ヴァンパイア (ダンジョンズ&ドラゴンズ)

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属性あらゆる“悪”
ヴァンパイア
Vampire
DnD_Vampire
特徴
属性あらゆる“悪”
種類アンデッド
統計Open Game License stats
掲載史
初登場Dungeons & Dragons "white box" set (1974)

ファンタジーロールプレイングゲーム(RPG)『ダンジョンズ&ドラゴンズ』(D&D)におけるヴァンパイア(Vampire)は、アンデッドクリーチャー

人型生物(ヒューマノイド)、あるいは人型の「怪物」クリーチャーはヴァンパイアになることができ、生前と変わらぬ姿で、青白い肌、不気味な赤い目、そして野性的な容貌をしている。

既存のヴァンパイアが生きているクリーチャーから生命力を吸い取ることで、新たなヴァンパイアが誕生する。その描写は、1930年代から1940年代の、『魔人ドラキュラ』を始めとしたハリウッドの怪奇映画に通じるものがある[1]ヴァンパイアをゲームに登場させるにあたり、他の民間伝承に登場するクリーチャー同様、作者らは近年の大衆文化に見られるどの要素を、解説や特徴に取り入れるべきか検討する必要があった[2]

出版物での歴史

ヴァンパイアは、『D&D』で最初期に登場したクリーチャーの一つである。プレイヤー・キャラクターとしてのヴァンパイアというコンセプトは、デイヴ・アーネソンのプレイテスト・グループがルールのオリジナル版を作成した際に、既に存在していた。このコンセプトはヴァンパイアハンターの誕生につながり、これがクレリックの基盤となった[3]

ゴシック小説に触発されたヴァンパイアは、レイヴンロフト・キャンペーン設定の典型的な住人である[4]

Original Dungeons & Dragons

ヴァンパイアは、『Dungeons & Dragons[注 1](OD&D)』の「white box[注 2]」セット(1974)で初めて登場したモンスターの一つであり[5]、そこでは単に強力なアンデッドとして描写されていた。その後、サプリメントGreyhawk』(1975)でさらに詳しく解説された[6]

Dungeons & Dragons Basic set

この版には独自のヴァンパイア版が含まれ、『D&D Basic Set[注 3]』(1977)[7]と『Dungeons & Dragons Expert Set』(1981、1983)に[8][9]、後に『Dungeons & Dragons Game』ボックスセット(1991)、『Dungeons & Dragons Rules Cyclopedia』(1991)[10]、『Classic Dungeons & Dragons Game』セット(1994)、『Dungeons & Dragons Adventure Game』セット(1999)にも収録された。この最後のセットには、lesser vampireも登場した[11]

ヴァンパイアの近縁種velyaは、モジュール海賊都市クロン(War Rafts of Kron)』(1984)で登場し、その後『Creature Catalogue』(1986)[12]、後年の『Creature Catalog』(1993)にも登場した[13]swamp velyaは、モジュール『Legacy of Blood』(1987)で登場した。

nosferatuは、ガゼッタ『The Grand Duchy of Karameikos』(1987 )と『The Principalities of Glantri』(1987 )、および『モンスターマニュアル(Creature Catalog)』(1993)に登場した。

Advanced Dungeons & Dragons第1版

ヴァンパイアは、『AD&D[注 4]第1版』の『モンスター・マニュアル(『MM』)』(1977)に登場し[14]、犠牲者から生命エネルギーを吸い取る強力な負の力を持つ、“混沌にして悪”の夜に行動するクリーチャーとして描写されている。

ドラゴン』#25(1979年5月)では、alpanananngelasanbosambruxsaburcolakascatacanoch'ing-shihekimmukrvopijaclobishumenmulonosferatvlkodlakといったヴァンパイアの亜種について詳述されている。この記事は後に『Best of Dragon, Vol. II』(1981)に再掲載された。

vampiric lizard manは、モジュール『Tomb of the Lizard King』(1982)に登場した。

Lankhmar vampireは、モジュール『Swords of Deceit』(1986)に登場した。

ドラキュラ自身も、『ドラゴン』#126 (1987年10月)でAD&Dのデータ・ブロックを得て、vrykolakagreat vrykolakaも紹介された。

Advanced Dungeons & Dragons第2版

ヴァンパイアは、『モンスターコンペンディウム I(Monstrous Compendium Volume One)』(1989)に初登場し、Eastern vampireも紹介されている[15]。標準的なヴァンパイアとEastern vampireは『Monstrous Manual』(1993)に再録されている[16]

