのサドラーズ・ウェルズ劇場を本拠地とするサドラーズ・ウェルズ・バレエ団となり、先に設立していたバレエ学校でM・フォンテイン、M・シアラーなど自前の舞踊手を育成していった。初期作品にはド・ヴァロアの振付によるものもあったが、やがて舞踊手出身のフレデリック・アシュトンが振付を開始して数々の名作品を生み出すようになる。第二次世界大戦が始まるとヨーロッパ各国への公演、駐留軍への慰問公演などを積極的に行い、集客力と知名度を上げていった[4]。

1946年、戦争で閉鎖していたロンドンのロイヤル・オペラ・ハウスは再開にあたってサドラーズ・ウェルズ・バレエ団を傘下に置くことになり、バレエ団はコヴェント・ガーデンに本拠地を移した。旧本拠地のサドラーズ・ウェルズ劇場はその代償として分派させたバレエ団の一部を姉妹カンパニーとして手元に留まらせ、その名称はサドラーズ・ウェルズ・シアター・バレエ団となった(移転した方の名称は旧来のまま)。

1956年、王室勅書によりマーガレット王女を名誉総裁とする王立バレエ団となる。2つのバレエ団はそれぞれロイヤル・バレエ団、サドラーズ・ウェルズ・ロイヤル・バレエ団の名称が冠せられた。なお1991年にサドラーズ・ウェルズ・ロイヤルはバーミンガムに移転し、バーミンガム・ロイヤル・バレエ団と改称して現在に至っている。


主なレパートリー

フレデリック・アシュトン振付
ケネス・マクミラン振付
ニネット・ド・ヴァロア演出・振付
ピーター・ライト演出・振付
デヴィッド・ビントレー振付
  • 『ペンギン・カフェ』 ('Still Life' at the Penguin Café)
クリストファー・ウィールドン振付

リアム・スカーレット振付

  • 『フランケンシュタイン』 (Frankenstein)

ダンサー

プリンシパルのマリアネラ・ヌニェス

※2020年9月1日現在。階級別では以下の通り[3]。

プリンシパル 15人
プリンシパル・キャラクター・アーティスト 7人
ファースト・ソリスト 15人
ソリスト 10人
ファースト・アーティスト 15人
アーティスト 28人

上記正団員の合計が90人。これ以外にA・ジェブセン育成研修生6人、ローザンヌ賞研修生1人を登録している。

最新の状況については、Roybal Ballet Opera公式サイトのDancersのページを確認する必要がある。

在籍した主なダンサー

日本との関わり

1961年以来、数年に一度来日公演を行っており (来日公演一覧参照)、日本国内でも高い人気を維持している。

来日公演一覧

年
演目
主な出演者
芸術監督
公演場所
1961 『白鳥の湖』 (ヴァロア改訂版)
『ジゼル』
『レ・シルフィード』 『チェックメイト』
『ソリティア』ほか
M・フォンテイン
M・ソムズ
L・シーモア
ニネット・ド・ヴァロア 東京文化会館ほか
1975 『眠れる森の美女』 (マクミラン振付)
『リーズの結婚』(アシュトン振付)
A・ダウエル
M・パーク
L・コリア
ケネス・マクミラン 東京・名古屋・大阪ほか
1983 『マノン』(マクミラン振付)
『スケートをする人々』
『田園の出来事』 (アシュトン振付)
ほか
A・ダウエル
M・パーク
L・コリア
M・メイソン
ノーマン・モリス 東京・名古屋・大阪・
広島・福岡
1987 『うたかたの恋』 (マクミラン振付)
『眠れる森の美女』
L・コリア
M・メイソン
F・チャドウィック
M・コールマン
アンソニー・ダウエル 東京・横浜・名古屋・
大阪・福岡・鹿児島
1992 『三人姉妹』
『真夏の夜の夢』 (アシュトン振付)
『ラ・バヤデール』
D・バッセル
L・コリア
V・デュランテ
S・ギエム
熊川哲也
東京・横浜・名古屋・
大阪・広島・岡山・
多摩・相模大野・長野・
勝田・札幌
1995 『ジゼル』
『眠れる森の美女』
D・バッセル
S・ギエム
V・デュランテ
I・ムハメドフ
J・コープ
熊川哲也
東京・富士・名古屋・
大阪・和歌山・市川・
ひたちなか・札幌
1997 『ロメオとジュリエット』 (マクミラン振付)
『ドン・キホーテ』(バリシニコフ振付)
A・クーパー
S・ギエム
J・コープ
熊川哲也
吉田都
I・ムハメドフ
東京・大阪
1999 『マノン』 (マクミラン振付)
『白鳥の湖』 (ヴァロア改訂版)
『リーズの結婚』(アシュトン振付)
D・バッセル
S・ギエム
V・デュランテ
吉田都
J・コープ
B・サンソム
I・ゼレンスキー
東京・大阪・名古屋・
札幌・浜松・横浜
2005 『シンデレラ』 (アシュトン振付)
『マノン』
D・バッセル
S・ギエム
吉田都
A・コジョカル
J・コボー
T・ロホ
モニカ・メイソン 東京文化会館
2008 『シルヴィア』 (アシュトン振付)
『眠れる森の美女』(モニカ・メイソン改訂演出)
T・ロホ
J・コボー

