乾いた花
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あらすじ
ヤクザの村木は三年の刑期を終えて世間へと戻ってきた。しかし彼を待っていたのは退屈な暮らしだった。組事務所も、昔の女も、とくに何も変わらないが、そのことがむしろ面白くなかった。しかも抗争の中で手を汚したにもかかわらず、争いはすでに手打ちとなっており、いまは手柄にすら数えられていない。
村木は空虚な思いを抱いたまま賭場に顔を出し、そこで見慣れない若い女、冴子の姿を見つける。場にそぐわない雰囲気の美しい女だが肝が据わっていて勝ち続け、場をさらっていく。しかし組のものに訊くと、彼女の素性も誰の伝手なのかも分からないという。
関心をいだいた村木は冴子に声をかけ、危険な賭博に惹かれている彼女の心の中にも、晴らすことの出来ない退屈と、破滅願望が巣食っていることを知る。身なりもよく、高級なスポーツカーを乗り回し、豊かな暮らしを思わす人々に囲まれている冴子だったが、けっして満たされているようには見えず、心の中は自分と通じるものがあるのではないかと村木は感じていた。
より大きな賭けがしたいと望む冴子を連れ、よその組が仕切る賭場で勝負に挑む二人だったが、そこで危険な匂いを漂わす葉(よう)という男と出会う。聞けば香港帰りのはぐれ者で、殺しや麻薬などの危ない噂に事欠かない男であるという。しかしあろうことか冴子はその男へと近づいていき、麻薬にも手を出し、村木のもとから離れていく。冴子に対する屈折した愛を強めていく村木だったが、そんなとき組同士の抗争が新たに勃発し、これに自ら飛び込む決意を固めた彼は、探し出した冴子を連れて、その目前で殺人を遂行してみせる。