Spelljammer設定における、標準的なヴァンパイアとEastern vampireのヴァリエーションについては、サプリメント『Crystal Spheres』(1990)で詳述された。

lidevicは、『Dragon』#158(1990年6月)に掲載された。

レイヴンロフト設定のnosferatu vampireは、ボックスセット『Ravenloft: Realm of Terror』(1990)に登場し、後に『Ravenloft Monstrous Compendium Appendix III: Creatures of Darkness』(1994)、『Van Richten's Monster Hunter's Compendium』(1999)にも登場した。『Monstrous Compendium Ravenloft Appendix』(1991)には、dwarf vampireelf vampiregnome vampirehalfling vampirekender vampireなど、いくつかのヴァンパイアの亜種が登場し、これらのクリーチャーは『Ravenloft Monstrous Compendium I & II』(1996)に再録された。『Monstrous Compendium Ravenloft Appendix II 』には、Eastern vampireMayonakaが登場し、同書に登場したillithid vampireAthaekeethaは、後に『Ravenloft Monstrous Compendium I & II』、『Thoughts of Darkness』(1992)、『The Illitiad』(1998)にも登場する。oriental vampiredrow vampireは、『Ravenloft Monstrous Compendium Appendix III: Creatures of Darkness』に登場した。cerebral vampireは『Bleak House: The Death of Rudolph van Richten』(1996)で登場し、その後『Monstrous Compendium Annual Volume Four』(1998)に登場した[17]

ミスタラ設定のヴァンパイアについては、『Night of the Vampire』(1994)で詳述されている。velyaとswamp velyaは、『Mystara Monstrous Compendium Appendix』(1994)で再登場した[18]。Savage Coast設定のnosferatuは、『Savage Coast Monstrous Compendium Appendix』(1996)に登場した。

『Dragon Annual』#1 (1996) では、多数のアンデッド亜種について詳述し、aswang(ガスト)、baobhan sith(ドッペルゲンガー)、civatateo(マミー)、dubbelsauger (グール)、eretica(ハグ)、fravashi(サキュバス)、gayal(レイス)、hannya(ワイト)、impudulu(zombie lord)、jigarkhor(ワイト)、kuei(スケルトン)、レムレー(スペクター)、moroli(ワイト)、nelapsi(ヴァンパイア)、ohyn(ゴブリン)、pelesit(猿)、qarlak(ワイト)、ramanga(ゾンビ)、stregoni(ヴァンパイア)、tlacique(spectre)、ustrel(ゴブリン)、vetala(レイス)、wurdalak(ライカンスロープ)、xloptuny(ワイト)、yara-ma-yha-sho(lizard man)、zmeu(ゴースト)などがいる。

『Dragon』#236 (1996年11月)には、フォーゴトン・レルム設定の3人のユニークなヴァンパイア、モーグ、Saed, Beast Chieftain of Veld、Saestra Karanokが登場した。

Dungeons & Dragons第3版

ヴァンパイアは、『D&D第3版[注 5]』(2000)の『MM』にテンプレートとして登場する[19]

hopping vampire[注 6]は、『Oriental Adventures』(2001)に登場した[20]

drider vampireは、フォーゴトン・レルム設定の『City of the Spider Queen』(2002)に登場した[21]

Dungeons & Dragons第3.5版

『D&D第3.5版[注 7]』(2003)の改訂版『MM』には、elite vampireと共にヴァンパイアが登場する。

moonbane vampirepersuasive vampirepsychic vampiresavage vampireswarmform vampireは、『Libris Mortis: The Book of Undead』(2004)に登場した[22]

vampire mind flayerは、『Lords of Madness』(2005)に登場する[23]

Kasian vampiresavage vampireshadow vampireterror vampireは、『ドラゴン』#348 (2006年10月) に登場した。

『Monster Manual V』(2007) には、Black DukeRed Widowという、2人のユニークなヴァンパイアが登場した。

Dungeons & Dragons第4版

ヴァンパイアは、『D&D第4版』の『MM』(2008)に登場する[24]

サプリメント『プレイヤーズ・オプション:影の勇者(Heroes of Shadow)』(2011)では、ヴァンパイアはキャラクタークラスとして登場する[25]。ヴァンパイアの特徴を持つ人型種族であるVrylokaも登場する[26]

『Dragon Annual 2009』および『Dragon Magazine 371』にも、一連の「feat」として「Vampire Bloodline」が掲載された。

Dungeons & Dragons第5版

D&D第5版』の『MM』(2014)には、ヴァンパイアは「spellcaster」や「warrior」などの亜種と共に登場している[27]

jiangshi[注 8]は、『Van Richten's Guide to Ravenloft』(2021)に、キャラクター種族を置き換える「lineage」としてのdhampirと共に登場している[28]

解説

ヴァンパイアはあらゆる“悪”属性を持つ可能性があり、生前“悪”属性でなかったとしても、不死の存在となった後には“悪”属性になる。ヴァンパイアは生前持っていた能力をすべて保持し、血や生命エネルギーを吸い取る、視線で他のクリーチャーを支配する能力を得る。また、ラット、バット、ウルフを操ったり、それらクリーチャーの姿に変身することもできる。さらに、超人的な力、素早い治癒や再生、ガス化形態となる、などの能力も得られる。