R・マルケス
M・ヌニェス
D・マッカテリ
T・ソアレス
東京文化会館・
大阪 〔ガラ公演のみ〕
2010 『リーズの結婚』 (アシュトン振付)
『うたかたの恋』 (マクミラン振付)
『ロメオとジュリエット』 (マクミラン振付)
吉田都[5]
C・アコスタ
T・ロホ
A・コジョカル
M・ヌニェス
R・マルケス
J・コボー
S・マックレー
E・ワトソン
東京文化会館
2013 『不思議の国のアリス』 (ウィールドン振付)
『白鳥の湖』 (ダウエル改訂演出)
R・マルケス
M・ヌニェス
S・マックレー
E・ワトソン
Z・ヤノウスキー
S・ラム
崔由姫
ケヴィン・オヘア
2016 『ロミオとジュリエット』(マクミラン振付)

『ジゼル』(ピーター・ライト改訂演出)

L・カスバートソン
F・ヘイワード
N・オシポワ
S・ラム
M・ヌニェス
S・マックレー
M・ゴールディング
V・ムンタギロフ
東京文化会館
福岡サンパレス
兵庫県立芸術文化センター
愛知県芸術劇場
ふくやま芸術文化ホール
2023 『ロイヤル・セレブレーション』
『FOR FOUR』
『プリマ』
『田園の出来事』
『ジュエルズ』より”ダイヤモンド”
『ロミオとジュリエット』
M・ボール
W・ブレイスウェル
R・クラーク
F・ヘイワード
平野亮一
金子扶生
S・ラム
M・マグリ
S・マックレー
V・ムンタギロフ
Y・ナグディ
M・ヌニェス
N・オシポワ
高田茜
L・モレーラ
ケヴィン・オヘア 東京文化会館
大阪フェスティバルホール
アクリエひめじ

※初来日は1961年。竣工直後の東京文化会館で行われた。

日本人バレエダンサーとのかかわり

傘下におくロイヤル・バレエ学校がこれまでに優れたダンサーを輩出していることもあり、ロイヤル・バレエ団は国際的なバレエダンサーを目指す者にとって究極の目標と見なされているといっても過言ではない。

日本出身のダンサーとしては、熊川哲也、吉田都、佐々木陽平、蔵健太、小林ひかるらが所属し活躍した歴史があり、こうした活躍は日本人の後輩バレエダンサーらにとって手本となっている。

([いつ?]現在では) 平野亮一、高田茜、金子扶生が、最高位プリンシパルとして活躍。 崔由姫、アクリ瑠嘉、佐々木万璃子、前田紗江 がファースト・ソリストとして、桂千里、中尾太亮、五十嵐大地がソリストとして所属。

また佐々木須弥奈はファースト・アーティスト。また、ローザンヌ国際バレエコンクール2024 第5位入賞の小林愛里も研修生として所属している。

関連項目

脚注

外部リンク

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