ヴァンパイアの中には、Kanchelsisを崇拝する者もいる。

ヴァンパイア・スポーン

ヴァンパイア・スポーン
Vampire Spawn
特徴
属性あらゆる“悪”
種類アンデッド

D&Dにおけるヴァンパイア・スポーンは、定命の者がヴァンパイアに噛まれて死んだ後に生まれる、アンデッド・クリーチャーである。生前とほぼ同じ姿(通常は人型)だが、灰色がかった肌になり、より冷酷で捕食者的な容貌になる。自身を生み出したヴァンパイアによって操られる。自身をヴァンパイア・スポーンに変えたヴァンパイアの血を飲むことで、通常のヴァンパイアになることができる。

ヴァンパイア・スポーンは、その習性がヴァンパイアに似ており、墓や棺桶に執着する“悪”のクリーチャーである。ヴァンパイアよりも知能が低く、肉体的にも強くはあるが劣っている。バット、dire bat、ウルフ、ダイア・ウルフに変身することはできず、それらを召喚することもできない。自分自身のスポーンを作り出すこともできない。敵を壁に叩きつける、殴りつける、手足を引き裂くなどして攻撃する。エネルギー吸収や、吸血することも可能である。対象を凝視するだけで、自信、勇気、エネルギー、希望、喜びを奪い取る。ガス化形態となったり、蜘蛛のように壁を歩く能力も持つ。しかし、ヴァンパイアを撃退する全ての攻撃や呪文に対しても、同様に弱い。

ヴァンパイア・スポーンは共通語を話す。属性はいずれかの“悪”となる。

D&Dのサプリメント『Libris Mortis』でヴァンパイア・スポーンは、他のいくつかのアンデッド・クリーチャーと共に、プレイヤー・キャラクターとなれるクラスになった。

ヴァンパイアの亜種

  • Moonbane Vampire - 満月の光に弱いヴァンパイア。
  • Monstrous Vampire - 人型生物でないヴァンパイア。
  • Persuasive Vampire - 言葉の力で聞き手の意見を動かす。
  • Psychic Vampire - 犠牲者の肉体的な健康ではなく、精神的な力を奪う。
  • Savage Vampire - 野蛮な力に頼り、集団で狩りをする。
  • Swarmform Vampire - 小動物の群れの形態をとることができる。
  • Vampiric Dragon - 通常のヴァンパイアが棺桶に執着するように、自らの宝に永遠に縛り付けられた、ドラゴンのヴァンパイア。この弱点は、チョーカーやリストバンドなどの魔法の装身具を使うことで、克服することもできる。中でも最も有名なのは、Smoke drakeのBrimstoneが身につけていたダイアモンドのチョーカーである。これにより、彼は夜であればいつでも住処から好きなだけ遠くまで移動できた。

Oriental Adventures

  • Hopping Vampire - 死体が不適切に埋葬されたり、縁起の悪い場所に埋葬されたりした場合に発生する。
  • Penanggalan - 浮遊する頭から内臓が垂れ下がっており、それを犠牲者の喉や手足に巻き付けて命を奪い、血を吸う。

著名なヴァンパイア

  • ストラード・フォン・ザロヴィッチ - 元々アドベンチャー・モジュール『I6:Ravenloft』に登場し、後にレイヴンロフト設定の象徴的存在となった。
  • Union of Eclipses - 物質界の複数の世界にまたがって支配力を持つ、強力かつ影響力のあるヴァンパイアの結社。
  • Vlad Tolenkov - ロルスのアドヴァイザーであり配偶者でもあった。デーモンウェブ・ピッツに囚われたNightmare Worldに住んでいる。
  • Drelnza - 大魔道士イグウィルヴの娘。ツォジキャンスの失われし洞窟網の主な宝の守護者として、休眠状態で封印されていた。
  • Kas the Bloody-Handed - リッチのヴェクナに仕えていた。後にヴェクナを裏切り、殺害を試みた。

評価

io9のロブ・ブリッケンは、ヴァンパイアを「D&Dで最も嫌なモンスター12」の1つに挙げた[注 9]。デトレフ・ヴィーネッケ=ヤンツとジェイムズ・ロヴィットは、ヴァンパイアをブラム・ストーカーに触発されたホラー設定であるレイヴンロフトの、典型的なモンスターとした[30][31]。一方『Backstab (magazine)フランス語版』のレビュアーであるフィリップ・テシエは、ヴァンパイアを「D&Dの古典」とみなした[32]

その他出版社

ヴァンパイアは、Paizo Publishingの『Classic Horrors Revisited』(2009)の46~51ページに詳述されている[33]

関連書籍

脚注

関連項目

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